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Fool in Trance

2016-08-17

「唇の出たライダー」とか、その他

 5日間の夏季休暇はあっという間でした。せめてもう2、3日休みたいなあと思いますが、これ以上休むと社会復帰出来なくなりそうな気もします。


 今年も2泊3日のスケジュールで秋田の実家に帰省しました。例によって行きと帰りに約10時間の長距離ドライブ付き。帰省渋滞に加え、子供を乗せているので休憩を長め多めに取ることもあって、どうしてもこれくらいの時間がかかってしまいます。深夜に移動すれば時間を短縮出来るのかもしれませんが、運転&体力に自信がないもんで、夜のドライブは避けているのです。帰りはペース配分を間違えて、千葉に戻ったのは結局夜(22時半頃)になってしまいましたが。しかも前方車両が追突事故起こしたのに遭遇したりして(車間距離とってて良かった・・・)、かなりスリリングなドライブでありました。それにしても今年はやけに事故渋滞の区間が多かったように思います。


 12日は故郷の友人たちと約1年ぶりに飲みに行きました。久しぶりなんで、思いっ切りヲタ話してきました。いろいろと得た情報を今後のヲタ活に生かしていきたいと思います!若干飲みすぎて、翌朝は二日酔い気味でした。お付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました。


 話変わって。現在、「東京メトロスタンプラリー2016 歴代仮面ライダー大集合!」というのが行われています。東京メトロ各線の37の駅に、歴代仮面ライダーのスタンプが設置してあり、コンプリートすると景品がもらえるという夏休みイベント。駅に貼り出されたポスターを見た娘(4歳)が何故か興味を示して行きたいと騒ぐので、休暇の最終日に一緒に行ってきました。一日乗車券を買って、半日かけて娘と日比谷線東西線の途中まで回って14個のスタンプを押してきました。浦安駅のおねえさんの話だと、皆3日間くらいかけてコンプリートするそうです。お父さんと小学生低学年くらいの男の子の2人連れが多かった。女の子はほとんど見かけなかったなあ。スタンプの台紙に載っている全仮面ライダーの写真を見ながら、どのライダーが好きか聞いたら、娘は「唇が出てるの」との答え。「唇が出てるの」って誰?と思えば、ライダーマンのことでした。確かに出てるわ唇。そもそも娘は仮面ライダーなんて見たこと無かったはず(秋田の実家で従兄弟と一緒に「ゴースト」を見たのが初めてではないか)で、何ゆえにスタンプラリーをやりたいと言い出したのかはわかりません。地下鉄の構内でスタンプ台を見つけると「ジュウオウジャーがあった!」と叫びながら駆け出していたので、別のものと間違えていたのかもしれん。にしても「ジュウオウジャー」だって見たことないはずだが・・・。さておき、こちらは仮面ライダーといえば初代から「ストロンガー」辺りまでリアルタイムで見ていた世代なんで、それなりに楽しい一日でした。暑かったけど。

2016-08-07

『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』(朝日新聞出版社)


 いつの間にやら『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』なるシリーズが刊行されて、本屋さんに並んでいるではありませんか!マカロニ者の大先輩のブログによると、まず静岡マーケティング・テストが行われて好評だった為、この春からめでたく全国展開となったようです。何故に静岡だったのかはわかりませんが。


 『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』は隔週発刊で、これまでリリースされたラインナップは以下の通り。第1号『荒野の用心棒』、第2号『荒野の1ドル銀貨』『続・荒野の用心棒』、第3号『続・荒野の1ドル銀貨』『さすらいのガンマン』、第4号『南から来た用心棒』『豹・ジャガー』、第5号『情無用のジャンゴ』『殺しが静かにやって来る』、第6号『暁の用心棒』『怒りの荒野』、第7号『ガンマン大連合』『ミスター・ノーボディ』、第8号『荒野の大活劇』『復讐のガンマン』ときて、今は第9号『復讐の用心棒』『スレッジ』が本屋さんに並んでいます。この後は第10号『砂塵に血を吐け』『夕陽の用心棒』、第11号『群盗荒野を裂く』『バンディドス』と続きます。


 好きな人はこうやってタイトルを眺めただけで主演スターやカッコいい音楽が思い浮かんでワクワクすることと思いますが、マカロニ・ウエスタンって何?という人には似たような邦題ばかりで区別がつかないだろうなと。マカロニ・ウエスタンの邦題は基本的に「真昼」「裏切り」「夕陽」「荒野」「用心棒」「ガンマン」「リンゴ」「ジャンゴ」「一匹狼」「皆殺し」「復讐」「決闘」「無頼」、これらの単語の安直な組み合わせで出来上がっていることが多くて、似たような題名だらけなのです。上のラインナップ見ただけでも、「荒野」が7回、「用心棒」が5回、「ガンマン」が3回、「復讐」が2回も使われている・・・。


 それはさておき、『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』では、「まだDVD化されていない隠れた傑作」も発売されるとのことなので楽しみです。未見の作品がリリースされたらチェックします!

