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Fool in Trance

2018-10-18

『ランペイジ 巨獣大乱闘』(ブラッド・ペイトン) 


 ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン主演の『ランペイジ 巨獣大乱闘』鑑賞。遺伝子実験の失敗で巨大化した白ゴリラ、ワニ、オオカミが街を襲う、というこれ以上ないくらいシンプルなお話。直球ど真ん中の怪獣映画で楽しかった。表題の「巨獣大乱闘」に主人公が参戦しての後半など、モンスターの巨大感、破壊の規模感など「これぞ怪獣映画の醍醐味!」と言いたくなるような見事な演出を堪能。さらに主人公と白ゴリラの共闘が実に上手く描かれていて、白ゴリラ(ユーモアを解するという設定)がとんでもないギャグを繰り出すラストにはようやるわいと感動した。


(『ランペイジ 巨獣大乱闘』 RAMPAGE 監督/ブラッド・ペイトン 脚本/ライアン・イングル、カールトン・キューズ、ライアン・J・コンダル、アダム・スティキエル 撮影/ジャロン・プレサント 音楽/アンドリュー・ロッキングトン 出演/ドウェイン・ジョンソンナオミ・ハリスマリン・アッカーマンジェフリー・ディーン・モーガン、ジェイク・レイシー、ジョー・マンガニエロマーリー・シェルトン、デミトリアス・グロッセ 2018年 107分 アメリカ

2018-10-17

『アントマン』『アントマン&ワスプ』(ペイトン・リード) 

アントマン (字幕版)

アントマン (字幕版)


 アメコミ映画化作品が全盛の現在、機会があれば一応チェックしているものの、いまひとつのめり込めずにいる。このジャンル、シリアス路線に行き過ぎると馬鹿馬鹿しいし、かといって『デッド・プール』の悪ノリにもいまいちついていけなくてもどかしい。そこで『アントマン』、粗筋だけ聞くと相当馬鹿馬鹿しいなあと思うが、映画はヒーローもの本来の大らかさや荒唐無稽な面白さがのびのびと描かれていて、予想よりずっと面白かった。主人公が特殊スーツを使いこなせるようになるまでの訓練、ユーモラスな登場人物たちの出し入れ、小型化したヒーロー目線の映像、蟻軍団の活躍、唐突な音楽ネタ等々、見どころは多い。本作は当初エドガー・ライトが撮る予定だったらしい(脚本家の一人としてクレジットされている)。主人公の悪友マイケル・ペーニャが(脱線を繰り返しながら)語る事の顛末を素早い編集で見せる場面などにエドガー・ライト痕跡が残っているようだ。悪役の一人でハル・ハートリー作品の常連マーティン・ドノヴァンが出ていた。


 1作目が非常に好印象だったので、続編『アントマン&ワスプ』は劇場に足を運んでみた。前作同様にアクションの緩急が見事で、ユーモアを交えたキャラクター描写が好ましく、お話が深刻になりすぎないのが良い。マイケル・ペーニャ一味が適度に活躍するのが嬉しかった。音楽ネタは前作のザ・キュアーに続いて、今回はまさかのモリッシー。楽しかったなあ。思わせぶりな幕切れはアベンジャーズ新作への布石か。


(『アントマン』 ANT-MAN 監督/ペイトン・リード 脚本/エドガー・ライトジョー・コーニッシュ、アダム・マッケイ、ポール・ラッド 撮影/ラッセル・カーペンター 音楽/クリストフ・ベック 出演/ポール・ラッドマイケル・ダグラスエヴァンジェリン・リリー、コリー・ストール、マイケル・ペーニャボビー・カナヴェイル 2015年 117分 アメリカ


(『アントマン&ワスプ』 ANT-MAN AND THE WASP 監督/ペイトン・リード 脚本/クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、ポール・ラッド、アンドリュー・バレル、ガブリエルフェラーリ 撮影/ダンテ・スピノッティ 音楽/クリストフ・ベック 出演/ポール・ラッドエヴァンジェリン・リリーマイケル・ダグラスマイケル・ペーニャウォルトン・ゴギンズハナ・ジョン=カーメンローレンス・フィッシュバーンミシェル・ファイファー 2018年 118分 アメリカ



