本「M/D マイルス・デューイ・デイビスⅢ世研究」上下①

先週、表題の本を漸く読み終えた。読み始めたのは今年に入ってから。買ったのは、去年10月。ラジオで、著者である菊地成孔(きくち・なるよし)さんが、この本について話したのを聞き、アマゾンで買った。もうひとりの著者は大谷能生さん。さて、この本、ケチなこの俺が「買わなければいかん!」と奮起させられたのだった。マイルス・デイビスを深く知りたいと数年前から望んでいる俺。届いてみれば、行き成り分厚い。上巻と下巻の文庫本で、どちらも、500以上のページ数だ。読書行為にとんと弱い俺は暫し本棚へ飾っていた。今年に入り、時間を決めて読んだ。読めて良かった。しかし難しかった。もう一度読み直さないといけない。いや、一度じゃ足りない。もっと読まなきゃ本当のところは理解できない。今回は、難しいのはさて置き、おもしろいエピソード話しを披露したい。菊地さんとケイ赤城さんの対談だ。マイルスのグループにおいて、赤城さんはアジア人ミュージシャンとしては唯一ただ1人の人物。下巻の323ページだ。菊地さん「マイルスに呼び出しをくらって叱られたことはありますか?」赤城さん「数回ありました。バッキングをするときに人のアイデアを追うな、と言うんですね。その電話が朝4時に掛かって来るんですよ(笑)。僕がぐっすり眠っているときに、電話が鳴って、取ったら英語でね(赤城さんがマイルスの声マネをして)、″ケニー・ギャレットの伴奏をするときには後から追うな″と。で、ガチャンと切られる」。これ、オカシイよなぁ〜(笑)。赤城さんは続けて「当然、それから全然眠れませんでしたよね。いまの話、なんのことだろうって一日掛かって考えるんです」、菊地さん「伝説のマイルス電話ですね。スフィンクスの謎掛けのような(笑)…死の間際までそうしたインスピレーションを周囲に振りまいていたというのは本当に素晴らしいですね…」。
ケイ赤城トリオ  吉祥寺Sometimeにて :::(このユーチューブで、初めて赤城さんを見た。888) https://www.youtube.com/watch?v=QavnfoyTwMA