2016-08-01

『親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選』


 『親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選』読了。山川方夫氏については全く予備知識が無かったのですが、純文学書き手として芥川賞直木賞の候補になる一方、「ヒッチコックマガジン」の連載でミステリファンの間でも高い評価を受けていたそうです。1965年に34歳という若さで交通事故により亡くなりました。本書は、昨年没後50年ということで、創元推理文庫より出版されたオリジナル傑作選です。


 感想を一言で言うならば、「性急過ぎるなあ」と。切れ味鋭いオチのショート・ショート(と呼びたい)が並んでいますが、好みから言うとどれも何だかストンと上手いこと収まり過ぎるという印象でした。ミステリというジャンルのフォーマットに沿って書かれているためか、すぐに人が死んじゃうし。好みの問題もあるとは思いますが、読後に「凄い作家がいたんだなあ」と衝撃を受けることはなかったです。もちろん、読む作家読む作家みんな面白くて好みに合って、しっくりと馴染むなんてことはあり得ないんで、仕方の無いことなんだろうとは思いますが。


 そんな訳で、短編群よりも、〈トコという男〉という連作が印象に残りました。作家である語り手と、変わり者の友人トコが交わす政治放談のような文学談義のような芸術談義のような単なる馬鹿話のような珍問答。連作の最終話「犇寡櫚瓩離廛譽璽鵐函廚猟めくくりは、本書で一番しっくりと来た部分。

2016-07-30

『狼たちは天使の匂い』(町山智浩)


 町山智浩『狼たちは天使の匂い』読了。「映画秘宝」誌連載の単行本化で、表紙イラストはチャールズ・ブロンソンリー・マーヴィンという2015年の近刊とは思えぬ顔ぶれ。内容は表紙&タイトル通り、町山さんが偏愛する1960〜1970年代のアクション映画について熱く語った一冊です。個人的にも好きな映画、馴染み深い映画(ばかり)が次々登場するので、あっという間に読み終えてしまいました。


 本書で紹介されている作品は、イーストウッド主演作以外のドン・シーゲル監督作品『殺人者たち』『刑事マティガン』『突破口!』、中年スナイパーの生き様を描く渋いイタリアン・アクション『殺しのテクニック』、俳優ロバート・カルプ唯一の監督作(脚本ウォルター・ヒル)『殺人者にラブ・ソングを』、マイケル・ウィナー監督+ブロンソン主演コンビの陰鬱なアクション『狼よさらば』『メカニック』、セバスチャン・ジャプリゾ脚本による男のロマン香る『狼は天使の匂い』『さらば友よ』、リチャード・スターク原作の悪党パーカー・シリーズを映画化した『殺しの分け前/ポイント・ブランク』『組織』、リチャード・フライシャー監督の匠の技が光る『マジェスティック』『センチュリアン』、シドニー・ルメット監督の汚職警官もの『セルピコ』『プリンス・オブ・シティ』、エンニオ・モリコーネの音楽も印象深いセルジオ・ソリーマ監督のイタリアン・アクション『狼の挽歌』、白バイ警官が主人公の何ともやるせない裏『イージー・ライダー』こと『グライド・イン・ブルー』、コーマン印の痛快なヒロイン・アクション『ビッグ・バッド・ママ』、アラン・コルノー監督+イヴ・モンタン主演コンビの珍品(だよね?)『真夜中の刑事/PYTHON357』、ひねくれ者アルトマンハードボイルド神話脱構築した『ロング・グッドバイ』、アクション派ジョン・フランケンハイマー監督によるコメディ・タッチの異色作『殺し屋ハリー/華麗なる挑戦』、対照的なバディ・コップもの『破壊!』『フリービーとビーン/大乱戦』、最近TSUTAYAの発掘良品でめでたくDVD化された『狼のシンジケート ダーティ・エディ』(『エディ・コイルの友人たち』)、列車のタダ乗りのプロ・マーヴィンVS鬼車掌・ボーグナインの死闘を描く豪腕アルドリッチの『北国の帝王』、『フレンチ・コネクション』製作スタッフ・キャストによる殺伐としたカーチェイス映画『重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス』、イギリス中尾彬こと野獣オリバーリード主演の『電撃脱走・地獄のターゲット』『非情の標的』、激烈なアクションと叙情が同居するジョン・ミリアス監督のデビュー作『デリンジャー』・・・。紹介された作品の内、未見なのは『フリービーとビーン/大乱戦』、『電撃脱走・地獄のターゲット』、『プリンス・オブ・シティ』の3本。中でもルメットの『プリンス・オブ・シティ』は是非とも機会を見つけて鑑賞したいと思いました。本書に描かれている、複数の企画を巡ってのルメットとデ・パルマの因縁話も興味深いものがありましたね。