ディスインテグレーション

ディスインテグレーション


2018-10-16

ベベンといえば


 映画マニアのツイッターがベベン、ベベンと騒がしい。


 我らがジョン・カーペンターによる普及の名作『遊星からの物体X』デジタル・リマスター版が劇場公開、それに先立ち爆音映画祭で先行上映されたとのニュースである。宇宙空間を引き裂くようにメインタイトル「JOHN CARPENTER'S THE THING」が出て、舞台となる雪原が映し出されると、件の「ベベン」が響き渡る。巨匠エンニオ・モリコーネが音楽を手掛けたにもかかわらず、毎度お馴染みミニマムなカーペンター・サウンドだったのでモリコーネファンが首をかしげたアレである。さておき、大スクリーンでベベンを、いや『物体X』を楽しめるとは素晴らしい。



2018-10-13

『勇者の赤いバッヂ』(ジョン・ヒューストン)

勇者の赤いバッヂ [DVD]

勇者の赤いバッヂ [DVD]


 長いこと気になっていたジョン・ヒューストン監督『勇者の赤いバッヂ』(1950年)。これぞジョン・ヒューストンの最高傑作と評する人も多い。10本入り戦争映画DVDセットに収録されているのを見つけて、慌てて購入、ようやく鑑賞と相成った。


 名誉の負傷を意味する「勇者の赤いバッヂ」をタイトルに掲げた本作は、南北戦争を舞台に敵前逃亡する若い兵士の苦悩を描く。第二次大戦の英雄として知られるオーディ・マーフィを主演に迎え、南北戦争敵前逃亡する新兵を演じさせている。ヒューストン自身ドキュメンタリー撮影のため戦地を経験しており、兵士目線でリアルな戦場を描こうとした意欲作だったがプロデューサーに嫌われ、ヒューストンが次作のロケで不在の隙に勝手にバッサリとカットされてしまったという。わずか69分という長さにカットされてしまったとはいえヒューストンの意欲や演出力は充分に伝わってくるので、完全版を見たいと思わせるに充分な出来栄えを示している。とりとめのないフィルモグラフィーや自伝を読んでの印象はマッチョな変人という感じだが、本作の繊細な演出を見ると確かに只者ではないなあと思う。

  

(『勇者の赤いバッヂ』 THE RED BADGE OF COURAGE 監督/ジョン・ヒューストン 脚本/ジョン・ヒューストンアルバート・バンド 撮影/ハロルド・ロッソン 音楽/ブロニスラウ・ケイパー 出演/オーディ・マーフィ、ビル・モールディン、ジョン・ディークス、アーサー・ハニカット、ローヤル・ダーノ、アンディ・ディヴァイン 1950年 69分 アメリカ



王になろうとした男

王になろうとした男

2018-10-12

『夜明け告げるルーのうた』(湯浅政明)


 劇場公開時はスルーしていた本作、友人が面白かったと言っていたのでチェックしてみた。人魚伝説が伝わるさびれた田舎の港町が舞台。宅録少年カイと音楽が大好きな人魚の少女ルーの交流が、やがて町を揺るがす大騒動に発展して行く・・・というお話。これは湯浅監督からの宮崎監督(特に『ポニョ』)へ回答、みたいな映画だった。人魚言動はまるっきりポニョ風だし、水没する町など映像的な共通点もある。どっちが良い悪いという話ではないけれど、『ポニョ』が「童話ってこうだろう」とばかりに端折っていた部分をきちんと描いてくれていたので、個人的には『ルー』の方が好きだったなあ。


 冒頭で主人公と級友がお喋りしながら学校への坂道を進んでいく(途中で町の人々と挨拶を交わす様子で登場人物たちの立ち位置が分かり、海を臨む町の風景も描かれる)あたりでもうこれはいいぞと思った。田舎の感覚が上手く描けていたし、アニメーションならではの動きの見せ場もあり、良い映画だと思う。既成曲(斉藤和義の『歌うたいのバラッド』)が感動的に使われているのも良かった。人間と人魚共存というあたりもきちんと描かれている。一緒に見ていた娘(6歳)は人魚父親や犬たちなど動きの面白さに魅せられていたようだった。娘は映画がかなり気に入ったようで、斉藤和義の曲を「いっしょに歌いたいから歌詞を書いて!」と言ってきた。


 個人的にはEテレの子供番組「いないいないばあ!」で名物キャラクターのワンワン(オネエっぽい喋りの着ぐるみの犬)を演じているチョーが水産会社の社長役を演じているのがツボだった。


(『夜明け告げるルーのうた』 監督/湯浅政明 脚本/吉田玲子湯浅政明 撮影/バテイスト・ペロン 音楽/村松崇継 出演(声)/谷花音下田翔大、寿美菜子斉藤壮馬菅生隆之、チョー、柄本明 2017年 113分 日本)


歌うたいのバラッド

歌うたいのバラッド