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20040525 圧力団体の研究:戦後キリスト教婦人矯風会(その1)

戦後圧力団体の研究:戦後キリスト教婦人矯風会(その1)

私の立場は、矯風会全否定の立場ではありません。是々非々で評価すべきところは評価し、できないところはできないという立場です。その是非のために、矯風会の政治活動について議会データを参照しつつ検証します。

 

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昭和22年08月11日、参議院司法委員会における姦通罪存廃止に関する刑法改正についての公聴会で、公述人として日本キリスト教婦人矯風会幹事の守屋東氏が矯風会の見解を紹介。戦前主張していたの両罰主義を破棄。戦後は姦通罪撤廃を主張し、路線転換した。守屋東氏は日本キリスト教婦人矯風会幹事。

矯風会の姦通罪撤廃への路線転換は必ずしも不倫や自由恋愛を認めるという意味ではないものの、結果的に現在の自由恋愛の基盤を作ったという意味では、自由恋愛に制限的な法制度を主張する矯風会と昭和22年当時の矯風会とでは差異・矛盾がある。

第1回参議院司法委員会-11号 昭和22年08月11日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/001/1340/00108111340011c.html

○公述人(守屋あづま君) この大きな問題につきまして、私は学問的に、又法律的に申すものを持つておりません。ただ一人の婦人として、永い間この問題に対して一つの請願をしておりました立場から、自分の思うところを述べさして頂こうと思いますが、結論は撤廃でございます。私の属しておりましたキリスト教婦人矯風会は、明治十九年に創立されました当初、先ず第一に請願として、議会が始まりますると共に民法刑法の改正ということを申出ました。勿論請願でございますから、年々その改正を多くの人に調印を求めまして、民法刑法の改正ができなければならないという運動を起しておまりす。その目的はこの姦通罪、女子のみ姦通罪として罰せられても、男子は罰せられておらないということは不平等だ、どうしても男子も女子も罰せられるべきものである。だから改正して頂きたいというので、その請願を出しました。年々その案を出し、請願に記名する人も多くなつて参りましたけれども、議会においてはこれに対して誠に冷淡で、この問題が出ますと、時には女の嫉妬だ、やきもちだというような言葉さえ投げ掛けて、まともに取扱われるということが薄く長年過ぎて参りました。たまたま一人の代議士の方があつて、これはどうしても日本の風俗を立派にするために必要なことだから、代議士の中にも沢山そうしたことに理解を持ち、應援する人もあるのだから、法律案として出した方がよかろう。法律案とすればかくかくの次第だと言つて、御親切にそのことをお勧め下すつた方がございました。当時の会長さん矢島楫子はその御親切に対して重ねて申しまするのに、この問題が、若しも兩方ともが罰せられるということになつたとしたらどんな結果が來るでしよう、大事な父も母も罰せられてしまう、という今の日本の状態……私どもはこの改正の請願を出す理由は、どうか良い家庭が作られるようにそういう道義は破られないようにということで出しておるのだから、私はこれは請願で通します。丁度日本の道義戰に対して半鐘を叩くようなもので、みんな氣を附けなければならない、注意しなければならないというような意味で、この請願を私は続く限り出しますと言つて返事をした。御親切に申された方は甚だその手温いことを残念にお思いになつて、こんなことでは駄目だ請願ということでは駄目だと言つて大変に残念にお思い下すつたような一つの事実がございましたけれども、この氣持は、私は今日も自分に持つておるのでございます。罰するということが主体じやなくて、國民の中にそういう罪過を犯すことのないようにしたいというところに主点があると思います。勿論そういうことを考えましてもそういうことをした者に対する罰はしなければならないとも考えますけれども、この問題は盗みをした、或いは火をつけたとかいうのと違つて、人間の一番大事な徳義、道義という問題に触れたことであつて、これを罰するにしても非常にそこに一つの力を、又省みなければならない問題があるのじやないかと考えます。そういう行き方におきまして、私はこれは罰を與える、刑法において罰するということよりも、どうしても道義という立場で以て何とか途を附けなければならない。勿論そのことは容易でないことでございます。けれどもこれはやはりその容易でないことを國民として知つていなければならないと思うのでございます。一体刑法というものはその人を罰して、そら、こういうふうに惡いことをしたから罪にしたぞと言つて、報復的に罰するのが目的でなしに、殊に今囘の刑法に対しては罪したものでもその罪を悔いて、その刑罰を受たことによつて希望を持つて、改めて更生する生活ができるようにするということが、刑法の主体であるといたしますならば、私はその姦通罪などというようなことに考えを及ぼした時に、果して更生し得又それによつて希望のある生涯を持つことができるかどうかということを本当に憂います。或る不良な子供の取扱いをして見ました時に、或いは又理想的にいろいろ惡化をした人などの取扱いをして見ましたその経驗から申しますと、言い知れない間に満ちたその空氣がどんな恐ろしてものを、子供自身もどうしてよいか分らないといふ間に、默々の間に恐ろしい考えを持ち又親を親と思わないという考を持つということが土台になつて、不良行爲や又思想的に陷る人などもあるという事実に当つて見ました私自身から申しますと刑法のこの問題も單にそういう罪を犯した、惡いことをした人を責める、罰する、ということを考える前に、もう一つこの子供の身になつたらどうかということを、ここに是非考えて頂きたいと思うのでございます。自分の最も信頼する大切な、取り去ることのできない親子の愛、父が姦通し、母が姦通したというような、そのこと自身でも苦しいところにもつて來て、刑罰までも受けたということになつた時にその子供が果して満足な生涯が持てるかどうか、その子供にとつては、このくらい苦しいことはなかろうと思います。盜みをした親の子供が実に可哀そうな、言うことのできないあがきを持つておりますことを思いますと、もつとその子供が成長して知つたら、苦しいその姦通罪で両親が罰を受けた者の自分は子だということが、子供として堪え切れない。そこに子供がどういうような動きを起して來るかということを考えて見ますと、これはどうしてもこういう罪を與えるというような刑罰はとつてしまい、何かそこにもつと好い方法がないだろうか、実は私はそれに対してこうしたらよいといふことが申せますならば、この上ないことでございますが、それが分らない。何か法を廃して、こういう刑法において姦通罪というものを肯定しておいてどうこうというのでなしに、これをないということにして、その人達に対するよい方法はないだろうかというところに、私の苦みはあるので、今日はそのことをむしろ教えを受けたいぐらいでどうしたらよいかということ。もう一つは、姦通罪というようなものに対しましても一般によく申しますことは、立派な人ならば余りないけれども、そこら辺の大衆の所にはこういうことはざらにあることだから、こういう法律がなかつたならば駄目だ、その法律があつて漸くその人たちを伏せておくことができるのだというお話を聞きますけれども、私が不幸にして承知した範囲におきましては、決してこういう罪過を犯す者は教育のある人とかない人とかいうことでないと思います。やはりいかに教育を受けておつても、こういう罪過を犯す人は沢山にある。又教育がない人でも、こういう問題に対しましては実に立派な人もあるので、これはどうしても人としての本当の教育を施すことがそこに起つて來なければならないのだ、私はどうしてもこの問題は一般の道徳の問題、それによつて何かその道を開くのでなければならないということを考えております。今宮城先生のいろいろのお話を伺いまして、ああしたいろいろ世界各國の例がございますけれども、日本として今度新しい新憲法下におきまして、あの戰爭さへも放棄した今日、殆んど理想といつてこのくらい理想はない、無謀と思われるくらいな戰爭放棄というその新らしい條項をはつきり掲げた日本としまして、私は是非共この姦通罪というものは刑法から取つてしまう。そうしてそこにそういうことの起らないように進めて行く途を他に開くという立場の氣持で、それに対しての賛成をしたわけであります。撤廃ということに賛成をした理由であります。

○齋武雄君 私は守屋さんにお伺いいたします。守屋さんは長年の間両性の平等ということを主張されまして、そうして男子も罰しろ、こういう請願を長年の間したということについては敬意を表します。然るに今日のお話によりますと、廃止に賛成である。現在まで長年両罰を主張して來たお方が、今日は廃止、こういうお話でありますが現在の状態は日本の國民の道義が非常に昂揚して、必要がなくなつたというのでありましようかどうか。そういう御心境の変化には重大な理由が存すると私は考えておるのでありますが、その理由をお伺いしたいのであります。

○公述人(守屋あづま君) むずかしい御返事になりますけれども、私、心境の変化と別に申しますよりも、私共の属しておりました團体が、その請願をずつと出して來ましたが、今日の世の中に、両方とも罰した方がよいというふうなことは誰も簡單に考えることでございますけれども、長い間、その間にして來ました私の実際からいいまして、私は罰して行くというふうなことよりも、自由に、もつと何かよい方法があつたならば、撤廃して、その他の途を考えた方がよい。先程泉二先生のお話がございましたように、私は先程ちよつといい落しましたのですが、刑法で云々ということよりも、やはりこういうような問題は家事審判に廻して、そこでよく熟議して行くというふうな方法を取りたいと考えております。両方罰して欲しいといつていたものが、急にどつちも罰しないようにしなければいけないというようにしたという御質問でございますけれども、両方とも惡いということについては強く感じておりますけれども、それ以上に、罰することよりも、もう少し……罰するということを拔かすと工合が惡いが、罰したい氣持は十分ございますけれども、普通の今のような罰し方で行くよりも罰することを止めて、もつとよい途を取つて行きたいという氣持があるので私は撤廃論にしたのであります。

○宮城タマヨ君 守屋先生と久布白先生にお伺い申上げます。姦通罪削除の法律上の問題については、お二方とも反対の立場に立つていらつしやいますけれども、矯風運動家として長い間貴い経驗を持つて、可哀そうな婦人の友となり、それから家庭においての貞操責任の持てませんところの、男子及び女子の行動から起つて來ます家庭問題についての、沢山の相談もお受けになつておると存じております。それで、この刑法民法の、この法律上の議論はちよつと措きまして、実際両先生がこれらの人に対する教育というもの、教育の効果というものをどのくらい考えていらつしやいますか、評價していらつしやいますか、或いは宗教の立場に立つての教育というものについて、どの程度に効果あるものだと長い経驗の間にお考えになつておりますか、その経驗についての点を質問いたしたいと思つております。

 それから今一つは、牧野先生にお伺い申上げますが、先程刑罰の逆効果、或いは副作用ということをおおせになりましてございますが、これについて私具体的のことを伺えれば結構だと思つております。

○委員長(伊藤修君) 守屋さんお答えをお願いいたしたいと思います。

○公述人(守屋あづま君) 只今の宮城さんの御質問は、立法的の問題でなしに、姦通といつたような実際問題においてどんなことかとおつしやいますことなんですか……そうなりますと、話が大変くだけてしまいますけれども身の上相談をいたしとおりまして、一番悩みを持つて來られるのは、自分の夫の不貞行爲であるし、そうしてそこに他の女子に子供ができ、而もそれをどう処置していいかというようなところまで行くことがあります。單に刑法上の問題で行つたならば、そういうふうな不貞なことをしても、夫だから云々ということになつてしまいますけれども実に人情というものは妙味のあるもので、今も増田さんもおつしやいましたように、一度自分の夫として愛した者がしくじりました時は、丁度女の立場は息子のしくじりのような考になるらしうございます。どうしてこんなことをしてくれたんだろうという悩みになつて、そうしてその夫のしたよくないことを、できるだけ一番いい方法で、人にも恥をかけず自分たちも体面を傷つけずに処置して行こうという悩みは実際氣の毒なようでございます。そういうことを思いますと、私はいつでも男つてなんていう奴だろうと思います。併しその男が自分の父親である、又息子である、世の中の殆んど不思議なことの最大なことは、男女の問題であると思います。そこに宗教上の問題を加味して御質問もございましたが、私はこれが本当に因果だと思いましてそういうような問題につきましては、できるだけ情実でなく……情実というと語弊がございますけれども、その過ちをするようになつた原因を尋ねて見ますと、その何という男かというような人にも氣の毒な点もある。又女の人にも氣の毒な点がある。悩みを持つて來た女の人には、そこに男の人の苦しみを持つて來ますし、男の相談になると、同性の女性がそこに現われて來るということになつて参りますから、この問題は私は簡單にこういうような所で、ああだ、こうだと決めるような問題でなしに、これこそ本当に人間の人間としての一番の苦しみだ、この苦しみはできるだけ互に信じ、愛して解決をして行かなければならない問題と考えております。宗教的に云々ということがございますが、私は先ず宗教の前に、先程久布白さんのお話にも、まだこの世の中はひどいからということがございましたけれども、その数十年の社会というものは、一面非常に道徳も廃頽したように見えますけれども、又非常に進歩したと思います。成長したと思います。まあここは一番近い例で議会などへ参りまして、今から三、四十年前に議会を傍聽したときの議員諸氏の御樣子と、今日の皆さん方の眞摯なその御樣子を比べて見ると、ああ進歩したものだと思います。又こうして私共女子がこういう所に出まして、何か言わせて頂き、何か言うことができるようになつたことも、これに対しましても或いは眞底から尊敬して聽くていうことじやなく、まあ出て來たから聽くんだという氣持がいくらかあるかも知れませんが、併し今日の平等になりましたこの世の中におきまして、きつぱり聽きもしよう、相談もしようということになつたことは成長している。この成長の蔭には、一番人類の苦しい性慾問題、これもやつぱり進歩してい道ことと思います。私は一層宗教的に、又教育的に、こういう問題を麗わしい、嚴そかな、大切な問題として取扱つて行くようにして参りたいという氣持がございます。大変御滿足が行かないかも知れませんけれども……。

○山下義信君 こういう機会は減多にないと思いますから、女性の諸先生に伺いたいと思いますが、増田さんのお説のように両罪といたしまして、姦通罪を存続いたしましたときに、女性の方が沢山告訴なさいます。即ち夫なる相手方をお訴えなさいますようなことが、女性の権利として沢山出て來るお見込でございましようか、或いはやはり余りないようなお見込でございましようか。これはお四人の御先生方でお相談なさらずに、思い思いに、御答弁お願いたいと思います。女性の嫉妬深い疑い深い人が、何でもかでもすぐに訴えるようになつて、事件が殖えますでしようか、それともやはり姦通罪を廃しても殖えませんでしようか、私共審議いたします上に非常に重大なる参考になりますので、伺いたいと思います。

○公述人(増田シズ君) それは女というものは家庭に子供がございますのですから、女にそういう権利が與えられても、その事件を女が告訴するとか、どうとかいうことはないと思います。

○公述人(守屋あづま君) 私も同じでございます。そればかりでなしに、これからの女の人はもつとこういう問題に積極的に進歩した氣持で子供を教育して参る。男の子供に貞操ということの大事なことをよく教えて参る。女の子供に女の純潔ということのために、しつかりしなければならんということをよく教えて参るだろうと思います。

【参考リンク】

※守屋東氏と日本キリスト教婦人矯風会百年史

http://ryubin.dtdns.net/ryutan/persons/moriya_azuma/moriya.html

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昭和23年、衆議院文化委員会において、「婦人の日」を祝祭日に指定の陳情書(「婦人の日」協議会キリスト教婦人矯風会外十名)(第五六七号)が委員会送付。祝祭日にはならなかったものの、翌年、労働省は「婦人の日」を正式に決定。

第2回衆議院文化委員会-9号 昭和23年06月08日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/002/1344/00206081344009c.html

2-衆-文化委員会-21号 昭和23年07月04日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/002/1344/00207041344021c.html

※「婦人の日」は、1949(昭和24)年労働省(現在の厚生労働省)が制定。1998(平成10)年に「女性の日」に改称されている。

【参考リンク】

※「婦人の祝日に関する世論調査」内閣府政府広報室

調査時期  昭和53年4月29日〜昭和53年5月8日

http://www.op.cao.go.jp/survey/s53/S53-04-53-02.html

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昭和24年、参議院本会議において、木内キヤウ議員による乳幼児の着物の輸入に関する請願に関する緊急動議で、請願団体の一人として矯風会が紹介される。

5-参-本会議-25号 昭和24年05月13日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/005/0512/00505130512026c.html

○木内キヤウ君 大日本連合母の会の代表、矯風会、櫻楓会、母を護るの家代表、学生と母の会の代表から、乳幼兒の着物の輸入に関する切実な請願がございました。

 現在の日本の着物は窮乏の極に達しております。そうしてその重圧を感じておりますのは婦人にかかつております。殊に小さな、着物を持たずに生れる子供、その着物の材料の調達は主婦の心に日夜大きな悩みとなつております。若いこの節の人に材料のない子供の生れる人のその資材が丸でありません。これが解決をしますのに、米國から古い着物、古いものを輸入して貰いたいという懇請でございます。

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昭和26年、参議院労働委員会において、日本有権者同盟で当時婦人少年局縮小反対運動を組織していた斎藤きえ参考人が、労働行政機構改革に関し、国際婦人運動とつながりの深い婦人少年局を存続させよとの主張の中で、国際婦人運動に参加している事例として矯風会を紹介。

11閉-参-労働委員会-4号 昭和26年09月27日

○労働行政の実情に関する調査の件(行政機構改革に関する件)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/011/0808/01109270808004c.html

○参考人(斎藤きえ君)

婦人少年局は現在出していらつしやいますような女子供たちの実態調査とか、或いは農村婦人の調査、それから封建性についての調査とか、いろいろな私ども民間団体ではできない、例えば婦人の市民意識についての調査なんというものもございますが、そういうものを、私どもが運動する場合に、やはりこれから日本の婦人運動も的確な科学的な調査資料に基いてやらなければならないという段階に婦人少年局の果していらつしやる役割というものは非常に大きい、こういうふうに考えております。そうして又こういう調査をなさる場合にも、地方の職員室というものは非常に大きな役割を果しておいでになるということを、私どもは実際にお話を伺つて知つております。それからもう一つ、婦人少年局の婦人課の組織規程の中には現れておりませんが、今まで婦人少年局がやつて来られました非常に大きな役割は、国際的な連絡提携ということであろうかと思います。今年の婦人週間には、海外の婦人とのメッセージの交換をされたようでありまして、アメリカは勿論ブラジルカナダデンマーク、イギリス、イタリー、韓国、オランダ、ノルウエー、スエーデン、タイというふうないろいろな国との交換をしておられます。勿論私ども民間の婦人団体の中にも国際的な繋りを持つております婦人団体はたくさんございます。例えばYWCAとか矯風会とか平和婦人会といつたような団体が、それぞれ国際的な繋りを持つておりますが、この婦人少年局は、今年の四月行われたような広汎な海外婦人との繋りというものはできるのでありまして、ここにも私ども民間団体ではできない大きな役割を婦人少年局はやつておられるように思います。特に今度の藤田局長は国際人であられますので、私どもは今後ますますこういう面にも大いに活動して頂きたいと思つております。

【参考リンク】

法政大学大原社会問題研究所 日本労働年鑑 第27集 1955年版 第二部 労働運動 第四編 その他の社会運動

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/27/rn1955-700.html

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昭和27年、破壞活動防止法案、公安調査庁設置法案及び公安審査委員会設置法案を議題とした衆議院方委員会公聴会で、婦人民主倶楽部委員長の櫛田フキ氏が出席公述人として陳述。破防法案に反対した婦人団体の例として矯風会を紹介。

13-衆-法務委員会公聴会-1号 昭和27年04月30日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/013/0640/01304300640001c.html

○櫛田公述人 婦人民主倶楽部の櫛田フキでございます。

 過般来労働組合がゼネストでこれに抗議をしたこと、それは当然なことでございますが、婦人団体でも私が属しております婦人民主クラブを初めとして、日本基督教女子青年会だの、それから矯風会だの、有権者同盟だの、日本大学婦人協会、また婦人平和協会というな婦人団体もこぞつてこれには猛反対をいたしておりまして、すでに政府に決議文を出しておりますから、皆様が御承知のことだと思います。

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昭和27年、破壞活動防止法案、公安調査庁設置法案及び公安審査委員会設置法案についての参議院法務委員会審議で、緑風会の宮城タマヨ議員の質疑で、破防法案に反対した婦人団体の例として矯風会を紹介。宮城タマヨ議員は、売防法成立の有力推進者の一人。破壊活動防止法案の審議では扇動条項の削除を主張。

13-参-法務委員会-50号 昭和27年06月06日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/013/0488/01306060488050c.html

○宮城タマヨ君 今日は法務総裁がお出まし下さいまして安心いたしました。実は毎日法務総裁お倒れにならないかしらと思つて御案じ申上げておるところなのでございますけれども、私どもも健康を破壊するかも知れない、この法案でうんと頑張つているのでございますが、私はこの参議院始つて以来五カ年間もう法務委員として徹頭徹尾やつております。そしてこの委員会で髄分法律の審議もいたしましたけれども、今度のように多くのかたから反対の陳情をされた法律案は始めてでございます。それで文化団体や学術団体、労働団体、その他各層の団体からの陳情は、これにまあ然るところでございましようけれども、私が大変驚いておりますことは、婦人団体が挙つて反対の立場に立つております。恐らく法務総裁のところにも陳情に参りました者もございますと思つておりますけれども、例の公安委員でいらつしやつた植村環さんなんかの率いていらつしやる、あれは日本女子基督教青年会でございますか、これは宗教団体でございまして、そのほか日本大学婦人協会、日本婦人平和協会、日本婦人有権者同盟、日本基督教矯風会といつたような、とにかく国際的な団体を初めとしまして、その他たくさんの婦人団体、それから又驚きますことは地域婦人団体、つまりPTAでございますとか地区の婦人たち、つまり母親の立場に立つておりますところの婦人たちが非常にこの法案の成立いたします日を心配いたしまして、ということは後にも申上げますけれども、我が子に、我が家に火がつきはしないかという心配で、そしてまあ多い日は、今日持つて来たいほどでございますが、千通以上の陳情が参つておりますようなことでございまして、中には実にこの前の例の治安維持法にひつかかつて、そうして自分の子供がめちやくちやになつたような例もございますし、又一人の息子がひつかかつたために、兄弟が折角結婚が成立しておつたのに、それが取止めになつたために、一家もう挙つて治安維持法のために亡ぼされたという例もございまして、勿論今度の破壊活動防止法案があの治安維持法と違うことは私どもも十分了解しておりますけれども、非常なお母さんたちの心配の運動でございます。ところがこの法律問題の一問一答によりまして、だんだんその法案の内容が明らかにされて参りまするにつれまして、私も又母親の立場に立ちましたときに非常に心配になつて参りました。そこでもうこの法律論は尽きております今日でございますが、私は母親の立場において数点につきまして法務総裁から一つお教えを願いたい。そうして私の立場で又多くの婦人団体、殊に地域婦人団体のかたに説明をして、納得の行かぬ点がございましたらそれにも努めたいと思つております。そうしてどうしても納得が行かなければ、それは止むを得ないと思つておりますのでございます。

【参考リンク】

※宮城タマヨ

http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/M/miyagi_t.html

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昭和27年、破壞活動防止法案、公安調査庁設置法案及び公安審査委員会設置法案についての参議院本会議討論で、日本共産党の須藤五郎議員が、破防法案に反対した婦人団体の例として矯風会を紹介。

13-参-本会議-61号 昭和27年07月03日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/013/0512/01307030512061c.html

○須藤五郎君 私は日本共産党を代表して、只今上程された軍事植民地的法案、破防法並びに他の二法案に対し、断固反対するものであります。

 韓国の国家公安法、バオダイ政権下のベトナムのそれを見るがよい。それはこの破防法と同じ性質の法案であります。即ちこの種の法案は退歩的な国にのみあるものであります。御丁寧にも今日、李承晩大統領は破防法が実施されたらこんなことになるぞとその見本を見せております。自己に不利益なる言動をなす者は、開会中にもかかわらず国会議員といえども逮捕し、国会を軍隊を以て包囲するごとき無法をあえてやつておるのであります。今日、日本の国会におきましても、学生、労働者の破防法反対の陳情に対し、鉄兜の棚を作り、これを阻止しているではありませんか、韓国と何ら異ならないのであります。(「どうだ民主クラブ」と呼ぶ者あり、笑声)憲法を超越したこのフアツシヨ法は国会議員でも、誰であろうが、政府に反対した者は皆縛り上げることができるのであります。そのためにこそ、天下の衆人皆声を揃うて、この法案に反対しておるのであります。四月十二日、四月十八日以来第三波、第四波に及ぶ数百万のゼネストは何を物語つておるのか。日本学術会議は圧倒的多数を以て反対決議をなし、全国の大学、高校はストライキを以てこれに抗議し、各大学の教授たちも殆んどが反対に立上つておるのであります。毎日々々国会に押し寄せるあらゆる階層の反対陳情を政府はどう見ているか。公益のために立法すると言つておるが、新聞の輿論、あらゆる文化団体は口を揃えて反対を唱え、又婦人矯風会を初め、婦人団体も皆これに反対しておるのであります。

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昭和29年、衆議院法務委員会における売春等処罰法案審議で、宗教家(救世軍・大佐)の瀬川八十雄参考人が、売春婦矯正施設の運営主体の一例として矯風会を紹介。

19-衆-法務委員会-64号 昭和29年05月28日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/019/0488/01905280488064c.html

○瀬川参考人 私は今神近先生のおつしやる通りのことを考えているのであります。願わくはこの法律に矯正の面も伴うようにということを考えているのでございます。しかしながら今それもこれも一緒にということはなかなか困難でありましようから、まずこの法案漢案の罰則の方、それが男であろうと業者であろうと何であろうと、ひつくるめてまずこの法案を通過させるように何とかお骨折りを願いたい。もしもこれが通過されれば、必ずそれに伴うて保護の方面が起つて来るに違いないのでありまするから、まず何はさておいてもこれを通過させていただきたい。少年法の場合において、これを行う少年たちをどうしようかというお話も多分あつたろうと思うのであります。何はともあれ少年法を先に通過さしてしまおうというふうにお考えになつたやうに覚えているのでありますが、そういう寸法で大急ぎでお運びを願いたいと思うのであります。今矯正ということでございましたが、これは十七箇所、ことに東京のものは矯風会なり、救世軍なり、あるいは山田ワカ先生の方なり、また聖友ホームなり、あるいはついでに横浜の万面へも寄つていただきたいということを考えております。それで矯正の問題が論議された場合にもただちに御返事のできるように、ただいま私どもは私どもとして、至らぬ者でございまするけれども、それを考えている最中でございまして、たとえばまず更正寮というわけで、最初に更生寮、これは精神指導――それが宗教的方面であろうと何であろうと、精神指導、生活の訓練をする、職業の補導をやる、そしてどうも性格異常であるとか、精神薄弱であるとかいうふうな長期にわたるものに至つては、ことによつたら強制収界の必要があるかもしれませんが、そういうふうな多少長期にわたる施設、それから今度は更生寮から進んで、かりに婦人寮という名前ですが、指導監督をすると一緒に住宅の提供という意味合いの色彩の濃いものというような、大体三通りにして行つたらばよかろうというふうなぐあいで、当局ともわれわれかねかね御相談をしている最中でございます。幸いにしまして、十七箇所の施設をざつと見ますると、非常に高い標準は別ですが、われわれの方から見て、半分以上はこれは更生したなというふうなことがはつきり甘えると思うのであります。そういうことを私どもは考えておりますから、どうぞそのお考えでお願いしたいのです。ですから、何はともあれ、不完全であろうが何であろうが、この法律案は何としても一日も早く通過させていただきたい。更生の方はあとから必ずできましようから、まず大急ぎで今議会にやつていただきたい、どうぞお願いいたします。

【参考リンク】

※救世軍の陸海軍人伝道と戦時難民救済事業

http://members.at.infoseek.co.jp/kindoochan/war_relief_work.html

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昭和30年、衆議院法務委員会において、売春等処罰法案の審議で、猪俣浩三議員の質問に対し、紅露みつ厚生政務次官が“転落女性保護施設”の委託団体の一例として矯風会を例示。紅露みつ議員は元自民党婦人局長。

22-衆-法務委員会-29号 昭和30年06月29日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/022/0488/02206290488029c.html

○紅露政府委員 ただいま猪俣委員より転落女性を現在厚生省はどのように保護しているか、こういうことのお尋ねでございますが、現在はこうした転落女性を収容いたします施設が全国で十七カ所ございます。大体七百人程度を収容しております。これは都道府県直営のものもございますし、それから救世軍、矯風会、東本願寺等の社会事業団体に委託をしているものもございます。収容者の更生につきましては職業の問題がございますし、住宅の問題がございます。その他いろいろ困難なことが多いのでございますが、相当数はここで独立する力を得、また結婚をするというような気分にもなる、あるいは親元に帰す。こういうふうにしかるべくその個人々々によりまして身の振り方をつけておるわけでございます。この施設に入りました二十九年度の総入所者の数は九百七十五名でございました。それから総退所者が一千九人でございます。数字に食い違いがございますが、これは時間のずれでございます。そして今申し上げましたように、退所者は就職をしたり、あるいは親元に帰ったり、結婚ができたというように、相当な効果をこれはあげておると信じます。経費につきましては、本年度は二千五百万円を厚生省としては計上いたしております。これは都道府県におきまして二割、国家が八割ということでございますので、この施設に使いまする費用の二千五百万円は、八割に相当する額でございます。

【参考】

※NIEのひろば・阿波の先人たち 紅露みつ

http://www.topics.or.jp/nie/2000nie/1218senjin.html

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昭和30年、参議院法務委員会における売春等処罰法案審議で、宗教家(救世軍・大佐)の瀬川八十雄参考人が、売春婦保護施設の運営主体の一例として矯風会を紹介。

22-参-法務委員会-18号 昭和30年07月19日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/022/0488/02207190488018c.html

○参考人(瀬川八十雄君) 大へん大きな問題でありまするから、私がこれをよくこなせるかどうかはなはだ心もとなく、責任を感ずる次第であります。そこで、終戦直後公娼廃止とともに次官会議の決定といたしまして、全国に十七カ所の保護施設を始められることになりまして、矯風会なり救世軍なり、その他の団体がこれに預かることにしていただきました。そこで去る五年か、その内外の統計でございますが、これはごく今年というわけにはいきませんですが、何がゆえにその婦人寮に入るようになったかというもともとの原因ですね、素行不良というのが八%、好奇心からが六%余り、自暴自棄が二%、性格異常が四%、放浪性が一%幾ら、両親がなくなったというのが一一%、家庭不和が一九%、離婚があり、家出あり、生活困難、これが一番大きい。それから誘惑が八%、それから強姦されたがもとでというのがあり、まあこんなようなわけで、パーセンテージがいろいろ出ております。ところで実際に当ってみますると、その原因をただ一つにするということが非常に困難です。貧乏でもあったり、家庭の不和でもあったり、誘惑の受けやすい人もあってみたり、ですからもうこんがらかっておるのです。ですからたとい貧乏であっても、精神がしっかりしておったらそれに負けないということは幾らもあり得る。貧乏の人の家庭から必ず片っ端しから出るとはさまっていないのですから、それですから貧困だけをとらえれば、あれもこれもみな貧困が原因になってしまうというような状態に見えるのであります。それですから、私は宗教家の片端でありまするから、ことにその点に心が向っていくのかしりませんけれども、つまり要するにそういうふうな娘たちの出てこない、周旋人がたとい来たところで、出てこないようにするというのは、つまり健全な家庭というのが、これがまあ一番大事だと思うのです。健全なる家庭というのは、何も金持ちでなければならぬというわけは何もないのであって、貧しい家庭であっても、それにひっかからないで、こういうものの原因にならないで済んでおる。われわれの寮に来まして、そうして更生して、同じ家庭に帰って、同じ貧乏な暮しをしておっても、またもう一ぺん転落するということはなしにおる婦人が幾らもおるのですから、そんなふうに更生の実をあげておる婦人が幾らでもおるのですから、それですから貧困ということばかりが原因になるとはきまっていない。そうすると、結局は経済上の問題が全然関係がないとは言えませんけれども、根本の問題はどうしても私は家庭にあり、家庭を組織している一人々々の知能の問題であり、さらに進んで精神の問題に至り、また宗教的の感化というものに大いにあるというつもりで、われわれのところへ来る娘たちにできるだけそれを強制しない程度で、これを努めておるというわけであります。

(この項目つづく)

20040523 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情の審議(4)

東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(4)

東京都議会文教委員会速記録第八号 平成十六年三月二十二日(月曜日)

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030103.htm

〇村上委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十六年度予算関係議案について意見の開陳を行います。

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一、青少年健全育成条例の積極的な運用により、青少年を取り巻く環境の整備を推進するとともに、家庭、学校、地域が連携した、心の東京革命の本格的な事業展開を図られたい。

〇大塚委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十六年度予算にかかわる議案について意見の開陳を行います。

・・・・

一、青少年の健全育成を図るため、居場所づくりを進めること。

〇野上委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました平成十六年度予算関係議案について意見の開陳を行います。

・・・・

一、家庭、学校、地域及び社会全体が心の東京革命に積極的に取り組むための支援策を講ずること。また、青少年の健全育成に向けた取り組みとして、薬物乱用防止対策の強化など青少年施策の充実を図るとともに、青少年健全育成条例の適切な運用に努めること。

〇曽根委員 日本共産党都議団を代表し、来年度予算案に対する意見開陳を行います。

・・・・

一、青少年の健全育成のために、罰則や取り締まりの強化中心ではなく、青少年の居場所づくり、メディアリテラシーひきこもり対策など、新たな課題に積極的に取り組むこと。

〇山口委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成十六年度予算関係議案について意見の開陳を行います。

