本と奇妙な煙 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2008-06-30 週プロ崩壊序曲 このエントリーを含むブックマーク

週プロ全盛→崩壊過程、著者が関係していた全女&FMW系のウラ話が主だが、それ以外の人でも面白いと思う。

虚虚実実が入り乱れ、アングルなのかハプニングなのかわからなくなっていく様子がオモロ。

よくわからないのが、著者の下半身事情が記されること。なぜ同期鈴木健までネタにするのか思えば、それは著者を週プロ辞職に追い込むターザン妻が鈴木健と……するからかあとナットク。

自分が関与したマッチメイクやアングルを自分でハイプするようになったから週プロは崩壊したのだなあと、しみじみ思った。


ぼくの週プロ青春記 90年代プロレス全盛期と、その真実

作者: 小島和宏

出版社: 白夜書房 発売日: 2008/03/15

初インタビューはチョチョシビリ。KY発言でお蔵入り。

異種格闘技戦?いいえ、私がやったのはプロレスですよ。本当の裏投げを出したら恐ろしいことになります。でも、猪木さんはとても親切で上手でした。

  • 欠場できないTV&タイトルマッチの際は注射で生理を遅らせていると知りビツクリ。

会場でもファンから要望が伝えられ

もっとすごいときには、後楽園ホールの試合後、会社の前に何十人ものファンが待ち構えていて「あの試合をたくさん載せて下さい!」「今日の興行はおかしすぎる。週プロが叩いて下さい!」と集団直訴されることもあった。(略)インターネットが現れる前から、週プロと読者のあいだにはインタラクティブな関係が出来上がっていた。それは心地いい緊張感でもあった。

全女の前座試合はすべて実力主義。UWFブームに便乗した格闘技戦もガチ。

 全女のすごいところは、こういった特殊ルールの試合だけでなく、普通のタッグマッチにもガチンコを仕込んでいたことだ。

 ある日のメインイベント。(略)「最後に両チームが場外で乱闘を繰り広げ、先にリングに戻ったほうが勝ち」という、ものすごい結末。ここまでくるとプロレスではなく、ちょっとしたゲームだ。これがテレビマッチなのだから、全女の狂いっぷりには恐れ入る。

(略)明らかに普通の場外乱闘とは違う、ドタバタとしたみっともない光景。なにせ、この試合に勝てばその後に勃発する世代闘争ストーリーの展開で優位に立てることが約束されているのだから、何がなんでも勝ちたいのだ。(略)

裏事情を知った上で見ていると「人間って、必死になるとこんなにもすごい力が出るものなのか?」と妙に感心してしまったが、プロレスの試合として見た場合、なんともブサイクなフィニッシュになってしまった。

[当然両チームとも試合後のコメントは歯切れが悪く]

そんな中、山田が「近いうちに再戦したい。今度は先に戻ったほうが勝ちとかじゃなくて……」と口を滑らせた。

[あせってごまかす山田、気まずい空気に裏事情は知っているから安心してと明かす著者](略)

「本当に?会社の人から、マスコミの人たちはプロレスを真剣勝負だと思っているから、絶対にバラしちゃダメだって言われたよ」

「それはたまに取材に来るテレビ局や一般誌の人たちのことでしょ?僕らは裏側を知ってないと記事なんて書けないし

(略)[「もっと早く言ってよー」と山田]

ゴング。部数も路線もちがったが、週プロは強烈に意識していた。特にトップ2が。

 あるとき、ゴングの売れ行きが好調だった週があった。すると、山本編集長は僕らに向かってこう叫んだ。

 「金輪際、ゴングの人間とは一切、口を利くな。挨拶もするな。これは編集長命令だ!」(略)

ゴングで三年間バイトをしたあと、ベースボール入りした宍倉次長も激しくゴングを意識し、記事の順番や大写真がかぶっただけで不愉快そうにしていた。

SWSバッシング

に関しては、完全に山本編集長の独断で、我々編集部員も「このままエスカレートしていったら、どうなってしまうんだろう?」と内心、思っていた。(略)

[圧力にめげず攻め続け]

