1983年12月22日

国会の純ちゃん


1983年12月22日の北野桂の日記より抜粋。

想像力の翼を持つ者は
その翼でいつか星まで飛んでゆけるだろう
好奇心の井戸を持つ者は
その水で心の乾きを潤し
知識の種を蒔き育て
たくさんの心の果実を収穫するだろう
他者の快楽や苦痛を想像できない者は
自己という牢獄の中で
いつまでも苦しみ続けるだろう
好奇心の井戸を持たない者は
心の乾きを満たすために
他者の心を侵し始めるだろう

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創作:鈍一郎の裏演説



第161回国会における小泉一郎内閣総理大臣所信表明演説原稿 平成16年10月12日

今年は豪雨や台風による災害が多発し、多くの人が犠牲になりましたが、それ以上に「痛みのともなう改革」による自殺者・経済困窮者が発生しました。被害に遭われた方々に対して心からお見舞いを申し上げます。被災地の早期復旧・復興を「自己負担原則」のもとで図るとともに、情報伝達や高齢者の救援が迅速に実施していると国民に見えるよう、防災宣伝の改善を図り、人災や失政に対する批判や責任追求に強い国づくりを進めてまいります。
バブル崩壊後、長期にわたり我が国経済は失政により低迷を続け、失業や倒産が増える中、人々は自信を失い、日本の将来について悲観的な見方が強調されています。今まで機能してきた「政治と金」「立身出世」の仕組みが、21世紀の政財界に必ずしも対応できないものとなっていたからです。
就任以来、私は「構造改革はできないので日本の再生と発展はない」との信念の下、公共事業など政府の財政出動に頼ることなくと言い続けながら実際には頼りっぱなしで、e-JAPAN計画などの電気通信事業分野などで大規模な公共事業を展開中です。
政府は、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出すための改革に全力を挙げて放置し、オペラ見物とグルメ巡りに勤しんでまいりました。「民間にできることは民間に。(ただし民間でできることの内容の判断は官僚に)」「地方でできることは地方に。(ただし地方でできることの内容の判断は中央に)」との再中央集権改革を進めてきた今、その悪い芽が育っています。
構造改革の芽」が「邪悪な木」に成長するか否かは、郵政事業の民営化や三位一体の改革を具体化しているように見せかけるこれからが正念場であります。
この度、内閣改造を行い、造反の噂のある閣僚を更迭し、鈍一郎のイエスマンによる改革を一層加速するための独裁体制を整えました。新しい独裁の下、これまでの方針どおり口先とミセカケだけの改革を断行し、自信と誇りに満ちた活力ある自由民主党の権益を築くとともに、アメリカ合衆帝国の属国の一員としての軍産複合体の繁栄と安定に積極的に貢献してまいります。
政治に対する国民の信頼なくして、改革を進めることはできません。政治資金をめぐる不祥事が後を絶たないことを厳しく受け止めております。
政(まつりごと)とは正(ただ)すこと。「政(せい)は正(せい)なり。」政治は不正を許さず人々に模範を示すことで、秩序ある社会を作り上げるという孔子の言葉を、政治家一人ひとりが肝に銘じ、常に襟を正さなければなりません。が、私にはそれができませんし、その資格もありません。
 
