「暗がりのあかり チェコ写真の現在」@SHISEIDO GALLERY
チェコの絵画や人形劇、アニメが好き。カレル・チャペック、トゥルンカのようかわいらしい絵も好きだし、一方、オテサーネクの世界も見るのに気力が必要だけど、悪魔的に引き込まれる。そういえば、先日みたミュッシャ*1もチェコ出身。
チェコの文化は暗く深い森とそこに息づく動物たち、そして土の香りがする。案外そんなところが日本と通じてもいるとおもう。
今回見た写真展でもそんな空気が漂っている。
10名の写真家たち。50点の作品。
トノ・スタノはとてもスタイリッシュな写真を撮る。美しい女性。綺麗な線。影。かつ、オリエンタルな雰囲気を漂わせている。
ミハル・マツクーの写真の一部を引き裂くことで、まるで本当に肉体を引き裂くような印象を持たせる写真。肉体を超越したいとでも叫んでいるかのよう。
あぁ、これぞチェコの絵本の世界に通じると思ったのは、ルド・プレコップの写真。人をハリネズミに見せる「ハリネズミ」の感じとか、「かくれんぼ(Hiding Game)」という写真では、4人の人がいて、それぞれ手に何かがあるのだけどそこが白く切りぬかれている感じとか。その配列、手のしぐさ、そういうものがとってもチェコっぽい。乱暴な言い方だけど。
それに、ディタ・ペペ。あの明度の高い色彩。森を背景に男性、または子供も一緒に疑似の家族やなんらかの関係性を示すかのような「男性とのポートレート(Self Portrate with men)」というタイトルの写真。少し田舎っぽい、少しおしゃれ、少しキッチュ、少しおかしい。そんな雰囲気。
他の作家の作品も見ごたえがあり、大変満足。
「暗がりのあかり チェコ写真の現在」
8月8日(日)まで
資生堂ギャラリー
SHISEIDO GALLERY | 資生堂グループ企業情報サイト
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