・・・・

一、青少年の健全育成に当たっては、青少年が人権意識、判断力や自己決定力をエンパワーメントできる男女平等教育、性教育やメディアリテラシー教育を実践すること。

 一、青少年の健全育成に当たっては、子どもの権利の視点に立ち、子ども自身の意見を反映した施策を局間連携で進めること。

〇福士委員 それでは、私から、自治市民’93といたしまして意見を申し述べます。

今や、マスコミ、特にテレビでは、特殊な犯罪を事あるごとに日に何度も繰り返し流すことにより、青少年犯罪が増加したような錯覚を人々に植えつけている。そればかりか、協議会の専門部会の資料でも、青少年特有の犯罪を抜き出し、その中の青少年の比率で、いかにも犯罪増加を推測させようとするなど、正確で論理的判断材料が示されていない。

 一般的にも、不健全図書は、それを読むことで不健全行為に走るというデータはないともいわれている。不健全な状況においては、それを反面教師としてとらえ、自分を律するだけの教育こそ重要視されるべきである。殺人罪があることで殺人がなくなるのであれば、世の中からとっくに殺人は消えているはずである。

 以上、文教委員会にかかわる予算案及びそれに関する事項の問題点を申し述べ、以下、各部局別に意見を申し述べます。

・・・・

一、心の東京革命については、感性の部分にまで行政として踏み込むことは避けること。

一、教育行政は基本的に公教育の改善に注力すべきであり、心の東京革命を掲げた家庭教育への具体的介入は極力避けること。

 一、日の丸掲揚、君が代斉唱を徹底させることに執着し、学校長にまで密告を強要するような思想弾圧は行わず、健全な学校運営を目指すこと。

・・・・

〇東委員長 次に、請願陳情の審査を行います。

・・・・

〇東委員長 

・・・・

 次に、一五第八七号、東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情を議題といたします。

 本件については、既に質疑を終了しております。

 これより採決を行います。

 本件は、起立により採決いたします。

 本件は趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。

   〔賛成者起立〕

〇東委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第八七号は不採択と決定いたしました。

20040522 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情の審議(3)

東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(3)

東京都議会文教委員会速記録第七号 平成十六年三月十九日(金曜日)

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030102.htm

〇東委員長 速記をストップしてください。

   〔速記中止〕

〇東委員長 速記を再開してください。

〇福士委員 それでは、私から何点か質問をさせていただきます。

 先ほど、不健全な図書類の指定について、規則に定める基準というのはご質問がありましたので、その前段にありますもう一つの優良図書類の指定について、新たに規則で基準を定めるようになりましたけれども、これについてもちょっと確認の意味で伺っておきたいと思います。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 優良図書の指定につきましての規則での基準の定めの内容についてのお尋ねでございます。

 優良図書類等の推奨の基準、これにつきましても、先ほど申しました不健全図書の基準と同様に、従来、知事決定ということで、行政内部の認定基準において定めていたわけでございます。これは先ほど申しましたものと同様なんですが、透明性を高めまして、都民に対する説明責任を果たす、都民にわかりやすくこの内容を理解していただくという観点から、今回、東京都規則で定めるということで、条例改正をお願いしている次第でございます。

 なお、内容につきましては、これも一部の文言整理はございますが、基本的に今までの内容、青少年の社会に対する良識と倫理観を育てるもの等々と同様の基準を設定するつもりでおります。

 なお、平成十四年度には十三本の優良映画を推奨したことをあわせてご報告させていただきます。

 以上でございます。

〇福士委員 不健全の方も、質の問題からいえば、だれがどういうふうに、著しく卑わいなところというふうに判断するかという問題もありますし、結構こういうものを条例でやるのも難しいのかなと。先ほど来、規則でだんだん変わっていくんじゃないかというお話もありましたけど、やはりそのあたりも心配する部分はあるかなというふうに思います。

 もう一つ、私はもう単純に伺っていきますが、不健全図書類の指定でいわれている犯罪の誘発とはどのような根拠によるものか、お示しください。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 犯罪の誘発という概念の内容についてのお尋ねでございます。

 これは具体的に申し上げますと、著しく犯罪を誘発するものとは、刑罰法規に触れる行為を賛美し、またはこれらの行為の実行を進め、または唆すような表現をしたもの、これが一つでございます。及び、刑罰法規に触れる行為の手段を模倣できるように詳細に、または具体的に描写または表現したものとしております。

 以上でございます。

〇福士委員 どんどん伺っていきます。

 じゃ、第九条の四にある東京都青少年健全育成協力員というのはどのように定めるんでしょうか。また、どのような仕事内容となるのか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 東京都青少年健全育成協力員についてのお尋ねでございます。

 この協力員につきましては、青少年にとって有害な環境を改善したいとする意欲を持ち、地域で健全育成活動に既に携わっていただいている都民を、この健全育成協力員に委嘱する予定で現在作業を進めております。

 その活動内容は、地域の書店やコンビニエンスストア等における不健全図書類の包装と区分陳列の状況を調査し、都に報告していただくことを予定いたしております。

 以上でございます。

〇福士委員 確認させていただきますけど、この協力員は置くことができるということですから、都内全域に全部一斉に決めますよとか、そういうことはないですよね。

 それから、もう一つ、今ご答弁いただきましたように、都に報告するだけというふうに理解してよろしいですよね。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 健全育成協力員についてお尋ねでございますが、まだ具体的なスキームというのは現在検討している最中でございまして、各区市町村にどの程度置くとか、について具体的な詳細な内容はまだ私ども決めておりません。まだ具体的には詰まっておりません。

 それから、仕事内容につきましては、基本的には都に報告していただくということで、いわゆる権力的な、そういう通常の行政が行うことに関与していただくということは想定いたしておりません。

 以上でございます。

〇福士委員 次に、十三条の二にある指定刃物の販売等の制限による効果って、どんなことを考えていらっしゃるのか、教えてください。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 刃物についてのお尋ねでございます。刃物が使用される犯罪、これは刃物の持っている性格から、結果が非常に重大であり、軽視することはできないということはご理解いただけると思います。そういう観点から、青少年が安易に不必要で危険な刃物を持つことがないよう、青少年の興味を引き、携帯しやすく、かつ日常生活において所持する必要のない刃物を指定しまして、青少年への当該指定刃物の販売を規制するものでございます。この条例で規定することによりまして、青少年に販売を規制するという直接的な効果を上げますとともに、販売業者や社会一般の皆さん方の注意を喚起し、規範意識の向上を図る宣言的効果もあわせて持ち得るものと考えております。

 以上でございます。

〇福士委員 お上にいわれなければ、自分たちが、業界の中で考えることができないというのも問題かなというふうに思いますが、同じく十五条の古物売買の未成年への制限は、書籍の万引きによる対策と、前に、何か請願でしたか陳情でしたか、出ておりましたけれども、そういう対策というふうに仄聞しておりますけど、そういう理解でよろしいんでしょうか。

 また、青少年が万引きなど非合法に得た書籍を売る方法ですけど、大人の人に預けて売ってもらうとか、幾らでも抜け道はあるのかなというふうに思うんですけれども、そうした場合の対策というのは、これでどうなるんでしょうか。

〇高島都民協働部長 古物売買についてのお尋ねでございます。

 青少年からの古物買い受けの制限、これは、青少年が安易に多額の金銭を入手することが可能になり、健全な金銭感覚を失い、ひいては非行に走るという悪循環を防止するということが一つ。それから、二つ目としましては、今お話がございました、換金目的で書籍等を万引きする誘引をなくすことが目的でございます。

 なお、抜け道があるのではないかというお尋ねでございますが、これについては、万引きは本来犯罪でございますので、青少年のこういう問題についての認識を高めるための普及啓発を行っていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

〇福士委員 今まで、ほかの方の質問も伺ってきておりますので、私は、条例というたがをはめて、それで何とかなるとは思えないというのが基本的な考え方です。例えば殺人の場合、刑罰があるから殺人が起きないかというと、そんなことはないわけですね。(「いや、ありますよ」と呼ぶ者あり)いや、そんなことないですよ。関係なしに起きる場合は起きる。(「抑止力だってある」と呼ぶ者あり)抑止力じゃなくて、起きた後の対策としてそれはあるだけですよ。

 ちょっと話が飛んで恐縮ですけど、前に私、福岡県柳川市というところに行ったことがあります。そこは川の町です。で、ここは日常の水の使い方が非常に上手なんですが、川そのものはさくも何にもないんですね。道からストーンと落ちていて、結構深いところもあったりするんですよ。そこに行ったときに、ところどころに、川におりていって、川の水にさわれるような階段がついているんですけど、小さい子どもも含めて事故はないですかって聞きましたら、小さい子も危ないことを知っているし、水の遊び方も知っているので、事故はほとんど起きないというようなご返事がありました。

 何をいいたいかといいますと、生きていく中……(「たまたまだよ」と呼ぶ者あり)いや、たまたまじゃないんですよ。海のそばでもそうですけど、どんなに嵐の海に遊びに行っても、そこの中に巻き込まれないというのは、私も海のそばで育ったので、体験的にわかるんです。生きていく中で、いろんな危険とか、犯罪とか、おぞましいことにはたくさん出会う可能性というのはありますよね。そのときに、飲み込まれるか、自分で自分を律することができるかというのが、私は大事なことではないかなと思うんですね。

 どれほど不健全な図書を青少年に買わせないようにしても、ごみ置き場から拾ってきたりなんかすることはいっぱいあるわけで、私の息子も小学校のときに何か拾ってきて、うちでこそこそ見ているので、私は、これはきれいとか、これは嫌だねとかいいながら一緒に見た記憶があります。が、その後、余りそんなことをしなくなりました。

 一時期、泥棒しようという本の話がやっぱり出ていまして、ピッキングをするやり方なんかもずっと教えたりするという話も出ていたことがありますけれども、例えば、あれをなくしたらという話じゃなくて、それを読んだことがいけないんじゃなくて、それを読んで、実際に泥棒に入られないようにどう対策するかということを考えるのか、あるいは、それを見たから、実際に泥棒しようかというふうに実行に移す行為につなげるかどうかが問題なんだろうというふうに思われるんですね。

 確かな自己判断がきちんとされていけば、何を読むかどうかじゃなくて、それを読んだときにどうなるか。例えば、親でも家族でもそうですけど、飲んだくれの親がいたら、必ずしも子どもが飲んだくれになるわけじゃなくて、そういう子もいるけれども、そうじゃなくて、反面教師でしっかり育つ子もいるわけですから、そっちの方をきちんとどれだけできるかということが重要になってくるのじゃないかなというふうに私は思っています。(「理想論はね」と呼ぶ者あり)いや、理想論じゃなくて、今の教育問題も、もとが違うんですよね。

 もちろん、個人的なことも含めていろいろあるから、一律にどうにかできるというふうには思えないんですけれども、私、きのうも申し上げましたけど、どんなことが起きているのか解析しないで、ただただいっていくというのは問題じゃないかなというふうに思っています。

 今回、深夜外出のデータというのも出されていますけど、これ、データの数字は変えないけれども、データの読みかえをしていらっしゃる方が、私の方にも、多分ほかの方にも送ってこられたんじゃないかと思いますが、資料を送ってこられてまして、三回以上深夜の徘回をしているという子、それから、深夜の徘回はゼロという子の数字の置きかえをしていらっしゃるんです。そうしますと、三回以上深夜の徘回をしている子を全部ひっくるめてやって、ひったくりを絶対しないと思うのは八〇・三%。それから、してしまうかもしれないというのが一九・七%。長くなりますから、ちょっと間を飛ばしますけど、深夜の徘回がゼロの子は、ひったくりを絶対しないと思うというのは九四・一%。そして、してしまうかもしれないというのが五・九%。これで見ると、数字からいうと、やっぱり徘回をしないゼロの子の方が、ひったくりをしない方が多いのねというふうに感じるんですが、絶対数で見ますと、徘回三回以上の子でひったくりをしてしまうかもしれないのが六十九人で、徘回ゼロでひったくりをしてしまうかもしれないのが二百二十人と、絶対数値になると今度は大きくなっちゃったりしているんですよね。

 そういうこともありますし、それから、これ、ちょっと古い資料なんですが、メディアと少年凶悪化ということで、東大助教授の広田照幸さんが朝日新聞の夕刊の文化欄に書いていらして、これは青少年条例とは関係ないことでお書きになっているんですが、そこのデータだけ見ますと、ちょっと古いので、恐縮なんですが、九八年までしか出てないんですけれども、六〇年代が一番、十万人当たりの殺人、未遂も含んで殺人の検挙者が多いんですね。それを見ますと、二十から二十四歳だと、十万人当たり十人をちょっと超えるぐらい。それから、十八、十九になると、七人ちょっと。十六、十七歳になると、三・五人弱ぐらいですかね。それから、十四、十五だと、一人にならない、〇・七とか八とか、そういう感じです。

 ところが、九八年にはずっと下がってきているんですね。二十から二十四歳がずっと下がっておりまして、十四、十五とか、十六、十七がそれをちょっと超えているもんですから、多くなった多くなったといういい方をしていますが、数字で見ると、二十から二十四歳は、一・二か三ぐらいですよ、グラフなのでよく読み取れないですが。そこを超えて十四、十五、十六、十七が一・五六ぐらいですかね。一・六人ぐらい。だから、超えたといっても、〇・幾つぐらいの差の中で多いとか少ないとかいっていて、十万人対十人になっているわけじゃないんですね。こういう数字の読み方というのはすごく大事なんじゃないかというふうに私は思います。

 これ、専門部会で出された、先ほどの深夜徘回以外に、街頭犯罪検挙人員に占める少年の割合、これも出ております。これを見ますと、ひったくりが六八%とか、オートバイの盗難が、九五%が少年の占める割合になっていますから、ああ、やっぱり多いのねなんていうふうな感じはするんですけど、現実に考えたときに、自転車を盗んだり、自動販売機を荒らしたり、あるいはオートバイを盗むというのは、大人の人はやらないんじゃないかというふうに私は思うんですよ。二十過ぎで、三十、四十になった人たちがこういうことするかなという感じなんですね。そうすると、ある年代の中で少年の年代を出していくと、こういう数字になるのかなと。

 ですから、この読み方もそうですし、データがきちんと正直にどれだけ出されるか、正直に解析されるかということが大事なわけで、それをつかまないで、ただ感情論で、だから条例が必要とか。それから、今、マスコミの方、ここにもいらっしゃいますけど、マスコミの方は非常にショッキングな話で、いろんな事件をテレビも新聞も同じに何回も何回も取り上げたりしますよね。そうすると、すごくその事件が多くなったように、私たちも錯覚をしてしまいます。だけど、数字で見れば、本当にそうなのかどうかわからない。

 こういうことを審議されるときには、きちんとした数字を挙げて、本当に少年犯罪がふえているかどうかということをきちんと審議をするもととして出していただきたい。そうじゃなければ、多くなったという気分だけでこういう条例をおつくりになるのはいかがなものかなというふうに私は思っております。

 以上です。

〇山下委員 私からは、我が党の代表質問においてもそうですし、せんだっての予算特別委員会においても初鹿議員から質問のあった、自動販売機の規制と刃物の規制について伺っていこうと思っております。

 青少年が健全に育つ環境をつくることは大人の責任であり、そのために大人や事業者に対して一定の規制を課す必要性は十分に私も理解しているつもりであります。

 そこで、まず確認のために伺おうと思ったんですが、先ほどご答弁もありましたので、自動販売機の義務づけの必要性という点については、三百四十カ所、都内にはそういうアダルトビデオ等の自動販売機があるが、そのうち約一割が年齢識別装置が未設置であり、また夜間になると、約六〇%がその装置も稼働していないということがあるということですので、これもよくわかりました。

 しかし、大きな意味で考えますと、青少年を守らなければならないのは、何も不健全図書あるいはビデオといったものだけではないようにも思っております。法律で禁止されているお酒、たばこの自動販売機については、そういった動きはあるそうですが、一部でテスト導入はされているみたいなのですが、現在はそういうものは設置していないわけですよね。こういったこと自体、私はバランスを欠いていると思うんですが、ご見解を伺います。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 自動販売機の規制に関連しまして、いわゆる酒、たばこの自動販売機などとのバランスが欠けるんじゃないかというお尋ねだろうと思います。

 酒、たばこにつきましては、現在、自主規制により深夜の自動販売機では購入できないとされております。これは切ってしまいますので、大人の方も含めて購入できないということになっているわけです。ただ、昼間は購入可能でございます。そういう意味では、これについて、先般の竹花副知事の私的諮問機関としてつくりました少年を犯罪に巻き込まないための方策を提言する会におきましても提言されておりましたけれども、青少年が購入できない措置をとる必要があるということを感じております。

 いずれにしましても、酒、たばこにつきましては、法律で販売の許認可、いわゆる国の許認可になっておりますので、そういうことも勘案する必要があるんじゃなかろうかというふうに思っております。

 以上でございます。

〇山下委員 今のご答弁、まさしくおっしゃるとおりだと思いますね。青少年が購入できない措置をとる必要があると感じているということなんですが、まさしく青少年を守るということであれば、お酒、たばこからも青少年を守るように国に働きかけていただきますように、私からは要望させていただこう、そんなふうに思っています。

 次に、自動販売機のお話に戻りますが、先ほど高島部長のご答弁の中で、年齢を識別する方法として、一つは、免許証を年齢識別装置に入れるという方法がある、もう一つは、遠隔操作できるビデオカメラによって、帰りなさいと注意を促したり、それによって判断されるといったようなご答弁があったんですが、私、この後者について大変危惧を抱いております。年齢識別方法として、遠隔操作できるビデオカメラによる方法というのは認められているのか、お伺いいたします。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 石川委員にはちょっとおわび申し上げなきゃいけないんですが、先ほど私の方から、年齢識別の方法としまして、二つありますというお話を申し上げました。一つは、いわゆる免許証を入れて年齢識別装置として機能させるもの、もう一つは、カメラで見ていて遠距離で監視するものということで、この二つは、実は自主規制の方法として今まで講じられていたわけでございます。

 実は、今般、この条例に当たっての義務づけに当たりましては、今、山下委員からご指摘もありました、そういう年齢識別の方法として徹底させるのであれば、そういう遠隔監視はいかがなものかというようなお話もございます。そういうことも含めまして、まだ確定しているわけではございませんが、今後規則で定める内容につきましては、またお時間をいただきたいと思うんですけれども、今までの自主規制ではその二つの方法を認めておりましたけれども、より徹底するという観点から、その方法についてより厳しくやっていくということも検討していかなくちゃいけないんだろうと思っております。

 石川委員には、私、先ほどちょっと不正確なことを申し上げまして、この場をかりておわび申し上げたいと思います。

 それから、おわびついでといったら申しわけないんですが、もう一点だけ訂正させていただきたいと思います。

 先ほど曽根委員の方からお話がございました、一月九日の青少年問題協議会の議事録のホームページ掲載でございますが、一月九日の分を載せているというふうに私お答えしたんですが、これは申しわけございません、私の全く事実誤認でございます。これは起草委員会でございまして、いわゆる作業部会に当たるものでございまして、これについては、ほかの会もそうなんですが、ホームページには掲載しておりません。ただ、いわゆる専門部会、それから、曽根委員にもおいでいただいています総会、これについてはすべてホームページで公開しておりまして、先ほど私、不正確なことを申し上げまして、心からおわび申し上げ、また訂正させていただきます。

 いずれにしましても、私の不注意で、お二人の委員にご迷惑をかけたことを、この場をかりて深くおわび申し上げて、訂正させていただきます。

〇山下委員 何も私は部長を責めているわけじゃございませんけれども、私が危惧しているのは、実際問題、そういった遠隔操作ができるビデオカメラを設置しているところというのは、そんなに多くはないのでしょうが、そういう状況の中で、私が夜中にビデオを買いに行きます。ビデオカメラはちゃんと私の顔も認識していますし、当然識別するわけですから、私の免許証をそこに入れて、本なりビデオなりを買うわけです。そうすると、何時何分に、だれが何を何冊、あるいは何個ビデオを買ったかというようなことがデータとして、業者には、ビデオカメラには残るわけですよね。で、その機械自体には記憶装置がないということですが、そういった情報の扱い方、プライバシーの保護という観点についてはどのようにお考えなのか。

 昨今、いわゆる大量の個人データが流出したり、あるいは、かけてもいない相手への電話、風俗的なサービス的なところから請求書が来たり、そういう時代の中で、本当にこういうものは−−もちろん、私個人としては年齢識別装置は必要だと思いますが、それをやることによって、今まではビデオだけで済んでいて、だれがだれだかわからなかった。それを、ちゃんとルールを守る人に対しての保護というのはどのようにお考えなのか、お聞かせいただければ幸いです。ここが私が一番危惧しているところです。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 規制に当たりましての個人のプライバシーの確保ということだろうと思います。

 まず、技術的なことでご説明しますと、先ほど申しました運転免許証を入れて年齢識別する装置がございます。何社かで、この年齢識別機を出されておりますが、いずれも、現在出されている社のものの年齢識別機の機能からいいますと、運転免許証の生年月日の部分だけを読み取るそうでございます。生年月日を読み取り、機械的に年齢を計算して、十八歳未満の青少年でないことが判明した場合は購入することができるというものでございます。したがって、あくまで年齢識別機が読み取りますのは生年月日だけでございまして、生年月日以外の住所や個人名は読み取ることがない仕組みになっているそうでございます。

 それから、読み取った生年月日のデータが残るかということですが、これについてもデータを記憶する装置はございません。ログは残りませんので、個人が特定されたり、記録が残ることは、現在の数社で出しております年齢識別機においてはないということでございます。

 もう一つ、いわゆる遠隔操作での監視カメラ、これは、最近の治安対策でつけております街角の防犯カメラと同じような問題があるんだろうと思います。防犯カメラにつきましては、治安対策本部の方で今いろいろルールづくりとか、そういうことをやっていると聞いております。

 そういう意味では、この監視カメラ、みずから本をその自動販売機に買いに来ているということで、肖像権を放棄しているというような見方もできるかもしれませんが、今、委員がご指摘になったように、そういう監視カメラがついているところに入られた方の個人データが自動的に記録に残り、それが何かに悪用されるというおそれもあると思いますので、そういうことについても、我々行政当局の方では十分留意して、そういう個人のプライバシーが担保できるようなことは絶えず気を使っていくべき話じゃなかろうかなというふうに思っております。

 以上でございます。

〇山下委員 ぜひ、その辺はお願いをしたいと思います。

 本音をいえば、もうちょっと伺いたいところがあるんですが、やめておきまして、次に刃物の規制について伺っていきます。

 刃物の規制についてでありますが、青少年が刃物を使用した凶悪犯罪の加害者になったり、被害者になったという報道を耳にするたびに、そういった方々の心中を察しますと、大変心を痛めるところであります。また、私自身も何とかしなければならないといったような気持ちにもなります。しかし、新しく規制をするということであれば、その効果や内容について十分な検討が必要と私は考えます。

 そこで、まず、刃物を指定する必要性について伺います。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 刃物の指定の必要性についてのお尋ねでございます。

 刃物が使用される犯罪、これに青少年を巻き込まないために、先ほど申しました日常生活において所持する必要のない刃物、こういうものを指定いたしまして、青少年に対する販売を規制することを通じ、青少年が犯罪に巻き込まれる、犯罪を犯す、そういうことのないように、青少年の健全育成の環境を守っていきたい、こういう趣旨で今回この制度を設けたものでございます。

 以上でございます。

〇山下委員 それでは、さらに伺います。他県の規制状況というのは、どのような刃物を指定しているのか、あわせて伺います。

〇高島都民協働部長 他県の規制状況についてのお尋ねでございます。

 平成十四年七月に行いました照会結果によれば、三十七府県で指定刃物に関する規定が条例で明文化されております。刃物の指定と青少年に対する販売規制がされているところでございます。

 以上でございます。

〇山下委員 他府県で規制がされている状況は、今のご説明でわかりました。刃物といっても、販売している店は多種多様でありまして、販売状況を把握することは大変困難であると私は考えております。実際問題としてどのように規制を徹底するのか、甚だ疑問なんですが、その点について伺います。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 販売状況の把握、徹底の仕方についてのお尋ねでございます。

 これにつきましては、計画的な立入調査を行うこと、それから業界との定期的な連絡会議を行うこと、こういうことを通しまして、販売状況の徹底した把握に努めてまいりたいというふうに考えております。また、これらの活動を通しまして、販売業者に対する条例の啓発、理解いただけるよう行ってまいりたいと思っております。

 それから、もう一回申しわけありません。ちょっと疲れてまいりまして、答弁漏れが先ほどございました。どのような刃物を指定しているかという内容につきまして、ちょっと漏れました。申しわけございません。

 他府県で最も多く指定されている刃物は、三十三府県においてバタフライナイフという形のものが指定されております。そのほかペンナイフのような、いわゆる仕込み型のナイフを指しているんですが、こういうナイフなども比較的多く指定されております。

 以上でございます。

〇山下委員 まさにご答弁の最後にありました、いわゆる販売業者に対する条例の啓発と意識づけをあわせて図っていかれるという、この点が重要であると私も考えています。

 先ほど来申し上げている刃物の件について、自動販売機の例だけではなくて、いろんなこの条例の中に含まれているものは、一〇〇%違反したものを把握できるわけではないと思います。この条例が示す、東京都が青少年を取り巻く環境を改善するんだという意思を一人でも多くの都民に理解していただいて、協力が得られるように最大限努力していただくことを強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

〇東委員長 いいですか。ほかにありませんか。−−それでは、ほかに発言がなければ、お諮りいたします。

 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇東委員長 異議なしと認め、予算、付託議案及び陳情に対する質疑は終了いたしました。

 以上で生活文化局関係を終わります。

 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。

   午後四時四十五分散会

20040521 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情の審議(2)

東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(2)

東京都議会文教委員会速記録第七号 平成十六年三月十九日(金曜日)

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030102.htm

〇石川委員 九割の自販機には自主規制によっていわゆる年齢識別機というものが設置されている。しかし、数でいえばあと一割、これが残されているので、今回新たに条例で、この年齢識別装置の設置ということを義務づけされた。これはこれで、私は、自主努力をしてきた業界の皆さんへのまたさらなる支援ということで、評価をいたします。しかし、自販機というのは、ご案内のとおり世の中にいろんな種類の実は自販機がございまして、法律で禁止されているものも自販機で売られているというのが現実ですよね。私は何とは申しませんけれども、おわかりになろうと思います。物によっては、十一時以降午前五時まで稼働できないような装置のついている自販機もあります。

 図書類を販売する自販機によって販売する業種、業界の皆さんにとりますと、なぜ我々が自主努力して年齢識別機を開発して、設置してきて、一方では、売ってはならない、買ってはならないと法律で明記されている自販機にこうしたものが普及していかないんだろうかという疑問、これは私は素朴な疑問だろうと思うんですね。我々一般都民も、もしそういう装置があるならば、健全な青少年を育成するために、法律等で販売してはならないという自販機につけてくださいという要望が出てくるのは当然だろうと思うんですが、なぜこの二十五期の協議会でそうしたことが議論にならなかったのか、その点だけ、ちょっと部長、教えていただけませんでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 自動販売機の業界側が自主規制努力を重ねてきたにもかかわらず、なぜ今回、罰則つきの条例で規制するのかということでございます。

 これは、青少年問題協議会におきましても、実は自動販売機業界の代表の方に来ていただきまして、意見陳述していただきまして、自主規制の取り組み等のご説明いただきました。委員の中からも、その自主規制の努力について評価するという声がございました。

 ただ、先ほど申しましたように、大多数の事業者の方は都の要請を真摯に受け、ご協力いただいておりますが、一部の方が、約一割の自動販売機につきましてはまだ設置されていない状況があるというのが一つ。それから、これは私どもが夜間に調査したところ、年齢識別機を設置した販売機でも、夜でございますので、青少年が来ないということを前提にしたのかもしれませんが、約六割が稼働していないというような状況もございました。

 そういう実態をご説明しましたところ、青少協、青少年問題協議会の中におきましても、一定の規制を設けて年齢識別機を徹底し、青少年がこういう有害図書、不健全図書を買わないように環境づくりをしていくべきじゃないかということで、今回の条例改正案におきましては、この年齢識別機の規制を新たにお願いしているところでございます。

 なお、この罰則でございますけれども、これは東京都のほかの規制でも同様でございますが、直ちに罰則を適用させるものについては罰則を適用させますが、基本的には、業者側の不注意もしくは過失等がある場合がございますので、そういう場合につきまして、いきなり処罰するということは目的でございませんので、実は警告を前置させております。そういう意味では、業界の方、特定事業者の方にまず警告をした上で、その警告に従わなかった場合のみ処罰するというような形にしておりますので、直ちに処罰するというような、処罰ありきのような規制とは考えておりません。

 また、もう少し申し上げますと、実は警告につきましても、条例に基づく警告も、直ちに警告を発するというよりも、最初はいわゆる行政指導、口頭指導で注意申し上げまして、ほとんどの事業者の方、これは書店も含めてそうでございますけれども、ご指導すれば従っていただいております。そういう形で、不備があった場合でも、あくまで業界側の自主的な取り組み、事業者の自主的な取り組みを喚起しまして、是正させていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

〇石川委員 この年齢識別装置というものについて伺いたいんですけれども、これは条例で規制する、新たに設けるわけですから、この識別機そのものの性能といいますか、これは確立されたものというふうに認識してよろしいんですか。

〇高島都民協働部長 お答えいたします。

 年齢識別機についてのお尋ねでございますけれども、大きく二つの方法を予定いたしております。実は、これは既に業界側がとられている方法なんですが、一つは、先ほど申しましたように免許証を入れて、本人の年齢を確認して、成人であるということが確認できれば、未成年でないと確認できれば、明かりがついて本が買えるという仕組みになるもの。それからもう一つは、遠距離監視で、実際カメラがついていまして、遠距離の事務所から、来た人を確認した上で売る。それは、例えば明らかに大人であれば誰何しませんが、子どもであれば、マイクで帰りなさいと指導したり、もしくは青少年か大人かわかりにくい場合は、ビデオで免許証を見せてくださいということで、免許証をカメラの方にご提示いただいて、確認した上で売る、そんな方法が実は確立しております。

 今回も、条例またそれに基づく規則におきましては、こういう確立した二つの方法、これをどちらでも選択できるんですが、年齢識別機として設置していただけるよう規制をお願いしております。

 既に、先ほど申し上げた九割の普及しているものにつきまして、その二つの方法がとられておりますので、これにつきましては技術的な問題、導入の問題については特に支障がないだろうというふうに思っております。

 以上でございます。

〇石川委員 新たに年齢識別機設置を義務づける。もう一方、いわゆる納品されているものが見えないように、今、マジックミラーというんでしょうか、昼間ですと暗くて見えない状況になっておりますよね。これも自主規制で実はやってまいりました。

 しかし、今回の条例では、さらに踏み込んで、見えてもいけないと。識別機でさまざまな努力をして、今、遠隔装置で対面で売られるような自販機も出てきている時代に、今度は見えるだけでいけませんよというところまで来たんですが、その背景は何でしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 今回の自動販売機につきましては、大きく二つ義務づけしておりまして、一つは、今お話し申し上げました年齢識別機の設置の義務づけ。それから二つにつきましては、今、委員の方からご指摘ございました、いわゆる見えなくする装置。これはいろんな方法がございますけれども、基本的には、マジックミラー等をつけて、年齢を確認しない限りは明かりがつかずに、中の本が見えない、そんなマジックミラー等の見えなくなる装置の義務づけ、この二つを大きくお願いしているところでございます。

 後段の、見えなくなる装置がなぜ必要なのかというお尋ねでございますが、青少年問題協議会などの議論の中で、実はこういう議論がございまして、よく問題になりますのは、学校の近くなどでこういう機械が置かれている。そうすると、子どもたちが興味本位に学校の行き帰りにそういう機械に入っている本を眺めて、みんなでたむろしている。それを保護者の方からご指摘いただいて、警察もしくは我々の行政当局に何とかしてくれないかというお話があるということがございます。

 自動販売機に入っておりますビデオなり雑誌というのは、基本的にできるだけ売りたいというようなあれがございますので、表紙とかパッケージは、中身と同様にかなり問題のある写真、絵等が掲載されているのが通例でございます。

 これに対応する方法としましては、青少協の中で幾つかご議論されたわけですが、一つは、本来そういう学校の近くもしくは病院、公園等、そういう公共施設の近くに置かなくする、いわゆる距離制限を置くということもございました。それからもう一つは、今申し上げました見えなくなる装置をつけるというような話がございました。

 そういうことで、いろいろな方法がございましたけれども、結局、当面、罰則つきできっちり義務づけるのはこちらの見えなくなる装置、これについて業界の方のご理解を得ながらやらせていただければ−−今申し上げましたように、子どもたちが、買うわけではありませんけれども、自動販売機のところを通るだけでそういうことに気がつく、もしくは関心を持つ、不健全な環境に染まってしまう、そういうことがないようにしなくてはいけないんじゃなかろうか。

 特に、一般のお店と違いまして、自動販売機には制止する店員は通常おりませんので、そういうこともかんがみまして、こういう内部が見えなくなる装置の設置を義務づけて、青少年の健全な環境を保つ一つの手段にしたいというのが今回の改正の趣旨でございます。