他のメディアを「御用マスコミ」のように見せ、「週プロだけが真実を伝えている」という評価を獲得することになるのだから、やはり稀代の天才編集者だったんだなあといまさらながら思う。まさにターザンマジックである。

プロレス界にスクープなし

 実はFMWに限らず、インディー団体の場合、事前に「この日は取材に来たほうがいいですよ」というお知らせがある。(略)

[だから最果ての地で事件が起こってもちゃんと記事になる]

今後のストーリー展開についても、ある程度の説明はあった。

[それを知らないと団体側や選手が意図的にやっていることを叩いたり、不掲載にしてストーリー展開を断ってしまうことになるから](略)

対戦カード表を見る限りでは三ページしか必要ないと判断されるような興行でも、アッと驚く乱入劇などがあったらページが足りなくなる。だから、事前にある程度の流れは知っておく必要があった。

 「プロレス界にスクープなし」という言葉があるのはそういう理由があるからだ。各社の担当記者は、その後に起こることをだいたい把握している。それを記事にしてしまえば、間違いなくスクープとなるが、それだけは絶対にやってはいけないフライングだった。

台風でリングが届かない。そこで急遽体操マットでノーリングマッチ。臨機応変すごいぞFMWと思いきや

 実はこのノーリングマッチは、大仁田と東スポが練り上げた壮大なアングルだったのだ。台風で他のスポーツがすべて中止になり、一面が空いた東スポと協議し、一面をゲットできるという条件つきで大仁田がGOを出したという。リング輸送車が遅れていたのは事実だが、試合開始時間を遅らせれば間に合ったらしい。マットの数が足りずに正方形にならなかったり、とにかくリアルなハプニング的な仕掛けがたくさんあったのでコロッと騙されてしまった。

掲載写真をクイズ正解者プレゼントにしたら

誌面での掲載の大小に関わらず、今でいうイケメンレスラーと可愛い女子レスラーに応募が偏る傾向が見えてきた。「女子プロレスを真面目に扱ってくれるから週プロが好きです!」なんて書いている読者の希望写真が「凶器攻撃で苦悶の表情を浮かべるキューティー鈴木」だったりして……たった一枚のハガキから本音と建前がハッキリと見えてくるのも面白かった。そして、女子プロレスをちょっとエッチな視点で見せてもいい時期に来ているんだな、とも感じていた。

著者がくどめに提案したフィニッシュが不発に

凄惨なフィニッシュを想像していた観客は「えっ、これで終わり?」といった反応だった。

 最前列で試合を見ているから、その反応は僕の背中にも突き刺さってくる。僕がバックドロップを勧めたばかりに妙な余韻を残してしまった。そんな責任も強烈に感じていた。一周年記念という晴れの舞台を台無しにしてしまったのではないか、と。

 それをフォローすべく、誌面では女子プロレスにおける垂直落下バックドロップがいかに珍しいものなのか、ということをくどいぐらいに書いた。(略)本当は記者として踏みこんではいけない領域なのかもしれないが、僕はどんどんこのスタイルに走るようになっていった。

単なる取材記者としてではなく、アングルや試合のフィニッシュにまで口を挟むようになっていたのだ。

  • イタコ

これであとはよろしくと大仁田から与えられた「デスマッチ、ヒューマニズム、生きる」という三つのお題をもとに「俺はデスマッチで生きるんじゃあー!」などと口走りながら、大仁田になりきってインタビューを創作

  • 一休

四天王プロレスを陰で支えていたのは、間違いなく市瀬さんだ。

[キャピトル東急ホテルでの馬場夫妻とターザンの会食に]

市瀬さんもよく顔を出し、馬場さんに「一体」と呼ばれていた。その席上でアッと驚く頓智のような知恵を馬場夫妻に授けていたのだろう。四天王プロレスを陰で支えていたのは、間違いなく市瀬さんだ。

 全日本プロレスという大メジャー団体を担当するということはそういうことなんだな、と思った。そして、それは僕には到底できないことだな、とも。業界全体を冷静に見つつ、誌面上はあくまでも熱く語る。僕の場合、熱く見て、さらに熱く語りすぎていた。

明日に続く。