北の系更新

平成15年度12都道府県青少年対策主管課長会議、遠隔自動監視システム付自動販売機により「有害図書類」を販売する業者への対応についての東京都の対応

■北の系
資料/12都道府県青少年対策主管課長会議(2)
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html

・協議事項 協議題1 中学生による重大事件を受けての対応について 宮城県(提案)
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#01
・協議事項 協議題1 中学生による重大事件を受けての対応について 回答都道府県名 北海道
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#02
・協議事項 協議題1 中学生による重大事件を受けての対応について 回答都道府県名 東京都
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#03
・協議事項 協議題2 いわゆる出会い系サイト問題対策について 兵庫県(提案)
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#04
・協議事項 協議題2 いわゆる出会い系サイト問題対策について 回答都道府県名 北海道
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#05
・協議事項 協議題2 いわゆる出会い系サイト問題対策について 回答都道府県名 東京都
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#06
・協議事項 協議題3 「遠隔監視システム付自動販売機」により有害図書類を青少年に販売している業者への対応について 愛知県(提案)
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#07
・協議事項 協議題3 「遠隔監視システム付自動販売機」により有害図書類を青少年に販売している業者への対応について 回答都道府県名 北海道
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#08
・協議事項 協議題3 「遠隔監視システム付自動販売機」により有害図書類を青少年に販売している業者への対応について 回答都道府県名 東京都
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020348.html#09"

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なぜ強い権力が支持されるのか 権力の集中から権力の分散へ

前田雅英氏などの強権重罰派をはじめとする国権派、強権依存派がなぜ一部の国民に支持されつづけるのか、という点について書いておきます。

その前に、防犯カメラをめぐる議論から。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/news/648/1070439074/104-105

103 名前: 名無しさん@19歳 投稿日: 2003/12/14(日) 05:38
「防犯カメラ効果にかげり?歌舞伎町の犯罪再び増加」
http://www.ocn.ne.jp/news/data/20030816/y20030816it04.html
少年犯罪対策で「監視カメラの設置」を激しく主張している
カメラ小僧学者・前田雅英センセイに是非原因を説明してもらいたい(w


104 名前: 名無しさん@19歳 投稿日: 2003/12/14(日) 06:36
>>103
リスクをお金でヘッジする確信犯がいる限り、
規制強化や重罰化では規範の逸脱は無くならない。
むしろ規制強化を利用してリスクを負担する確信犯の収益率は向上し犯罪は増え続ける。規制を強化すればするほど状況は悪くなっていくという現実こそが、
前田雅英学説が破綻していることのなによりの証拠。


105 名前: 名無しさん@19歳 投稿日: 2003/12/14(日) 09:25
>>104
それなら規制を緩めると犯罪者のリスクが減るため収益率が下がるから犯罪が減る
かと言うとそんな訳が無い、犯罪者の裾野が広くなるだけだろう。
「更に規制強化せよ、更に厳罰化せよ、極限まで市民を監視せよ」と言う声には
勝てないだろう。この間の選挙結果はその表れだ

103と104の指摘は、前田氏などの強権派がなぜ少なくない国民の支持を得ているかという状況を考えるうえで重要です。

「規制強化を利用してリスクを負担する確信犯の収益率は向上し犯罪は増え続ける」という指摘は正しいですし、単純に考えれば「更に規制強化せよ、更に厳罰化せよ、極限まで市民を監視せよと言う声には勝てない」という指摘も一見正しいように見えます。

問題は、規制強化だけが手段ではないということを「更に規制強化せよ、更に厳罰化せよ、極限まで市民を監視せよ」と声をあげている人が理解できるかどうか。
まさに民衆の判断能力が問われているわけです。


規制を緩めると犯罪のリスク収益率は下がり「ハイリスク・ハイリターン」を求める犯罪者は減り、「ロウリスク・ロウリターン」型の犯罪に変化します。
理解すべき大事な点は、「ロウリスク・ロウリターン」の犯罪であれば司法による対応だけではなく行政として対応できる実効性あるオルタナティブな政策を採用することができますが、「ハイリスク・ハイリターン」の犯罪が多発する状況ではオルタナティブな政策の実効性が減少して司法の強権に依存せざるを得なくなるという状況が発生する、ということです。