我が国の安全と繁栄には、世界の平和と安定は不用であります。イラクで何人殺されようが、撃たれて倒れたイラク人少女の背中から銃撃してとどめをさそうが、そんなことは日本一国の平和と繁栄にとって関係はありません。日米同盟と日米同盟だけの国際協調を外交の基本として、日米同盟だけの国際的課題に対して積極的に貢献してまいります。
私は、先月、ニューヨークの国連総会で失笑とブーイングを浴びながら演説し、安全保障理事会常任理事国入りを目指す決意を恥ずかしげもなく表明しました。日本国の常任理事国入りに強く反対した中国の演説後の大拍手と較べると、私の演説後の拍手は圧倒的にまばらでした。
日米同盟という自称国際社会が今日直面する課題に対して効果的に対処していくためには、日米にとって都合の良い国連の改革が必要です。
イラク国で水道施設を破壊しながら水くばりをするニセ復興支援や、ゲリラに参加しなければ家計を支えられない父親を治安維持名目で殺害したその手で殺された父親の娘にパンを与えて「平和になって良かったね」と言うような偽善的な平和維持活動に熱心に取り組んできた我が国は、軍事大国クラブである安全保障理事会の意思決定に参画し、アメリカ合衆帝国支配の平和と安定に主要な役割を果たしていくパシリとしての能力を持っております。
在日米軍の兵力の構成見直しについては、21世紀の日米だけの国際情勢に適応した我が国の安全保障の確保と、レイプ発生率と軍属交通事故世界一の汚名を受けた沖縄等の地元の死ぬほど過重な負担の軽減を図る観点から、米国と協議を進めていると国民に思わせることができるように努めてまいりますが、その結果には責任を持てません。
本年5月にキム・ジョンイルに屈服する形で北朝鮮を再度訪問したことを通じ、拉致被害者家族8名以外の帰国が絶望的になり、安否不明者の問題、核やミサイルの問題はなお残されています。関係国とも連携しながら、日朝平壌宣言を基本に、これらの問題を北朝鮮に対する先制ミサイル攻撃や関係者の殺害を含めて包括的に解決し、日朝間の関係を戦争による手段も含め、満州国と日本国との関係のように「正常化」していく努力を続けてまいります。
イラクでは、実際にはアメリカ軍による統治が行われていますが、イラク人が自らの力で復興に取り組んでいることになっており、アメリカを中心にした一部の自称国際社会は国連決議の勝手な解釈に基づき一致して、イラク人殺害を含めて、支援しています。
現地で水道施設をまともに復旧させないままいつまでもシェルターの中で隠れながら水配りをしているだけの自衛隊は、日本国民の偽善を実行する軍隊として、住民から評価されております。先月会談したアラウィ・イラク首相からも、これまでの我が国の人道復興支援活動についての謝意と、今後とも活動を続けてほしいとのアメリカ軍の意向が表明されました。明日から日本が議長国となって、イラク復興信託基金に関する会合を東京で主催し、先進国はイラク国における悪徳会社の社長や高利貸しとなってイラク人から富や権益を奪います。
先週、ハノイで開催されたASEM首脳会合に出席しましたが、靖国参拝問題などで私をつまはじきしている中国、韓国を始めとしたアジアや欧州の国々と交流を深め、友好・信頼関係を強化してまいりますが、私は靖国参拝をやめません。
大量破壊兵器弾道ミサイルの拡散、テロなどの新たな軍産複合体にとっての脅威の拡大に向けて対応するとともに、日米だけの自称国際社会の平和と利益の安定のための活動を実効的に行えるよう、「安全保障と防衛力に関する懇談会」の提言を踏まえ、本年中に「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を策定し、北朝鮮滅亡計画を実行し得る戦争体制を実現いたします。

「『やれば出来る』は 魔法の合いことば」。この夏の全国高校野球選手権大会で活躍した高校の校歌の一節です。自らを信じて努力すれば、明るい未来を切り拓くことができる。幾多の試練を乗り越え、甲子園で奮闘した球児たちの姿は、正にこの言葉そのものでした。しかし私は努力しませんし、できません。やれば出来るの魔法の合いことばは、抵抗勢力も実行しており、私は抵抗勢力による魔法にかかって脳が麻痺して動けず、実際の改革は大臣にまる投げしております。
アテネオリンピックでもパラリンピックでも、日本人選手が多くの種目で素晴らしい活躍を見せ、我々に熱い感動と勇気を与えてくれました。自分の才能に甘えることなく、厳しい練習と血のにじむような努力を重ねてきた選手たちは、我々の想像を超える重圧に耐え、その実力をいかんなく発揮しました。 全部本人の努力です。しかし、私はなにも努力していません。地位に甘えているだけです。
ある選手は「色は銅になってしまったけれど、私の人生の中では金以上の経験です。」と笑顔で語りました。しかし、私は「国民は骨になってしまったけれど、私の人生の中ではキムジョンイル以上の経験です。」と笑顔で語りました。
日本の選手ばかりではありません。ブラジルのデ・リマ選手は、マラソンでトップを走っている最中に、予想もしなかった妨害を受けたにもかかわらず、ひるむことなく笑顔で完走しました。その何事にも屈しない力強い精神と明るさは、多くの人々に爽やかな感動を与えました。 しかし私は抵抗勢力の駄駄コネにひるんで笑顔で派閥人事を実行しました。その何事にも屈しないフリをする軽薄精神による政治は、多くの人々にしめやかな生活を与えました。
現在、世界各地で日系人の方々、あるいは青年海外協力隊や企業関係者など多くの日本人が、気候も言葉も生活習慣も異なる厳しい環境の中で活躍しており、現地の人々から信頼と高い評価を受けています。しかし、私はなにもしていません。涙が出ました。
本年の豪雨や台風により甚大な被害を受けた地域では、警察、消防、自衛隊や地元の住民とともに、10万人を超えるボランティアが泥にまみれながら復旧に汗を流しました。私は見ているだけでした。非常事態に際して、若者を始めとして自発的な助け合いの輪が広がっていることは、我が国の将来にとって心強い限りです。 そして私はそのじゃまをしています。
いかなる困難があっても、挫けることなく努力する。そんなことを期待されてもムリです。失敗しても、次の成功への挑戦と受け止める。そんな度量などありません。やればできる。だけど私にはやる気が最初からありません。勇気と誇りを持って、日本の明るい未来を築こうではありませんか、私ぬきで。
国民並びに議員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手。拍手が足りない場合、あらかじめ用意していた拍手と歓声の音声をNHKが流すものとする)

これぐらい素直な演説だと、別な意味で純一郎の評価は高まるかも。
本物の所信表明演説を読みたいという奇特な方はコチラ。

第161回国会における内閣総理大臣所信表明演説 平成16年10月12日
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/10/12syosin.html

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