 以上でございます。

〇石川委員 今、学校帰りの子どもたちということで、十三条の六で距離制限を設けたわけですよね。年齢識別機、距離制限、で、今度は見えないようにしろと。この業界にとっては大変厳しい。しかも、この見えない装置というのは、今、完璧なものがあるんですか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 見えなくなる装置、これは先ほどいいましたマジックミラーなどが一つ代表的なものでございますけれども、それ以外にも、ふたをするとかいろんな方法がございまして、それにつきましては業界側とよく話し合って、その方法につきまして今整理しまして、今後、規則の中で定めていきたいと思っております。実は技術的に開発がもうかなり進んでいるものもございますし、これから技術が開発されるというようなものもあろうかというふうに聞いております。

 以上でございます。

〇石川委員 店頭の方では包装、それから縛る。しかし、これは多分黒い包みで包装する業界はないと思うんですね。当然透明なもので包装するんだろうと私は思いますよ。要するに、店頭販売は包装でも見えてもいいですよ、しかし自販機は見えちゃいけませんよというのでは、余りにも、自販機がこうした問題の諸悪の根源、こういうふうに条例では見ているのかなと、こういうふうにとらざるを得ない。

 もう一つ実は危惧されますのが、いわゆる調査権。これまで調査というのはどのような方々が行っていたんでしょうか、改めてちょっと教えてください。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 自動販売機に関するいわゆる立入調査権の行使でございますけれども、これにつきましては、私ども知事部局の職員がこの調査に当たっておりました。

 以上でございます。

〇石川委員 それでは、改正される条例ではどんなふうになるんですか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 今回の改正案におきましては、新たに警察官の方々にもこの自動販売機につきまして立入調査権を付与し、警察官の方々にもこの調査を行っていただきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

〇石川委員 先ほど山本委員の質問にもありました。新たに警察官。しかし、警察官も全員じゃありませんよ、いわゆる立入調査証票を認めた警察官ですよと。で、先ほどの答弁で、調査に際しては立入調査証票を携帯し、あらかじめ関係者に提示しなければならないこととするとありますよね。

 条例の立入調査、第十七条二項の三で、自動販売機等業者の営業の場所、ここに立ち入りができますよということですね。この場所というのは、自動販売機を置いている事業者の事務所なんでしょうか、それとも自販機が置いてある場所なんでしょうか。

〇高島都民協働部長 条例で定めております立入調査の場所としまして、改正条例案の十七条の二項第三号で、自動販売機等業者の営業の場所と書いておりますが、これは通常は自動販売機が設置されている場所、そこを営業の場所と考えております。

 ただ、先ほどちょっと申しましたが、遠距離操作でこの自動販売機を操作しているというような事業所形態もございます。そういうこともありますので、いわゆる事務所といいますか、自動販売機を設置している方々の事務所もこの立入調査の対象になる場合もあるのではなかろうかと考えております。

 以上でございます。

〇石川委員 今までは都の調査員十名程度。今回は新たに警察官約四千人にも調査権を付与する。当然、自販機を置いているところには原則人はいません。調査証票を提示するわけにもいかないわけですよ。まさに出入り自由ですね。

 そうしますと、先ほど、いきなり罰則とか云々じゃありませんよというお話がありましたけれども、まさに自販機業者にとっては、常に立入調査の対象の場所として監視されている、こういうふうに受け取ることも、私は、決していい過ぎといいますか、思い過ごしではないような気がいたします。

 したがいまして、こうした自販機に対する今回の条例の適用に当たりましては、条例の本来の目的をきちっと踏まえて運用し、また対応していただきたい、私はこのようにお願いする次第ですけれども、その辺の危惧に対する生文のお考えはいかがでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 警察官の立入調査を初め、この条例の権限行使に基づきまして、業者側もしくは受けられる方々の個人の人権、そういうものに対して配意すべきだろうというお尋ねだろうと思います。

 これにつきましては、実は、この青少年健全育成条例の第三条に、もう既にそういうことを想定した規定がございまして、第三条をちょっと読みますと、「この条例の適用にあたつては、その本来の目的を逸脱して、これを濫用し、都民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」こういう規定がございます。そういう意味では、あくまで青少年の健全育成の目的のために必要な範囲において必要な規制を、大人社会の事業者の方、大人の方にかけていくということだろうと思います。

 いずれにしましても、この条例をご審議いただいて、議会の方で通していただけますならば、この条例の運用に当たりまして、今ご指摘の点につきましては十分注意しながら、警察当局とも連携をとりながら、適切に対応し、個人の人権に対する配意をしつつも、条例の効果が最大上がるような方策を検討し、適切に対処していきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

〇石川委員 まさに条例ができてしまいますと、その判断は紙一重であります。したがいまして、今、第三条の規定を読まれましたけれども、まさしくこの第三条の規定をきちっと運用におきましては重視していただきたいことを改めて要望しておきたいと思います。

 それから、今回新たに深夜外出への規定が盛り込まれました。これを盛り込まれました背景、目的について改めてお伺いいたします。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 青少年の深夜外出に対する規制でございます。この規定につきましては、青少年が深夜外出することにより犯罪に巻き込まれる、もしくは犯罪に関係するような環境に置かれることによって、青少年の非行もしくは健全な育成が妨げられる、そういうことを未然に防ぐために、あらかじめ、努力義務を含めてでございますけれども、青少年を子どもに持つ親御さん、周辺の大人の方々、それからコンビニ等の事業者の方々に、深夜になりましたら子どもさんたちを早く自宅に帰していただく、そういうような義務を設けまして、先ほど申しましたように、深夜子どもが出歩いて、子ども自身が犯罪なんかに巻き込まれない、また非行化しない、そういう環境をつくっていくということを目的に、今回、青少年に関します深夜外出の制限規定を設けた次第でございます。

 以上でございます。

〇石川委員 ある程度こうした努力規定を設けるのは、今日の社会状況を考えますと必要なのかなとも思います。しかし、東京には、さまざまな青少年がさまざまな健全な活動をされて、深夜外出をされている方々もいらっしゃるわけでありますから、これも運用に当たっては最善の注意をしていただきたいと思いますし、新たに設けたこの努力義務を都民にどう知らしめるかということは大事であります。この効果的な周知方法について、どのようなことをお考えになっているんでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 深夜外出をさせないための各親、大人に対する責務の周知徹底方法についてのお尋ねでございます。

 これは、条例で宣言することにより、一つのアナウンスメント効果があろうかと思いますが、やはりこの具体的内容につきましては、委員ご指摘のように、大人の方々、親の方々に十分理解していただくことが必要だろうと思っております。そのために、都及び区市町村の広報で、今回の条例の改正内容につきまして周知徹底いたすとともに、またマスメディア等も活用してまいりたいと思っておりますし、それから、私どもの都民協働部で行っております心の東京革命、こういう運動、この中の一環としてのキャンペーンなど、さまざまな運動の中で積極的に周知を図っていきたい、そういうふうに思っております。

 以上でございます。

・・・・

〇曽根委員 東京都がやっている施設で、せっかくそこを見つけて相談をかけてきた。で、ここは閉めますから、次は本局行ってくださいとなるんでしょうね。しかし、ある相談員の方の話として聞いたんですが、そういうことはなかなかできないと。一たんその人に相談を始めた以上は、どこになるかわからないけど、その人が次に就職する相談場所があれば、そこに行きたいということなんですよ。東京都として責任持って−−ひきこもりになっている方々で東京都に相談に来ているのは、まだごく限られた範囲ですよね。実態調査もやりたいというふうなお話だったので、そういう事業をやるのであれば、今までせっかく積み上げてきた相談の実績やノウハウについて、ここでゼロからまた再スタートということは、本当にもったいない話だと思います。再検討を求めておきます。

 それから、先ほども申し上げましたが、青少年健全育成の中で、青少年の居場所や活動場所づくりというのは、今後の大きな課題です。今日ではその拠点がセンターであって、役割はますます重要だと思います。都がみずから生み出した臨海開発のむだ遣いのツケを青少年センターにしわ寄せした上で、ほとぼりが冷めたら、今度は、センターとしての機能低下を理由に、頑張ってやっている独自の事業やひきこもりを含む相談の、十分ではないけれども貴重な蓄積を放棄してしまうのは、私は断じて認められません。

 センター機能も、有料のユース・プラザや区市町村の一部にしかない施設では代替できません。廃止できる段階ではないと考えます。廃止を一たん中止して、当面継続し、場所も含めて、むしろ拡充の方向でセンターは再検討すべきだということを申し上げておきます。

 次に、青少年の健全育成条例の改正案について幾つか質問していきます。

 私も、青少年問題の協議会の段階から、部会には入っておりませんが、検討に加わってまいりました。その際、基本的立場も申し上げてきましたが、社会状況を反映して、青少年をめぐるさまざまな問題に、場合によっては規制も含む対策を打たなければならないということは当然だと思っています。しかし、健全育成条例の中にも明記されているように、この基本は、青少年自身はもちろんですけれども、関係業界も含めて自主的な努力、そして青少年問題の都民への普及啓発、こういった問題を中心とすべきで、何よりも青少年が自分で考え、行動できる力、そして人権という問題をやはり最も重視して考えなければならないと思っています。

 その点で、答申づくりの中で、私、最初に、この間の経過、先ほども指摘があったように、極めて短期間の間に数多くの内容についての答申が出され、そして条例化されるということ自体、本当に十分検討がされたのだろうか、また、される余裕があったのだろうかという疑問を持たざるを得ないわけです。

 主な項目だけでも、不健全図書の規制についてのいわゆる個別指定と包括指定の問題、業界の自主規制の問題、また自動販売機の規制の問題、深夜外出の制限、深夜立入施設の制限、刃物の販売制限、古物買い受け等の制限、スカウト、キャッチなどの規制の問題、生セラの規制の問題、調査指導体制の充実ということで警察官の立入調査権を付与する問題、緊急指定の問題や、部分的ですが、買春処罰規定の整理もある。

 中でも、私、非常に解せないといいますか、疑問に思っているのは、答申では明記されなかった罰則規定が、条例案段階で次々と出されている、つけられているということなんですね。それで、資料をいただいたんですが、余りよく明記されてないんですけれども、答申では規制が必要というふうな表現にとどまったものの中で、条例案段階で罰則がつけられたというのは、どういう問題があるんでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 答申において規制が書かれているものが、条例案でその罰則がついてきたものがある、答申に書かれてなかったものもあるんじゃないかというお尋ねだと思います。

 青少協の答申の中では、この罰則についてご議論があったわけでございますけれども、青少協の中でのご議論の趣旨としては、罰則を不要とする趣旨でなく、行政側の検討にゆだねるという趣旨で、あえて規制に罰則を設けるべきだということに触れないというようなご議論がございました。

 答申を踏まえての条例案の検討に当たりましては、この規制の実効性を担保する観点から、既存の規制とのバランス、さらに実効性の担保、そういう観点から考慮しまして、個々の項目について論議をし、罰則を設け、提案させていただいた次第でございます。

 以上でございます。

〇曽根委員 これがなかなか、量も質も非常に膨大なもので、私も整理し切れないぐらいなんですけれども、例えば、今回、犯罪類型というと、法律用語でかたくなりますけれども、こういう規制、こういう規制という角度を拾っただけでも、二十三ぐらいの種類の犯罪類型が入っている。そのうち十一の類型が新しく今回加わったもので、それ以外にも、深夜の立入施設の規制、これも施設が新しく加わっているわけですね。それも入れると十二、ほぼ半分ぐらいが新しい罰則規制になっているわけですよ。

 しかも、今、青少協の議論というのがありましたが、これは部会の中とか起草委員会の中でやられているわけですけど、起草委員会は非公開ですね。私も、部会の中での議論を記録をもらって読ませてもらったんですが、例えば包装の問題一つとっても、委員の中では−−例えばある販売店で、うちは、包装を義務づけなくても、ちゃんとそういう区分陳列になっていますから、そっちの方に子どもが行けば、店主が見つけてちゃんと注意するというふうな規制の方法にしたいんだという本屋さんがあっても、これが包装が義務づけということになれば、販売店の責任で包装しなきゃならない。そういう方法はとりたくないといっても、これは義務づけであり、しかも罰則がついているんですよね。そうすると、それを守らないと、店主が罰則を受けることになるわけです。青少年のことを考えれば、そういうところに近寄らない方がいいよということで声をかけてあげる方が、私は、青少年健全育成の立場からいうと、大人のやり方としてはいいな、誠実だなと思うんですけれども、今回は、そういうことが許されない仕組みなんですね、というようなことをるる訴えている委員がいて、しかし一方では、いや、例えばコンビニのように、先ほどちょっとお話がありましたが、店員がとてもそんな暇がないという店もあるんだから、一律にやる必要があるという意見があったと。一方、それに対して、コンビニではどれぐらい区分陳列やられて、指定図書を売っているんだというと、コンビニではほとんど実態としては売ってないわけですよ。じゃ、何でそういうことをいうんだといったら、一般論としてそういうふうにいっているんだと。果てしない議論がいろいろあったわけですよ。あった中で、それじゃ、これは罰則明記という形にはなかなかならないから、議会なり都民にゆだねるということにしましょうということで、答申は、罰則は明記しなかった。

 ただ、その際強調されたのは、この部会の話し合った論議は公開されるから、これをよく読んでもらって、青少協では、部会ではこういう議論してますよと、それを踏まえて議論をしてもらおうじゃないかということがここでいわれているわけですよ。

 ところが、私は、その委員の方から後で連絡を受けて、私はここでこういうふうにして意見をいってますので、ぜひ記録を読んでくださいといわれたので、取り寄せて、この部会の記録をもらいました。しかし、その後、審議する文教委員の議員の方に、この部会の記録がちゃんと公表される形で回っているという話は聞いてないんです。私はたまたま自分でもらったんだけど、これは公表されて、ちゃんと俎上にのっているんでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申します。 

 青少年問題協議会での総会、専門部会、小委員会、これはすべて公開で行っております。また、その議事概要につきましてはホームページで公表しております。

 以上でございます。

〇曽根委員 一番大事なのは、十二月に一回答申案が出されました。私も、拡大部会ということで出席して、そうしたら、その場で部会のメンバー同士でいい合いになったわけですよ、率直にいえば。起草委員会だとか部会の中で、ここの罰則とか、こういう規制について論議された記憶がない、論議されてないことが何でこの答申案に入っているんだという意見まで出て、それで、一回そこで答申案について固めるのはやめにして、一月九日に再度この部会を開いたわけですね。ですから、この一月九日の部会が重要なんですが、これはもうホームページに載っているんですか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 一月九日の協議会でのやりとりもホームページで掲載されていると理解しております。

〇曽根委員 後で確認します。私もそれは確認してないんで、確認しますが、私、むしろ青少協なり、その事務局を務めている生文局の方で、こういう議論があったんですから、当然、文教委員会の前に、この部会のやりとりを、例えば要約版だけでも、文教委員に積極的に配らないと、我々は自分で求めないと、そういう議論が行われたということはわからない。私はたまたま青少協のメンバーだから、答申とこの条例案が大きく違うなということがわかるわけだけれども、そうでもなければなかなか積極的につかむことは難しいですよ。

 そういう点、やっぱり時間的に見ても、一月十九日でしたっけ、答申が決まって、そして今日、二カ月で最終決定の場面を迎える。文教委員会は我々審議できますが、果たしてこれで、都民の中にどれくらい本当に浸透して、それを踏まえた議論になるのかなということは疑問を持たざるを得ないので、指摘をしておきたいと思うんです。

 次に、この中で一番問題になった不健全図書の指定の問題なんですけど、確かに包括指定は見送られたということになりました。しかし、個別指定にしても、今回新たに条文の中に、今までになかった、東京都の基準に基づいて個別指定をするという、東京都の基準に基づいてという言葉が入ったわけです。この基準というのは、今までも内規としてはあったようですけれども、今後は、条例上の規定として、どういう基準をつくるのかが問われることになります。

 私が一番心配しているのは、率直にいえば、ほかの県で決まっている包括指定のように、例えばわいせつな図画が冊子全体の半分とか六割とかを占めた場合、それは基準としてひっかかりますよという基準が、この基準の中に盛り込まれれば、事実上の包括指定になってしまうわけです、その基準に基づいて個別指定しているということになりますから。そういうことが絶対あり得ないのかどうかも含めて、この個別指定の基準について都の考え方をお聞かせいただきたい。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。 

 個別指定に当たっての基準のあり方についてのお尋ねでございます。

 これにつきましては、今ご指摘ございましたように、従来は知事決定ということで、行政の内部決定の形で、公表はされていたんですけれども、必ずしも一般の方に知らしめる形にはなっておりませんでした。今回これを条例に基づく規則に格上げいたしまして、その透明性を高め、事業者も含みます一般都民の方に、その内容について理解していただけるよう、規則の形で内容を定めたいと思っております。

 その内容につきましては、一部、多少文言整理がございますが、基本的には現在の認定基準と同じ内容のものを定める予定でおります。

 以上でございます。

〇曽根委員 個別指定の中身については、これまで以上に、今回、罰則も強化されるということもあって、どういう基準なのかということは、条例審議の本質的な中身として重要だと私思います。今まで内規だからということで、同じだからということで出さないということでしょうけれども、改めてこの規定の中身について、今後、文言整理があるというお話ですが、社会状況の変化ということを理由に改定されるということは当然あり得ると思うんですが、いかがでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。 

 規則で定めます基準でございますので、今後の社会状況変化によって改定もあり得るかというご質問に対しては、率直に答えれば、それはあり得るんだろうと思いますが、私どもは、今回の改正条例案、それから、先ほど申しました現在の認定基準とほぼ同様の新しい規則案といいますか、私どもが考えております基準案、それを、現時点においては、個別指定方式において使いますものとしては一番有効なもの、現時点においては一番実効的なものというように考えております。

 そういう意味では、当議会でご審議いただきまして、ご了解いただきましたならば、条例案、それに基づく規則案をもとにしまして、最大限個別指定の実効が上がるよう努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

〇曽根委員 今までの条例上、基準についての厳格な規定がない場合と、今回は厳格に規定が設けられて、しかもその基準は都が定めるというふうにされた場合とでは、現状は同じでも、スタートの時点では同じでも、今後に大きな開きが出る可能性があると思います。特に、都が、社会状況などの変化ということを理由にして、例えばわいせつの問題、それから、私もさらに心配なのは、非常に残虐なもの、残虐なシーン、そうした写真や図などを一定の割合含むもの、こういうふうに客観的な基準ということで設けた場合、例えば戦争物のルポルタージュだとか、そういったものがひっかかってくる危険性が現実にあると思うんですよ。

 そういう規制、中身の質だとか物によらないで、単なる量的な基準だけではかられるという仕組みを導入すべきでないし、そういう基準が持ち込まれる危険性を、入り口をあけるという点では、こういう規定の仕方は非常に問題があるということを指摘せざるを得ないと思います。

 それから、私、青少協のときにも申し上げましたが、古書の買い取りの問題でちょっとお聞きしたいんです。

 確かに古物の買い取りの中には、青少年にふさわしくないものがいろいろあるということで、規制をかけているのは今までもあったわけですが、今回、古書も含めて親の同意が必要、原則禁止ということになりました。しかし、聞いてみれば、多くの県で古書、つまり古本の持ち込みについては、古物全体とは区別している県が非常に多いというふうに聞いているんですけども、ほかの自治体では、どれくらいの県のところで書籍を除外した古物買い取りの禁止規定になっているでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 青少年からの古物買い受け等の規制を行っている県は四十道府県に及んでおります。そのうち、今ご質問にございました書籍の買い受け等を除外している県は十九県でございます。

 以上でございます。

〇曽根委員 そういう県がなぜ除外しているかという理由ははっきりしていると思うんです。つまり、子どもたちにとっても、自分が読み終わった漫画とか雑誌、その他の本、子どもの児童書などもありますよね。そういうものを本屋さんに持っていくというのは、いわば日常的にあり得ることなんですよね。確かに中学生以下でも何でも無制限でいいのかということはありますが、この場合は十八歳以下全部禁止になりますので、高校生であっても、自分でアルバイトなどで稼いでいる子どもであっても、原則禁止、親の承諾書を持ってきなさいという話なんですね。しかし、自分で稼いだお金、お小遣いで買った本を、何で本屋さんに持っていってあれできないんだというのは、常識的に見てもちょっとやり過ぎというふうにやっぱり思わざるを得ない。だからこそ、半分の県で除外しているんだと私は思うんです。別の形で、そういうことに悪用されないように、万引きなどに悪用されないようにという手は、ほかで打っていると思う。

 私は、この点も案外、小さいことのようですが、青少年のいわば自主的な活動や、自分自身で何がいいか悪いかを考えて判断する力を養っていく、そういう力を養うというよりは、とにかく規制していくという考え方があらわれている問題として、私はこの点は手直しをした方がいいというふうに指摘をしておきたいと思います。

 それから、先ほども話題になりましたが、警察官の立入権の問題で、これは幾つか質問もあったので、ダブらないようにします。

 令状主義云々の問題ももちろんありますが、基本的に行政職員が今まで調査していた。今回は、カラオケルームだとか漫画喫茶その他対象が大きく広がるから、行政職員では賄い切れないで警察官にお願いするということだと思うんですね。確かに一千カ所以上のカラオケルームがありますから、そういう意味じゃ、対象、大変だと思いますよ。しかし、基本的にはこれは青少年健全育成の立場で行う立入調査なんですから、行政の責任として必要な職員を配置するというのが基本だと思います。場合によっては都民の協力その他も得ることはいいと思うんです。しかし、犯罪捜査を主たる任務としている警察官に、代行とはいえ、証明証票を持っているとはいえ、これをかわりにさせるということが果たして適切なのかという点では、非常に大きな疑問があります。

 犯罪捜査のあれに乱用してはならないというけれども、先ほどどなたかおっしゃったように、犯罪を見つけるきっかけにはなるという意味でいえば、積極的に立入調査に警察官が乗り出すということはあり得るわけですよ、そこでいろんなことを見つけられるからね。そうすると、事情上犯罪捜査の入り口になる可能性というのはどんどんあるわけですよ。それはもちろん、実態として悪いことしているのがあれば、それは規制するのは当然ですよ。しかし、そういうふうに本来の青少年健全育成の立場でのやむを得ざる立入調査がねじ曲げられることがありはしないか。この点でのお考えを聞いておきたいと思うんです。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 警察官の立入調査についてのお尋ねでございます。

 これはもう先ほどから何度かお答えしておりますが、青少年健全育成条例の施行に必要な限度において、いわゆる行政調査として行うものでございます。また、営業時間内に行うものでございます。また、この条例において、先ほど申しましたように、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないというふうに規定しております。

 いずれにしましても、この条例施行に当たりまして、こういう趣旨が徹底して立入調査が円滑に行えるよう、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

〇曽根委員 もし警察官をそういうふうに代行で使うのであれば、本当に厳密な、そのための運用の規定が必要だと思います。しかし、本来、本当に健全育成ということをまともに考えるならば、青少年センターのときもそうなんですけど、要するに金をけちらないでほしいんですよね。金と手間。職員をちゃんと配置して、本当にきめ細かく、それで、現場で見つけたときに指導できる人というのは、警察官だと難しいですよ。そういう点でも、そのための職員、できれば、青少年に直接接することができる訓練も受けた専門の職員。いろんな分野がありますから、福祉もあり、健康局もあり、教育庁もあるでしょうが、連携してそういう分野をふやしていくということを基本にしなければならないということを強く申し上げておきたいと思うんです。

 最後に、条例を今審議して決めてしまうということは、私、非常に拙速になりはしないかということを危惧しているんですが、二つの問題をお聞きしたいんです。

 一つは、都民の意見を聞くこと。特に、この規制の対象となる当事者である青少年の意見を、どういう形かは工夫が必要ですが、きちんと聞く場を設けないで、青少年のことを我々が決めてしまうということは、私はやっぱり危惧するんですよね。今は、子どもたちにも当然ながら、国際条約になった子どもの権利条約によって、意見表明権もあれば、人格権も大人と同じというのが基本です。したがって、自分たちの問題にかかわる、こうした重大な条例改定については、意見をいう権利は持っているはずです。これを全く認めないというのであれば別ですが、これは本来認めるのが当然で、そういう場を、決める前にやはり設けるべきじゃないかと思いますが、都民全体の意見も含めていかがでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 青少年を含めて都民各界各層の意見を聞くべきではないかというお尋ねであろうかと思います。

 今回の条例改正に当たりましては、まず青少年問題協議会に諮問し、都民の代表の方々にまずご意見を伺っています。特に、その中でご報告しなくちゃいけないのは、いわゆる一般都民からの公募委員も二名いらっしゃる、そのような方々からお話をお聞きしているというのがございます。それから、青少年問題協議会の審議の中で関係業界の方にもおいでいただきました。また、学識経験者の方にもおいでいただきまして、幅広く意見をお聞きしております。それから、青少年問題協議会の答申が出た後につきましては、パブリックコメントということで、青少年の方々の意見も含めて、多くの都民の方々から意見をいただいております。そのような各界各層の意見を聞きながら、今回の条例改正案を作成し、今都議会に提案し、ご審議をお願いしているところでございます。

 以上でございます。

〇曽根委員 青少年の意見を聞く場はどうなんですか。

〇高島都民協働部長 青少年の意見だけを聞く場を設定すべきじゃないかというお話でございますが、こういう、何と申しますか、青少年の健全育成につきましては、先ほど申しました大人の責任、親の責任ということが一義的じゃなかろうかと思っております。そういう意味では、子どもの立場の、青少年の立場の意見を聞かなくてもいいということを申し上げるつもりはありませんが、やはり基本的には、子どもを守る、青少年を守る大人、親御さんからの意見を聞いて、それを逆に、大人の方々、親の方々に対する規制につなげていくという形での条例改正案を作成したわけでございます。

 今回は、そういう意味で改めて場を設定してはございませんが、ただ、私ども、先ほど申しましたように、決して青少年の意見を聞くことを排しているわけではございません。パブリックコメントなどを通じまして、青少年を含めて都民各界各層のご意見を聞き、それを踏まえて今回の条例案の提案に至ったという経緯でございますので、ご理解賜りたいと存じます。

 以上でございます。

〇曽根委員 条例を決めるのは大人で決めなきゃならないんですよ。だからこそ、だからこそ、大人の勝手な決め方をしないために、有権者でない、選挙権を持ってない、政治的な権利を持っていない子どもたちの意見を聞かないと、どこもそれを反映される場所がなくなるんですよ。そのことを私は申し上げている。(「責任能力ないんじゃない」と呼ぶ者あり)子どもの意見表明権というのは認められているんですよ。樺山さんなんか責任能力ないっていうけど、とんでもないですよ。(発言する者あり)渋谷のまちをうろついている子の意見を聞くのかって、それは必要ですよ、私にいわせれば。どういう考え方で渋谷のまちをうろついているのか、そこをつかまないで一方的な規制をかけると、大きな間違いを犯すことになりかねないんですよ。

 例えば、きょうは質問の趣旨は持っていませんが、十六歳以下の青少年を深夜連れ出し同行、これは禁止ですよね。罰則も厳しいですよ。それはもちろん、ああいう事件があったからだと思います。ああいう事件を想定すれば、これは必要だということになると思うんです。

 ところが、この条例というのは、つくられればひとり歩きしますから、この規定に当てはまる場合は、いろんな場合が考えられるわけですよ。例えば、私自身が深夜歩いていたら、そこにどうも素行のおかしい若い女の子がいたとしますね。どうもおかしいな、明らかに例えば援助交際やろうとしているんじゃないかとか。それに声かけたらどうなるか。その子が私の善意を認めないで、ぬれぎぬを着せられたら、どうしようというふうに考えますよ、それは。私がぬれぎぬ着せられたらと。例えば警察などに、私が無理やり何かを迫ったというふうに、その子に証言されたりした場合、これにひっかかるわけだ。だから、正当な理由なくの正当というのが証明できるかどうかというのは、非常に微妙な問題があるんです。(発言する者あり)だから、そういう問題が、危険性があるからこそ……

〇東委員長 お静かに。

〇曽根委員 大人が若い人たちの行動に対して、大人なりの善意の目を向けて、いろんな声をかけたり、何といいますか、ここでは善導というような言葉もあったけど、やりやすくなるのかどうかということをよく考える必要がある、いろんな角度から、この問題は。こういう規定をつくる以上は、いろんな場合があり得るということを考える必要があります。(発言する者あり)そういう点では、運用上非常に心配なものもあるわけですよ。

 例えば法律でも、何年たったら、改めて見直しをして、必要な改正を行うということを法律の制定の際に明記することがあります。例えば臓器移植の問題でもありましたよね。したがって、この条例も、もしつくるのであれば、やっぱり一定の年限で運用を見直す、もしくは規定を見直すということを当初から明記するということはあってしかるべきと私は思うんですが、全くそういうことはないんですけど、いかがですか。

   〔発言する者あり〕

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 今後とも、青少年健全育成という条例の目的を踏まえて、適切な運用に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

〇曽根委員 高島さんの答えは極めて楽天的なんだけれども、一たん運用が始まったら、私、やっぱりいろんな事例が起きてくると思います。ですから、なおのこと、決める前に、青少年自身も含めた、これに対するいろんな受けとめ、意見、十分に酌み尽くす必要があるんですよ。私のところにも、例えばエッチな漫画を書いている漫画家の方からも意見が来ましたので、率直にお聞きしました。それから、若い人たちからの意見も来ました。全国津々浦々からメールが入ってきますよ、毎日のように。ちょっと、この人何なんだろうなというような人もいますよ。しかし、そういうマニアックな人も含めて、やっぱりそれなりに、東京都の規定が一番厳しくなるから、その人たちなりの良心や善意でもって心配しているわけです。

 そういう点では、私は、条例全体について全部だめということはいいません。しかし、一部ですけれども、非常に厳し過ぎる規定や、今後に、大きな包括指定につながるような危険な入り口があいてしまうという問題がある。

 したがって、私、青少協のいきさつからいっても、これが条例で決まってしまったら、青少協の一部の委員は、もう青少協にいてもしようがない、答申で決まった以上のことが条例で出てきちゃうというふうに反発する方もたくさんいると思います。そういう点でも、改めて青少協に戻して審議するとか、都民の意見、特に青少年の意見をもっと聞くとかいう場が必要だということを申し上げて、質問を終わります。

 以上です。

〇山口委員 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。

 それでは、青少年健全育成条例の一部改正について何点か伺います。

 今回の条例改正について、生活者ネットワークは、代表質問また予算特別委員会の一般質問でも、大人を規制するものとはいえ、行き着くところ、子ども自身への規制につながる危険性をはらんでいること、また、この規則が問題の根本解決にはならず、本来子ども自身がみずから考え、判断する能力を養い、危険を避ける能力を高めていくことこそ重要である、喫緊の課題であると提案してきました。

 不健全図書の規制強化についても、出版関係者から、知る権利や表現の自由が侵害され、出版界を萎縮させるおそれがあるとして、私どもの方にも抗議が相次いでいます。このことについては、その危惧するところは十分理解を示していますが、初めに、今回の提案は、現在行っている個別指定制度と表示図書制度の改正ですが、他県が行っている緊急指定あるいは包括指定制度までの規制強化への方向は、表現の自由の観点からも慎重な議論が必要だと思います。

 今回、改正案の中で、第四章の東京都青少年健全育成審議会に関する第二十四条の二のところに、小委員会を審議会の中に置くものとするという改正案が出ています。これは、以前の置くことができる、というのが変わったわけです。この小委員会で東京都が行おうとしているのはどのようなことなのか、伺いたいと思います。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 小委員会設置での今回の改正についてのお尋ねでございます。

 都は、不健全図書を緊急に指定する必要性に応じる、他県で行っております緊急指定に対応するものとしまして、青少年健全育成審議会に小委員会を置くことができると定め、この制度により指定の迅速性と公平性、適正の両立を図ろうということでやってまいりました。しかしながら、現在この小委員会というのは、設置できるということで、必ずしも設置されておりませんので、現実には十分に機能しておりません。そこで、今回条例を改正しまして、小委員会を常設化することにより、緊急の必要に応じつつ、公平、適正に指定できる体制を整備したいというものでございます。

 以上でございます。

〇山口委員 ちょっと一点確認させていただきたいんですけど、そうすると、今まで小委員会は開かれたこともなく、例えば緊急指定も行っていないということですね。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 小委員会は、設けられ、開かれたことはございます。しかしながら、緊急指定に対応するような小委員会での指定をしたという例はございません。

 以上でございます。

〇山口委員 そうすると、今回の改正によっては緊急指定もあり得るというふうにとらえてよろしいんでしょうか。

〇高島都民協働部長 今回の小委員会設置は、設置することにより直ちに、他県でいう緊急指定に対応するような事態に対応するということをすぐに予定している、行うというものではございません。少なくとも他県において行っている緊急指定と同様のことができるような体制整備を図るということで、小委員会を設けたものでございます。

 ただ、他県で行っている緊急指定につきましては、いわゆる行政当局の判断で当初指定しまして、事後的にそれを報告するということが、その指定に当たっての公平性、公正性の担保が十分なされるかという疑問があるものですから、こういう小委員会制度を設けることにより、体制的にそういう指定の対応をできる形に制度を整備したということでございます。

 以上でございます。

〇山口委員 確かに、現状、余りにも人権を無視したような性的表現、それから性の商品化には、私たちも憤りを感じています。こうした情報が青少年の性非行の要因とまでは思いませんが、女性べっ視につながり、男女平等を阻害するものと考え、不健全図書や生セラへの規制には一定の理解をするものです。

