レコード・ジャケットという神話

レコード・ジャケットという神話

レコード・ジャケットという神話

ものまがじんの連載だそうである。そんなかんじだ。
もうロック話とかに興味ないので飛ばし読み。
相変わらずDVD鑑賞に追われているのでいい加減です。

ビル・グラハムは一九三一年一月八日、ベルリンでロシア系ユダヤ人として生まれ、フランスからニューヨークへと移り住んだ。「父は過酷な世界からやってきて自分自身しか信じていなかった。信じるものがなかったのだ」とデイヴィッドはいう。わたしは、ビル・グラハムが音楽にたいして青臭さを装おうとするところが好きだ。しかし彼のそれは、ロックンロールやポップ・ミュージックの世界に生きる多くの人たちと同じく、装いであることをだれもが見破れるものでもある。ビル・グラハムの嘘が他のものと異なるところがあるとすれば、それはロックンロールを見下しているところだ。彼の過去と比較すれぱ、そんなものははるかに生温いものであるし、それだけにビル・グラハムのことばには緊張感と迫力があった。わたしが好きだというのは彼のそういう部分である。

「オレたちはだれがなんといおうとノーザン・カリフォルニアのバンドさ」とドゥービー・ブラザーズのバット・シモンズは力説していたことがある。トム・ジョンストンにいたっては「商業主義的なサザン・カリフォルニアの連中と一緒にしてほしくないね」とまで話していた。
サンフランシスコとロサンジェルスがどれほどの距離を隔て、その街並みにどのような差があるのかをわたしがまだ知らなかったとき、(略)
  
写真家ヘンリー・ディルツとドアーズのレイ・マンザレックも先のふたりと同意見だ。彼らにいわせるとロサンジェルスは「ラヴィン」で、サンフランシスコは「ビー・イン」だという。つまり前者は直接的で肉体的、そして無垢なところがあり、後者は深くおとなびた印象を持つ。レイ・マンザレックにいわせると「この比較はベストで、インテリジェントなわたしたちならではの見解」だと笑っていた。