住宅問題

「ロシア語メモ」で紹介されていた小説をまた図書館で借りました。またもや書庫からの本…。ヘンリー・カットナーという作家らしい。

どうも、ホラー短編小説集っぽいので、ホラーといえば「変な家」がトラウマになっている身としては予約したことを後悔しましたが、大丈夫でした。怖くなかったです。

そして、これもとても読みやすい小説でした。またもやロシア文学のイメージがいい意味で変わりました。

※と思ったら、どうやら別にロシア文学ではなかったらしい…確かにロシア人の名前じゃない(笑)。とんだ勘違い!多分、アメリカの60年代のアンソロジーで、どの小説もめちゃめちゃ面白かったです。同じ編者のアンソロジーも予約しました。なんでこれが書庫保管なんだろう。もったいない!けれど、書庫のおかげで、この本もとても状態がよかったです。

 

さて、「ロシア語メモ」ではもう一冊、今度は上下二段組のびっちりした本も紹介されていて、それも読まないといけないので大忙しです。返却期限までに読めるかしら。。。これはちゃんとロシア文学

 

 

 

 

米原万里のエッセイ

新聞のリレー連載で、記者が文章術を伝授するコーナーにて紹介されていた本。

こうしてまたロシアに関連した本を読むことになり、私の脳内はロシアでいっぱい。

 

日露通訳者として活躍していた著者の本は、真面目な言語コミュニケーション論から、通訳の(主に他人の)失敗、笑い話、そして今の時代からするとびっくりするシモネタやポリティカリー・インコレクトな表現がちりばめられている。

大体、本のタイトルだって、もちろん意味があって「あえて」このタイトルな訳だけれど、今ならその「あえて」が許されないでしょう。

 

通訳が、翻訳とちがい、その場限りの「消えもの」であるおかげで笑える失敗になっているものが、今の動画時代はきっとそうではなくなり、失敗が叩かれ、シモネタへの許容度も下がっているというのを考えると、うーん、やっぱり昔はおおらかでよかったなぁ、という安直な感想になってしまうのは、仕事でネットでの批判対応に追われている今だからかもしれない。

 

あとやっぱり、通訳と言う仕事が、今後存在し得るか、ということも考えてしまいますが、この本を読む限り、通訳に必要な能力を完璧に機械が身につける日は来ないな、と思います。

 

牛山羊の星座

これまた今読んでいる『ロシア語メモ』の中でロシア文学といったらいかついものばかり想像されるけど、こんなロマンチック?かわいい?のもあるよ、と紹介されていた小説。

 

ロマンチックと評されていたかどうか、本が今手元にないので確認できないけれど、このタイトルのようなキラキラしたロマンチックな話では全然なかったけれど、1940年代のソビエトの様子を垣間見ることができ、会社の労働環境悪化について皆でぼやいてるときに「なんか急に急進的なこと言い出したこの人」と笑わせるくらいには社会主義が体に浸透したらしい。

 

むちゃくちゃ面白いと思ったのは、これまでよく見てきたモスクワやサンクトペテルブルグのお話ではなくて、南部の、今ではジョージアの中にある自治共和国であるアブハジアというところが舞台で、地元の人がロシア語とアブハズ語を使い分け、主人公も本当は地元なのでアブハズ語は分かるけど、分からないフリをしている、とか、そういう言語切り替えのエピソードが入っていたところ。

あと、モスクワのイメージで読んでしまうと「海辺」という単語にもいちいち驚く。ここで言う、海、は黒海のことで、我々日本人のイメージする無限に広がるあの海とは全然違うのでしょう。かと言って湖と呼ぶほど小さい訳でもないでしょう。大体、ソビエトと海水浴が結びつかない。

ロシア語の翻訳ですが、あまりにもきれいな日本語で、翻訳の難しさで挫折してきたこれまでのロシア文学は何だったのか。新しい世界を教えてくれる、この「ロシア語メモ」は本当に素晴らしい。

ついでに、グルジア文字についても目にしたので、これまたびっくり。あの辺りはキリル文字だけなのかと思いきや、グルジア文字は東南アジアの文字を彷彿させる丸っこい文字が並んでいる。アブハズ語も、この小説が書かれた頃はこの文字を使っていた模様。

図書館で借りましたが、85年のハンコが押してありました。けれど、ずっと書庫にあった本のようで、すごく状態がいい。この本を手にして読んだのも私が数人目かもしれません。ほんと、こんな面白いものを訳してくれた人、図書館に入れてくれた人、ありがとう。買って手に入れることができない本が読めるというのは、ほんと図書館の素晴らしいところです。