 次に、有害広告物の措置を命ずることができるという、有害広告物とはどのようなものなのか、具体的に伺います。

〇高島都民協働部長 有害広告物についてのお尋ねでございます。

 有害広告物とは、青少年に対し著しく性的感情を刺激し、また甚だしく残虐性を助長し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められる広告物でございます。具体的には、成人映画館の広告看板などが対象とされます。

 以上でございます。

〇山口委員 公共の目に触れるものが対象ということですが、いわゆる中づり広告など、目に余るものが多く、無防備に目に飛び込んでくるものが野放しになっていることについて東京都はどのように考えているのか、伺います。

〇高島都民協働部長 この私どもの条例上規定されています有害広告物の規制、これは、立法経緯から固定的な工作物を前提としているものでございますので、今お話しの中づり広告のような規制に直ちに適用することは難しいんじゃなかろうかというふうに思っております。各電鉄会社におかれましては、広告掲載基準などを設けまして自主規制されておられますので、その自主規制の徹底により対応していただくことが適当ではないかというように考えております。

 以上でございます。

〇山口委員 この問題は多分、一挙に片づくということではないんだと思いますけれども、広告物に関しては、見る意思がなくても飛び込んでしまうということで、確かにころころ変わっていくとはいいながら、変わりながら常に何かが電車の中では見られるというような状況がありますので、こちらの方も私どもとしては何とか考えていただきたいなという気はありますが、これ以上これについては追及はいたしません。

 次に、自主規制団体について、概要と主な自主規制制度を図書を例にとって説明していただきたいと思います。

〇高島都民協働部長 自主規制団体についてのお尋ねでございます。

 図書関係の自主規制団体とは、図書類の発行、販売もしくは貸し付けを業とする者により構成する団体で、倫理綱領等により自主規制を行うものをいうとされております。

 具体的には、昭和三十九年にこの健全育成条例が制定されたのを機に、青少年の健全育成の重要性にかんがみ、出版倫理の向上と出版の自由の確保に資することを目的に設立された出版倫理協議会。これは雑誌、書籍、取次、書店などが入っておりますが、こういう出版倫理協議会などがございます。この出版倫理協議会の活動内容でいきますと、主な活動内容としまして、私ども東京都が連続三回個別指定しました指定図書につきましては、いわゆる帯紙をつけた形で流通させることを義務づける、流通を制限するとか、成年コミックマークの表示ですとか、それから成年向け雑誌マークの制度、出版物の区分陳列の促進を目的とする出版ゾーニングマーク制度、いわゆる十八禁のマーク設定、こういうものを設け、運用されているところでございます。

 以上でございます。

〇山口委員 今回の改正までに、過去三回条例改正が行われているわけですけれども、功を奏してこなかったための今回またさらなる改正となるのでしょうか。

 再三申し上げるように、単に規制を強化するだけでは根本的な問題解決にはなり得ません。青少年が性犯罪被害者や加害者にならない、また性の商品化の対象とならないためには、正しい知識や情報が学べる性教育を受けることや、メディアリテラシーを身につけることが不可欠です。条例にも、青少年の性に関する判断能力の育成に、普及啓発、教育、相談等の施策の推進に努めるとありますが、残念ながら具体的な施策が見えてきません。こうした施策は生活文化局だけで実現できるものではなく、当然、教育庁、健康局、福祉局など局間連携で行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 事業の推進における局間の連携についてのお尋ねでございます。

 青少年のこういう育成の問題につきましては、青少年の全人格的な成長を図る中ではぐくまれるものでございまして、家庭、学校、地域、社会、行政が連携を図りながら進めていかなければならない課題だろうというふうに思っております。

 そういう観点からも、関係者、私どもの都庁の中では各局間の連携を図りながら、それぞれの局の施策が講じられていくことも必要であるというふうに考えております。

 以上でございます。

〇山口委員 最後に局長にお伺いしたいと思うんです。

 今、答弁の中に、局間の連携を図りながら各局の施策を講じていく必要があるというふうな答弁をいただきました。こういった取り組みは、答申にも、即効性のあるものもなく、特効薬もないと記されています。だからこそ、子どもの最善の利益を考えるならば、条例の提案元である生活文化局が、憶することなく、各局の具体的な施策を継続してリードする責任を毅然と負うべきと考えますが、局長、いかがでしょうか。

〇高島都民協働部長 失礼いたします。先ほどちょっと、私、勘違いしておりまして、小委員会での緊急指定につきましては実績がございます。平成十一年三月と平成十二年八月に小委員会が設けられ、開かれておりますが、小委員会の方で、平成十一年三月には五冊、平成十二年八月には四冊それぞれ指定されております。訂正させていただきます。おわびいたします。

〇三宅生活文化局長 条例に書かれております青少年の性に関する判断能力の育成、非常に難しいテーマでございます。もちろん、これのみでやっているわけではございませんが、生活文化局が中心になってやっております心の東京革命など、各局を横断したテーマについて、いろいろ議論、検討しておりますので、そういった中で青少年の全人格的な成長を図るという意味で頑張ってまいりたいと思います。

〇山口委員 二〇〇四年度は福祉局で、次世代育成支援推進対策法に基づく行動計画が策定されます。対策法の指針には、乳幼児期から修業に至るまで、十八歳未満の子どもの育ちを支援することが明記され、当然ながら全庁の連携を必要とするものです。ご提案の青少年健全育成条例は、大人不健全規制条例というしかありません。本質的には、青少年が真にエンパワーメントするための施策転換が必要とされ、子どもの権利に立った子ども自身の意見を反映させた取り組みを強く求めて、質問を終わります。

 それから、ちょっと意見を、最後。

 大変厳しい質問を私どもはさせていただいたかと思いますが、この条例そのものに対しましては、反対する立場は今とっておりません。ただ、今回、これに関する陳情が上がっております。陳情の内容は、反対をしてくださいということではなく、反対者の立場からこういった取り組みをしてくださいという陳情の中身です。私どもが今提案してきた項目などもかなり含まれておりますので、陳情につきましては趣旨採択ということで臨みたいと思っています。

 終わります。

20040520 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情の審議(1)

東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議(1)

東京都議会文教委員会速記録より「東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情」の審議部分を抜粋して転載します。

東京都議会文教委員会速記録第七号 平成十六年三月十九日(金曜日)

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030102.htm

本日の会議に付した事件

 生活文化局関係

付託議案の審査(質疑)

・第六十九号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例

陳情の審査(質疑)

(1)一五第八七号 東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情

・・・

〇東委員長 説明は終わりました。

 次に、陳情について理事者の説明を求めます。

〇高島都民協働部長 それでは、お手元に配布させていただいております陳情審査説明表をごらんいただきたいと思います。

 表紙をお開き願いたいと思います。陳情番号一五第八七号、東京都青少年健全育成条例の改正反対に関する陳情についてご説明申し上げます。

 陳情者は、千代田区東京都青少年健全育成条例改正に反対する市民有志代表世話人山口貴士さん外二万五千五百二十五人でございます。

 陳情の要旨は、東京都青少年健全育成条例の今回の改正等に反対する立場から、不健全な図書類の規制について、いわゆる包括指定制度を導入しないようにしていただきたいなど六項目でございます。

 続きまして、現在の状況でございますが、都は、昨年十月二十八日、第二十五期青少年問題協議会に対しまして、有害情報の効果的な規制、青少年の深夜外出の防止策などについて諮問し、本年一月十九日に答申をいただき、条例の一部改正について提言されたところでございます。

 現在、この協議会答申及び都民からの意見を踏まえ、本平成十六年第一回定例都議会、本議会に条例の一部改正案をご提案し、ご審議をお願いしているところでございます。

 以上、陳情に関するご説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

 以上でございます。

〇東委員長 説明は終わりました。

 先ほどの資料を含めまして、これより、予算、付託議案及び陳情に対する質疑を行います。

 発言を願います。

〇山本委員 昨今の青少年を取り巻く社会環境というものは、病んでいるとしかいいようがないと思うんですね。毎日、新聞やテレビで報じられていることは、人殺し、強盗、かっぱらい、親殺し、子殺し。これは尋常な社会環境だとはどうしてもいわれません。それを反映して、青少年の犯罪が激増しております。規範意識の低下はまさに目に余ると、どなたも感じていることだと思います。

 最近行われた、中学、高校生の意識調査で、万引きは問題ないと答えた人たちが二割いるというんです。万引きは問題ないといったのが二割いるというんですね。驚くべきことだろうと思うんです。また、渋谷の繁華街で、夜十時過ぎても制服を着た女子高校生の姿が目立っているといわれる。

 こういうことを踏まえまして、私はこの三年間、青少年健全育成審議会の委員として、不健全図書類の指定について審議してきました。不健全図書、有害図書といってもいいですが、諮問されるものの内容はまさに悪くなる一方でありまして、特に問題なのは、このような図書類が普通のコンビニあるいは書店で売られているということです。いつでも手にとれる。

 よその国では、ひどい本はあるようでありますが、それは特殊な固定的な店でありまして、こんな状態にあるのは残念ながら日本の国だけだ、こういわれております。

 それだけでも問題があるのにかかわらず、最近はまた、いわゆる生セラ、ブルセラ、さらにスカウトという、従来では全く我々が考えることができなかった性風俗の問題も起きております。何とかしなければならないという焦りにも似たものが、今回の青少年健全育成条例の改正に踏み切ったのではないだろうかと私は思います。

 考えてみますと、歴代の青少年部長あるいは都民協働部長である高西さん、谷川さん、中島さん、そして今の高島さんを初め課長さんたち、職員たちが一生懸命、小人数でありながら、この環境問題に対応していることは、私はよく知っております。

 この青少年を取り巻く環境の悪化は、従来の対応ではもはや改善不能な状態に至っている。そのために、規制の強化は緊急の問題である。

 そこで、今回の条例改正のまず考え方についてお伺いいたしましょう。

〇高島都民協働部長 今回の条例改正の考え方につきましてご説明させていただきます。

 現状の認識につきましては、ただいま山本委員からお話がございましたように、青少年を取り巻く環境は看過できない、非常に悪化しておるという状況にございます。

 こういう状況を踏まえつつ、私どもは、青少年が健全に育つ環境を整備するために、やはり大人や、そして事業者の方々に規制を行い、青少年の健全な育成環境を保っていきたいということでございます。

 今回の改正に当たりましては、大人の世界と青少年の世界を区分けする、いわゆるゾーニングということでございますが、これをより徹底いたしまして、それに伴う実効性のある規制を行い、さらに条例でこういう規定を定めることによりまして、社会の規範意識に対しまして警鐘を鳴らし、一定の規範化、そういうものの宣言的効果の発揮を目指したところでございます。

 以上でございます。

〇山本委員 先ほどから述べましたように、青少年を取り巻く環境をつくってきたのは我々大人、そしてそれに関係する事業者であるために、その規制を行うことは、健全育成の上ではまず取り組むべき課題でありますが、先ほどいいましたように従来の規制が十分な効果を上げてこなかった、そういうことと、親や子どもの規範意識が低下したといわれている、このことも確かであると思います。

 今回、今までにない環境の悪化に対処するために、新たな規制を導入することでありますが、その内容と、この条例によって期待される効果というのは何だと考えておいでになりますか。

〇高島都民協働部長 今回の条例改正の主な内容と期待する効果につきましてお答えしたいと思います。

 今回の条例改正、まず一つは、有害情報の規制といたしまして、出版業者が成人向けと思う図書につきまして、自主的にその旨を本に表示していただいて、表示していただいた本をさらに包装していただく。そしてさらに販売業者については、それを区分陳列していただく。それぞれの立場、役割に応じて努力義務を定めたというのが一つございます。

 一方、こういう自主規制で表示なり包装されるべきにもかかわらず、されていない図書につきましては、従来どおりの不健全図書指定を行って対処してまいりたいと考えております。

 さらに、いわゆる自動販売機でございますけれども、成人向けビデオなどを自動販売機で売っている、こういう場合につきましては、年齢識別機等の設置、それから、その稼働なども義務づけるということにいたしたところでございます。

 さらに、有害環境の規制につきましては、少女の着用済み下着などを買い受けるいわゆる生セラ、性風俗店に勧誘しますスカウトの禁止、それからカラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェ、最近新しい業態で出てきたお店でございますけれども、こういうところに子どもが深夜立ち入っているという現状にかんがみて、これらを新しく深夜立入制限施設に追加するというようなことを内容としております。

 そのほか、子どもが犯罪に巻き込まれることを未然に防止するために、いわゆる深夜に青少年を連れ出すことを禁止し、また、保護者に対して親の責任というものの回復を求めるためにも、青少年を深夜外出させないという努力義務を、宣言的に今回の条例改正に盛り込ませていただいた次第でございます。

 これら種々の規制を行うところでございますが、いずれも子どもを規制するということが目的ではなく、先ほど申しましたように、子どもを守り、健全に育成する環境をつくるために、大人側、大人及び事業者に節度ある行動と責任感を求めるために規制を設けた、そういう趣旨でございます。

 以上でございます。

〇山本委員 いろいろ説明がありましたように、極端に悪化している社会状況、これに対して、全国で東京都が初めてなわけです。よく他県では包括規制とかいろいろやっていますが、東京都は個別規制で、これが実効性を上げているんです。また、これについてもいろいろ論議があると思うんですが、いずれにいたしましても、今度の条例案は全国でも初めての画期的なすばらしいものだと私は思うんです。

 このことについては評価いたしますが、一方、図書類について、自主規制団体を設けて自主規制を尊重するという立場を東京都は今度もとっていくんですけれども、ここで確認のためにお聞きしたいんです。社会的にこのような反響の大きい、特にお母さん方は、うちの子どもにはそういう本なんか見せたくない、困りますよ、そういうような不健全図書、先生方きっとごらんになったことがあると思うんですが、この指定の対象を広げていくか、あるいは広げない場合には環境の改善が図られていくのかどうか、この点についてどうですか。

〇高島都民協働部長 お答え申し上げます。

 今回の改正に伴う指定のあり方についてのお尋ねでございます。

 現在、東京都の不健全図書の指定方式につきましては、いわゆる個別指定方式と申しまして、個別図書ごとに、有識者で構成します青少年健全育成審議会の答申を経まして都が指定する、そういう個別個別の本を指定するという指定図書制度をとっております。この方式は今回の改正でも特に変更しているものではございません。

 それから指定対象につきましても、従来から成人向けの漫画、コミック、グラビアなどを指定していますが、これについても特段、認定基準等を見直すということを予定していませんので、変わりございません。

 一方、今お話がございましたように、規制の対象につきましては、考え方については従来どおりでございますが、実効性を確保するために、一つは、私どもが指定いたしました定期刊行物につきまして、その次号から、いわゆる業界側の自主規制としての表示図書としていただけるよう勧告するという制度を設けたり、都民の力をかりまして、区分陳列などを促進する青少年健全育成協力員制度、こういうものを設けまして、今お話がございました事業の自主性を重んじつつ、その協力を促し、青少年の健全な育成に努力していくというような考え方で、制度をお願いしているところでございます。

 以上でございます。

〇山本委員 そういうことなんですが、我々、コンビニにちょっと入ってみる。一生懸命コンビニの従業員がおでんを売ったり、卵を売ったり、あるいはお握りを売っている。しかし、こちらに少女たちが固まって何か見ている。それ、だめですよ、そこのはだめですよと、いわなきゃいけないんだけれども、なかなかいいにくい。

 今いったような表示図書というのは、十八歳未満の人は見ちゃいけないという本でありますから、それを表示してある図書でありますから、それは区分といって、区分指定、区分の場所に、ここに置きなさいと決まっている。だけど、それがなかなかできにくくて、とって下で見ているというような現状なんかがある。

 不健全図書の数は、皆さん、売っている書店やコンビニに行けばわかりますが、売っている不健全図書数と−−毎月、青少年健全育成審議会で、先ほど話がありました、私も一人でありますが、この本は有害図書で、子どもには見せたくないですよという指定をする、これが何と一回に十冊か十一冊か、そこらより指定ができない。しかも、これは職員の皆さんが一生懸命一カ月も集めて、四百冊とか三百冊集めてきて、それから選んで出てきたものを、十冊か十一冊ぐらいより指定できない。だから、指定すべき本が漏れているという印象を私たちは持っているわけです。

 また、表示図書、先ほどいいましたように成人向けの図書、これが表示されて売られているか。本当は表示図書とすべきものが表示されないで売られているんじゃないだろうか、そんな疑念も私は持っております。

 そこで、指定図書については諮問がなければ審議されない。指定漏れがないように、諮問の仕方を工夫すべきではないか。また表示図書制度、今いったように成人向けというものですね。表示図書制度が本来の機能を発揮するような工夫もまた必要ではないだろうかと思うんですが、どうですか。

〇高島都民協働部長 指定図書、表示図書につきまして、本来指定図書にすべきものがされてないんじゃなかろうか、それから、本来表示図書とされるべきものがされてないんじゃなかろうか、そういうお尋ねだろうと思います。

 先ほどお答え申し上げましたように、私ども今回、抑制的な個別指定方式を維持しておりますし、また、その指定基準も認定基準も特に変更を予定しておりませんが、ただいまお話がありましたような議論がございまして、青少年問題協議会、青少年健全育成審議会の中におきましても、現行の指定制度の実効性の確保、それから自主規制のより一層の実効性の確保、これについて工夫する余地があるんじゃないかというご指摘をいただいております。

 具体的には、まず指定図書の方でございますけれども、これは、先ほどお話がございましたように、青少年健全育成審議会の方に毎回私どもが諮問いたしまして、ご答申いただいて、その答申によって指定するという形をとっておりますけれども、青少年健全育成審議会に諮問する図書の数が少な過ぎるんじゃなかろうかというご指摘がございまして、具体的に青少年問題協議会におきまして、諮問図書の選定基準を設け、適切な諮問を行う必要がある、ありていにいえば、もう少し諮問する数をふやしたらどうかというご提言がされております。

 この提言を受けまして、今回、これは今後になりますが、青少年健全育成審議会に諮りまして、諮問図書選定指針を設けまして、諮問図書選定の透明性の向上と、それから、私どもの諮問漏れが原因で本来指定すべきものが指定されることがない、そういう指定漏れがないような形で工夫してまいりたいと考えております。

 それから二点目でございますけれども、表示図書制度。これも、業界側の自主規制による表示図書制度についての実効性の確保でございますが、青少年問題協議会の答申において、このことにつきましては、実効性を確保するためにも、条例において自主規制を促す規定を設けることも検討すべきであるという提言がなされております。

 このため、今回の条例改正案に新たに盛り込ませていただきましたのは、いわゆる表示図書を選定する際に、指定図書の認定基準が東京都規則で定められますので、この基準に照らしながら表示図書を選定していただく努力を出版業者の方に努力義務として求めていく、このような規定を条例改正案に盛り込ませていただいているところでございます。

 以上でございます。

〇山本委員 憲法で保障されている出版の自由でありまして、なかなか難しい問題もいろんな点で含んでまいりますが、図書の規制は特に、この間の「週刊文春」ではありませんが、社会的関心の高い分野でありますために、コミックは今回の条例改正で新たに規制されるわけではないということですね。そのことと、また規制する対象も変わらないという、正しい情報を提供することが大事だと思うんですよ。

 コミックはだめだなんて考えさせないような、そういうようなPRも大事であるし、一方、規制されるべきものが規制を免れているという、この現状もやっぱり改善していかなきゃならないことだと思いますね。

 有害情報の問題には、不健全図書のほかにも自動販売機等の問題もあります。自販機の中のビデオを先生方ごらんになったことはありますか。大変なのがたくさん入っております。

 それとともに、新たな規制とともに、今度、改正条例の十七条第二項で、警察官に立入調査権を付与するとしておりますね、この条文の中で。この点で令状主義に反しないか、また犯罪捜査につながらないかということが指摘され、議論されております。

 ご承知のように、刑事訴訟法百六条では令状主義をうたっております。裁判官の発する捜索令状がなければ、調査、捜索はできない、こういう主義をとっているわけであります。これは皆さんもご承知のとおりでありますが、そこで、立入調査権の権限を警察に与えることは、強制捜査の、先ほどいいました令状主義、憲法三十五条でもうたわれているところですが、定めている刑事訴訟法の法文を空文化するものではないかという意見があります。この点についてはどうお考えになっておりますか。

〇高島都民協働部長 警察官の立入調査についてのお尋ねにお答えいたします。

 いわゆる憲法なり刑事訴訟法で定められている令状主義に反することになるのではなかろうかというお尋ねだろうと思います。

 この立入調査の権限につきましては、一つは、条例の施行に必要な限度において認められている。二つ目としましては、あくまで営業時間内に立ち入るということに限定されている。三つ目として、行政調査を行うために認められているものである。それから四つ目として、あくまで警察官が行う場合であっても、犯罪捜査のために認められたものではない。このような極めて限定的な制約を設けて認めていただきたいということで条例案に盛り込んでおりますので、決して憲法なり刑事訴訟法で定める令状主義を空文化させることにならないというふうに思っております。

 このことを具体的に担保するために、一つは、十七条の四項で、立入調査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということをはっきり明示しております。これによって誤った運用をいさめるとともに、都民の誤解を未然に防ぎたいということをまず定めております。

 それから、調査に際しましては、立入調査証票を携帯しまして、あらかじめ関係者に提示しなければならない。これを同じく十七条の三項で規定しております。

 これはよく誤解されるのでございますけれども、例えば今回の警察官の方も、立入調査される場合は、いわゆる警察手帳でなく−−ちょっときょう持ってまいりましたけれども、私ども、既に行政は立入調査していますので、立入調査証票というのをつくっておりますが、警察官の方もこういう立入調査証票に基づいて立ち入っていただくということになります。そういう意味で、何の目的で立ち入られたかということが、立ち入りを受ける事業者側の方にもはっきり理解していただけるということでございます。

 それからもう一つ、このような適正な手続のもとに立入調査が行われるためには、私ども知事部局職員、警察官の方々が、この立入調査の趣旨、内容、目的また限界等を十分理解した上で調査に入るべきだという認識をしておりますので、知事部局職員それから警察官に対しまして、このような内容について十分な研修を徹底していきたい、かように考えております。

 以上でございます。

〇山本委員 今、部長のお話で明らかなように、警察官はだれでもできるというんじゃなくて、令状にかわるといったら変ですが、ちゃんと調査証票を持って、この事案についてやるんですよと、しかもそれをちゃんと打ち合わせをして出かけていく、いわば行政調査であるということですね。

 ただ、これを法律的にいうと、この調査によって、犯罪の事案の端緒になることは仕方がないんですよね。端緒になります。犯罪の端緒になるということは当然あらなきゃならないわけなんだけれども、しかし、それは別であって、それは本条例では目途とするところじゃないから、私はこれでいいと思います。いいと思いますね。

 だから、外で今いろんなことでいわれて、我々に送ってきているのを、私は精査して読みましたが、この問題には該当しないと思いますので、どうぞひとつ胸を張って、この条例をきちんとやっていっていただきたいと私は思います。

 次代を担う青少年が健全に育つためには、望ましい環境を我々自身がつくっていくということ、これは我々の責務であって、その所期の目的を達成するための条例の設置は大賛成であるということであります。

・・・・

〇石川委員 私からは、東京都青少年健全育成条例の改正についてお伺いさせていただきます。

 一月十五日に出されました第二十五期東京都青少年問題協議会答申の初めに、今回の答申は、昨年の十月三日、子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会の緊急提言を受けて、同じ年の十月二十八日、協議会に知事から、不健全図書類の効果的な規制のあり方、その他青少年の深夜外出の防止方策等の事項を検討するよう諮問を受けまして、一月十九日提言が出され、諮問が出されましてから百日に足らない短期間で答申が出された。その背景には、先ほど山本委員からもお話がありましたように、今日の青少年をめぐる社会環境の悪化、これを一日も早く改善しなければならないという大きな目的があってなされたんだろうと私は思います。

 したがって、今回の改正案、新設、改正等が行われておりますのはやむを得ないとは思いますけれども、今回の本会議また予算特別委員会でもるる論じられておりましたように、この育成する条例のあれを見ますと、第二条に図書類、こういうふうに記載されて、その内訳はこうこう、こうですよと非常に細かく記載されている。また第八条では、不健全な図書類等の指定という形で用語の定義がなされているわけであります。残念ながら、今回の改正の部分で新設されたところは、その図書類の一部でありまして、この答申にもありますが、図書の持つ影響というのは他の情報メディアに比較すると影響は少ないといわれるけれども、しかし、改めてこの不健全図書を規制しなければならないんだ、こういう視点で今回の改正がなされているわけであります。

 指定図書等の販売形態につきまして、るる新設が設けられましたけれども、私は、この中でいわゆる自販機による販売について若干質疑をさせていただきたいと思います。

 私も、昭和五十八年当時、都議会の場で、当時は約三千台を超える自販機がありまして、青少年に与える影響が非常に大きいということで、自販機のあり方について質問させていただき、約二十年弱経過いたしまして、この答申にありますように、まず設置台数も減ってきている。またその販売のあり方も、業界の種々の努力によってさまざまな自主規制をされてきた、こういう評価は述べられて、しかし、一部にアウトサイダーといいますか、いわゆる団体に属さない方々が今なお、簡単にいえば悪質な販売方法をとっているということで、さらなる規制をいたしますよ、こういうふうになっているわけでありますけれども、この自販機に対する現況につきまして、また、これまで業界が行ってきました自主規制努力、そういうものに対して生文はどういうふうに評価されているのか、伺いたいと思います。

〇高島都民協働部長 石川委員の質問にお答えいたします。

 いわゆる自動販売機に関します業界の状況と自主規制のあり方についてのお尋ねだというふうに認識いたしております。

 自動販売機につきましては、現在の条例上、その設置に当たりましては都の方に届けていただく。そして、その中に不健全図書、特に指定図書が入っていた場合は、入っているものについては出していただく。それから、そもそも指定されているものについては入れないというような規制を設けて、業界の方でも自主的にいろいろ取り組んでいただいています。

 特にここ二年ほどでは、平成十四年五月に都と業界団体で取り決めを結びまして、いわゆる年齢識別機、これを自主規制でそれぞれの自動販売機につけていただくというご努力をお願いしてまいりました。これにつきましては、大変業界側のご協力を賜りまして、一年半という短期間に、約九割の販売機に年齢識別装置が設置されたということでございます。

 年齢識別機につきましては、ご案内のとおり、運転免許証により年齢確認をしないと本を買えないということで、区分陳列といいますか、ゾーニングの観点から極めて望ましい装置でございまして、大多数の事業者にこのことにご協力いただいたことについては御礼を申し上げてまいりましたし、またこの場で、このことについて高く評価しているということを申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

20040517 有害コミック撲滅運動発祥の地の有害図書追放論

資料:田辺市議会会議録:有害コミック撲滅運動発祥の地の有害図書追放論

 

有害コミック撲滅発祥の地=田辺市の市議会で議論された有害図書追放議論のうち、ネット上で公開されている平成9年から平成16年までの情報を転載します。

 

■田辺市議会

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会派の構成

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田辺市議会議員

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会議録検索

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平成11年 3月定例会 (第7号 3月16日)

No.6 大倉勝行君

15番議員でございます。一般質問に入らせていただきます。皆さんに通告しております通告書どおりやっていくんでありますけれども、題は一つであります。そして、小さい番号が1から4まで打ってるんですけれども、一つの題でありますので、まあ1番にいったり4番にいったりいろいろするかと思いますけれども、ご了承お願いいたしたいと思います。時間は30分の予定でありますが、少し議長並びにこの後、一般質問されます鈴木議員に許可をいただきまして、10分ほどもしかしたら延長になるかもわからないんでありますけれども、少しの時間でありますので、皆さんどうぞご清聴よろしくお願いしたいと思います。それでは、入っていきたいと思います。

青少年への有害環境、有害図書の実態についてでございます。かつて10年ほど前でございました。この田辺市から全国に発信した運動の中で、大変素晴らしい運動がありました。当時、ビニ本と言いまして、ポルノの本をビニールで包んで中を見えなくしまして、見たら売れないからかもしれないんでありますけれども、それを大人のお店で販売したのであります。しかし、それがより一層売れるようにと、より一層いろんな人に売れるように簡単に手に入るようにというのかどうかわからないのでありますけれども、自動販売機で街角街角で販売をしておりました。自動販売機にしますと、誰にも顔を見られず、誰にでも簡単に、そして18歳以下の人にでも簡単に手に入ったわけであります。それで中学校、そして高校の学生の間で、これが大変はやりまして、たくさん購入しまして、親御さんが部屋に入りまして掃除をするときなど、それを見つけまして大変びっくりいたしまして心配になったのであります。その運動が、これでは大変だという形で、いくらなんでも18歳以上の図書を、そしてまだまだその10年前は、なかなかそこまでポルノ的なことも、日本では理解があったというのか、まだ皆さんに理解がなかったので、えらい心配をいたしまして、これがだめだという形で、田辺市のお母さん方から全国に発信しまして、ビニ本自動販売機の追放運動が活発に行われたわけであります。それがいわゆる悪書追放運動であったわけでありますけれども、大変成果が上がりまして、私自身の把握でも大変成果が上がったと聞いておるんですけれども、それらの運動の成果は、田辺市はどのように把握しているのか、全国的にどうなったのかを少し教えていただきたいな。田辺市は、その運動の実態をどう把握しているのかを聞かせていただきたいと思います。

そして、そのような10年前に運動がありまして、現在これらの環境がどのようになっているのかと、私は、田辺市はどういうふうに把握しているのかを聞きたいのであります。私は、今現在の田辺市では、全国的にもそうだと思うのでありますけれども、当時以上の10年前以上の最悪な環境であると、私はそう思っております。この10年間に時代は大変変わったのであります。本は本屋さんだけに売っているのではなくなりました。ポルノの本も大人の店にだけ置いているのではなくなったように思います。10年前にはほとんどなかったコンビニエンスストアというのが、この10年間にたくさん出てきたのであります。コンビニエンスストア、野菜や果物はあまり置いてないんですね、そのようなスーパーです。駅の売店を少し大きくした感じの、お菓子とかあまり腐らない物を置いているスーパーが、コンビニエンスストアであります。ポテトチップス、ジュースの目の前に、そしてアニメの本や普通の週刊誌の間に、しかも表紙はファッション誌、服装の流行のファッション誌、旅行の紹介誌、アニメの本と全く変わらないのであります。表紙だけを見たら、本当に週刊誌のようです。アニメの本のようです。例えば、ドラえもんとか、その手のマンガが書いてあるような本が、中身が違うのであります。私が1人のお母さんからこの話を聞いて、そして現物を見せてもらって、本当にびっくりしたわけです。本当に普通の本と全く変わらないのですけれども、中身は全く違うのであります。当時のビニ本よりも大変すごいなと思ったのです。

今は、普通の週刊誌には、ヘアとかいうものが解禁されておりまして、どの本を見ても、それなるものは目にかかることはできるのでありますけれども、決してそのような程度の本ではありません。正にヌードだけではなしに、女性たちの写真の中に男性も混じってる。この場で言うのも、少し気が引けるような中身であります。正にポルノ誌であります。そのポルノ誌が、表紙は全く普通の本でありますけれども、それが正にアニメの本、週刊誌の本、ファッション誌の中に、普通の本のふりをして紛れ込んでいる。そして、その本を小学生、中学生が、正に鉛筆や消しゴムを買うように購入できる。そして、購入しているのであります。そして、親御さんたちは、そのことを知らない。正に子供たちとコンビニに騙されている、これがいちばんの私は問題点だと思うのであります。市は、これらのことを把握していますか。それをお聞かせいただきたいと思います。どのような本があるのか知ってますか。そのことを聞かせていただきたいと思います。そして、この本を自分の子供の部屋で見つけたお母さんたちがびっくりしまして、これではだめだ、これでは本当に世の中が悪くなると。一回この実態を皆さんに知ってもらいたい。これが世の中の人たちが許すはずはないという形で、お母さんたちが立ち上がったのであります。そして、今現在、署名運動を展開しております。もし、田辺市の多くの市民がこのことを知ったならば、理解したならば、また大きな運動が出来上がって、どうしてもこれがいけないという形で、大きな運動となって盛り上がってくると思うんでありますけれども、なかなか一部の少数の人数では、これらの問題を本当にほかの市民の人たちに知らしめるということが、なかなか力が足りないのであります。

そこで、何らかの形で、本当に市に協力をしてもらえないだろうかというのが、今日の私の質問の趣旨であります。会員のお母さんのグループは、大変頑張っているんでありますけれども、なかなか手が届かないのであります。何らかの形で、今、行政として手を打たなければ、本当に何も知らない間に、とんでもないことが起こっていくような気がしてならないのであります。そこで、質問でありますけれども、ニューヨークのジュリアーニ市長というのが、ニューヨークの市長として就任されたそうでありますけれども、彼は警察官をしていたそうであります。そして、世界でもナンバーワンの犯罪都市であったニューヨークは、今現在は、本当に世界でもいちばん住みやすい都市になったというように聞いております。何をしたかと言うと、大変な規制をしたんですね。公園で犬を放すと100ドル罰金だそうです。飲酒運転をすると、車を取り上げまして、車を売ってしまうそうであります。列車の無銭乗車が大変多かったそうでありますが、無銭乗車をしますと、逮捕されるそうであります。いったん解き放ったものは、なかなか締めようと思っても締まらないものであって、締めるには、やはりある程度の規制をして、縛らなければなかなか難しいように思います。私は、今、コンビニエンスストアでたくさんいろんなこういう悪書的な本があるわけですけれども、このコンビニエンスストアを許可しているところがあるわけなんですね。