時速15キロで走る自動車と時速80キロで走る自動車を思い浮かべてください。
時速15キロなら急ハンドルをきれば道路に飛び出した人を避けることができるかもしれませんが、時速80キロだとハンドルをきって避けることはできず、ブレーキを強力なものにしたり自動車専用道路にするしかありません。
これと同じことが刑事政策などにも言えます。
それ故、「既にオレたちは高速道路を走っているのだから、更に規制強化せよ、更に厳罰化せよ、極限まで市民を監視せよ」と言う声が発生しているわけわけで、悪循環です。

オルタナティブな対処手段の軽視・無視
 ↓
犯罪の増加
 ↓
重罰化を求めるプロバガンダへの世論の共感
 ↓
重罰化の実施
 ↓
ハイリスク・ハイリターン型犯罪の発生
 ↓
オルタナティブな対処手段の縮小
 ↓
警察・司法権限への依存度の上昇
 ↓
警察・司法権限の強化を求める世論の拡大
 ↓
警察・司法権限の強化
 ↓
更なるハイリスク・ハイリターン型犯罪の発生
 ↓
オルタナティブな対処手段の更なる減少
 ↓
更なる重罰化と司法権限強化を求める世論
 ↓
無限ループで警察官僚と暴力団ウマー (゜Д゜)

喩え話をしましょう。
特撮やアニメなんかで、ヒーローの活躍でザコ敵がいなくなると、中ボスや大ボスが出てきてヒーローがピンチになるっていうパターンがあるじゃないですか。
そうするとヒーローが友情・情熱・努力によってスーパーヒーローにバージョンアップして中ボスや大ボスを打破してめでたしめでたしっていうパターンがありますよね。
それと同じ考え方なわけですよ、前田雅英氏たちは。

庶民にはそれがとてもスバラシイことに見えるんです。
ですが、「ヒーローがザコ敵をやっつけても改悛しない中ボス大ボスがいる状況」や「ヒーローがいないと問題はまったく解決できなくなっているという状況」は、架空のドラマであるからこそ安心して傍観できるわけで、現実社会にそんな状況ができて人が傷ついたり死んだりするのはリスクが高すぎるわけです。

現実社会にヒーローなんていませんし、人は誰もヒーローなんかにはなれません。ヒーローや英雄は架空の世界だけの登場人物であり、架空の世界だけの活躍です。
子どもっぽい空想的な権力の理想化を、現実にあてはめて考えるべきではない、そう思いませんか皆さん?

前述した悪循環は、私がここで書かなくとも、刑事政策学者や社会学者を含め、いろんな人がいろんなところで指摘をしています。
が、前田雅英氏をはじめとする司法強化厳罰化派の人たちや一部のマスメディアは、指摘を無視しつづけています。

なぜ無視するのか。
その動機はやはり、「警察にしか対応できないという社会になった方が自分の利益にとって都合が良い」と考える人がいるということでしょう。
一度ヒーローになった警察がヒーローの座から降りることは恥辱なのかもしれません。(そんなことに恥辱を感じるヒーローは真のヒーローではない、と私は思いますが)
「危機の時にヒーローが生まれるのではない。ヒーローと呼ばれたい奴が恐怖と危機を作ってヒーローになったのだ」と、あるゲーム作家が言っていました。至言です。

その悪魔的な動機を見ぬけずに「英雄警察」や重罰化(最終的には恐怖政治)に依存するか、見ぬいて市民や行政自らがオルタナティブな方法で秩序を維持するのか。
厳罰化することによって警察しか対応できない社会が良いのか、警察権力だけに依存せず行政や市民が共同で犯罪を沈静化できる社会が良いのか。
前者を選んだ国民は、結果的に判断を誤った、と私は思います。

こういうことを書くと「警察や司法は全く必要無いのか!」などとミスリードしてあげ足をとるアホがいるので念のために書いておきますが、私は警察や司法は全く必要無いなどとは考えていません。警察や司法は「必要」です。
しかし、警察や司法権力への「過度の依存」は問題であり悪循環を生むし、実際に政策転換が必要な程度に警察や司法権力に対する「過度の」依存状態が私たちの社会にあって、実際にハイリスクハイリターン型の犯罪が発生している、ということです。

結論。

・危機の時に庶民がヒーローを求めるように、庶民は強い権力や重罰化という恐怖に依存しがちである。
・しかし、強い権力や恐怖への依存は、その依存状況を利用するハイリスク・ハイリターン型の確信犯の登場により、危機の発生と増幅に悪影響と悪循環を発生させる。
・故に、重罰化や警察・司法権力に「過度に」依存することなく、庶民や分散された行政権が様々な方法によって自力で対処する社会を志向することこそが、遠回りでも大きな危機を遠ざけ、低コスト型安定的秩序形成を実現する。