 

アブハジア

 

これだから本屋通いはやめられない

丸ビルで同窓会だと言うので、少し早く出てオアゾ丸善に立ち寄る。

『笑わない数学』の本を買うのはまぁ目的通りとして、フランス語の本、近所にない何かあるかな、と物色したら、なんかもう宝の宝庫でした。

気づいたら待ち合わせ時間2分前なのでこれ以上見るのは諦め。無念。でも、この二冊に出会えて最高。

 

『頭の体操』の方は、2002年の本らしい。店員さんが手打ちでレジ登録してました。実用性の全くない外国語学習なんて最高じゃないか。イラストも渋いし、間違いない。

 

『ピーナツ』、これはもう買うしかない。それは定め。

自分のフランス語の単語力のなさをどうにかしたいと、ここのところ単語の本を探していたのですが、「中上級」とあっても結構基本語だったりしてしっくりこない。

そこへきてこの『ピーナツ』。この英語版を見た時の衝撃は忘れられません。こんな斬新な単語集があったのか、と。現役の受験生のときにほしかった!と強く思ったものでした。確か、著者は亡くなってしまって大変残念に思っていたのですが、仏語版を見かけたことで調べたら、安河内先生らが続編書いててこれまたびっくり。

で、この仏語版。著者は違ってもあの変なテンションは健在。そして、期待通り、BASICなのに、全然BASICじゃない(もちろん、基本語が多いけども)。

付属CDはパソコンで読み込めないし、ダウンロード音声販売サイトは怪しげなFXサイトになってるし、座禅の誘いのQRついたかわいいお坊さんの紙も挟まってるし(誰かが本屋で入れた?)、なんかもう期待を裏切らないカオスっぷりでした。

けれど、クイズ形式になっている単語問題は身につきやすくていいのです。

 

あー、ほんとにいい買い物しました。絶対に本屋でないと見つけられない本たちでした。

これだから本屋通いはやめられない。

 

 

古典テスト理論

今更、テストの結果分析に悩んでいたら先輩に勧められた本。

そして、別のテストを生業とする人にも強く勧められた本。

ただ、今は復刻版の発売で、PODで受注生産らしい。送料と手数料込みで四千円か。。。図書館にもないようだしなぁ。

困った。

 

ルパン短編集

たまたま本屋で見かけたので、短編なら読めるかな、と購入。理論社だし。

 

にしても、私のイメージする「フランス人女性」からはこんななよなよと意識失ったり、男性に頼りきりだったりするような弱い人なんて全く想像できないのだけれど、それは一世紀の間にすっかり女性が変わったからなのかしら。

とはいえ、日本の作品でも似たような描かれ方はあるし、女性は変わってきたのか、それとも、男性から見た虚構の女性像が描かれているのだろうか…。

 

世界ショートセレクション、という魅力的なシリーズ。今回のが1、ということで、全部集めたくなる。

 

 

 

今月の絵本

絵本が毎月送られてくるブッククラブ。出版社に縛られない、店主セレクトの本が送られてきて、ユーモアある作品が多く、「感動の押し売り」系がないのが私の好みで、長男のときからもう五年目くらい楽しんでいます。

 

ところが今月のがこれ。

タイトルからもう流れが想像できてしまう。離婚してる人だって会員にはいるだろうし、どうした、ブッククラブ!こういうのは今までなかったじゃない!!と、ちょっとショックを受ける。

が、サブタイトルを見ると、「どうぶつたち それぞれの答え」とあり、そっちの内容の本でした。

でも、最後はどうせ人間が出てきて、愛だの家族の大切さだの、そういうので終わるんでしょ、と思って一回目の読み聞かせをしたら、一応、そうではなかった。よかった!!

絵もきれいだし、どうぶつごとの求愛が分かるいい本でしたが、このタイトルで期待する層には受けず、中身が気に入る人にはタイトルで敬遠されそう。

というか、本編も「結婚」「パパ」とかの言葉を使わずにいければよかったんだろうけど、まぁそれがこの本の魅力なんだろうから、文句言っちゃいけないか。というか、私があまりにそういうのに敏感なだけかも?

 

ということで、これは絶対に書店で目にしても手に取らなかったであろう本なので、こういう本に出会えることがブッククラブの魅力。