SFセミナー

桜庭一樹先生を拝んできました。
頑張ってメモとってきましたので、以下、箇条書きレポ。
実際に話された内容とは多少順番が前後してるところがありますが、内容別にまとめました。
(K藤)と書いてあるのは一緒に出演された富士見書房の編集さんの発言です。

各レーベルで書いてることについて

  • デビュー当時のファミ通文庫は新人があまり本を出せない態勢だった。デビュー以降長らく2冊目が出てなくて、それで担当にEXノベルズを紹介してもらって書いたのが「ルナティック・ドリーマー」。
  • スニーカー文庫東京創元社で書くことになったのは飲み会がきっかけ。
  • 新井輝氏の紹介で富士見書房のK藤さんに会う。
  • 桜庭さんのことを新井さんはなぜか「縄文・弥生時代の土器に詳しい人」と紹介。
  • 実際に縄文ミステリーの企画を出したこともあるが、なかったことにされている。

富士見ミステリー文庫について

  • (K藤)今では富士ミスの中心に「GOSICK」が存在する感じだけれども、当時(リニューアル以前)の富士ミスは迷走状態だった。
  • (K藤)ライトノベルの方法論とミステリーのすり合わせ。
  • (K藤)ロジカルなミステリーを書ける人は書けるが…。まだ試行錯誤。
  • (K藤)富士ミスのスタート理由には女性読者を増やそうというのがあった。
  • (桜庭)ファンタジアよりもミステリーで書きたかった。

「赤×ピンク」からの流れ

  • 謎が話の中心にある方が書きやすい。
  • 推定少女」の場合は、出遭った少女は何者か?
  • 荒野の恋」(5月刊行予定・新作)は、”恋”を”謎”としてとらえて書いている。
  • 油断してるとライトノベルじゃなくなる。
  • 「赤×ピンク」は最初、編集会議を通らないかもと思っていたが、意外にすんなり通った。
  • しかし、売れなかった。同時期に出た「まじしゃんず・あかでみぃ」がファミ通文庫ではありえないくらいバカ売れしたと聞き、死ぬしか…と思った。
  • 作家さんにはいろいろとほめられた。自分の書くものの幅は広がったし、レーベルとしては意義があったと担当さんが言ってくれた。
  • (K藤)「赤×ピンク」のような作品は編集としてもやってて面白い。
  • (K藤)シリーズを重ねていくというライトノベルのビジネススキームとの兼ね合いをどこに置くか。

GOSICK」について

  • ドラゴンカップはアンケート主義*1。作家からするとコロシアムみたいなイメージ。
  • 最初の構想は女スパイ養成学校というもの。
  • 口の悪い女の子ともう1人の普通の女の子との組み合わせで。
  • (K藤)デビッド・リンチが好きで、不条理なものをやろうと提案。伏線は投げっぱなしで。
  • 当時のメモ「伏線は拾わない」 でも伏線回収が好きなので、断った。
  • 少年視点でライトノベルらしいライトノベルを。
  • ファミ通文庫は女性の担当者なこともあって、自然に女の子2人でがんばろうという話になっていった。
  • 富士見のK藤さんが男性だったから「GOSICK」はああなったのかも。
  • 科学捜査のないミステリーをやりたい。
  • 打ち合わせ段階では、魔法ありの世界。セシル先生の首が取れてすげ替え可能、走る甲冑、というネタがノートに残ってる。
  • GOSICK」のミステリ部分に関しては、ミステリを初めて読むような少年少女に向けて書いているつもり。
  • 大人の視点をいれない。
  • 「砂糖菓子」も大人の視点・価値観をいれないように書いた。
  • GOSICK」2巻の外界と隔絶した村を書いたのは、「キリンヤガ」が好きなので。
  • 本編は冬くらい予定。7月の短編集には出会う前の2人の話が書き下ろしで入る。
  • ミステリ・フロンティアで書くものは、大人の視点を出すこと、古典ミステリをある程度読んでいることを前提に、路線は「砂糖菓子」。

好きな作品

  • 最近では「神様のパズル」と桜坂洋
  • SFでは「七胴落とし」
  • 思春期的なものがはいってるのが好き。

とまあ、こんな感じです。桜庭ファンにとってはなかなか興味深いお話の数々でした。
ちなみに「このライトノベル作家がすごい」のインタビューのときのような恰好をされており、小柄でかわいらしい印象を受けましたよーう。

*1:GOSICK」はもともと龍皇杯の参加作品としてスタート。7月刊行予定の短編集に収録予定。

「今年こそがんばろう新生活応援オフ」オフ会

幹事が熱出して来ないというアクシデントにもめげず、SFセミナー参加組+何人かを加えてオフ会が決行されました。
夜明けのお兄ちゃん(id:yoakero)の上遠野浩平への愛は素晴らしいと思いました。
ぼくの上遠野ちんへの愛は風前の灯といってもいいくらいなのですが、
虚空牙遺物の1つはエコーズで、もう1つがメビウスで、もう1つは未読の「ソウルドロップの幽体研究」らしいので、とりあえずノンノベルを探しに行かねばなりますまい。
進井さんとは今期スタートのアニメ話、秋山さん(id:sinden)とはライトノベル話という感じで。

朝までカラオケ

アニメ映像が配信されている曲をいれ、誰も歌いもせず絵を眺めながらアニメ話に興じるということを2〜3時間してました。
明け方近くなり寝転がる人が増えてきた頃に、進井さんとわたしでおもむろに歌い出す。
丼さん(id:thebomb)を引き込むためにドラマ主題歌を続けたりとかも。
あと、わたしと進井さんとのデュオでDROPSの「恋のアメリカンフットボール」を初めて合わせて、わりとうまいこと出来たのが満足。