そして、それは県条例であるそうであります。県条例をきちんと守っていただければ、まあ大丈夫かなと思うのでありますけれども、県条例で守れなかったら、私は田辺市でもある程度の条例を作って、これらの取締でもできないものかなと思います。田辺市だけでも、独自に条例を作り、これらのものを禁止することはできないだろうかなと、そう思います。それがある程度ちょっとと言うならば、コンビニエンスストア本部に出向いて行ってでも、一つのコーナーをきちんとしたコーナーを持ってですね、そして取り締まったらどうかなと。そうでなければ、「この許可を取り消すよ」ということを、そのぐらいのことはできないものだろうかなと思います。コンビニエンスストアのその許可は、県であるそうでありますけれども、ここに県条例があるわけであります。「図書等の販売、または貸付けを業とする者は、有害図書等を他の図書等と区分し、店内の容易に監視のできる場所に置かなければならない」。きちんと区別をしなさい。そして、ほかのものと一緒にしたらだめですということなんですけれども、僕はやっぱりきちんとコーナーを、ドアがついているぐらいのことをしなければだめだと思います。この文書だけでだめならば、田辺市として、きちんとドアをつけろとかいう形で、条例ができないかなと、そのように思うのであります。それまでにですね、県とか、あるいは警察にもう少し厳しくこの条例をするように、もっともっと厳しく取り締まれるように、市から県なり、警察なりに、本当に要請をしていただきたいな、そのように思います。

そして、このお母さんたちの、田辺市民に知らしめようという、この署名運動に何らかの形で田辺市も協力していただきたいな。町内会の組織がありますし、PTAの組織があります。婦人会の組織があります。私たちもこれらの組織に協力を要請したのでありますけれども、なかなかうまくいかない。なぜかといえば、いろんな人たちが要請をして、署名運動なり、これを宣伝してほしいと、そういうふうに言われたならば、それを全部受けたら、もういくつあっても、体がいくつあっても足りない。だから全部が全部受入れられないというのが理由です。もっともだと思います。しかし、このことに関しては、田辺市の一つの姿勢があったならば、これらの人たちにPTAなり、あるいは町内会なり、婦人会なりに、これは特別なんだよという形で要請することも、僕自身は可能だと思います。一つの特別な事項もあってもいいんじゃないかなと思います。すべての市民が同意できる事柄であるかと思うのであります。私の要望点はこれだけです。どうかご返事をいただきたいと思います。

 1回目の質問を終わらせていただきます。

            (15番 大倉勝行君 降壇)

平成11年 3月定例会 (第7号 3月16日)

No.8 市長(脇中孝君)

 大倉議員から青少年の有害環境、なかでも有害図書の実態について、ご質問とご意見をいただきました。お答えしてまいりたいと思います。議員からお話のありましたとおり、平成2年の夏に、コミック本の性描写が、子供たちにとって大変有害であるという声が、田辺市を中心とする母親グループの皆さん方からあがりまして、この方々が中心となって住民運動を起こし、その運動が市民全体のものとなっていきました。具体的には、市それから市教育委員会、田辺市青少年育成市民会議、田辺青少年補導センター、さらには町内会、婦人団体、PTA等の関係団体等が一致協力して、皆の力で性描写マンガの追放、またコミック本を見ない、読まない、読ませないということをスローガンに啓発のビラを市内全戸に配布し、そして街頭啓発等の啓発活動、さらに出版社に対しても要望書を提出して、コミック本の自主規制にかかわる活動や研修活動、署名活動等様々な運動に取り組まれたのでございますけれども、この運動がマスコミにも取り上げられ、県全体、さらには全国的にも広がりを見せました。こうした運動で、出版倫理協議会においても自主規制が講じられるとともに、大阪、広島、それから京都等においても、条例を改正して、有害指定が実施されるなど、全国的に規制が強化されて大きな成果を上げたところであります。

こうした成果を上げることができました大きな要因として、この運動の中心になられたお母さん方が、子供たちを有害な環境から守るんだという強い信念のもとに活動を展開され、市民の皆さんの心を動かし、市民全体の運動、さらには県民運動にまで発展させたということであろうと考えております。ところで、今、議員からもお話ありましたとおり、最近の青少年を取り巻く状況でございますけれども、社会情勢の変化、それから生活環境も年々変化をいたしまして、新たな有害環境の発現も見られるようになってきておりまして、取り分け青少年の健全育成に有害と認められるもの、性的感情を著しく刺激し、または粗暴性、残虐性を助長する恐れのあるものでございますけれども、例えば図書等の出版物、ビデオ、映画、広告物、放送番組といった従来のものに加えて、コンピューターソフト、それからインターネット等のメディアからの有害情報が非常に複雑化して、しかも多様化している現状であります。また、電話などの通信技術の発達によりまして、テレホンクラブとか、ツーショットダイヤルなどの営業によりまして、特に女子の性被害なども、都市部を中心に増加しているということが報じられております。

県では、そういった被害から青少年を守るために、平成9年1月に和歌山県青少年健全育成条例の一部を改正いたしまして、テレホンクラブに関する規制のほかに、有害図書等に関しましても、規制や罰則をさらに厳しくしておりますけれども、議員が申されましたように、これでもって有害環境がすべて浄化されるとは考えにくい状況でございまして、今日的には憂慮すべき状況にあると認識いたしております。国におきましては、平成9年11月に、総務庁警察庁の連名で、全国的なコンビニエンスストアの組織に対しまして、一つには、条例により指定された有害図書類は、18歳未満の者へ販売等が禁止されていること。それから二つ目に、条例による有害図書を販売するときは、専用のコーナーを設けるなど、区分陳列をすること等、青少年を取り巻く有害環境の浄化対策への協力を要請いたしておりまして、県も条例によりまして、各種業界に対して、有害図書等に係る措置の徹底と地域における少年の非行防止、健全育成に配慮した営業活動の徹底を強力に文書で要請をしているところでございます。

市といたしましても、県をはじめ警察、それから補導センター等の関係機関と連携を図りながら、図書類等に関しましては、毎月、県条例で指定された図書類等の状況や規定どおりの販売がなされているかどうか、コンビニエンスストアなどを含めた図書類等の販売店を巡回して、違反があった場合は、その場で直ちに指導などに取り組んでいるところであります。議員のご要望ありました市の条例化についてでございますけれども、先ほども申し上げましたように、国の法律、あるいは既に県におきまして、青少年健全育成条例が制定されておりますので、市といたしましては、行政の責務として、県の条例を遵守し、実効性のある適用ができるように、今後とも努力してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、有害な社会環境につきましては、青少年自身の意志と判断による対応が基本となりますけれども、同時にこれを支える家庭や学校における指導、そして地域の方々による青少年の健全育成の観点から、有害環境浄化のために積極的な活動や青少年のための有害環境浄化についての関係者の皆さんの深いご理解とご協力が一層必要でございますので、今後とも、これらの皆さん方と連携を深めながら、環境の浄化に取組をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

             (市長 脇中孝君 降壇)

平成11年 3月定例会 (第7号 3月16日)

No.10 大倉勝行君

県の条例に沿ってやっていただけるということであります。ひと言申し添えるんでありますけれども、県の条例があって、そしてやっていくんでありますけれども、結局やっているんでありますが、実態は、今現在はむちゃくちゃであります。ですから、県の条例で通用するならば、私はどんどんどんどんやっていかなければならない。しかし、実態が今とあまり変わらなければ、何らかの対策をとらなければいけない。これは事実であります。ですから、県の条例で十分であるならば、それはそれで私はいいと思うのでありますけれども、十分でなかったならば、何らかの形で強力にやっていただきたい。本当に守らなければ、「守らなければ、もう取り消すよ」というぐらい強い態度で臨まなければ、口で言ったのでは、私はなかなか守れないと思います。市が中心になって、強力に県あるいは警察に対して、本当に強力に要請をしていただきたいと、そのように思います。そして、今一度、返事を聞かせていただきたいのでありますけれども、お母さんたちの署名運動に、市は全面的に協力をしていただけるのかどうか、それをもう一度明確に答えていただきたいと、そのように思います。

それと少し10分間ぐらい時間をいただいておりますので、私は関連してると思うのでありますけれども、少しほかのことでちょっとしゃべらせていただきたいなと思います。子供たちがおります。いろんな環境がありまして、だんだんだんだん悪くなっているんでありますね、学校であります。我々のときは、先生を殴るということはなかったんでありますけれども、反対のときはあったんですね。先生から我々は殴られるということもありました、正直な話、何年か前には。しかし、今現在は、そういうのは絶対ないそうでありまして、ところが、反対に、生徒から先生を殴っているというのが、新聞等マスコミで聞かされております。そして、授業ができないということで、授業中本当に友達同士で話したり、徘徊をするそうですね。外に出て行ったりもするそうであります。「大変昔よりも悪くなった」、そのように言われます。

この間も、この市議会の議場において、「大変悪くなったから、40人学級を30人学級にしよう」という話を聞かされました。大変素晴らしいことであると思います。しかし、本当に40人学級を30人学級にすることが、それが暴力をなくしたり、授業中の話をなくしたり、今より良くする本当の手段なのかなと、私はすごく疑問に思います。それはいいことであるけれども、根本は別なことにあるような気がしてならないのであります。これも8年前でありました。三栖中学校で、卒業式のときに、「君が代斉唱」と言ったら、全員がバンと座ったのであります。僕自身びっくりしました。そして、10年たちまして、三栖中学校が三栖と長野と、そして万呂と集まりまして、衣笠中学校ができまして、それよりも人数が多くなったんです。今回、卒業式に行きました。金髪の男の子、頭に角がいっぱい生えている男の子がたくさんおりました。みんな君が代を口ずさんでおりました。たまにいきがって大きな声で歌ってる子も何人かおったわけです。ものすごく頭は金髪にしてても、僕自身はかわいいなと思いました。その思ったときに、十数年前を思い浮かべました。あれは何だったんだろうなと、僕自身思ったのであります。三栖小学校の人数の少ない子供たちが、一同にしてドーンと君が代を歌って座る。あれは何だったんだろうなと思ったんです。私自身考えました。あれは教育だったんだなと。多分先生たちが、そのことを教育したんだなと。だからあのときに、あれだけの人数が一堂に会してどっと座った。立っていた人が3人だったんですね、子供たち。子供が3人しか立ってなかったです。あれは学校教育に対して、公教育に対して一部の先生の一部のイデオロギーの子供への教育だと、私はそう思いました。そう自分自身で今、結論づけているのであります。

今、新聞を賑わしております所沢高校で、学校の卒業式と、そして生徒が生徒会と称する卒業の式典とがあるそうであります。校長先生の一応中心となる卒業式が、何か5分の1とか、もっとすごい10分の1ぐらいの出席しかなくて、そして学生の主催するのがほとんど出席しているという、この現実があります。そして、この間、校長先生が亡くなられた広島の世羅高校というのがありまして、自殺された校長先生の本当にご冥福を祈るわけでありますけれども、かわいそうに思うわけでありますけれども、この高校生の修学旅行は、韓国に出向いて、そして土下座して謝罪してきたそうであります。僕は本当にすごい話だなと思います。これこそ正に教育だと思うのであります。一部の人たちのイデオロギーの教育が、ここにあると思います。その教育は何かなと考えてみた場合ですね、全く一方的な権利主義だと、私は思います。義務を教えない権利主義、ですから、僕がこういう有害図書という話もそこから出てくると思うんですね。自分の権利、権利と主張するならば、僕はこれ利己主義から始まって、本を作る、本を出版する権利があります。そして、購買する権利があるわけですね。そして、表現の自由の権利がある。こういうことをしたらですね、一つ権利、権利の主張するから、こういうことになるのではないかなと、私自身思うのであります。

今、日本では、卒業式に君が代になりますと、3分の2が退席したと、卒業式の会場から退席した。これが教育、先生たちが教育をしていなくて、こういう行動ができるかなと、私自身は本当にそう思います。「昔より悪くなった」、よく言われます。なぜ悪くなったか。根本が悪いからであります。なぜ悪くなったのか。原因は、世の中の人たちから少し離れた一部の先生の一方的な考え方の指導によると思うわけであります。公教育、どういうものか。悪くなったとよく言われますけれども、現実に田辺市ではないんですけれども、私立学校にこの話はありますか。一切ないのであります。なぜ、公立にこれらの問題の話があって、私立高校にないのかということを、僕は皆さんにご理解していただきたい。なぜ公立にあるのですか、私立にはなぜないのですか。40人学級を30人学級にして、解決する問題ではないのであります。私は、どこに原因があるのかと考えてみました。公教育での先生の地位にあるように思います。昔は、これは聖職だったんですね。僕らはまだ先生というものは聖職だと思っています。ところが、いつの間に誰が言い出したのか、「先生も労働者だ」ということを言われました。一般の国民は決してそう思ってないのにもかかわらず、先生を「労働者だ」と言い始めたんでありますね。おかしな話です。いつの間にやら教壇が取れてます。学校に教壇がないんですね。なぜ取ったのかと聞きますと、目上からものを言うのはおかしい。先生というのは目上ですよ。教える立場と教えられる立場というのをはっきりと分けなければ、教えるという立場をやっぱり顕示しなければならないと思います。決して子供と生徒が対等の立場、生徒と先生が同じ目の高さでおったのでは、私は教えられる立場ではないように思います。

勝手な歴史観、公の機関でありながら、公と違う、自分本位な歴史観を、公の身でありながら、公に反発する、そういう考え方で、そして子供たちを教える。子供たちの親御さんにも、親にもいろんな考え方があるにもかかわらず、そういうふうに教える。そういう教育の場で、国との考え方とか、あるいは教育委員会の考え方、校長先生の考え方、そして父兄、保護者でいいですけれども、保護者も父兄もイコールなんですね。言い換えるのはおかしいんでありますけれども、父兄でいいんですけれどもね、父兄の考え方と相反している、そういう相対している立場で、先生たちが自分本位でやっている、一つの義務があるにもかかわらず、権利だけの主張、これらのことが僕自身、このような社会を作ってきた本当の原因でないかと、私はそう思います。10分間ですけれども、勝手なことを言わせていただいたんでありますけれども、ひとつ市長さんに、先ほどの署名活動に協力できるかということの返事をいただきたいと思います。

            (15番 大倉勝行君 降壇)

平成12年 9月定例会 (第4号 9月26日)

No.33 田中康雄君

 1番議員の田中康雄です。

(略)

子供の問題で次はですね、少年犯罪の背景という辺りでお聞きをしたいと思うのですが、子供の数の減少と同時に質の問題、すなわち子育てそのものが未曾有の危機と困難に直面しているということも指摘しておかなければなりません。相次ぐ子供事件といいますかね、この子供事件というのが、そういう未曾有の危機、困難ということの象徴だと、こういうふうにも言えると思うのですが、その象徴がどういう現れ方をしてきているのかという辺りで考えるところ5点を言っておきたいと思うのですが、1点目は、子供たちが加害、被害、両面にわたって巻き込まれるという危険、これが広がっていると。2年前の神戸事件以降ですね、5,000万円恐喝とか、主婦殺害とか、あるいはバスジャック事件のように、少年たちが引き起こす凶悪な事件に焦点が当たりがちでありますが、年少の子供たちがねらわれるという、これによって犠牲になる事件というのは、誘拐であるとか、虐待で殺される、小さな2歳というような子供が放り投げられて殺されると、こういうことも増える。あわせてですね、非常に事態は複雑化し、そういう意味では、全体的な把握をするという点が非常に大事だと。

2点目には、これまでですね、安全と思われた学校、保育所とか幼稚園や家庭でも子供の生命と安全が脅かされていると。小学校の校庭で殺害事件が起こった京都。生活苦から母子世帯の幼児が凍死をしたという栃木の事件があります。学童保育中に連れ去られ事件、これ福岡です。こういうようなこともですね、そういう現れ方をしている。3点目には、虐待とかいじめなどでSOSが発信されても、地域や関係の公的諸機関ですね、公的な機関が子供を救えない。いわゆる社会システムの機能不全というのが表面化してきている。

4点目に、これらの子供の事件が、個々の家庭とかですね、親の責任にとどまらず社会や政治の在り方に起因し、その危機が日常生活の中にはらまれているという、子供たちは愛情やゆとりのかわりに、日々暴力、競争、孤立にさらされて、いや応なく自己存在感が追われているという、そういう実態。

5点目には、子供たちは、居場所なき不安な毎日を送っているという、そういう子もいますね。希望を求めあぐねている。それはいじめや、あるいは不登校の最中にあるそういう子供たちばっかりではないという点で、この間、鹿児島の団体が出した子供白書には、「だるい」というのをしょっちゅう口にする子供たちが増えてきたと。だるさの中で、それとなく生きていると。こういうような現れ方をしてきているというふうに思うわけですが、教育委員会は、これらの背景をどうとらえられているか、教えていただきたいというふうに思います。また、その対応をどのように考えているか、お答えください。

この問題の終わりになりますが、こういうような子供の問題に対する取組というのは、全国的に見てもですね、全体的にはまだまだであります。子供たちの今を見据えて大人にできること、なすべきこと、これを自覚した取組と、これが自治体絡みでですね、ぼつぼつと広がっているというふうに言えるわけですが、例えば、コンビニとかゲームセンターとか、カラオケ以外に行き場所のないような、そういうふうに見える中学生や高校生、個々に照準を合わせて新タイプのですね、児童青少年センター「ゆう杉並」とか、こういうようなのができたとか、あるいは町田市では、「ぱーん」という、そういうセンターをそういうところに照準を合わせて造ったと。それから神戸事件の起こった須磨区ではですね、駅前ビルの中にフリースペースというのを造ったと。これ開設準備中ということになりますね。それから、宮崎県都城市でもスケーボーパークが造られると。それから、「高知こどもの図書館」という子供図書館を造る。あるいは「24時間図書館まなぼう館」というのを山口県須佐町、これも話題を呼んでいると。これはそういう報告がありましたので言ってるわけで、実際に見てきておりません。一遍僕見てきてからですね、また話をしたいというふうに思いますが、ともかく少ないわけですけれども、何かの取組をしていこうという、そういう動きが出ているという、そういうことも言えるわけでございまして、これらの少子化政策と言いますか、これは乳幼児等、その家族への支援と並行してですね、このように青少年期の、そういう子育ち、あるいは子育ての環境づくりというのを視野に入れて、早急に具体化すべきことではないかと。子供に居場所を、子育てに安心をと、この願いというのは、どの地域からも聞こえてくる時代ではないかと、そういう要求される時代ではないかというふうに思います。

子供の豊かな生活の土台、関係を足元にみんなで作る、そういう子育て安心ネットワークづくりというかな、子育て安心ネットワークづくり、これが問われているのじゃないかというふうに思うわけでありますが、田辺市ではですね、長年、児童館の取組というのがなされてきています。そこには、子供の育つ成果の蓄積というのがあるはずであります。これをですね、田辺市の各地域、中学校区ぐらいに広げていくというようなことが大切ではないかというふうに思うのです。学校週五日制の完全実施ということももうすぐでありまして、こういうことともかかわって、重要なことだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

(略)

             (1番 田中康雄君 降壇)

平成12年 9月定例会 (第4号 9月26日)

No.37 教育長(角莊三君)

 田中議員から3点にわたるご質問をいただきましたので、お答えしたいと思います。まず、少年犯罪の深刻さにつきまして、資質の問題、困難の象徴というように、議員ご自身が深く分析された5点ほどを述べられましたが、どんな背景があるのか、どこから手をつけたらよいのか、まことに憂慮すべき状況にあり、しかも今後ますます増加する気配が感じられます。あの神戸市の小学生殺人事件の犯人であった少年の犯行声明文に記されていた「人の痛みのみが僕の痛みを和らげることができる」という部分に象徴されているとおり、常軌を逸した身勝手な行為は、一体どういう経緯をたどって生じてきたのか。その少年に独特の現れ方をしたものか、それともある状況下では、誰にでも起こる可能性のある性質のものなのか、非常に分かりにくいところでありますが、その後の凶悪犯罪の推移から、一つ、連鎖反応を引き起こす。二つ、エスカレートをする。三つ、周りはかえって厳しい対応がしにくくなる。こういった状況が起こってきていると思われるわけであります。

総務庁の青少年対策本部が、今年発表した青少年白書によりますと、主要刑法犯少年の補導人数は、平成8年から増加に転じ、平成9年にはおよそ14万9,000人余り、前年比にいたしますと14.5パーセント増、平成10年には15万7,000人余り、これも前年比にいたしますと、さらに3パーセント増と、年々増加傾向を見せております。また、ナイフなどを使った凶悪な犯罪も平成9年ごろから急激に増加をしています。大分の高校生による一家6人殺傷事件など、連続して起こった殺人事件等は、私たちの記憶に新しいところであります。こうした凶悪な犯罪が多発するようになった背景をどのようにとらえたらよいのか。三つの視点から考えて見ますと、一つ目には、まず問題行動を起こした子供たち自身に現れている特徴が挙げられます。社会の基本的なルールを遵守しようとする意識が薄い。善悪の判断に基づいて、自分の欲望や衝動を抑えることができないほど自己中心的である。言葉を通じて解決する能力が十分でない。自分自身に価値を見い出すことができないといったように、成長の過程で当然身につけなければならない、身につくことが期待されている人間性が育っていないということが挙げられます。

二つ目には、子供たちを取り巻く現代社会の一般的な風潮の問題として、社会の基本的なルールについての認識がおろそかになっているのではないか。あるいは、特定の価値を自分の都合のいいように解釈し、一方的に主張する傾向が見られるのではないかとか、人権と公共の福祉や権利と責任等、諸価値の相互のバランスが崩れている場合があるなどが挙げられます。そのことが子供たちに対する基本的なしつけがおろそかになっていること。青少年の自由や権利を守るという観点が強調され過ぎること。子供たちの行き過ぎがあっても、大人が自信を持って否定できないこと。衝突やあつれきを回避しようとして、許容的になり、子供にとって偏った考え方を、生活体験の中で修正する重要な機会が失われてしまうことなどにつながっているように思われます。

三つ目には、少子化や家庭での個室の影響もあってか、集団における人間関係能力がうまく形成されず、言語活動も不活発になり、子供たちが多様な人間関係を通じて、社会性の基本となる思いやりのこもった人とのつき合い方、あるいは親を大切にしたり、他の人々に敬意を払うといった態度を身につける機会も少なくなっていて、いわば孤立化した状態に陥りやすいということが考えられます。今、3点ほど申し上げましたが、こういったことは、日本青少年研究所*1をはじめ各種調査に、例えば、「先生や親に反抗することや、酒を飲んだり、タバコを吸うこと、性を売り物にすることなどは、本人の自由だ」とする意見が、アメリカや中国に比べて圧倒的に高率に現れていることや、同様の傾向が文部省、総理府などの調査で如実に現れています。

本市におきましては、少年の凶悪な犯罪は起こっていませんが、青少年補導センターが指導した平成10年度、平成11年度の犯罪行為は、それぞれ100人余りでありまして、全小・中学生に対しては1.8パーセント、1.4パーセントという数値を示しており、ほぼ横ばい、または減少傾向にあります。ただ、中学生の数が多いということと、女子非行が増加傾向にあるということ、またせっかく14パーセントにまで下がっていた再非行率が37パーセントと前年より高くなっているということには注意が必要だと思っています。さらに、補導センターに招致された子供たちは、ほぼ一様に罪悪感が薄くて、規範意識も低いという際立った特徴があると言われています。しかしながら、早期に発見されて、丁寧に指導を受ければ、ほとんど反省が見られるということも事実であります。また、どこにも居場所を見い出せないとか、目標がないといった子供たちが多いように思われます。

さて、そういった青少年にケース、ケースの直接的指導とともに、教育的課題及び対応として、私たち大人はどうかかわっていけばよいかという問題について考えてみますと、この問題は、その背景に様々な要因が絡み合っているものであり、青少年のみを対象とした対策だけでは解決できる問題ではなく、大人自身がそれぞれの立場で、社会の構成員として、個の尊厳と公共の福祉の在り方、国の将来を見通して、自由と規律のバランスなどを軸にした子供の人格形成について、自ら深く考えながら、社会の基本的なルールを次世代に伝達していくことが重要な柱であろうと思われます。田辺市教育委員会では、学校教育、社会教育それぞれの役割はもとより、学社融合を進めていって、生涯学習社会に夢を託し、次に述べるようなことについて取組を進めております。

一つ、誰でも人生の最初の教師は親であり、家庭に求心力を持たせ、第一の居場所となるようにしていきたいこと。二つ目は、集団活動というものが、孤立化を防ぐ、そして精神的よりどころとなるので、促進していくこと。三つ目、当然関連がありますが、人間関係能力を向上させていくこと。四つ目に、許容社会となっている現在の弊害に目を向けること。五つ目に、道徳指導を充実させること。六つ目に、基本的行動様式を確立させること。七つ目に、自由主義の概念を知ること。八つ目に、志を励ますことなどであり、これらは相互にレベルの違いもあり、前後関係も一様ではありませんが、共通認識をもって努力を続けようとしています。

また、青少年をめぐる問題は、社会全体の在り方にかかわる問題であり、青少年は地域社会からはぐくむという視点に立って、社会性を培っていくための地域社会の環境づくりが必要であると考えられます。以前に、いわゆるコミック本の性描写が、子供たちにとって大変有害であるという声が田辺市を中心とする母親グループの方々から上がり、やがて市民全体のものになっていって、大きな成果を収めたこともありました。これは住民の方々がリードをして、環境改善に取り組んだ一例であります。さらに、田辺市には、青少年にかかわる田辺市青少年育成市民会議という大組織があって、各校区協議会を中心に、各地域で青少年の健全な育成に取り組んでおられます。

特に、最近では開かれた学校づくりの一環として、子供たちにかかわる団体、関係機関、学識経験者等の地域の方々にお集まりいただき、ネットワークをつくり、地域ぐるみで子供の健全育成に取り組んでいる校区もございます。また、子供クラブの役員の方々や、補導委員の方々の日頃の地道な活動、「きしゅうくんの家」の取組等々、多くの方々にご協力いただいております。このような取組に関しましては、さらによりよい方向を市民の皆様と共に考え、一層深めてまいりたいと考えております。もとより青少年にかかわる問題は、犯罪行為だけではなく、当地方においても不良行為や秩序破壊、恣意的な生活パターンなど随所に見られるとともに、少数ではありますが、普通の生活ができにくい環境を余儀なくされている子供の状況も深刻であって、焦眉の課題でありますが、それぞれの場において個別の対応と適切な指導に努めてまいりたいと考えています。次代を担う青少年の育成は、社会全体の責務であり、さらに今後とも健全育成に取り組んでまいりたいと考えております。

三つ目の児童館の増設をということでありますが、現在、田辺市にはご承知のとおり三つの児童館が設置されており、その小学校区全体の子供たちの活動拠点となるような様々な教育活動に取り組んでいるところであります。このことは議員のおっしゃるとおり、平成14年度から実施される学校完全週五日制においても、子供たちを地域ではぐくんでいくための取組として非常に有意義であり、こうしたことが市内全域へ展開していくことは望ましいことでありますが、現時点におきましては、地域によって独自の活動が展開されて効果を上げている一方、校外活動の在り方など、なお十分研究する必要があると感じています。したがって、青少年の健全な育成を図る上では、子供の居場所として、まず家庭があり、さらに地域、学校と発達段階に応じて広がっていく途上において、体験活動や自主活動のできる場が幾つもあるということは重要なことだと認識しており、既存の公共施設等の活用も含め、今後の課題としてまいりたいと考えております。

以上であります。

            (教育長 角 莊三君 降壇)

平成10年 12月定例会 (第5号12月15日)

No.3 田中康雄君

おはようございます。1番議員の日本共産党、田中康雄でございます。

(略)

 今、子供の状況を多くの方々が、本当にここにいらっしゃる方も皆だと思いますし、国民のほとんどがそうだというふうに思いますが、大変心配がされる。そういう中で、国連子供の権利委員会の日本政府に対する勧告と、国連からの指摘がありますが、一部紹介をいたします。メディア等の問題という点でありますが、「委員会は、印刷、電子、視聴覚メディアの有害な影響、特に暴力及びポルノグラフィーから児童を保護するため導入された措置が不十分であることを懸念する」、「委員会は、締約国に対し」、締約国というのは日本のことです。「印刷、電子、視聴覚メディアの有害な影響、特に暴力及びポルノグラフィーから児童を守る、保護するため法的なものを含めて、すべての必要な措置をとるよう勧告する」というのが一つですね。それから、競争的な教育ということで、「委員会は、児童が高度に競争的な教育制度のストレスにさらされていること及びその結果として、余暇、運動、休息の時間が欠如していることにより、発達障害にさらされていることについて懸念する。委員会は、さらに登校拒否の事例が、かなりの数に上ることを懸念する」。「締約国に」、日本にですね、「存在する高度に競争的な教育制度並びにそれが結果的に児童の身体的及び精神的健康に与える否定的な影響に鑑み、委員会は締約国に対し、過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために、適切な措置をとるよう勧告する」。いじめ、体罰についてもあるわけですが、「委員会は、学校における暴力の頻度及び程度、特に体罰が幅広く行われていること及び生徒間のいじめの事例が多数存在することを懸念する。体罰を禁止する法律及びいじめの被害者のためのホットラインなどの措置が存在するものの、委員会は、現行の措置が学校での暴力を防止するためには、不十分であることを懸念をもって留意する」、こういうふうにございます。これは、私が言っとるというよりも、国連からの勧告でありますが、教育長は、この勧告をどのように受け止められるか、お伺いいたしたいと思います。

(略)

             (1番 田中康雄君 降壇)

平成10年 12月定例会 (第5号12月15日)

No.9 教育長(角莊三君)

(略)

 四つ目の国連の子供の権利委員会が、日本政府に勧告をしたが、田辺市教育委員会の考えはどうかという質問について、お答えをいたします。言うまでもなく、この勧告と申しますのは、児童の権利条約の43条、44条に基づいて報告をする義務が生じたことによるものであります。議員ご指摘の三点につきましては、たくさんあった中の三点というふうに理解をしておるわけであります。いずれも、既に我が国の教育課題として、クローズアップしていることと把握をしておるところであります。まず、1番のメディア、特に暴力、ポルノ、こういったものから児童を守ると、こういうことにつきましては、心の教育答申にも、次世代を育てる心を失う危機として明記されたとおり、有害情報の氾濫は、成長期にある少年に、情操、人権、倫理観、性道徳、あるいは経済観念、儀礼等の面において、大きな悪影響を与えており、これを防止するには、まず大人社会の行き過ぎた表現の自由の許容性が課題になると思います。例えば、児童福祉関連では、母親モニターとか、関連事業への自主規制勧告というふうなことも行われておるわけでありますけれども、教育の方を考えてみますと、市民への啓発はもとより、健全育成条例の利用、これは先般、性非行問題にかかわって大きく改正をされたところであります。関係機関の連携など、学校、家庭、地域の教育機能が、いよいよ発揮されなければならないと考えております。

(略)

            (教育長 角 莊三君 降壇)

平成 9年 9月定例会 (第2号 9月18日)

No.48 青木伸夫君

(略)

今回の質問は、三点にわたって質問させていただくわけでありますけれども、まず、一点目の神戸の児童の殺傷事件からということで、何点かお伺いをしたいと思います。この事件は、本当にわれわれ大変悲しい事件でありましたし、そしてまた、この事件は特に被害者が児童であったということ、さらにまた加えて、その犯行は14歳の中学生であったということ、非常に特異な事件であったこと、そういうことを考えてみますと、これは大変な大きな問題であるな、というふうにとらえまして、最近、やや報道も少なくなりましたけれども、決してこの事件をわれわれは対岸の火事というような感覚でとらえるのではなくして、今後の教育のあり方の中でひとつ考えて、取り組んでいただきたいなと、そういう思いで一般質問をさせていただくわけであります。

この事件に関しては、少年法の見直しとか、あるいは報道のあり方、そういうものが非常に問題を投げかけた事件でもありましたし、そしてこの被疑者の中学生は低学年、三年あるいは五年ごろまでは非常にごく普通の子どもであったということ。しかし、大事にしておった祖母が亡くなったということ。そこら辺から死に対する強い関心を、この少年は抱くようになったということ。それから、そのことによって、小動物を殺したり、あるいは解剖したり、そしてまた、ホラービデオやあるいはそれに関係した本を読むようになった。部屋にはそうしたビデオや本がたくさんあったということ。そういうことから、大変な事件につながっていったわけでありますけれども、特に、少年ということで、取調べの方は正確な情報が入ってきてないわけですけれども、しかし、神戸地検から異例とも言うべき、この事件に対する発表がありました。その中でいろいろ報道では、学校の教師が、「もう学校へ来なくてもいい」とか、いろんな報道がございましたけれども、これに関しては、そういう事実はなかったこと。それから、家庭生活の影響も、直接この事件に影響したとは思えないこと。あるいは、先ほど申しましたように、ホラービデオ、そういう影響も、直接的には動機には影響がなかったこと。いろんなそういう神戸地検からの発表があったわけでありますけれども、しかし私はこの内容を見まして、本当に直接影響はなかったけれども、間接的には大変これ影響があったんじゃないかというふうな、非常に微妙なニュアンスのある会見であったなというふうに思っております。