 60年代終わりから70年代初めにかけてのアメリカン・ニューシネマの時代には、若者の体制への反抗と挫折を好んで描く一方で、新しい時代に取り残されていく旧世代の足掻きを描く映画群がありました。アクション映画の世界にもその影響は色濃く反映しています。本書で採り上げられているのは正にそんな作品たちです。主人公は刑事や殺し屋やギャングなど様々ですが、オッサンが暴走するような映画ばかり。


 本書に登場する俳優たちを見ていくと、何と言ってもリー・マーヴィンチャールズ・ブロンソンです。笑っちゃうくらい何回も登場します。町山さんの好みもあるのでしょうが、この2人はやはりこの時代にジャンルを代表する「顔」だったんだろうなあと思います。オリバーリード、ジョー・ドン・ベイカー、ジョン・ヴァーノン、エリオット・グールドロバート・ブレイクらが複数登場。他にもジョージ・C・スコット、ロバート・ミッチャムウォーレン・オーツ、ロバート・デュバルロイ・シャイダーリチャード・ハリスイヴ・モンタンら、見事にオッサンばっかり。唯一主役を張る女性は熟女アンジー・ディキンソン。あ、彼女も『殺人者たち』『殺しの分け前/ポイント・ブランク』と複数回登場してるのか。


 町山さんの他の著作と同様に、本書も映画の解説の合間に氏の個人史が盛り込まれています。映画は確かに娯楽のひとつではあるけれど、単なる暇つぶしを超えた衝撃や影響を人生に与える(こともある)ということが、きちんと伝わってきます。「なんでオヤジは12〜13歳くらいの子供にこんな映画ばかり見せたんだろう?」という氏の疑問は笑えますが、そんな風にしか息子とコミュニケーションが取れなかったのであろう親父さんの不器用さが伝わってくる話です。うちの場合父親に映画に連れて行ってもらった記憶なんて皆無なので、ちょっと羨ましくもあり。さておき、本書のラインナップからはイーストウッドやペキンパー作品は敢えて外していると思われ、続刊に期待したいところ。


殺人者たち [DVD]

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2016-07-28

『やがて哀しき外国語』(村上春樹)

やがて哀しき外国語 (講談社文庫)

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 ロバート・アルトマンについて書かれた文章が載っていたなあと思い出し、村上春樹のエッセイ集『やがて哀しき外国語』(1994年)を再読。『やがて哀しき外国語』は、氏が1990年代前半にニュージャージー州プリンストンに暮らしていた時期の事を綴った「アメリカ滞在記」です。アメリカ文学アメリカン・ポップスJAZZの憧れの地で暮らす喜びと、異国で暮らす違和感とが率直に描かれています。そもそもプリンストンを訪れたきっかけというのが「F・スコット・フィッツジェラルドの母校を見ておきたかったから」というのがいかにも!です。


 特に印象に残るのは音楽について書かれた文章でした。中古レコード店巡りの話なんて、音楽好きというのは著名な作家だろうとその辺のヲタ(私のことです)だろうと皆同じようなことするんだなあと親近感を覚えます。『雑文集』もそうでしたが、音楽について書く時の文章は本当に生き生きしているなあと思います。他には、プリンストン大学日本文学の授業をきっかけに、英訳された日本の短編小説をさらに和訳して原文と比較してみるというエピソードが面白かった。


 アルトマンについて書かれた文章は、『ショート・カッツ』(1994年)の内輪の上映会に出席したエピソードでした。『ショート・カッツ』はレイモンド・カーヴァー短編小説を映画化したもので、アルトマンお得意のマルチ・プロットを駆使した群像劇。カーヴァーの複数の短編をモザイクのように組み合わせて構成されているので、いくつの短編が使用されているのか数えながら見たなんて話が描かれています。カーヴァーを積極的に紹介してきた(全集まで編集してしまった)翻訳家としては、映画の出来にはそれなりに満足していたようです。アルトマンがオリジナルのエピソードとして付け加えた最後の地震(マルチ・プロット収束する事件、『ナッシュビル』における大統領候補の狙撃事件のような)には違和感があったようですが。俳優陣の好演、特にトム・ウェイツとリリー・トムリンのカップルの掛け合いと、ティム・ロビンスマッチョな警官の役作りを褒めてました。「見事にあっけらかんとした思わせぶりのないオフ・ビートな映画感覚」というのはアルトマンの映画を上手く言い表していると思います。


 アメリカJAZZといえば、アルトマンには『カンザス・シティ』(1996年)とそこから派生した『ロバート・アルトマンジャズ』という作品があります。村上春樹の感想が知りたいところ。どこかのエッセイか何かに感想が書かれてるかもしれないな。さておき、カーヴァーつながりで村上春樹ロバート・アルトマンがパーティーで同席してる絵面はなかなか面白いなあと思います。


ショート・カッツ [DVD]

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