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木ノ内博道の[里親家庭支援のつれづれ日記]

2016-06-26

サイコ小説にはまる

18:06

精神障害関係を理解するために小説を読むのは邪道だと思いながらつい読んでしまう。特に今回読んだ『症例A』(多島斗志之著、角川文庫)は面白く、症状理解もできる。分裂症かと思うと境界性人格障害、かと思うと解離性の人格障害と進んでいく。

写真からのけ者扱い

09:32

里親家庭の子どもが幼稚園や小学校に行っていると、撮影などの扱いが難しい。幼稚園や小学校に入園入学するときに、撮影していいかどうかの通知がある。そこに撮影はダメと書くと、撮影に配慮がある。

ある子どもが運動会でみんなで写真を撮ろうとしていたら先生が○○子ちゃんはダメと言われて、泣いて帰ってきたそうな。のけ者にされた悲しさが伝わってくる。

要保護児童については確かに最低基準で守秘義務の対象になっている。里親が委託を受けて、嬉しさのあまりSNSの載せて児童相談所から注意を受けた話は枚挙にいとまがない。しかし、幼稚園や小学校で集合写真からのけ者になるのはどうかと思う。

28条措置に限るとか、何かルールがほしいものだ。

同様の問題で誰かお知恵をいただけると幸い。

2016-06-23

改正児童福祉法の施行上の課題

18:24

大きな変更を伴いそうな今回の児童福祉法改正。思いつくまま課題を挙げてみた。それぞれに説明が必要だが、まずは箇条書き。

1.子どもの権利関連

子どもの権利侵害の監視機構をどうするか――都道府県社会福祉審議会に設置することで機能するのだろうか

子ども意見表明権をどう担保するか――アメリカでは子ども一人一人に意見表明権を代弁する大人がつくという

2.社会的養護全体への影響

・15年計画をどう見直すか――目標の見直し、養子縁組を目標と項目として加える

・乳幼児の家庭養育をどう進めるか――乳児院

児童養護施設の小規模化について

・施設長期入所児童の問題――5年以上入所している子どもが4割

3.里親支援

里親支援の在り方――フォスタリングエージェンシーの構想の具体化

4.里親

里親開拓――数の開拓と同時に質の担保

里親の名称――専門委員会では名称を変える意見があったが

5.養子縁組

養子縁組の相談、支援体制――児童相談所の業務としたが

養子縁組希望者の欠格事項

養子縁組ガイドライン作り(里親委託ガイドラインの養子バージョン)

養子縁組の最低基準、養育指針(里親の養育指針のようなもの)

・民間の養子縁組あっせん機関の在り方

・養子を進めるには親権の制限を強くする必要がある――パーマネンシーを実現する仕組み作り

6.社会的養護経験者の自立

・22歳までの家庭養育の方法――自立援助ホームについては触れているが

・20歳までの措置延長と支度金、居所指定の問題――措置延長はするが就職・進学支度金は出さない自治体が多い

里親会の在り方(里親開拓、質の担保、養子縁組

7.その他

弁護士司法関与のルールつくり

里親会の在り方

2016-06-20

「はじまりが半分だ」

08:04

昨日は里親の認定研修の講師をしてきた。里親になりたいという人、これからの人に向かうのは気持ちのいいものだ。帰りに、もう少しで読み終わる本を読んでしまおうと喫茶店に入った。ページを開いて、出てきた言葉が「はじまりは半分だ」という韓国のことわざ。早く読んでいればみんなに紹介ができたのに、と残念に思った。はじめた時ですでに半分は達成している。はじめなければゼロなわけだから、確かにそのくらいの言い方になるだろう。

この本。『清冽ーー詩人茨木のり子の肖像』(後藤正治著、中公文庫)はいい本だ。この言葉が出てくるのは、茨木のり子ハングルを習い始めて、金裕鴻が初講座で紹介したもの。その後のり子は韓国の詩を日本に紹介していく。次のページにこんな詩が紹介されている。

人を探しています

年は はたち

背は 中くらい

まだ生まれた時のまんまの

すももいろの膝小僧 鹿の瞳

ふくらんだ胸

ひとかかえのつつじ色の愛

陽だけをいっぱい入れた籠ひとつ頭に載せて

或る日 黙ったまま 家を出ていきました

誰かごらんになったことはありませんか

こんな世間知らずの ねんね

もしかしたら今頃は からっぽの籠に

白髪と悔恨を載せて

見知らぬ町 うすぐらい市場なんかを

さまよい歩き綿のように疲れはて眠っていたりするのでは

連絡おねがいいたします

私書箱 追憶局 迷子保護所

懸賞金は

私の残った生涯 すべてを賭けます

「人を探しています」という詩だが、私の残った生涯のすべてを賭けます、というあたり、なんだか里親を志す人の思いに似たものを感じる。

2016-06-18

里親が虐待を疑われると

07:48

里親による虐待が疑われ、誰かに通報されるとする。そうすると、社会に貢献する里親像が一転危険人物として扱われる。疑われただけでも、だ。

児童相談所の対応は虐待があるかどうかよりもまず子どもを救わねば、と言うことから、保育園、幼稚園、小学校などから里親に連絡もなく保護する。保護と言えば聞こえはいいが、養育者である里親には何の連絡もなく、だから拉致と言ってもいい。里親は心配してさまざまに探す。それで児童相談所が連れていったことが分かる。そんな具合だ。

第一に子ども、と言うのは分かる。しかし虐待の通報がそのまま虐待だ、と言うのではないだろう。そこが難しいところだが、里親児童相談所は信頼をベースに関わってきただけに、疑いから子どもを拉致して里親を犯罪者扱いするのもどうかと思う。信頼はせいぜいそんなものだったのか、と言うことになる。

子どもの権利に反対の声がある?

07:35

改正児童福祉法の第一条に「子どもの権利条約の精神にのっとり」とあって、子どもを権利の主体者とみる考え方は素晴らしいと思っていたが、今日の朝日新聞で、子どもの権利に反対する声のあることを知らされた。「自分で稼いで食べているわけでもない子供に下手に権利なんて覚えさせちゃ駄目よ! ろくな大人にならないわ」

何事にも反対の声と言うのはあるのだな、との思い。

生きてきた実感から言っても、子ども時代は生きづらかったな。子どもの声を聞くと増長するなんて、よほどいい子ども時代を過ごしてきた人たちなんだろう。

2016-06-17

『夜中に犬に起こった奇妙な事件』を読む

11:38

『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(メーク・ハッドン著、ハヤカワepi文庫)を読んだ。15歳の少年が書いたミステリー小説という形をとっている。近所の知り合いの犬が庭で殺されているのを発見して犯人探しを始める。

読み進むと、この少年は特別支援学校に通っていて、ある種の発達障害であることが分かる。この種の発達障害子ども里親のもとに来ることが多く、養育の難しい子どもだ。それだけではなくて、奇声を発したりするから虐待をしていると間違われやすい。そうした経験を持つ里親も多いに違いない。

そうか、こうした子どもにはこう接しないといけないんだ、と気づかされることが多い。そういう意味で、里親にお勧めの本である。

しかもいやいや学ぶというのではなくて、ハラハラドキドキ、楽しみながら読めるのでありがたい。