いずれにいたしましても、この少年法によって、多くの国民にその内容、今後の審判の経過の中で発表が少ない、情報が少ないということで、これに対する教育現場での対応というのが非常に苦慮されていくだろうと思いますけれども、しかしこの事件は、一応捜査上の決着は見たということでありますけれども、しかしこの14歳の中学生であったということだけに、また残された課題が、大変多いんではないかと思います。そのように考えてみますと、むしろこれから出発点でないかと、私はそのように思っております。決してこの事件を、臭いものに蓋をするということやなしに、もう二度と再びこの種の事件がひとつ起こらないように、教育あるいは家庭、それから地域社会、力を合わせてやっぱりわれわれのそれぞれの立場で、いろんな対策を講じていかなければならないというふうに思っております。

そこで、具体的な質問に入るわけでありますけれども、この事件を教育現場でどのように受け止められておるのか、その反応はということであります。特に、生徒はどうであったかということも、私、非常に気掛かりであります。みなさんご存じのように、あの少年が逮捕されたときに、須磨警察署の前からの中継がございました。そのアナウンサーが立っておれないほど、若者、中学生、同じぐらいの年齢の子どもたちがですね、寄ってきて、Vサインをしながらテレビに映っておりましたけれども、そのように考えてみますと、これ大変なことだなと。同じ年齢の子どもがそういう犯行を犯した。そういう中でそういう態度が、本当にわれわれ大人として心配をしました。そういう意味からも含めてですね、一体教育現場、先生、生徒、どうこの事件を受け止めておられるのかということをひとつお聞きしたいと思います。

二点目には、この事件から得た教訓でありますけれども、先ほども申しましたように、確かな情報が少ないという中で得た教訓というのは、判断はなかなかしにくいわけでありますけれども、教育委員会として、あるいは学校の現場として、この事件をですね、裏には何があるのかという、そして得た教訓、それについてもしあれば、ひとつお聞きをしたいと思います。

そして、三番目の心の教育であり、あるいは命の大切さであります。この少年が、特に普通であったということで、専門科医に言わすと、精神の異常もなかったということでありまして、こういう大きな事件を起こしていったという中に、やっぱり心の教育が非常に大事でないかというふうに思っております。そしてまた、この事件だけではなしに、自らの命を捨てていく、自殺が大変多いわけでありますけれども、そうした命に対する思い、どのように考えておられるのか、このことは非常に大事なことでありまして、教育の現場で、どのような形で生徒に教え、指導されておるのか、その点であります。

それから、四点目、学校、家庭、地域社会の協力態勢はどうかということでありまして、私はこの事件、昨日も報道がございました。この事件、少年の通っていた学校の先生ですね、先生は、「いずれはこの子は何か事件を起こすんじゃないか」と思ったと。また、家庭では、「まさか自分の子どもがこういう事件を起こすと思わなかった」と。あるいは地域社会で、特に精神科医の先生は、そんなに異常な精神異常ではない。多少家庭、学校でいろいろその子に対する指導、そういうもので十分立ち直れるんじゃないかという見方、その場所、その場所で、いろんな思いをしながら、しかしこういう事件が起こってしまったというこの現実はですね、やっぱりそれぞれの立場で、やっぱり緊密なやっぱり態勢で臨んでおったら、もしかしたらこの事件は、起こらなかったかもわからないという思いがするわけでありまして、この事件にかかわらず、今後の教育の中で、やっぱり学校、家庭あるいは地域社会の連携プレーというのが非常に重要になってくるというふうに、私は思っております。この事件を通して、今後、この態勢をどう日ごろから続けていくのか、その点をひとつお聞きをしたいと思います。まず、一点目の質問は以上でございます。

(略)

            (14番 青木伸夫君 降壇)

平成 9年 9月定例会 (第2号 9月18日)

No.52 教育長(角莊三君)

神戸市で発生した児童連続殺傷事件について、青木議員のご質問にお答えいたします。まず、第一に、教育現場での受け止め方についてでありますが、この事件は、教育関係者のみならず、多くの方がたの心に重くのしかかる衝撃的なものであったわけであります。幼い児童が、連続して無残にも殺傷され、さらに新聞社に挑戦状が送られるなど、様ざまに世間を震撼させ、ついに容疑者として、14歳の中学生が逮捕されたことは、事件が解決したことへの安堵感以上に、最悪の結末であったと、そういうものを迎えたと感じておるところであります。私も関係する記事や論評など、可能な限り読んでおりますが、事件が起こった地域の人びとからの話も聞いたり、様ざま情報が錯綜することによって、かえって事実関係や背景がつかみづらく、どこまでが特異なものか。あるいはどんな点が青少年の心理に共通するのか、さらには学校教育や家庭教育の課題に通ずるものは何かなど、教職員や生徒に不安と動揺を与えたことも確かであります。

これまでの報道などによるところから判断して、報道全般から見て、破壊殺人ではないかと。自己の犯罪をメディアにさらし、世間の反応を求めた行為、あるいは犯罪を復讐と称した社会挑戦、さらには底流にあるオカルト的傾向の残虐性などが伺える特異な事件でありますし、もしこれらが少年の内面の真実を語るものであれば、なまじ理解を越えるところがありますし、もし仮面をかぶった、装ったということであれば、なお判断に苦しむところもあるわけであります。しかしながら、特筆すべき事実は、被害者及びその家族の無念は計り知れず、どんな対応をしても、慰めにも勇気づけにもならないくらいの大きな傷を残したものと推察しています。

私どもの教育委員会としては、まだ情報が十分でないときでありましたが、7月7日に校長会役員会を招集し、子どもたちの様子や対応の状況について聞くとともに、すぐに市内全小・中学校に、この事件をどう受け止め、命の大切さをどう指導するかについて、職員研修を指示いたしました。8月1日の夏季校長、教頭、園長、園主任会では、この事件を契機として、命の大切さを効果的に指導するためにという特別研修を持ち、各校の取組みを中心として研修を深め、まとめとして特異なケースではあるが、これに類する事件が、今後、絶対に起こらないとは断言できず、「透明な存在」という表現の意味を十分考慮しなければならないということを基本に押さえました。

具体的な取組みとしては、子どもと教師が一緒に活動する時間を多くとること。一人ひとりを大切にということが、言葉だけに終わるのではなく、子どもへの指導の場や、学校運営全体の場で、具体的に実行に移すこと。一日のどこかの場面で、集団づくりを意識した活動を扱うことの三点を一層実行していくことを確認いたしました。本件の報道や、伺い知れる範囲の状況から判断して、ただし、学校において、全生徒の反応を見るということはいたしておりませんが、学校長とは緊密に連絡をとり、情報の収集をしており、現在のところ、緊急の指導を要する問題を含む事柄の報告は、聞いていないところであります。今後、児童、生徒の反応は、静かに語られる時期が来れば、浮かび上がってくると思っております。

被疑少年の犯行動機についての検察発表があったわけでありますが、議員ご提言と同様に、私どももこの事件は、子どもを取り巻く社会病理や、今の学校教育の抱える様ざまな問題を考えていく重大な機会というふうに押さえています。すなわち二点目の、この事件からの教訓についてであります。まず、この事件は、小動物の虐待から、幼児への暴行、刃物を使った殺傷へと、少年の犯行が次第にエスカレートしていったことが報道されています。そのことは、犯罪というものの大半は、小さな問題行動からエスカレートをしていくという分析と合致しており、初期段階での適切な指導の重要性を知ることができます。

もとより、この事件の特異性、残虐性というものは一般化できないのではないかと思っています。次に、少子化核家族化などを背景に、善悪のけじめや社会性の薄い子どもを産んでいないかとか、多くの有害情報や疑似体験によって、現実と虚構の境界があいまいになりがちということもあり、人間が本来持っている攻撃性や暴力性などの悪の部分を、幼児期からどのように制御していくか。また、人間として許されないことは、子どもだからといっても、してはならないことなど様ざまな人間関係を通じて、子どもたちの心に浸み込ませていくことが大切であります。そして、14歳は確かに少年ではありますが、むしろ条件次第で、ここまでやる可能性があるのかということも、改めて知らされたところであります。やはり、学校、家庭、地域社会の連携を密にして、児童、生徒理解に一層努めることや、個々の子どもの悩みや不安に対して、具体的に対応し、一人ひとりを大切にすることを実践していくと当時に、社会のあり方について、深い洞察が必要だということなどを、この事件の教訓として大切にしていく必要があると考えています。

 次に、三点目の心の教育や命の大切さにつきましては、今ほどこのことが問われているときはございませんし、現在、進んでいる教育改革もまた、そこに大きな焦点が当たっているところであります。一方、現在の少年の一部に見られる課題を考えてみますと、一つ目は、自立の遅れということであります。「大人になりたくない症候群」などと言われたり、少年自らが「自己中心主義」と言ったりして、家庭と学校の落差にショックを受けやすいということが指摘されています。二つ目は、対人能力の衰えであります。孤立はしたくない。自分には深く立ち入ってほしくないので、友人でも、希薄な間柄を好んだり、集団の中で身の処し方に戸惑う傾向が見られます。三つ目は、自由の理解が不適切なことであります。許容社会の影響もまともに受け、無軌道な行為でも、誰にも迷惑かけていないなどと自分をコントロールできなかったり、情報過多ということもあって、現実感覚が混乱している状況が見られます。

 四つ目は、変化に弱く、遠くを見ないということであります。すなわち指示待ち傾向にあり、価値基準が横並び思考や情緒的選択に終わってしまい、はるかな夢につなぐ興味、関心が薄くなっています。このような状況を踏まえ、個々の子どもの姿に合わせ、子どもたちが自ら進んで考え、判断し、表現、行動していけるたくましく創造的な能力や資質を育成する教育を進めていきたいと考えています。子どもは、もともと活力に満ちあふれた存在であり、特に知的エネルギーの潜在性は、計り知れないはずであります。この激動の時代は、二十一世紀も続くところでありましょうが、その中でダイナミックに活躍することを可能にするのは、まさに社会の変化に主体的に対応して、豊かに生きる力であり、その基礎的資質・能力の育成は、教育の大課題だということができます。

 最後に、四点目の学校、家庭、地域社会の協力態勢についてでありますが、教育は言うまでもなく、単に学校だけで行われるものではなく、家庭や地域社会が教育の場として、十分な機能を発揮することなしに、子どもの健やかな成長はあり得ません。学校には、当然、教育課程の編成の実施という、本来の業務がありますけれども、それはその活動は全く家庭や地域社会と隔絶するものではないわけであります。また、家庭にはそれぞれ家庭独自の方針が、底流にあるはずであります。それが強固な場合は、学校と相入れない部分が突出し、もし弱ければ、学校との意志の疎通に困難を来すことが往々にしてあるわけであります。家庭の教育力の向上のためには、学校と家庭との真の信頼関係が基盤となるものでありますが、学校自身の努力はもとより、関係機関や社会教育の一層の機能化が求められるものと思います。

 地域社会は、一見捉えどころのないように見えるものですが、行動的には様ざまな単位を形成しており、その教育力もまた大きく、広いのであります。その教育機能は、基本的にはまちづくりの結果としてのたたずまいにあります。それは、単に道路や家並みにとどまらず、その中で暮らす人びとのさりげない教育的配慮や感化力として表れ、その一言や態度、動作が自然に全体のコミュニティー意識を高めながら、少年たちが夢や目標を次第に明確にしていく助けとなるものであります。このように、社会全体、また大人一人ひとりが自問すべきものは様ざまな角度から多々あるわけで、学校、家庭、地域の教育機能の分担と連携をより進めていかなければなりません。

 例えば、不審者による子どもへの被害を防ぐということから、この夏の対応策として実施した、きしゅう君の家の取組みは、地域の協力を得て、全市的に広まり、その反響は大きく、他県からも問い合わせが何件か来ております。また、効果も大きくて、この取組み以後の不審者の出没は1件のみとなっておりますので、協力・連携態勢の成果として喜んでおります。今後とも一層の連携を図って参りたいと考えております。

以上であります。

            (教育長 角莊三君 降壇)

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*1:普遍価値教育論の源泉:日本青少年研究所・霊友会の場合 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050320#p1 参照

20040516 資料:衆院青少年特別委平成12年11月9日会議録「有害情報と少年非行

資料:衆院青少年特別委平成12年11月9日会議録「有害情報と少年非行との因果関係を調べよ」

 

「有害情報と少年非行との因果関係を調べよ」と主張していた水島広子議員(民主党)の国会質疑を転載します。

「有害情報と少年非行との因果関係を調べよ」という主張は、そのまま「因果関係は実証されていない」という前提を含んでいることに留意してください。また、水島議員は「単一の価値観が押しつけられるような社会になってしまうと、結局それは、回り回って子供たちに悪影響を及ぼしていく」と述べている点についても留意してください。

 

衆議院会議録情報 第150回国会 青少年問題に関する特別委員会 第2号

平成12年11月09日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/150/0073/15011090073002c.html

http://www.mizu.cx/sitsumon/seisyonen/seisyonen001109.html

政府参考人(総務庁青少年対策本部次長)*1川口雄君

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○水島委員 民主党水島広子*2でございます。

今の馳議員*3の御質問でも、ガイドラインづくりなどに関しても、この一連の取り組みが極めて消極的であるという点には私も全く同感でございます。

それと同時に、先ほど馳議員は、この領域は科学的にその根拠を示したりデータを集めたりすることが非常に難しいという趣旨のことをおっしゃっておられましたけれども、ただ、私は、有害環境、有害情報と言うのであれば、やはり、何が有害であって、それがどのような害をどの程度及ぼすのかということに関するデータは、地道に集めていく必要があると思っております。

この日本におけるさまざまな政策決定の場にそのような基礎的なデータが余りにも欠けているということに、私は常々驚きを持って見ておりまして、やはり何か法律をつくったり法律を変えようというときには、それをきちんと説明するにふさわしい、十分でなくても、その方向性を示すような根拠となるようなデータを持つべきであると思っております。

そこで、私は、まず初めに、この有害情報に関するデータにつきまして、先ほども多少御質問はございましたけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。

有害情報が精神面に及ぼす影響、あるいは有害情報と問題行動との関係についての国内での研究は、どの程度今までになされているでしょうか。それはもちろん、相関関係を調べるものと因果関係を調べるものがあると思いますけれども、それぞれについて、今まで国内で行われている研究についてお答えをいただきたいと思います。

○川口政府参考人 私ども総務庁の青少年対策本部で行った結果につきまして、幾つかございますけれども、御紹介いたします。

私ども、平成十年に、非行原因に関する総合的調査研究*4というのを行いました。この中では、非行群というのとそれから一般の少年、非行群というのは、補導された少年とかあるいは少年鑑別所に収容された少年、そういった非行少年と、それから補導歴のない一般の少年と、こういったものをグループに区分しましていろいろと分析した結果、非行群の方が有害情報に触れた程度が高いということが確認されております。

先ほども御紹介申し上げましたけれども、ポルノ雑誌とかアダルトビデオを見たことがあるという中学生は、ごく普通の一般の中学生では二七%、非行の中学生では五七%程度。それから、高校生で比べてみますと、一般の高校生で見たことがあるというのが五四%、それに対して、非行歴のあるとかあるいは鑑別所の高校生につきましては七一%ということで、明らかに差が出ております。これは、いわゆる相関関係というふうに学者の世界では言っておりますけれども、そんな関係がございます。

そのほかにも、私どもがやった諸調査の中では、青少年とテレビ、ゲームなどに係る暴力性に関する調査*5、これは平成十年の十月から十二月にかけて行いました。

これは、専らテレビとかあるいはゲームの暴力場面、暴力場面の定義もいろいろとありますので、この調査では一定の、人を殴ったりしたらこれはもう暴力だというふうに、通常の暴力とはちょっと離れるかもしれませんけれども、そういったものを含めて調査しました結果、テレビの暴力シーンを一生懸命見ている子供ほど非行、不良行為を経験している者が多い、あるいは、そういったテレビとか暴力シーンを見た子供ほど暴力行為の経験が多い、そんな結果が出ております。

例えば、この調査によりますと、友達と酒やビールなどを飲んだという子供でございますけれども、テレビの暴力場面を余り見ない子供、それにつきましては六%程度が酒とかビールを飲んだことがあるというふうに答えております。それに対して、テレビの暴力シーンを多く見た子供、そういったものは一四%が飲酒の経験があるというふうに答えております。いわゆる相関関係が示されたものというふうに私どもは理解しております。

○水島委員 その中で、例えば強姦を犯して捕まった子供が、それまで強姦や性暴力を肯定するようなメディアにどの程度さらされていたかとか、そのような個別の調査はされているでしょうか。

○川口政府参考人 そこまでの区分はしておりませんで、私どもが選んだのは、少年鑑別所とかあるいは補導歴のある子供ということで、そういった個々の、こういった犯歴のあるという調査はしておりません。

○水島委員 今御紹介いただいたデータというのは、御指摘のように、あくまでも相関関係を示すものであって、相関関係を示すデータが得られたら、次は因果関係を調べていくというのが常道であると思いますけれども、今後、因果関係を調べていくためにどのような研究を今計画されているのか、何を知るためにどのようなデザインで調査をしていこうとされているのかを教えてください。

○川口政府参考人 私どもとしましては、いわゆる有害な環境というものは青少年の生育に影響を及ぼすんだ、こういったことを考えておりますので、このほかにも、いわゆる有害と考え得る環境についてもいろいろ調査を進めていきたいと思っております。

ただ、先ほど先生がおっしゃった、相関関係が済んだから因果関係ということでございますけれども、因果関係というのは本当に実験でもしないとわからない。そうすると、そういったような発育途上にある子供について実験するのかとか、いろいろな問題がありますし、学問的にもなかなか難しい問題だろうなというふうに私どもは感じております。

私ども、相関関係があるというこういった調査結果がありますし、また、相関関係があるということは、これは因果関係を否定するものでは当然ありませんので、相関関係ということで何らかの影響があるんじゃないかというふうに思っております*6けれども、いずれにしましても、こういったいろいろな青少年の有害情報と行為、行動の関係にどんなものがあるか、今後も引き続き調査を進めたいと思っております。

○水島委員 今、因果関係は実験でもしないとわからないというお答えだったんですけれども、実際には、大規模な、子供たちをランダムに選びまして、それでプロスペクティブに前向きに一定期間追跡していくことによってある程度の因果関係というのは得られるというのが、ある意味では常識だと思いますけれども、そのような常識を知るためにも、私は海外での先行研究というものはきちんと調査すべきであると思っております。

先ほどのお答えでは、総務庁としては国内の調査だけをやっているのであって海外のことについてはわからないというようなお答えを馳議員に対してされていたように思いましたけれども、実際に、海外の今までの学術研究をどの程度集めて、そこからどのような結論あるいは推測を導き出されているのかを簡潔にお答えください。

○川口政府参考人 私ども、ある意味では手薄というおしかりを受けるかもしれませんけれども、私どもも限られた人員の中で一生懸命やっておりますけれども、海外の情報につきましては十分把握はしておりません。

国内に関しましては、比較的予算的にもそんなにかかりませんので、いろいろな情報を集めて、私どものやった調査結果もありますし、あるいはそのほかにも、各都道府県でやっている調査でありますとか、いろいろな関係団体でやっている調査、あるいは学者の方々がやっている調査、そういったものがございますので、私どもは、そういったものを取りまとめまして、その上で、どういう施策が講じられるかということも検討していますし、また、そういった調査結果をまとめまして、関係省庁あるいは関係団体等にも送付しております。

○水島委員 今、国内のものであればお金がかからないというお答えでしたけれども、海外の今までの学術研究で論文になっているものにどんなものがあるかを知るためには、もうインターネットの時代ですから、人一人いれば一瞬にしてそれを調べることができるわけです。お金がない、人手がないということは私は全く言いわけにならないと思いますので、因果関係は調べることはできないなどと情けないことをおっしゃらないで、まず、海外ではどのようなデザインで研究が行われてきたかということをよく勉強していただきたい。

何といっても、そのような前向きの大規模な調査が全く欠けているというのが日本の一つの大きな欠点であると思います。病気の有病率を知ることもできない。また、どのような習慣がその後生活習慣病につながっていくかということも、日本人をきちんとしたデータとして使っていくこともできない。ですから、私は、もうこれは省庁の枠を超えて、きちんと、大規模な、子供たちなら子供たちを囲い込んで、そして長期間にわたって、どういう習慣のあった子供がその後どういうふうになっていくということを調査していくのは政府にしかできないことではないかと思っておりますので、ぜひ、外国ではそのような大規模な研究をどのように行ってきたかということをよく調べていただいて、これから研究にも、また、郵政省の方でも予算を要求されているようでございますけれども、そういう国民の税金から賄われる大切な研究ですので、ぜひ一円たりともむだにしないように、しっかりとした成果を上げていただきたいと思います。

さて、この件を今伺ってまいりましても、メディアが子供たちに与える影響が社会的な話題になってから随分久しいと思います。今回調べましたところ、国会でも一九七〇年代には既にテレビと子供の関係について取り上げられているわけです。このような状況にありながら、自国内の研究はもちろんのこと、海外における状況も調べていないというのは、私は、一種の行政の怠慢と言われても仕方がないのではないかと思います。先ほどの、ガイドラインすらつくっていないということに関してもそうでございますけれども、どうもこの件に関する危機感が随分足りないのではないかというような印象をどうしても持たざるを得ないと思います。

さて、日本の国内の状況はそうでございますけれども、有害情報に関する海外における法制化の状況について、また、有害情報というものを海外ではどのように定義をしているかということについて、簡潔に教えていただきたいと思います。

○川口政府参考人 私ども、平成十年におきます調査がございます。若干日時がたっておりますけれども、平成十年の、諸外国における青少年施策等に関する調査*7というものによりますと、アメリカとかイギリスあるいはフランスドイツなどの制度につきましては、出版物とかテレビ放送等の各メディアを規律するそれぞれの法律あるいは法令や自主規制などによって青少年保護対策がとられているというふうに承知しております。

先ほど先生がおっしゃいました有害情報という概念につきましては、こういった国々につきましては、それぞれの法令とか、あるいは業界で行っております自主規制の中で決められているようでございます。

例えば、ドイツの有害図書規制法*8という個別法がございますけれども、この中では、児童とか少年を道徳的に危険に陥らせる性質の文書、こういったものを青少年有害文書と規定しまして、こういったものについては、児童、少年への販売、陳列、貸し付けなどの行為を禁止しているというふうに承知しております。

○水島委員 平成十年というと少し前になりますので、ぜひ直近の海外の情報を早急に調べていただきまして、そして、私たちが、どのような規制が必要であれば規制をしていくべきなのか、どのようなシステムを採用すれば自主規制がうまく動くのか、そのあたりについて御検討をいただきたいと思います。

 ただ、いずれにしましても、日本では、この点、先ほど申しましたように、随分と長いこと危機感が持たれずに野放し状態になってきたというような印象を持っておりますけれども、海外では、表現の自由という問題をわきまえながら、それでも子供たちのために一定の努力をしてきたという足跡がうかがわれると思います。日本も、もう遅きに失した感もございますけれども、本当に今からでも早急に取り組んでいくことが必要であると思います。

 さて、その日本の現状の一つでございますけれども、先日、ある方からお手紙をいただきました、その方の高校生のお嬢さんが読んでいたアンアンという雑誌に何かこんな広告が載っていたと。これは伝言ダイヤルの広告でございます。アンアンという雑誌は、特に成人向けの雑誌でもございませんし、普通に中学生や高校生がおしゃれのために買ったりする雑誌なわけです。

 その雑誌の中に、このような伝言ダイヤルの広告が載っておりまして、確かに、下を見ると小さな字で十八歳未満の方お断りと書いてございます。でも、このお母さんが試しにこの一つに電話をかけてみたところ、何と、割り切ったおつき合いとか、援助でとか、堂々と中高生対象に金額を提示して交際を募っているものが多かったという、そのような報告をいただきました。

先ほどから青少年向けのメディアというような話は出てきているわけですけれども、子供というのは別に青少年向けのものだけを読むわけではなくて、その辺にある、だれでも目にすることのできるメディアに子供たちは常にさらされていると考えるべきでありまして、まさにこのアンアンに伝言ダイヤルの広告が載っているというのがその一つの代表的な事例ではないかと思いまして、今御紹介させていただいたわけです。

 まず、今の日本においてアンアンにこのような広告が載っているということがなぜ起こるのか、これは自主規制というもののすきをついて起こった問題なのか、あるいは現在は全く規制対象になっていないのか、そのあたりについて、今の日本の状況を踏まえて御説明をいただきたいと思います。

○川口政府参考人 アンアンの事例を例にとってお尋ねでございますけれども、一般的に言いますと、刑法に触れるようなものが一方にございますけれども、それは日本の法律では刑法等で取り締まっております。しかしながら、それ以外の一般的なものにつきましては、現行法上、法制度はございません。

 そして、私ども、そういったことでいいのかということが一つありますし、そうすると、現行法制度上何ができるか。例えば憲法のお話もございますけれども、私どもの立場としては、自主規制をお願いします、こういったこと、それからほかにも、例えば住民運動をもっと活発にしていくとか、あるいは現行の法令で違反するものは取り締まるとか、こういったことが挙げられますけれども、一般的に言いますと、まず自主規制でやってほしいということでやっております。

 そして、御指摘の点につきましては、多分、日本雑誌広告協会という団体の所管というか、そこに関連していることだと思いますけれども、日本雑誌広告協会におきましては、雑誌広告の掲載基準というものを定めているというふうに伺っております。その中で、「風紀に関する広告」で、風紀を乱す広告は掲載しない、特に青少年の育成に害を与えるものであってはならないというようなことを定めておるように伺っております。

 現行法制度上では、ある意味では、こういうように自主規制をつくってくださいという、一種のお願いといいますか、そういったことでやっております。確かに、そういったいかがわしいものが一般の青少年の目に触れるということは余り好ましくないことだろうとは思いますけれども、制度上そんなふうになっております。

○水島委員 自主規制をお願いする場合であっても、具体的に何も提示しないで自主規制でお願いしますと言ったら、判断する側もどうしたらいいかわからないと思うのですが、その場合にどのような自主規制をお願いされているのでしょうか。

○川口政府参考人 私ども、メディア等に対するいろいろなお願いとか、大分昔から、昭和二十年代ぐらいからやっておりますけれども、各団体も、いろいろな団体がありまして、そこでいろいろな自主規制を行っております。

 私どもの立場は、青少年に害を与えるものはやめてほしい、そういったことで自主規制してほしいというふうな一般的なお願いはしております。

○水島委員 そうしますと、特に青少年向けのメディアでは青少年に害を与えてくれるなということではなく、だれでも目にする可能性のあるメディアに対して青少年に害を与えないようにということをお願いしているというふうに理解してよろしいのでしょうか。あるいは、青少年を守るといった場合に、それは青少年向けのメディアという世界に限定されて今まで議論されてきたのでしょうか。

○川口政府参考人 私どもの立場としましては、有害な社会環境というのは青少年の生育に悪影響を及ぼす、こういった立場からやっておりまして、基本的には、いろいろな団体でそれぞれ自主規制というものを持っておりまして、その励行をお願いしますということでやってきておるわけでございます。

 他方、一般的に言いますと、いわゆる有害図書とかテープにつきましては、長野県を除く各都道府県では条例を設けて、有害図書として指定されたものは、条例上、青少年には見せないように区分して陳列しておくとか、青少年には売ってはだめだ、こんな規制をかけている都道府県もございます。

○水島委員 何か、お答えを聞けば聞くほど、やはり何らかの取り組みを早急にしなければいけないのではないかという気持ちが私も強くなってまいるわけです。

ただ、この領域は本当に、ともすると危険なことになってしまう領域であると思っております。情報を規制するということになってまいりますと、それが公権力による検閲というような形をとってしまうと、当然、表現の自由を脅かすことになりますし、また価値観の単一化につながっていくものであると思います。

価値観が単一化されていくと、やはり心を病む人がふえてくるわけであって、例えば子供たちに対して有害環境が悪影響を及ぼすのと同じように、最近得られたデータでは、親がうつであるということが子供たちの発育に重大な影響を及ぼすということが示されております。

社会全体が息苦しくなって、表現の自由が認められなくなって、単一の価値観が押しつけられるような社会になってしまうと、結局それは、回り回って子供たちに悪影響を及ぼしていくということがここのところの理解であると思います。

ですから、本当にこの領域は、多様な価値観を表現する自由を守っていくということで、極めて慎重に、かつ対象を限定して、しっかりとした合理性に基づいて行っていかなければいけないものであると思います。

また、子供たちの教育という観点からいきましても、単一の価値観をただ粛々として受け取るような子供を育てることが私たちの目標ではなくて、やはり多様な価値観を受け入れることができる、また、メディアリテラシーの考え方もそうだと思いますけれども、自分の頭で考える、自分でその問題に対してどう対処していくかを自分で考えられる子供たちを育てていくということが私たちの目標であると思いますので、本当にここは、ただ規制をすればいいという考え方ではなく、子供たちの能力を伸ばしていくような形での取り組みが必要になってくると思います。

そのような観点から、今私たち民主党でも、子供たちを有害情報から守るための法律を準備しているところでございます。

ただ、なぜそれでも今規制が必要かということに関しては、今までもずっと議論してきたことが根拠となっているわけですけれども、またもう一つ、現在は、親が子供に適切な情報を与えたいと思ったときに、それを判断するような情報が全くないというのが現状でございます。

先ほど、その格付のガイドラインもまだ準備されていないということであったわけですけれども、青少年と放送に関する調査研究会の委員も務められておりました岩男寿美子先生は、放送事業者は自主的に批判にこたえるべきであり、時間帯の規制だけではなく、番組に関する情報を提供する責任がある、各番組のプロデューサーが、制作した番組にどのような暴力あるいは性描写がどのような文脈でどの程度含まれているか、またその番組は小中学生にふさわしいと考えるかどうかを二百字程度にまとめて公表するという方式を提案されております。

この方法であれば、画一的な基準によらず、国家による検閲という形もとらずに、メディアと視聴者の双方向のコミュニケーションができるという点でも、極めて有用な提案であると思っております。また、この方法であれば、格付のガイドラインづくりを待つこともなく、やる気になればあすからでも始められる方法であると思います。

 この提案は議論の経過で採用されなかったということでありますけれども、なぜこの提案が採用されなかったのか、その経緯を御説明いただきたいと思います。

○金澤政府参考人 今先生がおっしゃいましたような、さまざまなメッセージを提供していけばどうかというお話でございますが、現実にそれをやり始めている局がございます。

やらないということではなくて、まだ非常に不十分な段階ではございますけれども、この番組にはどういう暴力場面が含まれているかということを番組宣伝のときに必ず明示していくとか、番組の冒頭に明示するとか、そういうことを行っている局があるということでございます。

○水島委員 引き続き先ほど来と同じような御回答しかいただけなかったわけですけれども、今私が伺いたかったのは、なぜその提案が採用されなかったのかという理由を伺いたかったわけで、現在どの番組がどういうことをやっているかということではなかったわけです。ただ、今のようなお答えがずっと続いていて、結果的に、一般の市民から見て自主規制というものが十分な効果を上げていない。

今小さな子供を持つ親たちからすれば、十年後にそれが完成したとしても遅過ぎるわけです。もう本当に今すぐに何とかしてほしい問題でありながら、自主規制が十分な効果を上げていないように見える。そして、それに対する行政の対応も、今のような極めて消極的な印象がある。そのような状況の中で、メディア規制に関心を持つ人の数が非常にふえてきているように思っております。

先ほど申しましたように、この領域は本当に、ともすれば民主主義を後退させてしまう危険性もはらんでいる領域でありますので、ぜひ民主主義が日本で後退することがないような、本当に、きちんとしたモラルを持った大人たちが、きちんとした形で子供たちを守れるような取り組みを早急に進めていかなければ大変なことになってしまうのではないかという危機感を持っております。

そして、私は、この件についていろいろと調べ始めましてから、何かを質問させていただくと、これは郵政省だとか、これは総務庁だとか、例によってそのような担当省庁があるわけですけれども、この有害環境と青少年の関係というのは決して縦割りで語れるものではなくて、きちんと包括的に取り組んでいかなければいけない重要なテーマであると思っております。

改めてお伺いしたいのですけれども、今まで各省庁では、どのような組織図で、だれが責任を持って取り組んでこられたのか、また、だれに聞けばこの問題を包括的に語っていただけるのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

○川口政府参考人 現在の行政組織というのは、各省庁がいろいろな仕事を分担してやっている、そういったことで国家行政組織法というのはでき上がっております。

ただ、一方においては、確かに、各省庁にまたがっていろいろな大事な問題であるとか、そういった問題につきましては、いろいろなレベルで調整が行われております。先生の御指摘の有害なメディアの問題につきましては、私ども、青少年の健全な育成を図る、現在の青少年対策本部がございますけれども、政府全体の青少年行政、青少年施策が統一を持って総合的に進められるようにということで、私ども、全体の立場で調整しまして、先ほども申し上げましたように、青少年育成要綱というものをつくりまして、そこで調整をやっているわけでございます。

いろいろな分担所掌、これはこういう省庁がやっているんだということは要綱の中で明示しておりますけれども、一カ所に聞けばすべてがわかるというような仕組みになっておりません。各省庁におかれましてもまた別な行政目的があって、その中の一環として青少年関係の施策もやっているということでございますので、私どもは、青少年が健全に育成するように、ほかの目的を持った施策であっても青少年の健全育成という目的にも合致した政策をやってもらう、こういった立場でございますけれども、そんなことになっております。

