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Fool in Trance

2018-02-14

『鬱な映画』(洋泉社MOOK)


 思うところあって、昨年出た洋泉社MOOK『鬱な映画』を再読。そもそもの「鬱病」と「鬱(傾向の)映画」、そして「単に観客を嫌な気持ちにさせようという映画」をきちんと分けて語っているところに作り手の意思を感じるMOOKだった。本当に鬱を反映した映画と、単なる嫌がらせは違うよ、と。槍玉に上がっているのはトリアーで、この辺はとても納得できるところ。


 巻頭に「専門家の視点から」と精神科医春日武彦氏のインタビューが掲載されていて、これが実に面白くてためになる。相当映画見ているなあと、春日先生のそっち方面の知識にも感心した。春日先生が鬱傾向の映画としてチャーリー・カウフマンの『脳内ニューヨーク』を挙げていたのには膝を打った。ああ、あの感じが鬱なのかと深く納得してしまった。


 本書で紹介されている作品で、気になった未見のものは、何と言ってもやはりロベール・ロッセンの『リリス』と、トッド・ヘインズの『SAFE』だった。『SAFE』なんて、『ケミカル・シンドローム』という副題が付けられた廉価版のヴィデオを中古屋でよく見かけたものだった。あの頃買って見ておくんだったなあと後悔。それにしても、表紙/裏表紙のスチールはクローネンバーグの『ザ・ブルード/怒りのメタファー』だが、そんな本はどこを探しても他にないだろう。裏表紙のスチールなんて本当に恐ろしい。


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