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木ノ内博道の[里親家庭支援のつれづれ日記]

2017-12-10

ビジョンのこれから

23:10

社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会が月1ペースで開催されている。厚生労働省は、8月に新しい社会的養育のあり方に関する検討会において取りまとめられた「新しい社会的養育ビジョン」の「見直し要綱」を年内に提示するとしている。

今後は、年内に専門委員会をもう一度開催し、委員の意見を反映させながら「見直し要綱」を作成し、年明けに都道府県(市)に提示。平成30年度いっぱいをかけて都道府県推進計画(15年計画)の見直しを行い、平成31年度から計画を実行に移す予定とのこと。

今後の作業日程としては、年内までに「一時保護ガイドライン」を見直し見直し要綱」に反映させる。「フォスタリング機関事業」と「乳児院児童養護施設の多機能化・機能転換」については年度内にとりまとめ都道府県(市)に提示するものに含めるとしている。

2017-12-02

一時保護指針を作る動き

22:38

虐待などで親子分離を必要とする際、検討に時間がかかったりすると、子どもを守ることができない。そこでいくつかの自治体では一時保護についての独自基準を作っている。実親の反対があっても親子分離できるようにするためだ。厚生労働省も同様のガイドライン作りを検討しているとの報道がある。

子どもは第一義的には親と暮らす権利を有している。それを前提としながら子どもの権利を守るために親子分離するのであれば、簡単に親子分離できるようにするのも必ずしも賛成とは言いかねる。司法の関与などがぜひとも必要だろう。

また、近年、一時保護委託に里親を活用する動きが広がっている。これについても、ぜひとも一時保護委託のガイドラインを作ってもらいたいものだ。もちろん施設より里親を優先すること。通学などが可能となるよう学区内に里親を開拓すること、一時保護所には24時間上はおかず一時保護委託を原則とすること、など。

国連子どもの権利委員会に提出した政府報告への指摘をしたカウンタ―レポート案でも、現状のような一時保護は子どもの権利条約上の拘束、拘禁にあたるとした。

2017-12-01

新聞を読んで(津崎哲郎さんの記事に違和感)

18:08

今日(12月1日)の朝日新聞に「里親は根付くか」と言う1ページを使った記事が載った。児童福祉法改正に功労のあった塩崎恭久前厚労大臣、虐待防止協会理事長の津崎哲郎さん、当事者の立場から坂本歩さんの3名が寄稿していた。

塩崎前大臣は改革の熱い思いを、そして坂本さんは当事者支援の必要を書いていた。

違和感をもったのは津崎哲郎さんの記事。「政府の新たな目標は、あまりにも性急」として、従来の15年計画を支持している。津崎さんは全国里親会の副会長でもある。率先して家庭養育を推進する立場かと思っていたので、とても残念だ。困難があったとしても、全国里親会の副会長として、新しい目標にチャレンジする“覚悟”が聞きたかった。

結びの言葉「司法との協働がなく里親推進と言っても、実現はなかなか困難です」も、どこか批評的。“司法との協働”が難しいとしても、それならそれに立ち向かえばいいではないか。子どもの権利擁護のために家庭養育を推進しようという改正児童福祉法の思いをリアルにとらえていない意見に落胆さえおぼえる。

孤児院の悲劇孤児院の悲劇 2017/12/02 07:07 ご覧になれるかわかりませんが、このようなニュースを目にしました。

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/17711
新ビジョン一色の大会 児童養護施設への偏見だと批判
(福祉新聞 2017.12.01)

2017-11-29

自傷行為に関する『自分を傷つけずにはいられない』を読む

23:49

千葉県柏市里親のための読書会をやっているが、今回取り上げたのが上記の本。

里親家庭にやってくる子どもには自傷行為をする子どもたちが比較的多い。それに対して、里親はどうしたらいいのだろう。私自身も経験があるが、的確に対処できたとは思えない。

本書ではまず自傷行為の周辺の問題として、過薬、薬の乱用、摂食障害、酒、たばこドラッグなどの関係にも触れている。ピアスやタトゥと自傷行為についても。

で、自己治癒仮説が紹介される。子どもの頃コントロールばかりされてきたので、自分でコントロールする試みとして。

関係性の自傷として、3つ紹介している。’Г瓩討れないなど否定される関係性、⊃得擇善意といった支配される関係性、K榲のことが言えない関係性。

そのうえで、自傷せざるを得ない現実に目を向けていく。原因を探り、自傷を行う場所や使う道具(爪や歯なども)、実行までの時間、傷の観察、やった後の気分、感情など。

解離を伴う自傷があることも。解離と自傷は似ているという。自傷は心の痛みに対する鎮痛効果があるがそれがだんだんなくなっていくと危険。痛みの知覚と記憶について振り返ってみることが解離であるかどうか、確認するうえで役に立つ。

禁煙と同じで、やめるには何度も失敗を重ねながら、という。すぐやめられなくても責めないこと。

さて、里親としてだが、告白が信頼する人に向かっているなら良い方向に向かっているという。養育者として、冷静になること、告白してくれたことをねぎらう、自傷の背景に関心をもつこと。

自傷日記を書くことを勧めている。防ぐ方法には2つある。1つは刺激的置換(叩いて腕を赤くするなど)、そして鎮静的置換(呼吸に意識を注意するなど)。

解離対策としては、日付や名前を思い出す、現実を意識する、自助グループにつながる、など。

ユニークな指摘として、女性は同性との結びつきが大事だという。男性だと餌食になってしまいがち。男性依存とか。

解離との関係では、性的なトラウマが原因だと、性的に奔放な人格交代がある、と。

まりんまりん 2017/12/07 13:02 自閉症児には、自傷行為が多い。
ここで語りつくせないが、心、気持ちを追いかけていると、見えなくなるが、
複合的に神経やホルモンなど心身の身のほうからの影響が大きかったりする。
人間もどうぶつなのだなあと思う。痛いという感覚に鈍麻になっていることもある。
脳の機能低下が後天的が先天的かの違いだけのような感じもする。
脳の神経も退化するだけではないらしいこともきく。
里子への愛情だけのケアは限界と不足をかんじる。

kino926kino926 2017/12/07 21:04 まりんさま、コメントありがとうございます。
自閉症児の二次障害ともいえるものだと思いますが、現実から受けるストレスはとても大きいと思います。自閉症児だけではないのですが、障害児にも開かれた社会であるべきでしょうね。

2017-11-24

『誰もボクを見ていない』(山寺香)を読む

15:56

知人に勧められて読んだ。

2014年埼玉県川口市で発生した殺人事件ノンフィクション

祖父母が少年(17歳)に刃物で刺され亡くなった。金目当てだったと警察に供述しており、少年の身勝手な、ありがちな事件と誰もが考えるが、この少年は長期にわたって虐待を受けており、浪費癖の母と乳飲み子の妹で、ラブホテルや野宿をして暮らしていた。学校には小学4年までしか行っておらず、居所不明児。この閉鎖的な家族に誰も介入することはなかった。

殺人を犯したのは間違いなくこの少年なのだが、境遇から救えなかった社会のほうが罪を引き受けざるを得ないような思いにかられる。

居所不明児、日本の社会に何人くらいいるのだろう。不明児なのだから実態は分からない。それだけに、闇の部分としか言いようがない。

子ども福祉にかかわる人にぜひ読んでみてほしい本だ。