○水島委員 日本の子供たちをきちんと育てていくというのは、私はもう重大な行政目標であると思っておりますので、各省庁の行政目標の隅っこに子供がいて、それが切り張りで何かされているというような状況ではなくて、子供というものをきちんとメーンに据えて、そのために各省庁が知恵や人手を出していくというような体制をぜひ早急につくっていただかないと、日本はもうこれだけ諸外国に比べておくれをとっているわけですから、ここからそのおくれを取り戻すというのは大変な努力が必要だと思います。

もちろん、今まで海外で行われた先行研究ですとか、海外でどのような制度がどのように機能したか、そのような情報を手に入れられるという点では、ある程度楽かもしれません。ただ、いずれにしても、社会的な関心を一つにまとめて、またこの領域できちんとした取り組みをしていくためには本当に大きな努力が必要であると思いますので、ぜひ、どこの省庁が何だというような縦割りではなくて、子供のことを本当に大切に据えるような組織図をきちんとつくり直していただきたいと要望いたします。

(以下略)

 

この会議録で答弁に立っていた川口雄総務庁青少年対策本部次長は、平成11年7月から青少年対策本部次長に在籍し、その後本部次長職のまま内閣府国際平和協力本部事務局参事官、総務省日本学術会議事務局長を兼任し、平成15年1月20日に辞任した後は、 平成15年2月3日に国家公務員共済組合連合会の常任幹事に天下っています。任期は平成18年1月31日まで。*9

ちなみに国家公務員共済組合連合会幹事の報酬は、平成15年12月現在、月額82万4千円、ボーナスは年3.30月分ですので271.92万円、年間合計1260万円余となっています。仮に任期満了で再任せず退職すると仮定すると、退職時には退職金として247万円+αが渡される予定です。*10


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このエントリーは2005.4.11に掲載しました。

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*1総務庁青少年対策本部次長は、青少年政策を所管する官僚のトップ。現在は内閣の主要大臣で構成される「青少年育成推進本部」という組織が政治部門になっており、行政部門は総務庁青少年対策本部の行政権限を引き継いだ内閣府共生社会政策統括官が行政部門のトップになっています。http://www8.cao.go.jp/youth/index.html

*2水島広子衆議院議員 http://www.mizu.cx/

*3馳浩衆議院議員(自民党) http://www.hasenet.org/

*4:非行原因に関する総合的調査研究報告書 /総務庁青少年対策本部/1990 http://opac.lib.city.kobe.jp/cgi-bin/WebOpac/getdetail.cgi?kobeid=CT:0306643177&pvolid=PV:0005106040&type=CtlgBook&opt=

*5内閣府共生社会政策統括官 青少年に関する調査研究等 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu.htm H10年度青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究 平成11年9月発行 概要 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/tv/tv.htm

*6:因果関係についてはあえて調べず、因果関係について科学的な実証をあいまいにしたまま相関関係だけで規制を実施できるという態度を崩さないあたりに、内閣府(旧総務庁)の戦略があります。水島議員はそこを崩そうとしている点で社民党共産党よりも革新的ではあります。旧総務庁は、因果関係をあいまいにしたまま相関関係で規制した方が包括的に広く自己規制を求めることができるので結果的に規制効果の範囲は広くなると考えている一方、水島議員は因果関係をはっきりさせれば業界の自主規制よりも強い規制でも憲法との整合性がとれると考えているようです。政府サイドは規制の広さを、水島議員は規制の強さを求めているという点で、相違はあれど規制を求めている点では一致しているという見方もできます。規制の実効性という点では、トータルでは政府の広く包括的に規制していく方法論の方が規制の実効性はコストパフォーマンスは高いと思われます。

*7:諸外国における青少年施策等に関する調査。総務庁青少年対策本部『諸外国における青少年施策等に関する調査研究報告書 −有害環境、幼児虐待及び児童買春からの青少年保護を中心に−』(1998年)、アメリカ、イギリス、フランスドイツ、タイ、オランダスウェーデンの7ヶ国の調査がある。 報告書は青少年情報センターで貸し出しています。http://www8.cao.go.jp/youth2/library/t010104.html

*8ドイツ連邦共和国未成年者有害メディア審査機関 http://www.bundespruefstelle.de/ ドイツの有害図書規制法については、2004年10月畔上泰治人文社会科学研究科助教授『ドイツにおける青少年保護政策−青少年有害メディア審査機関の決定事例を中心に−』概要 など参照。http://csc.social.tsukuba.ac.jp/pt_semi_j_041029.htm

*9:平成15年12月25日総務省 平成15年度再就職状況の公表について http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/pdf/031225_3_a.pdf 国家公務員共済組合連合会 (KKR) http://www.kkr.or.jp/ 国家公務員共済組合連合会役員の状況について http://www.kkr.or.jp/desku/soumu/yakuin16.8.1.pdf

*10:役員の給与等 http://www.kkr.or.jp/desku/soumu/quyo15.12.01.pdf

20040515 コンテンツ「健全化」法案衆議院通過

えーまもなくー自民党発亡国行き特急列車がホームを通過しまーす。

この列車は選挙に参加しておられない方は乗車できませんのでご了承願いまーす。

通過ァー通過ァー。

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コンテンツ「健全化」法案衆議院通過

2004年5月14日、「一切の教養・娯楽は健全でなければならない」という内容を含むコンテンツ「健全化」法案(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案)を委員会成案とする動議が自由民主党公明党民主党の三党共同で提案され、即日実質審議入りし、20分程度の審議の後、即日全会一致で可決しました

動議に賛成したとされる衆議院内閣委員会の委員名簿*1

http://www.shugiin.go.jp/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0010.htm

首相官邸 官房長官会見(速報)

http://www.kantei.go.jp/new/press.html

http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/rireki/2004/05/11_a.html

平成16年5月11日(火)午前

○ 閣議の概要について

次に、大臣発言として、まず、小泉総理から「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案」が国会に提出されているが、本法律案は科学技術政策及び情報通信技術(IT)政策に関連するものであるため、その国会対応については、茂木科学技術政策・情報通信技術(IT)担当大臣にお願いする」旨、発言がございました。これに関連して、科学技術政策・情報通信技術(IT)担当大臣から発言がございました。

石田敏高(国会議員政策担当秘書)

石田日記 5月12日(水)

http://member.nifty.ne.jp/toshitakaishida/diary.html

 今日、内閣委員会理事会で自民党の議員立法の「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案」が協議され、一部修正のうえ、民主党も入って議長提案される見込みだ。この法律、理念法みたいなもので、漠と「国は保護すべし・・・」とか「配慮すべし・・・」とか書いてあって、それ自体は結構な内容で反対しにくいものなんだけど、疑うと怪しい所もあるんだよなぁ(「青少年の健全な育成に配慮し」とか「自治体の責務」とか「外国における著作権の保護」とか)。こういうのをあまり審議せずに通していいのかいな。理念法に沿って具体的な法が作られてくると、もう後戻りできなくなるような気がするのだが・・・・。

自由民主党 会議情報

http://www.jimin.jp/jimin/kaigi/index.html

5月13日(木)

◆政調、経済産業部会知的財産政策小委員会、

司法制度調査会知的財産権の法的保護・特許裁判のあり方に関する小委員会、知的財産制度に関する議員連盟、コンテンツ産業振興議員連盟、マルチメディア懇話会ブロードバンドコンテンツ小委員会合同会議

午前8時 本部101室

[1]知的財産戦略本部 権利保護基盤の強化に関する専門調査会の報告(模倣品・海賊版対策の強化について(取りまとめ))

[2]「知的財産戦略推進計画」の見直しに当たっての提言について

衆議院公報平成16年5月13日付第81号

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kouhou.nsf/html/kouhou/it1590513_l.htm

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kouhou.nsf/html/kouhou/17BDF6_159513.htm

第159回国会 第81号 平成16年5月13日木曜日

○明14日次のとおり開会する。

 ▲内閣委員会

 午前9時10分 第13委員室

 会議に付する案件

 公益通報者保護法案(内閣提出第一一〇号)

 コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案起草の件

衆議院-衆議院公報

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kouhou.htm

衆議院 第159回国会内閣委員会の動き一覧

http://www.shugiin.go.jp/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Ugoki/naikaku159.htm

衆議院TV ビデオライブラリ 5月14日内閣委員会

http://www.shugiintv.go.jp/top_frame.cfm

衆議院 議案 

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案 経過

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1D94522.htm

コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案要綱

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g15901007.htm

コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案 本文

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15901007.htm

第六条

2 コンテンツ制作等を行う者は、そのコンテンツ制作等に当たっては、コンテンツが青少年等に及ぼす影響について十分配慮するよう努めるものとする。

14日の内閣委員会で質疑に立った委員。

中山義活衆議院議員(東京2区選出/内閣委員会民主党筆頭理事)

http://www.yoshikatsu.com/

吉井英勝衆議院議員(日本共産党)

http://www.441-h.com/

委員会質疑の音声ファイルを便宜的・一時的にウェブサイトで公開しました。

そのうち消えますので、欲しい人はお早めに。

衆議院内閣委員会5月14日

コンテンツ「健全化」法案(コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案)の審議と採決 (音声ファイル/2370kb)

http://members.at.infoseek.co.jp/kitanok/20040514syu-naikaku.wav

質疑に立ったのは、民主党の中山義活衆議院議員、日本共産党の吉井英勝衆議院議員のみで、自由民主党公明党の各議員は質疑を放棄しました。

日本共産党も動議に賛成し、反対者がいませんので討論もありません。(社民党には議席がありません)

今後は、衆議院本会議での採決、参議院での審議が見込まれます。

いわゆる「健全配慮義務」については、修正されないまま三党共同提案となったようですので、「健全配慮義務」に関して言えば、民主党は全面的に屈服妥協したと思われます。(というか、もともと民主党には異論のある人があまりいません)

衆議院内閣委員会で質疑に立った中山義活衆議院議員は、「健全配慮義務」に関する国民の批判を意識していたためか、「自由な発想の創造」を強調していました。

しかし、委員会を通過した法律案には、政府が「健全」の基準を策定し、あるいは「健全」の基準を運用し、あるいはコンテンツの健全度を調査し、あるいは不健全なコンテンツを特定・選別し、あるいは不健全なコンテンツを健全にさせるための措置などについて政府が独自の施策を講じることを排除する具体的な歯止めとなる条文が、存在しません。

仮にこの法案が成立した場合、理念法としてのコンテンツ「健全化」法案を踏み台にして、将来、「健全配慮義務」に違反するコンテンツの調査予算が組まれたり、あるいは「健全配慮義務」に違反するコンテンツの排除手続きや排除措置のための根拠法が検討されることになるだろうと予想します。

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コンテンツ「健全化」法案の動議提案代表者。

山本拓衆議院議員(自由民主党)

http://yamamototaku.jp/

第159回国会提出法案(審議状況は4月30日現在)

5,技術開発と産学官連携に関する法律案

http://yamamototaku.jp/report/komoku00.htm

念のために書いておきますが、山本拓議員のウェブサイトでは「成立」と書いていますが、法案は委員会を通過しただけで、衆議院本会議、参議院では可決しておらず、現時点では「未成立」です。

■kitanoのアレ

第159国会のメディア・表現規制関連立法提出状況。(3月13日現在)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040314#p1

コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案(旧コンテンツ事業振興法案)の疑問

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040312#p1

文化審著作権報告書

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20031211#p2

ひとつコメントしておきますが、この法案が成立すればコンテンツを創っている人が大儲けできて喜ばしい、などという認識は間違いです。

第2条で示される「コンテンツ事業者」とは、コンテンツ事業を主たる事業として行う者であり、「コンテンツ事業」とはコンテンツの制作、利用、知的財産権管理を業として行う者ですので、たとえばアニメーション番組で制作主体が放送局にある場合は、放送局がコンテンツ事業者であり、下請アニメーターは法律の保護の対象外*2です。

つまり、「制作」を担うコンテンツのメーカー、中間利益を搾取している放送局、出版社の利益のためにコンテンツ「健全化」法案は存在しているのであって、メーカー(放送局)が発注しているコンテンツの部品を供給している下請アニメーター、漫画家のアシスタントさん、その他諸々のコンテンツ部品製造者は、法案の利益を十分に受けることができません。(そもそもこの法案は理念法で、具体的な手続きはなにも決まっていないに等しいですが)

コンテンツの部品を製造している人は、いくらそれがクリエイティブなものであったとしても、また一般から認められる創造性を持っていたとしても、法律上の恩恵の対象にはなりません。

制度の恩恵を受けるためには、コンテンツのメーカーにならない限りダメです。

メーカー(放送局)と下請との関係の規律は、あくまで下請法などの個別手続法によって確保され、コンテンツ「健全化」法案がメーカーと下請との関係をなにか調整したり規律したりするものではない、ということを理解する必要があります。

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*1: 14日当日、動議に賛成しない議員を排除するなどの理由で、委員の異動がある可能性があります。

*2: ただし、アニメーターの制作集団が放送局と共同で制作主体となっているような場合、放送局の言うことになんでもハイハイ言って言われた通りの番組を作るだけのアニメ制作会社は、法律上のコンテンツ事業者として制度の恩恵を受ける可能性があります。

dokushadokusha 2004/05/15 10:24 リンク先を全部チェックしていないのですが22条の2で「制作事業者は、そのコンテンツの制作の事業に従事する者の職務がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、制作事業従事者の適切な処遇の確保に努めるものとする」というなんつーのか「お下げ渡し」みたいな条項はありますね。有効に機能するのかどうか知りませんが。

gen665gen665 2004/05/22 06:57 これ本当ですか。(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル思わず書き込んでしまいました。

takio-htakio-h 2004/05/26 23:11 これ、議案審議経過情報では撤回となっているのですが、どういう意味なのですか?

kitanokitano 2004/05/27 12:59 議員発議案を撤回しないままだと委員会発議案で一本化できないから撤回されています。委員会発議案が撤回されたわけではありません。>takio-hさん

takio-htakio-h 2004/05/27 20:22 つまり、本国会で審議される予定に入っているということですか?

kitanokitano 2004/05/28 11:37 成立したコンテンツ「健全化」法案の審議経過については http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1D9475A.htm を、法案については http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15901039.htm を参照してください。

takio-htakio-h 2004/05/28 17:17 なるほど,衆院の議案のページで撤回の下にもう一個リンクがあったのに気が付きませんでした。ありがとうございました。』

20040514 健全育成基本法案日弁連意見書/武富士のCM

健全育成基本法案日弁連意見書

04-05-08「青少年健全育成基本法案」に対する意見書

〜子どもの成長発達権保障の観点で修正を求める〜

http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/iken/04/2004_30.html

意見書全文(PDF形式・42kb)

http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/iken/data/2004_30.pdf

もとより、青少年の育成については、国民的な連携が必要なことは言うまでもない。

しかしながら、「基本法案」第6条及び第7条で責務とされている「青少年の健全育成」は、上記のとおり、国家社会の発展という目的のためであり、しかも、子どもの最善の利益や、子どもの尊厳の尊重、成長発達権の保障という観点が欠けている。

このような形で規定された責務は、国民に対する過度の干渉を導きかねず、また、事業者に対して、営業の自由や表現の自由に対する過度な規制を容易に導く可能性もある。

国民、事業者の責務等の規定を置くにあたっては、まず子どもの成長発達権の保障や子どもの最善の利益を規定するべきである。

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アイフル武富士のCMヤメロコール

「チワワやダンサー、借金助長」 日弁連がCM中止要請

http://www.asahi.com/national/update/0512/031.html

盗聴機を使ってジャーナリストを追い詰める元会長がレオタード姿で踊りながら「批判者は絶対に許さない」などと訴えるコマーシャルなら、誠実で嘘の無いコマーシャルなので放送しても良いかもしれません。

借金地獄で絶望したパパがチワワといっしょに断崖から飛び降り自殺して海に浮かんでいる光景のあとにカワイイ電話受け付けオペレーターが「ご利用は計画的に」と言うコマーシャルがあっても良いと思います。

ふ。

20040513 コンビニ自己検閲/神奈川の「健全」育成

自己検閲の主導団体

社団法人日本フランチャイズチェーン協会についての情報。

売りたくない本をムリして売ることは無いとは思いますが、売りたい本をムリして売らないのは良くないです。

社団法人 日本フランチャイズチェーン協会

■平成16年度「酒類販売管理者研修」のご案内

http://jfa.jfa-fc.or.jp/syuruikanri_16.html

国税庁

平成14年2月6日(水) 酒類販売業に関する懇談会資料

【第3回 酒類販売業等に関する懇談会】 議事録

http://www.nta.go.jp/category/kenkyu/sake/09/03.htm

これは直接関係ございませんが、ご参考まで不健全図書について、未成年に対する分離というものを一覧表を出させたわけでございます。

・・

不健全図書というものについて、都条例が一番日本で厳しいわけですが、東京都の場合、都知事が指定する指定図書、その次に出版社の団体であります出版倫理委員会で表示図書を決めます。即ち、出版社が、自主的に決めるものであります。そのほか、グレーゾーンというものがあります。コンビニエンスストアは指定図書と表示図書は扱っておりません。従って、グレー図書、どれがグレーはわかりませんので、CVS部会各社において自主的に判断し、不健全図書についての未成年は18歳ですが、買えないように、こういう分離陳列をしているということでございます。

社団法人 日本フランチャイズチェーン協会CVS部会

http://www.nta.go.jp/category/kenkyu/sake/10/03.htm

東京都文教委員会の記録 平成13年3月21日第5号

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/bunkyo/d3030037.htm

〇大河原委員 問題は、書店の半数を占めているというコンビニですね。このことは、だれでも承知しているわけなんですけれども、大手のチェーン店ならば比較的徹底ということが可能だというふうには聞いているんですが、それ以外の店に対してどのように周知徹底をしていくのか。そしてまた、常時のチェック体制というものが必要だというふうに思うんですが、その点はどのようになさるんでしょうか。

〇高西女性青少年部長 コンビニは都内で五千店を超しておりまして、雑誌等販売店の約五割を占めております。また、青少年の居場所になっていることもありまして、都民からも関心が高いのはご指摘のとおりでございます。このため、従来からも、日本フランチャイズチェーン協会加盟のコンビニ本部のほか、非加盟のコンビニ本部とも定例的に意見交換を行ってきておりまして、周知徹底を図ることができるものと考えております。

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神奈川県の有害環境規制

神奈川県青少年総合対策本部

神奈川県青少年白書 平成15年度版(2003)

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/hakusho/index.htm

供\直年行政の展開 (3,097KB)

(供棒直年施策 

1 新たな青少年問題への対応

(1)青少年問題の解決に向けた連携体制 (2,264KB)

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/hakusho/2003/sougou.pdf

(2)青少年を取り巻く社会環境の健全化の推進 (65KB)

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/hakusho/2003/shakaikankyo.pdf

参考資料 (301KB)

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/hakusho/2003/sanko.pdf

artaneartane 2004/05/14 02:11 調査情報どもです。松沢や石原や中田の考える「健全な社会」で他人を思いやり、自律的に生きる力のある青少年なんて出来ませんよ。目を塞がれ、耳を塞がれ、五感を塞がれてお上が右に動けと電波を飛ばせば右に、左に動けと電波を飛ばせば左に動く「愚かな大衆」と電波を飛ばし続ける権力を持った「賢いエリート」に二極分化するような思想を基にした健全社会なんて…

20040512 都予算/民放連人事

民法連・メディア規制担当人事

フジテレビジョン(株)の大戸宏常務取締役がメディア規制法関連を担当することになったらしいです。

ふーむ。

とりあえずお手並み拝見。

日刊合同通信今日の最新ニュース

http://www.godotusin.com/a_today/a01.html

第49巻第11943号 2004年5月11日(火)

民放連、メディア規制法関連で報道は大戸氏か

20040511 不健全なオトナ社会の傾向と対策/プリンスとプリンセスを取り巻く不

不健全なオトナ社会の傾向と対策

石原チン太郎知事が旗を振ってやっている「心の東京革命」の推進協議会の情報を見ていたら、本の紹介のページを発見しました。

「お金の価値をわかっていない子どものために」「正しいお金の使い方の習慣づけができていない子どものために」「急を要する症状 大きな問題になる前に」は、そのままそっくり国や特殊法人、地方自治体の不健全財政に当てはまるので面白いなと思いました。

一番お金にルーズなのはオトナの方じゃあーりませんか?

面白がっている場合ではないですが。

心の東京革命推進協議会(青少年育成協会)

http://www.kokoro-tokyo.jp/

『買って!買って!病24の処方箋 子どものお金にまつわる困った症状の対処法』

http://www.kokoro-tokyo.jp/kaiin/okanekyouiku.htm

◆目次より

【初期症状 お金の価値をわかっていない子どものために】

症状1 物を乱暴に扱って、大切にしない

症状2 欲しい物を前にすると、買うまでとことん要求する

症状3 新しいおもちゃが発売されるとすぐに欲しがり、古い物で遊ばなくなる

症状4 お小遣いでお菓子やジュースばかりを買ってしまう

症状5 お小遣いをもらうと、あっという間に使ってしまう

症状6 お小遣い帳をきちんとつけない

症状7 子供が選ぶのはキャラクター付きの物ばかり。干渉すべきか悩んでしまう

症状8 「一番大切なものは、お金」「お金のあること=幸せ」だと思っている

症状9 機会あるごとに寄付をしたがる。寄付自体は悪いことではないが…

症状10 何も欲しがらない子どもの心を計りかねる

【進行性の症状 正しいお金の使い方の習慣づけができていない子どものために】

症状11 豊かな友だちの家をうらやむ

症状12 子どもが洋服をたくさん欲しがるようになった

症状13 お小遣いが足りないと言ってくる

症状14 少額のお金なら、なくしても平気でいる

症状15 お使いを頼むと、お釣りを自分のものにしたがる

症状16 欲しい物はお小遣いを使わずに、親や祖父母にねだる

症状17 「みんな持っているから」と、はやりの物を買わせようとする

症状18 お年玉を毎月のお小遣いの補てんに、だらだらと使ってしまう

症状19 「お手伝いをするから、お金をちょうだい」と言われる

症状20 お小遣いを使わずにひたすら貯金。お金を貯めることに執着を持ちすぎている

【進行性症状 急を要する症状 大きな問題になる前に】

症状21 子どもがお小遣いの使い道でうそをついた

症状22 友だちにおごったり、お金の貸し借りをしているようだ

症状23 家からこっそりお金を持ち出した

症状24 子どもが万引をした/友だちの物を盗んだ

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プリンスとプリンセスを取り巻く不健全環境

デザートのプリンの話ではなくて、皇室のお話。

正確な皇室情報の流通がガーディアン紙に頼りきりというのも、なんだかまぬけだなぁ。

Palace life puts strain on Japan's princess

http://www.guardian.co.uk/international/story/0,3604,1213687,00.html

宮内庁がひはんされているわけですが、宮内庁に限らず、誰からも監視されたり批判されない特権領域では必ず腐敗が起るというわかりやすい例ではないかと。

44歳のパパと40歳のママに「産めぇ! うめー! ウメウメェ!」と精神的に追い詰めても仕方ないと思うんですけどねぇ。

日本には「期待のファシズム」「落胆の制裁」というものがあって、期待に応えろ、応えられない奴は出ていけ、みたいな同調の強制、排斥主義的なウェットな感情支配*1があったりするので、困ったものです。

個人としての人格を捨てることは無理でしょう。皇室の人も、人間。

人間は人間以上の存在にはなれません。(しかし人間以下になることは簡単)

人間以上の存在になれるという幻想を持った瞬間、その人の世界は致命的な欠陥を耐えず抱えることになります。

そして、その「弱さ」をカバーするために幻想を強化するという悪循環。

天皇制とカルト宗教とはどこか通じるものがあるような気がします。

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【参考】ガーディアン紙の日本のプリンセス関連報道

Palace life puts strain on Japan's princess

http://www.guardian.co.uk/international/story/0,3604,1213687,00.html

Trouble at the top

February 24 2004

http://www.guardian.co.uk/elsewhere/journalist/story/0,7792,1154972,00.html

Japan prepares to allow women to inherit the throne

December 27 2003

http://www.guardian.co.uk/international/story/0,3604,1112795,00.html

Cancer blow for Akihito the 'modernising' emperor

December 29 2002

http://www.observer.co.uk/international/story/0,6903,866118,00.html

Birth dearth can turn Japan into nation of ancients

February 03 2002

http://www.observer.co.uk/international/story/0,6903,644033,00.html


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*1: 個人的な感覚としては、ウェットな人って大嫌いですね。意見や見解の相違があると「おたくってそーなんだ」とドライに割りきって付合える「オタクな人」が私は好きですね。同質性よりも異質性に価値を見出す能力のある「オタクな人」が、企業や社会の中で権力を持てば、少しは世の中が良くなると思います。

20040509 戦時人権制限法による戦時下の放送報道管制 このエントリーを含むブックマーク

■[国会]戦時人権制限法案(自称「国民保護法案」)による戦時下の放送報道管制

4月21、衆議院武力攻撃事態特別委員会で審議されている戦時人権制限法案(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案=自称「国民保護法案」)の審議より、渡辺周議員(民主党)質疑の報道機関に関する部分を抜粋して転載します。

衆議院

第159回国会 武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第6号(平成16年4月21日(水曜日))

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/013415920040421006.htm

渡辺周君

総務大臣         麻生太郎

国務大臣(事態対処法制担当)   井上喜一

○渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。

・・・・

私もかつては、わずか短い間ですが、報道機関に籍を置いたことがございます。最近、戦時下のメディアについていろいろと読みました。特に、今イラクに行っている自衛隊取材に対して日本の報道機関と例えば防衛庁の間でどういうやりとりが行われたのか、あるいは九・一一以降の、あるいはそれにさかのぼること湾岸戦争からの、メディアと国防省なりオペレーションをするところとさまざまな制約があり、報道の自由といわゆる軍事上の機密と、作戦遂行における障害になってはならない、そういうさまざまな交渉の葛藤のようなものも随分読んだんです。

その中で、この中にあるのが、当初は事前協議というものを本来するという中でこれが撤回された、ただしかし、指定公共機関が作成する計画に対しては報道機関については首相は助言を行うことができる、あるいは地方の指定公共機関においては都道府県知事が助言をすることがここで書き込まれているわけでありますけれども、そもそも助言というのはどういうことなのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

○井上国務大臣 助言といいますのは、最近は横文字でよく言うようになってきておりますけれども、いわゆるアドバイスなんですね。助言をすることによって、何か有益な、参考になるようなことがある場合にそれを教えてあげる、これが助言ということでございます。

確かに、最初は、業務計画につきまして、国の方との協議の規定が入っていたわけですね。これにつきまして、放送関係者の方とも私はお話ししましたけれども、非常に統制的な色彩が濃くなるおそれもあるということで余り賛成をされなかったのでありまして、当初からそんな統制をしていくというような考えはなかったのでありますけれども、その意向を受けまして、業務計画を報告していただく、こういうことになったわけであります。

業務計画は、御承知のとおり、それぞれの指定公共機関、放送機関でありましたら放送機関がつくって出していただくものでございます。ですから、これは会社によりまして大分違うと思うんですね。別にこういうものをつくりなさいとかという強制をするものではありませんから、必要な事項だけを放送していただきたいということですから、このつくり方自身については非常に差があると我々は思っておりまして、それを統一するような意向もありませんし、そういう場合に、例えば、出された業務計画を見まして、ほかの社はこんなことまで書いていますよ、これは業務計画を実行する場合に非常に参考になりますよというようなことを申し上げるということです。

そのことによって業務計画を変更するとかというようなことを考えておりません。あくまで業務計画の実施に参考になるようなことを申し上げる、こういうことでありまして、強制でも何でもないんです。参考になればそれを参考にしていただきたい、こういうことであります。

○渡辺(周)委員 それは、各報道機関が、これまでの経験あるいはこれまでの検証、こうした有事報道でありますと過去の諸外国の有事における報道、さまざまなことを検証して、当然その自主性と、何よりも大前提は国民の知る権利と報道の自由、それのもとで、あわせて国益ということを考えて、先ほど国家と国民は対立するものだろうかという森岡委員の指摘がありましたが、私は、そうした国家の存亡の危機に立ったときに国益を損ねるような報道機関というのは我が国の報道機関であればないんだろう、当然そのように思っているわけです。

ただ、他国のいろいろな例を見ますと、さまざまな規制がかかってくるというのは、これはもういろいろな文献にも出ておりますし、当然、専門家もそういう指摘をしているんです。

つまり、そこにおいて、業務計画を作成します、それを報告します、そこに助言を与える、助言を与えるというのは、突っ返すということがあり得るんじゃないかなというふうに思うんですね。それはアドバイス、今も昔も、多分アドバイスという言葉はそんな最近の言葉じゃなくて昔からあったと思いますが、決して最近はやりの横文字でも何でもございません。つまり、そのアドバイスがどれぐらいの拘束力を持つのか。

つまり、わかりました、そこで首相がアドバイスをした、あるいは都道府県知事がアドバイスをした、そうですか、承っておきますということで終わるのか。わかりました、ではそれは悪いけれどももう少しここを踏み込んでこう書いてもらえませんか、こういうふうな、例えば業務計画に何らかのもう少し、ハンドルでいうところの遊びを残してもらえませんか、そういうことを言うことはあると思うんですね。

その助言が、一回返されて、私の助言を聞いた上で、悪いけれども再提出してくださいということはあるんですか。その辺はどうなんですか。

○井上国務大臣 これは、提出された業務計画について助言を申し上げる、こういうことになっておりまして、したがいまして、業務計画そのものを直してほしいとかというようなことはないわけです。ですから、業務計画を実施する上で参考になるようなことについて助言をする、こういうことになると考えています。

○渡辺(周)委員 では、そこの助言に従わなかった場合はどうなるのかということもあわせて伺いたいわけです。

つまり、事前協議といって、報道の中立性や報道の自由ということを考えたときに、いわゆる公権力の介入というものを非常に恐れた。ですから、これまで、昨年の法成立から今日の国民保護法制の制定に至る間、マスメディアから何回もアピールがあり、そしてまた協議を重ねてきた。そうしたことが行われてきた中であったからこそ、今回、事前協議という形から事後報告、しかしながら、首相の助言あるいは都道府県知事の助言という何らかの余地を残したと思うんですが、では、助言に従わなかった場合はどうなるんですか。そこだけちょっと聞いておきます。

○井上国務大臣 これはまさに助言でありまして、助言に強制力とか拘束力があるものではございません。

助言をいたしまして、それはいい助言だなということで、それを参考にして業務計画を実施される方もありましょうし、いやいや、そんなものは当然のこととしておれは考えているんだというような方もありましょうし、いやいや、おれはそんな助言に従わないよというような方もあろうと思います。それは全く指定公共機関が自主的に判断をされることでありまして、国として強制をするというようなことは毛頭考えておりません。

○渡辺(周)委員 その点についてはわかりました。これは当然、当事者同士でこれからまだいろいろなことが議論されると思うんですが、ちょっと幾つか他国の例を挙げたいなというふうに思うんです。

なぜ私がこのメディアの部分に特にこだわったかといいますと、これは、一般論として申し上げると、やはりメディアコントロールということが当然行われてしかるべき。我が国が有事であるときには、正しい情報と的確な指示によって、当然、国民の生命財産が守られなきゃいけない。ただしかし、その反面で、いわゆる情報が一元化されなかった、それで、結果的には、その背後にあることも、本来知っておかなければいけないことまでも知らされないんじゃないか。当然、そういうことが時間がたってくると起きてくるわけであります。ですから、メディアの持つ怖さというもの、まさにその頼りになる部分と怖さという部分と両方について我々は今から議論をしておくべきだろうなということでこだわっているわけであります。

 例えばなんですけれども、アメリカでは、あの九・一一のときに、統合情報センターというのをつくったんですね。つまり、情報を一元化して、定期的に、情報を一元化することで発表する。そしてもう一つは、その後に世界広報局というセクションをまたつくって、情報の一元化をして、要は、発表したわけです。それによって取材の一元化、情報の一元化をしたわけであります。

 確かに、メディアの混乱というものがあって、今回の三人の人質が、高遠さんたち前半の三人、この人たちが解放されるか否かというときにいかに混乱したか。つまり、総理大臣ですら、正確な情報を持ち合わせないというふうに発言されたわけですね。総理大臣が正確な情報を、これは手の届かないような大変遠いところの国であったということを考えても、我が国の最高責任者がまさに正しい情報を持ち合わせていないというときには、これは事例は違いますけれども、まさに我が国有事になったときに、地方自治体であるとかあるいは肝心の国民であるとかという人たちがどうやってその正確な判断ができるんだろうか。まさにメディア自身も混乱をしたわけでありますし、また、実際そういうことが想像されるわけであります。

 そういう意味では、例えば統合情報センターだとか世界広報局、こういうものをアメリカはつくったわけですけれども、当然、そういうことになれば、メディアの一元化ということも含めて何か考えていらっしゃるんでしょうか。

○井上国務大臣 武力攻撃事態等のように、国家にとりまして本当に大きな有事でありまして、そういうときに政府が出します情報がばらばらであるというようなことは、これはもう一番国民を混乱させるもとになりますから、政府の発表するものについてはきっちりと統一したものじゃないといけない、こんなふうに考えておりますけれども、メディアにつきまして特別に規制をしていこうというような考えのところはございません。

 ただ、指定公共機関で放送事業者を指定いたしますのは、これは政令で指定するのでありまして、その指定する範囲をどうしていくかというのはこれから検討するのでありますけれども、指定をするかしないかというその問題はあろうかと思うのでありますけれども、放送機関を統一して統制していくというような考えは全く持っておりません。

