森野一角 「ごくあね お姉ちゃんは四代目」 (美少女文庫)

母方の実家は極道だった!? 離れて暮らしていた姉と久しぶりに再会した虎太郎。なぜか組の四代目頭としてまつり上げられる羽目に…。
 ヤクザガールな姉と風紀委員な幼なじみとのWヒロイン・ラブエロコメディ。
着物を翻しながら男共をなぎ倒し、啖呵を切るのもお手のもの。だけど弟の虎太郎にだけは激甘ラブの龍美ねえ。
幼い頃から一途に虎太郎くんに想いを寄せてきた幼なじみの諒。
キャラ設定だけなら完全に龍美ねーちゃんの勝利なのだが(表紙も龍美ひとりだし)、
勉強会からエッチに雪崩れ込んでみたり風紀委員の執務室でコトに及んだりと諒ちんの頑張りもなかなかどうして悪くない。
このヒロイン対決、実に優劣つけ難し!
森野作品らしく、今回も軽快で楽しく読める作品に仕上がってて、善き哉。


感想リンク:
青橋由高さん
koutokuさん
locktrack21さん>、
ATフィーダーさん

ごくあね―お姉ちゃんは四代目 (美少女文庫)

ごくあね―お姉ちゃんは四代目 (美少女文庫)

他感想:
「お仕えします!」
「妹パンチ!」
「巫女シス」




うえお久光 「悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング」 (電撃文庫)

Itから溢れ出す力によって”発情”状態に追い込まれた堂島コウ。女の子を目にするたび内に湧き上がる欲望に翻弄され…。一方、イハナらは魔王ベルゼバブからIt─知恵の実の秘密を伝えられていた。
 事件らしい事件は特に無く、事態の新たな局面とそれぞれの決意を1冊かけて描く。
発情したコウの様子や知恵の実を生み出すためにイヴ候補はエッチせねばならんのじゃーという流れからエロ・ラブコメ展開をほのめかしながらも、冬月日奈を生き返らせる──コウの願いを巡って各人が自らの立ち位置を定めることに筆が多く割かれているあたりがこのシリーズらしいなあ。
イハナの”大人になろう”という思い。その後のちょっとした変化がまた微笑ましいこと。
真嶋綾のはっきりとした立ち位置とそこからくる強さも印象深い。
これまではどちらかというと頼りになる切り札的な存在であった恕宇が事態の変化にもっともついていけず戸惑うばかりなのも可愛らしいのう。
そして、洋平君。なるほど、そうだったのか…。
獣の数字666をタイトルに加え、ついに開幕した二学期編。どうなることやら。期待がふくらむなあ。