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Fool in Trance

2018-08-31

読書記録その6

 先日の続きです。最近読んだ書籍、または大分前に読んだけど感想を書きそびれていた書籍について、ここらでまとめて感想を書き記しておきます。 

  

『THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代』(村上春樹) 

 村上春樹のエッセイ集『THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代』(1987年)再読。これは出た当時に読んだことあるよな、と思いながら読み始めたのだが、全くこれっぽっちも覚えていなかった。懐かしの1980年代、我が青春時代の(?)1980年代から早30数年が過ぎて、すでに2010年代も後半だからして、歳を取る訳だよなあ心身不調になる訳だよなあ。といったことしか思い浮かばなくて、本書に書かれた内容はまたしても読んだ端から忘れてしまった。何なんだろうこの軽さ、印象の薄さは。


懐かしの一九八○年代 ‘THE SCRAP’

懐かしの一九八○年代 ‘THE SCRAP’



『ポップ中毒者最後の旅 2008〜2012』(川勝正幸) 

 2012年に亡くなった編集者・ライター川勝正幸氏による「ポップ中毒者」シリーズの最終巻。川勝氏は1956年生まれとの事で、自分よりは一回り以上年が上。90年代前半から2000年代にかけて、多数の映画パンフやサブカル系の雑誌でその文章を目にしてきた。知識をひけらかすのではなく、アーティストへのリスペクトを感じさせる素直な文章にはいつも好感を持っていた。そうか、デニス・ホッパー復権の運動もこの人が関わっていたのだな。


ポップ中毒者最後の旅: 2008~2012

ポップ中毒者最後の旅: 2008~2012



『レヴォリューション』(山野浩一) 

 2011年東京創元社から復刊された短編集『鳥はいまどこを飛ぶか』『殺人者の空』を読み強烈に響くものがあったので、他の作品も探していたところ、図書館で『レヴォリューション』(1983年)を発見。ジャンルを踏み越えたボーダーレスな感覚は正にニューウェーヴSF、さすがは「NW-SF」誌初代編集長、サンリオSF文庫の創刊に関わった作家だなあと思う。何やらキナ臭くなってきた昨今、『レヴォリューション』の荒涼とした不穏な手触りはとても生々しく感じられる。


レヴォリューション (NW-SFシリーズ (4))

レヴォリューション (NW-SFシリーズ (4))



『興行師たちの映画史エクスプロイテーション・フィルム全史』(柳下毅一郎) 

 柳下毅一郎氏の名著『興行師たちの映画史エクスプロイテーション・フィルム全史』(2003年)再読。映画史を「エクスプロイテーション」(搾取)=見世物興行という視点から捉え直した興味深い1冊。ウィリアム・キャッスルのギミック映画、特定の人種向けの映画、セクスプロイテーション等々は勿論のこと、そもそも始まりのメリエスリュミエール兄弟からしエクスプロイテーション・フィルムではなかったかと。これは映画好きなら一家に一冊必携の映画の参考書。素晴らしい。セシル・B・デミルの酒池肉林映画見たいなあ。


興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史

興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史



マルクス兄弟のおかしな世界』(ポール・D・ジンマーマン) 

 大好きなマルクス兄弟の研究書『マルクス兄弟のおかしな世界』(1972年)を久しぶりに再読。喜劇映画のギャグを文章で読んで意味があるのかという意見もあろうが、マルクス兄弟の経歴に沿って作品を紹介し、日本人はわかりにくい言葉のギャグも丁寧に解説してくれているので、副読本としては最適の一冊である。マルクス兄弟は長らく舞台での下積み時代があり、映画デビューした頃には既に40代前半から30代後半であったという。MGM時代になると一気に老けたような印象があるけれど、実際トシだったのね。


マルクス兄弟のおかしな世界

マルクス兄弟のおかしな世界

我輩はカモである [DVD]

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 この項、続く。

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