○渡辺(周)委員 ただ、法律の中には指定公共機関たる放送事業者というふうに入っているわけですから、すべての放送事業者と読めるわけですね。当然のことながらそういうことになるんだろうということを前提にもちろんお話をして、昨日の御答弁では、指定公共機関に民放は含まれるというふうにありますね。そういうふうに思っております。

 時間が大分限られてきましたのでちょっと急ぎますけれども、例えば、確認なんですけれども、放送事業者が取材過程で知り得た情報あるいは情報源を政府に提供するということが事実上強いられる可能性があるのではないかという識者の指摘もあるんです。

 その辺、つまり、国家のまさに存亡をかけた時期である、報道の取材源の秘匿性はもちろんでありまして、報道の中立性ももちろんでありますけれども、国家がどうなるかというときに、例えば報道機関にも当然協力を求める、あるいは国家が実は知り得ていない情報を前段階で、例えばマスメディアの情報というものを収集する必要性も出てくるんじゃないかと思うわけですね。

 例えばその点については、これは事実上強いるかどうかは別にしても、何らかの形で情報提供というものを要請するということはあるんですか。

○井上国務大臣 これは、事実上の問題として、いろいろな情報について報道機関から入手をするようなこともあろうと思うんですね。それはあると思いますけれども、情報源を知らせる、公開するというようなことは、これは報道の自由の中でも一番基本のところだと思うのでありまして、これは法律の規定に直にそういうものがなければできないことでありまして、私どもとしては、法案全体を読んでいただければおわかりのように、情報源を明らかにする、知らせる、そんなことを考えていることは全くございません。

○渡辺(周)委員 それでは、重ねて伺いますけれども、あの九・一一が起きたときに、ライス女史、大統領補佐官が、全米の主要メディアに対して、オサマ・ビンラディンのいわゆる犯行声明、声明のメッセージを流すんじゃない、繰り返し流すんじゃないと。つまり、ビンラディンのそのコメント、発言の中に、次なるテロであるとか、あるいはどこかに眠っている、いわゆる潜んでいる次なるテロリストたちに対して次なるメッセージが実はその中に組み込まれているのではないかということで要請をしたんですね。これは検閲ではなくてあくまでも要請であると。しかし、全米のメディアは、これは国家の一大事ということで、それに従ったわけであります。

 当然、そういう形での協力を求めるということは、例えば取材に一定の規制をお願いするということはあり得ると考えていいんですか。

○井上国務大臣 取材を規制するというのは、通常の場合の取材のルールというのはあろうと思います。そういうことはお願いすると思うのでありますけれども、あと、いろいろな情報について要請をする場合はあろうと思います。これは別に法律で強制するものでも何でもないので、事実の問題として、各放送事業者が持っておられる情報について、どんなものだろうかというようなことを、教えてほしいというようなことを要請することは、それはあり得ることだと思います。

○渡辺(周)委員 取材の規制というよりも、例えば、何らかのビデオテープなりが、それこそ、もし、考えたくないことでありますけれども、日本の国内で何らかのテロが起きた、それによって犯行声明をどこかの国の指導者かどこかのテロリストグループの指導者がどこかで流した、それを流したことによって次なるテロ指令が実はそこに含まれているという可能性があるわけですね。だからアメリカは、もうこれ以上ビンラディンの映像を出すんじゃないというふうに言ったわけです。

 取材というよりも報道、それに一定の制約をかけるということはあり得るというふうに今お答えになったということでよろしいですか。

○井上国務大臣 そういう規制をかけるというような条文は今回の法律の中にないわけでありまして、したがいまして、そういうことは考えていないということであります。

○渡辺(周)委員 いやいや、アメリカも法律には書いてないんですよ。だけれども、実際にこういうことになった場合にはあり得るというふうに考えた方がいいと私は思いますね。当然のことなんです。それについてお考えを聞いているわけでございます。

 もっと言いますと、アメリカの場合は、大統領令がありまして、報道機関を一定期間、国益に利するために接収するといいましょうか、利用することができるわけですね。放送伝達業者の持っている有益性を考えたら、これはアメリカだけじゃなくて、イギリスであるとかドイツでありますとか、必要な情報や警報を伝えるために一時的にマスメディアの施設や設備等を使用することができる、あるいは一定時間を政府の発表のためにあけてくれということをやることができるんですが、当然そういうことも有事の際にはあり得るというふうに考えるているんですか。

 せっかくですから、きょうは総務大臣もいらっしゃいますので、総務大臣のこの辺の御見解を聞いておきたいと思いますが、両大臣にお尋ねしたいと思います。

○井上国務大臣 そういうようなことは全く考えていないことでございますし、また、報道の自由、表現の自由について制限を加える場合は、当然のこととしてこれは法律の規定が要ると思うのでありまして、そのような法律の規定を入れていないことは、これはもうおわかりのとおりでございます。放送設備等につきまして、放送局の設備を利用する、そういうようなことも考えていないということであります。

○麻生国務大臣 法律に書いてないのはもう御存じのとおりなんだと思いますが、依頼するということは十分にあり得ると思います。どこからどこどこまで部隊を移動して、それに当たっては武器の内容はどうたらこうたらなんということが公表されるなどということは敵を利するだけのことであって、それはある程度控えていただく等の依頼をするなどというのは当然のこととしてあり得ると思っております。

○渡辺(周)委員 この議論は非常に難しいと思うんです。過去にマスメディアがかなり独立性を持って発達、発展をしてきた例えば欧米諸国においても、この戦時報道とか有事報道におけるあり方というのは非常に難しいものがございます。

 例えば湾岸戦争のときに、イギリスの国防省とマスメディアが十六項目にわたる報道協定を結んだ。その中には、例えば軍隊の数であるとか、まさに今大臣がおっしゃった、武器は何であるとか、あるいはどういうオペレーションをやって、どういう人たちが指揮官であるか、あらゆることについて規制をしたわけであります。当然のことで、相手国を利するようなこと、あるいは、国に限らず相手の、我が国に何らかの脅威を与えようとしているところに対して利益を与えるようなことがあってはならないという上で、ぎりぎりの妥協をしてきているわけであります。

 そういう中で、私が何でここまでこだわったかといいますと、例えばNHK、我々も海外へ、大臣と同じように世界各地へ行きます。当然のことながら、外国へ行ってもNHKの衛星放送を見ることができるわけですね。アメリカにいようが、ヨーロッパにいようが、「おはよう日本」を見ることができる。朝鮮半島では、もう釜山あたりでは日本のNHKがそのまま入ってくるわけですね。対馬海峡を越えて入ってくる。対馬からNHKが入ってくる。当然、かの国、北朝鮮でも、国家指導者は日本の番組を見ている。そうしますと、例えば何らかのことがあった場合に、我が国の国民向けの報道というのは世界じゅうに当然流れるわけであります。当然、世界各地にいる邦人は、自分の親族や自分の身内であるとか自分の企業は大丈夫なんだろうかということで、一斉にくぎづけになるわけであります。

 そうしますと、テレビメディアのみならず、インターネットなんかも、何らかの形で情報に一定の、報道に一定の制約があるということは、まさにそのときが起きてみないとわからないわけでありますけれども、この点については、大変この問題、特に昨年のイラク戦争、その前の湾岸戦争、あるいは九・一一テロをめぐってさまざまな、まさに報道と政治のあり方が問われて検証されておるわけでありまして、その点についても恐らく議論がされると思います。

・議案名「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案」の審議経過情報

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1D9452E.htm

・提出時法律案 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15905098.htm

三条

3 指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等においては、この法律で定めるところにより、その業務について、国民の保護のための措置を実施する責務を有する。

第五条

2 国及び地方公共団体は、放送事業者(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第三号の二の放送事業者その他の放送(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信をいう。次条第二項において同じ。)の事業を行う者をいう。以下同じ。)である指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置については、その言論その他表現の自由に特に配慮しなければならない。

第二十一条 指定公共機関及び指定地方公共機関は、対処基本方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、第三十六条第一項の規定による指定公共機関の国民の保護に関する業務計画又は同条第二項の規定による指定地方公共機関の国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その業務に係る国民の保護のための措置を実施しなければならない。

第二十四条 対策本部は、事態対処法第十二条第一号に掲げるもののほか、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が実施する国民の保護のための措置の総合的な推進に関すること。

第二十七条

 都道府県対策本部は、当該都道府県及び当該都道府県の区域内の市町村並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置の総合的な推進に関する事務をつかさどる。

第二十九条 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、当該都道府県及び関係市町村並びに関係指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置に関する総合調整を行うことができる。

第三十二条 政府は、武力攻撃事態等に備えて、国民の保護のための措置の実施に関し、あらかじめ、国民の保護に関する基本指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。

2 基本指針に定める事項は、次のとおりとする。

 二 次条第一項の規定による指定行政機関の国民の保護に関する計画、第三十四条第一項の規定による都道府県の国民の保護に関する計画及び第三十六条第一項の規定による指定公共機関の国民の保護に関する業務計画の作成並びに国民の保護のための措置の実施に当たって考慮すべき武力攻撃事態の想定に関する事項

5 政府は、基本指針を定めるため必要があると認めるときは、地方公共団体の長等、指定公共機関その他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。

6 指定行政機関の長は、その国民の保護に関する計画を作成するため必要があると認めるときは、関係指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の陳述その他必要な協力を求めることができる。

第三十六条 指定公共機関は、基本指針に基づき、その業務に関し、国民の保護に関する業務計画を作成しなければならない。

2 指定地方公共機関は、都道府県の国民の保護に関する計画に基づき、その業務に関し、国民の保護に関する業務計画を作成しなければならない。

第五十条 放送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、第四十五条第二項又は第四十六条の規定による通知を受けたときは、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、速やかに、その内容を放送しなければならない。

4 指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその国民の保護に関する業務計画を作成したときは、速やかに、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長を経由して内閣総理大臣に、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事に報告しなければならない。この場合において、内閣総理大臣又は都道府県知事は、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、必要な助言をすることができる。

第五十七条 第五十条の規定は、放送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関が第五十四条第七項(第五十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けた場合について準用する。

第百一条 第五十条の規定は、放送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関が前条第一項の規定による通知を受けた場合について準用する。

第百七十九条 指定公共機関及び指定地方公共機関は、第百八十一条第一項の規定により緊急対処事態の認定について閣議の決定があったときは、この法律その他法令の規定に基づき、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その業務に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。

■渡辺周衆議院議員(民主党)

http://www.watanabeshu.org/

平成16年4月21日 事態特で質問

http://www.watanabeshu.org/iinkai14.2_.html

戦時人権制限法案の「指定公共団体」には、放送局も含まれており、警報報道義務などの義務が課されています。

民主党の渡辺周議員は、戦時人権制限法案第三十六条四項の助言権について触れ、問題にしています。

その点はたしかに重要な論点で、放送局に明確な拒否権が法案に明記されていない点は問題だと思います。

しかし、渡辺周議員の質疑で注目すべき問題発言は、政府の「放送局のコントロールということが当然行われてしかるべき」と発言し、「一般論として」とことわりつつも戦時人権制限法案における政府の基本前提を追認したことです。

渡辺周議員は、「我が国には国益を損ねる報道機関は無い」と発言し、国益を損なう報道をする報道機関は報道機関ではないとの見解を示しました。

これは言い換えれば、国益を損なう国民は非国民であると言って人権を剥奪した大日本帝国の暗黒人権剥奪政策の理屈とおなじであり、政府の防衛政策にとって都合の悪い報道をする放送局は「非報道機関」であるから放送免許を剥奪してもかまわない、との見解を間接的に述べているに等しいと考えられます。

早い話、屈服しましたね、民主党は。

国民の前では政府と対決姿勢をとっているかのように演じつつも、一番抵抗しなければならない肝心の部分で政府と手を握り合っている、の図が渡辺周議員の質疑からうかがえます。

戦時人権制限法案を策定した政府、政府を支持している与党、そして渡辺周議員の発言もさることながら、渡辺周議員とその発言に同調する議員が党の安全保障の政策を作っている民主党にも疑問を感じます。

具体的な話をすると、たとえば、アルジャジーラテレビが日本で支社を作ることになっていますが、日本で大規模な大都市テロが発生して武力攻撃事態になった時、アルジャジーラ日本支局が日本の大都市への再攻撃予告情報を配信し、その映像が国益を損なうと政府によって判断された場合に、その報道内容や、取材源に対してどう取扱うのか。各放送局にアルジャジーラの情報を流さず政府の情報を流すよう圧力をかけ、従わない放送局の事業免許を取り消すのか維持するのか、といった問題も懸念されます。

またたとえば、朝鮮戦争が再開して日本が戦場になった時に、在日朝鮮人についての報道はどうなるのか。在日朝鮮人の反政府デモなど、政府の政策に反するような情報が番組の中で出てきた場合に、その番組を放送した放送局免許はどうなるのか。

またたとえば、明かに攻撃を受ける可能性のある危険な場所に避難命令が発令されているような場合に、「政府は避難命令を出していますが、従うと死ぬ可能性が高いので従わないでください」というような政府活動と矛盾する番組を放送できるのか。あるいは政府の避難命令の放送を拒否できるのかどうか。

戦時人権制限法案=(自称「国民保護法案」)第五十条には、放送局の警報放送義務が課されています。

たとえば、かつて太平洋戦争の時に日本軍沖縄で実際にやったことがありますが、軍隊が自軍を防衛するために自国民を「避難」と称して「人間の盾」として移動させ攻撃を受けにくくする作戦を実施している場合に、放送局は戦時人権制限法第五十条に基き、軍隊の指示を受けた知事の指示に基いて「避難警報」を放送する義務が課されることになります。*1

非戦・戦争不服従の立場、あるいは中立の立場をとっているジャーナリストにとって、「人間の盾」的な軍事作戦への協力は、“能動的参戦”に等しく、戦時人権制限法を守ることによって非戦あるいは中立というジャーナリストとしての報道倫理を破ることになります。

戦時人権制限法第五十条に基く警報放送義務のすべてが問題になるわけではないでしょうが、報道倫理との矛盾が生じる場面で戦時人権制限法上の放送義務を拒絶できないとすれば、報道の中立といった報道倫理をまもるために、良心あるジャーナリストは戦時人権制限法第五十条に違反し「良心の囚人」とならねばならないことになります。*2

たとえ戦時下であっても、非戦、戦争不服従の方針を確保する放送局、あるいは番組、報道というものが、言論表現における価値観の多様性原則のもとで当然にその自由と権利を認められるというのが、本当の意味での民主主義であり、言論表現の自由というものでしょう。

以上の理由で、戦時人権制限法第五条は不充分であり、抜本的に修正するか、白紙撤回して再提出するのが良いと私は考えます。

───────────

*1: 戦前には、小学校の校舎に爆弾を保管させ、空襲による被害を避けようとしました。しかし、そういった情報も連合国には筒抜けだったこともあっで、小学校の校舎も含め空襲の目標になり、結果的に多くの民間人死傷者が出たということもありました。

*2: 戦前には、東條首相の評判を落す記事を書いた記者が、徴兵されて死亡率の高い最前線に送られたということもありました。

artaneartane 2004/05/11 12:55 民主党は屈伏したのではないですよ。元々あぁいう極右(つか軍国主義者)が主導権を握っている、謂わば「似非野党」なのですよ。昔の、万年野党だった頃の社会党を野党の基準とするならば。ですが。

artaneartane 2004/05/11 12:58 追記しとくと、土屋ひろたかなんつー、板橋高校の入学式だかで君が代斉唱の時に「立て!」と怒鳴った極右の都議会議員さんがいますが、あぁいう派閥も民主党にはあるわけで。現状の民主党はリベラルは劣勢だと思いますよ。未だ、同じ保守でも中村敦夫のグループの方が期待出来る(^^;

20040507 ゴールデンウィーク疲れ/サイバー犯罪対策キャンペーン

ゴールデンウィーク疲れ

ゴールデンウイーク中、たっぷり遊んだので疲れが出てきました。

あー疲れた。

遊びすぎたかも…。大型連休は疲れます。

なんだか体や脳がだるいです…。

しばらくおもいっきり遊べないと思うとますます疲れが出てきそう。

…平凡なサラリーマンのおっさんみたいな感想になっていますが、事実だからしかたありません。

モニターの前で笑っている学生さん、あなたもそのうち私みたいになるかもしれませんよ。あはは。

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サイバー犯罪対策キャンペーン

「ネットワークを使うこと自体が悪である」みたいな印象を与えるような表現はやめていただきたいものですね。ネットを使う/使わないが善悪の判断基準ではなく、他人の財産を盗んだりする行為などが悪。

キャンペーンを貼るなら、たとえば「他人の財産を盗むのはやめよう」というキャンペーンにすべきでしょう。

でも「他人の財産を盗むのはやめよう」みたいなキャンペーンをやると、政府が集めている税金や保険料はマトモに使われていないので政府自身が税金泥棒のようなもんだろうと心の中で思う国民が千万人単位でいるでしょうから、キャンペーンを正論だと思っても「なに言ってやがるおまえもそうじゃねえか」的な反発が起こったりするかもしれません。

 

タテマエだけで動いている限り、タテマエでしか反応は返ってきません。

 

たとえば、本庁には有り余るほどパソコンがあるのに、所轄警察署でサイバー犯罪を所管している生活安全課にはネットにつながるパソコンが一台も無かったり、パソコンがあっても生安課の課長と課員の全員がパソコンを使えない*1、なにもかも本庁に対策おまかせ状態になっている、などといった現実に存在するホンネの問題について、もっと公論を呼び起こすべきじゃないでしょうか。

政府公報オンライン

http://www.gov-online.go.jp/week/theme/chian_taisaku_cyber_banzai_boushi.html

治安対策(サイバー犯罪防止のためのセキュリティ対策)

→ 新聞広告「突出し広告」 平成16年5月5日・7日

http://www.gov-online.go.jp/publicity/newspaper/np01/np01_206.html

内閣官房情報セキュリティ対策推進室:トップページ

http://www.bits.go.jp/index.html

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*1: 「課長と課員の全員がパソコンを使えない」という情報は、実は私が住んでいる所轄の警察署の生活安全課の課員さんから直接聞いた話なので事実に間違いありません。「ウイーニーって何ですか」「メールアドレスのドメインって何ですか?」「リファラのサイトドレインって何ですか」の世界。ドレインじゃなくてドメインだよ、RPGの魔法じゃないよと指摘されてもポカーンとしていました。(苦笑)広報に金かけるぐらいなら現場の刑事の教育に予算をまわしてほしいものです。

amegriffamegriff 2004/05/07 08:44 ウチの地元はさすが京都だけあって、nyくらいなら知ってる見たいです(;´Д`)京都府警コワイヒー

dokushadokusha 2004/05/07 09:02 しってるみたいじゃなくて使ってるんやん

matsunagamatsunaga 2004/05/07 14:30 使ってるだけやなくて[k]して暗号解読してるやん

kitanokitano 2004/05/08 07:41 (;´Д`)

artaneartane 2004/05/09 08:09 巡査も使って捜査情報公開してくれましたしね。

20040506 テロとの戦争の勝敗

テロとの戦争の勝敗

まだ勝敗はついていませんが、いずれつくでしょう。

もうすこししたら、「アメリカブッシュ政権のテロとの戦争は、テロリストの勝利に終る」とズバリ言ってしまう人が、テレビで出てくると思います。*1

私は、短期中期の見通しでは、テロとの戦争は、テロリストの勝利に終る*2と思います。

つまり、テロは戦争では無くならない。

軍事大国*3がテロとの戦争を宣言し続ける限り、戦争も無くならない。

問題は、そのことをいつの時点で世界の人たちが気づくのか、ということ。

すでにアフガンとイラクで10万人近い人が死にました。

犠牲者が20万人になるのか、50万人になるのか、100万人になるのか、1000万人になるのか、1億人になるのかは私にはわかりません。

気づくのが早ければ早いほど犠牲者は少なくて済みます。

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*1: 誰が言うかはわたしにはわかりません。

*2: 「テロの勝利に終る」は、テロを「支持する」という意味ではありません。念のため。

*3: 日本国を含む。http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020263.html 国防予算比較グラフを参照

20040505 憲法記念日

憲法記念日 

毎年のことですが、5月3日の憲法記念日には国内のほとんどの新聞が憲法についての社説を掲載していたようです。

20紙ほど読み比べてみましたが、一番印象深かった論説は、愛媛新聞社の社説

世界がよく見えている人は日本国憲法の先進性、改憲論の古臭さもよく見えていることの一例ではないかと。

愛媛新聞は、その全部の主張に賛同するわけではありませんが、全国紙が書かないような地方紙ならではの社説を提供する新聞の一つで、なにか大きな事件が起きたときには社説のバックナンバーをウォッチしておきたい新聞です。

愛媛新聞社説 2004.05.03(月)憲法記念日 ABCの追悼番組は問いかける

http://www.ehime-np.co.jp/shasetsu/shtsu20040503.html

「現行の憲法では国家の安全を保てない。それを覚醒させてくれたのは米中枢同時テロ以降の新たな現実」

安倍幹事長はそのように語り集団的自衛権の行使に道を開くため九条改正の必要性を力説したという。

安倍幹事長にしてみれば自民党の主流派の声を代弁したに過ぎないのであろう。しかし、ネオコンへの共感を織り交ぜながらの改憲論である。そんなところに私たちは日本の針路に対する強い不安を覚える。

ネオコンが主導して始めたイラク戦争。その犠牲者は増えるばかりで、もはや抜き差しならぬ事態となっている。テロ対策という名の軍事行動が、逆にテロを無限に拡散している。ブッシュ政権は世界を恐怖の淵へ追いやっている。

このようなブッシュ戦略に寄り添いながら憲法を改正するというのであれば、日本国民が受けるリスクは計り知れない。報復テロの直接のターゲットになるばかりか、米国と相似形の悲劇をそっくり引き受けなければならない。

例えば、外電は伝えている。米三大ネットワークの一つABCが特別番組を放送した。このため米国民はショッキングな形でイラク戦争に向き合うことになった、という。

番組は、ブッシュ大統領による「主要戦闘の終結宣言」から一周年となるのに合わせて放送された。イラク戦争で死亡した米軍人七百二十一人を写真入りで一人ひとり紹介するという異例の追悼番組だ。三十五分の持ち時間をフルに使ったが、五百人ほどで後は読み上げられなかった。

番組を担当した看板キャスターテッド・コッペル氏は「正しい戦争なら五百人でも五千人でも五万人でも堪え忍ぶことができる。しかし、間違った戦争なら五人でも多い」とコメントしたと伝えられる。

イラク戦争に対する米国民の疑念は確実に広がっている。安倍幹事長の言葉とは逆の意味で米国民は「新たな覚醒」を始めている。

社説 バックナンバー

http://www.ehime-np.co.jp/shasetsu/shasetsuback.html

20040504 金曜「ナイトライン」で戦死米軍将兵721人の名前を朗読

<米ABC放送>イラクの戦死米軍将兵721人の名前を朗読【ワシントン和田浩明】5月2日1時12分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040502-00000013-mai-int米ABCが異例の追悼番組 死亡兵士の名前読み上げ 5月1日13時20分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000071-kyodo-ent

ABCニュース「ナイトライン」のアンカー、テッド・コッペル氏

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040502/482/nyet66605012041

イラクで死んだ721人のアメリカの兵士の名前を読上げた「ナイトライン」のテッド・コッペル氏

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040501/ids_photos_wl/r3172790851.jpg

予備視聴率が上昇した「ナイトライン」

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/ap/tv_nightline

ABCの金曜「ナイトライン」について視聴率は落ちると判断していた人たちの予想、実際には当たらなかった。

ニールセン・メディア調査によると、メディア市場の中で4.4ポイント(1ポイント=全世帯の1%=108万4千世帯→約477万世帯)を確保していた。

予備調査では金曜日から22%ポイントが上昇し、先週までのナイトラインの放送よりも29%多かった。

金曜日に、ABCテレビ「ナイトライン」のアンカーマンのテッド・コッペル氏は戦争で死んだ721人を読み上げた。有力メディア系列のシンクレア放送グループは、七つの放送局で金曜「ナイトライン」の放送を拒否した。

米政府が戦死者数をカウントをするなと命令し、何人死んだかという質問に「調査していないのでわからない」「わからないので答えられない」「以前から申し上げている通りその質問には答えられない」とくり返し答え続けている中で、戦争の結果を独自に調査し戦死者数を正確に報道することは、良いことでしょう。

戦争の結果としての犠牲者の情報が放送されることにより、「なんのために彼らは死んだのか」「戦争の大義とその根拠とは何か」という議論と情報は、より重要になります。

死亡者の存在を情報として確定することにより、戦争の大義という議論の土俵の重要性に注目させ、その議論の政治的な重要性をもまた高めることになるでしょう。(もちろん、その議論の結果「戦争に大義はあった」という結論になる可能性はゼロではありませんが。)

ABC

Nightline

http://abcnews.go.com/Sections/Nightline/

■Fox News

http://www.foxnews.com/

日曜Fox News

http://www.foxnews.com/fns/

───────────

金曜「ナイトライン」が報じた遺影(一部) なぜ死ななければならなかったのか

これらの遺影の方、宗教的・政治的な事情などで遺影が公表され無い戦死者の方、行方不明・失踪・自殺として「戦死者」としてカウントされなかった戦没者の方、警備員として雇われ米軍作戦関係者としてカウントされなかった傭兵戦死者の方、そしてそれらを含めた米軍関係者に殺された名も無き(遺影も無き)イラク人の戦没者の方、攻撃の巻き添えになって負傷し十分な治療を受けられずに長期間苦しみぬいて死んでいったイラク人死亡者の方すべての方に、哀悼の意を捧げます。

彼ら死者がしてきたことに罪があったのか、それとも正義の犠牲だったのか。彼らの死に大義があったのか無かったのか。その議論は戦争の大義の有無に依存します。

いったい何のための戦争だったのかをもう一度議論する必要があると、戦争を始めた国の国民は考え始めているようです。

イラク戦争の犠牲者の情報については下記サイトで情報を得ることが出来ます。

イラクの民間人犠牲者(最低人数)が、ついに9000人を突破しました。

上の写真の10倍以上の罪無き人たちが殺され、報道もされずに忘れ去られ、憎悪とテロを育てているということを、もっとメディアは自覚するべきですし、報じるべきでしょう。

Iraq Body Count

http://www.iraqbodycount.org/

The Iraq Page - Remembering Those Who Lost Their Lives in the Iraq War of 2003-2004

http://www.pigstye.net/iraq/

20040503 自己責任論は正論を言う人に対する反動形成か

自己責任論は正論を言う人に対する反動形成か

ビデオニュースの丸激で宮台氏が、人質になった取材記者やカメラマンを見ることで大手メディアの記者たちに「反動形成」が生じる、というようなことを言っていました。

反動形成*1というか、私は単なる嫉妬だと思っていました。あははは。

■ビデオニュース

http://www.videonews.com/

4月30日 今井紀明さん・郡山総一郎さん記者会見1回目(2004年4月30日・弁護士会館)映像

http://www.videonews.com/asx/fccj/043004_hostage1_300.asx

4月30日 今井紀明さん・郡山総一郎さん記者会見2回目(2004年4月30日・外国特派員協会)映像

http://www.videonews.com/asx/fccj/043004_hostage2_300.asx

・マル激トーク・オン・デマンド第162回「日本の針路が大きく間違っているようなこの感覚は何なのだろう」Bパートより

神保 今日の会見で気になったことは、自己責任についてという部分で、郡山さんが「自分たちには(批判は)あたらない。自分はジャーナリストとして誇りをもっている、だったかな。

宮台 危険を賭して現地の情報をとることこそ命がけでやることがジャーナリストの使命であるというようなことを。

神保 それはもう大・正・論なんだけれども……、聞いた側が…

宮台 高みの見物野郎からすると、むしろ後ろめたさもあったりしてですね、反発の対象になるんでしょうね。

神保 「なに言ってやがんだ」みたいなところがひとつ。それから日本は面白いところで、“ジャーナリスト”という言葉自体がなんか偉そうというか、ケンエンされると。「なんぼのもんじゃい」みたいなね。

宮台 あはははは。

神保 そういうことはあまり振りまわさない方がいいということもよくあって、“記者”とか“もの書き”とかね、横文字の立派そうな肩書は偉そうっていうイメージで叩かれるらしいですから、そういう意味では「ぼくはジャーナリストですから」っていうあの発言も今日の夜のニュース、それから週末に入って…でもゴールデンウイークだからあまりテレビ見ていないからどうなのかわかんないけれど、ワイドショー的なのかニュースなのかよくわからない番組が午前中に集中するでしょ、土日っていうのは。あの辺でどういう切り取り方をされるのかとっていうのは僕はちょっと心配しているんですけどね。

宮台 僕は神保さんの話を伺って、フロイト派的な反動形成っていう概念を思い出すんですよ。たとえばパウエルさんが発言したことがニュース23とかで報じられたりして、記者会見でも一部話題に出てましたけれど、バッシングに対して少し押し戻すような動きがあったりしてますけれど、そういう動きを見るにつけても、やはり記者の皆さんはインターナショナル、国際標準、あるいは近代市民社会の標準ではこういう反応が起るのに日本でだけこういう反応が起るということはやっぱり情報として入っていらっしゃるだろうし、神保さんが仰るように、在外のジャーナリストの方と違って、日本の記者クラブの中で、或いは放送法のある種の特許状なるものの中で安全地帯でふんぞり返っていられる人たちがメディアの主導権を握っている状況というのは、ある種の自分たちの自画像としてつきつけられているという面があって、痛いところを突かれていることは間違いないと思うんですよ。

神保 うーん。

宮台 痛いところを突かれているがゆえに激烈に叩こうとする、と。

神保 それはメディアも一般の市民も、という…。

宮台 ええ。そういうことですね。一般の市民もある意味では、例えば高遠さんがとりわけバッシングが集中しているところを見ますとね、やはりこれはフロイト的な反動形成みたいな図式で説明できるのかなあと思えます。

神保 彼女がおんなだっていうことも含めて…。

宮台 ひとつはおんなだっていうこともあると思うんですけれども、良くも悪しくも「自分ができないこと、自分とはまったく違うことをやっている奴だ! ひとりだけ正論を言う奴は許せない!」みたいな意識があるんじゃないでしょうか。それが正論だって言うのは、在外記者たちのリアクションだとか、海外のメディアのリアクションが入ってくるにつけても、「どうやら自分たちのリアクションが特殊らしいんだ」っていうことがわかってきちゃって、ますますカタクナになるという方向があるのかなと思いますね。

神保 つまり、自分がたいしたことは出来ていないということを心の底で知っている奴に限って、まあたいしたことなのかどうかわからないけれど、なにかやっている人間に対しては叩きたいという動機が生じていると。

宮台 アメリカ政府のケツを舐めている日本政府のケツを舐めている日本のメディアで、そのことを今回の場面ほどつきつけられていることってあまり無かったと思うんですよ、むしろ。人質事件というまったく意外な切り口で、自分たちの自画像が映ってしまったという気がします。

一目惚れした女の子が、彼があまりにも完璧にタイプな男だったために素直になれずに「あんたなんか大嫌い」と叫んで平手うちをくらわす、的なベタなストーリーの少女漫画って今でもあるのかわかりませんが、そんな感じでしょうか。

丸激の議論を2ちゃんねる語に翻訳すると、こういう感じ。

嫉妬は醜いよ>人質叩き派クン

ダメな自分を認めて自分の気持ちに素直になればあ?

 

高遠さん>>>>>>>>>>>>>嫉妬マスコミ>>激嫉妬ダメ2ちゃんねらー

ただし、誰でも嫉妬という感情は自分も含めて持ち得るわけで、なんでもかんでも嫉妬や「反動形成」という言葉で説明されるとしたらアレだなぁとは思いました。(今回の丸激ではそういうことではないとは思いますが)

人質になっていた方のある意味での「気高さ」を素直に評価したうえで、「行っても良いがもっと勉強や準備をしてから行くべきだった」などと議論している人の態度は、反動形成だけでは説明できません。

対して、志を素直に評価せず正論を語る人に反動的にバッシングしている人の態度は反動形成で説明できる、ということなのかなと思いました。

Google 検索: reaction formation 反動形成

 

米国人の“善意”拒む 人質航空運賃で在米大使館  2004/05/04 02:00

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040504&j=0071&k=200405042779

イラク日本人人質事件で、日本政府が解放された人質3人に航空運賃を請求する方針を知った米国人が、ワシントンの日本大使館に抗議の手紙とともに、航空運賃として2000ドル(約22万円)の小切手を送ったところ、「渡すことはできない」と送り返されていたことが3日、分かった。

この米国人はボストン郊外に住む男性で、一部日本メディアの取材に対し「とてもショックだ」などと話している。大使館側は「第三者から経費を受け取ることはできないので、お返ししました」と話している。

友達から片想いしていた女の子へのラブレターを渡してくれと頼まれてラブレターをもらったけれど「こんなものは渡せん!」と友達につき返した、みたいな。(子どもかよ)

嫉妬をキーワードにして分析するとわかりやすくはなりますが、嫉妬というキーワードは便利すぎるというか、なんでも感情に還元させてしまったら議論にさせにくいというか、議論させる動機を与えるためにはかえって使いづらい部分もあるような気もします。

「反動形成」による説明もそういう危険はあるのかなと。

───────────

*1: 嫉妬と言う言葉をフロイト派さんは嫉妬と言う言葉を使わずに反動形成と言い換えただけだという話もありますが真偽はわかりません。


 

疑うことをやめること。
それがもっとも真実から遠い行為だ。

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