俳優②

実は、この方は、この25年の間で15回ぐらい見掛けている。やがて、自転車に乗るその俳優と俺の距離の差が縮まる。お互い向き合うような格好だ。両者の間が1メートルになる。目と目が合う。ほころんだ顔の俺はさらに笑みを作り会釈した。そりゃしなきゃならんだろう。演技に凄みを感じさせ、我々の目を楽しませてくれる俳優なのだ。業界人ならず市民であっても会釈、挨拶はしてよい。なんならこのレベルの方なら義務付けてもよいくらいだ。このときの俺は気恥ずかしさ、照れくささより敬意が上回っていた。だから割合自然と会釈できたのだ。会釈する行為を為せてよかったと思う。
Jeff Beck / Spanish Boots (一分後に始まる・2705): https://www.youtube.com/watch?v=2R5JL3Wmepo