タイガー&ドラゴン「明烏」

落語の若旦那にあたるのが三人。落語の構造でいくと、親の依頼ということになるのだが、どうも全部虎児(長瀬智也)が仕切っているように思われる。

1.薬師丸ひろ子がどん吉の名前を知っていたこと
2.銀次郎が昇太に授業料を払ったこと
3.最後の寄席で薬師丸が虎児に挨拶していた
4.鶴瓶と若頭がわざとシリアスに長瀬を叱っていた
銀次郎を教育するために薬師丸を失踪させ、ついでにどん吉に押し付けてしまう。その手先となるのがメグミ(伊東美咲)である。そしてそうなると

  • 竜二(岡田准一)が三人目の若旦那になる。

これはなかなか恐ろしい。だって竜二はどん吉をハメているつもりで、自分は自由恋愛でメグミと付き合っているつもりなのだが、どうなのだろう。だって来週の予告の展開でいくと竜二は落語界に再度引き込まれていく展開になってて、そこでメグミが「面白い人好きになるのメグミはじめて。いっぱい面白いことして楽しませてね」とか言ってるわけですよ。メグミ花魁は竜二を面白い人にしようとしてるんですよ。虎児が竜二とメグミのキス話を軽く流してしまうのも、「想定内」のことだからではないでしょうか。するとなんだかんだ言っても実は竜二に戻ってきて欲しい師匠の意をくんで虎児がメグミに誘惑させてる。えー、夢がナーイ、竜二がカワイソー。
でもねー、そもそも今回の話は負け犬女と負け犬オタクは付き合えるかというか、負け犬も肩肘はらずに親の御膳立てにのっちゃえよということなのだが、もう少しいくと、お見合いと自由恋愛ということになりまして。仮に将来薬師丸とどん吉が結婚したら、出会いはある種仕組まれたものだという認識はあるのである、プチ見合いだったよねとかなんとか。ところが竜二はメグミとは自由恋愛だと思っている。だが、だが、ということだ。自由恋愛はホントに自由なのかーい(井上マー風)、実はハメられてるんじゃないかーい。
竜二とメグミがキスしてるところに、「若旦那、いかがですか、御篭りの具合は」というどん吉の落語が重なる。ここでの若旦那は竜二であり、どん吉は竜二がハメられている構造を語っていて、なおかつどん吉が薬師丸に落語を語って聞かせる状況にハメたのは竜二他であって。こんなカンジの構造が重なっていくクドカンマジック。
竜二は落語に戻りそうな展開なんですけど、それよりわけありの幼馴染という再会をしてる竜二と銀次郎、そしてどう見てもリサ(蒼井優)は竜二が好きそうであって、こっちのネタフリはどうなるんでしょう。
そんな話もありつつ、どん吉が薬師丸と対面して一皮剥けることで落語を「現代」に対応させていくことを学んだり、虎児が銀次郎に芸道論を語ったり。今日のクドカンタイガー&ドラゴンマニフェスト

俺みてえになりてえなんて言うな
俺はもう、居んだからよ

そもそも出だしから、かなり喧嘩売ってる。というか未だその意味するところを把握できていない気がする。

負け犬といいますが、男性の場合はいちがいに言えません
男社会は勝ったり負けたり連戦連勝はありえない

とりあえず、負け犬女の皆さんは、ドン、ドン、チャラ?ポワと、と若旦那の手を握っちゃってください。ナニ?借金はない、失礼しました。