小ネタ:ディレイ君グッズ販売中
お笑いブッシズム系グッズを見ていたらこんなの発見。
It's The Stupid, Stupid. Jr. Raglan
http://www.cafepress.com/impeachw.12197503
まぁ3回も逮捕歴のある方ですし。それを知ってて投票する国民も国民ですが。
そういえば、森前総理の「バカ田大学」*1というコラージュもあったなぁ。
F*CK BUSH
http://www.cafepress.com/impeachw/503045
定番ですね。日本だとエロ拓という言葉が流通していますが、あれはギャグになっていないからなぁ。*2
Freedom Is On The March
http://www.cafepress.com/impeachw/435244
武器を持ったラインダンサーが自由を与える?
Bring Integrity Back To The House - Without DeLay
下院は良くなるだろう…、ディレイがいなくなることで
http://www.cafepress.com/impeachw/572849
Impeach Bush! T-shirts, Bumper Stickers, and other goodies for progressives
http://www.cafepress.com/impeachw/140601
をっ、ディレイ君がグッズになっているゾ! すげー。
トム・ディレイ下院議員・院内総務(テキサス州選出、共和党)は、アメリカでは結構話題になっている問題の多い議員で、日本で喩えると安倍@タカ派+平沢勝栄@小判ザメ+森前総理@元祖サメ+ハマコー@聞く耳持たぬ+青木@裏総理、って感じの最強議員でしょうか。一言で言うと、「ブッシュの下院の恋人」。
アメリカは三権分立の大統領制国家で、大統領府と議会はそれぞれ独立した公権力…のはずなのですが、ブッシュ大統領就任&9.11事件以降、大統領府と議会が一体化したような状況が生まれている背景には、トム・ディレイ院内総務のような議員がブッシュの目指す国家観を率先して議会で実現しているからだそうです。
たとえば、最近の話題では、"Real ID Act"(「テロの無い現実をつくるための国民番号法」)という法律が話題になりました。
この"Real ID Act"は国民全員に番号をつけて国民の情報管理を一元化し、情報階級社会を実現する制度です。
国民全員に番号をつけ、ひとつのデータベースで管理し、善良な国民と有害な国民に分類して、善良な国民は飛行機に乗れたり政府施設に入場することができるけれど、テロリスト予備軍や犯罪者などの有害な国民は飛行機に乗れなくなる、というシステムをReal ID Actで作るらしいです。
将来、善良な国民は水道を使えて有害な国民は水道が使えない(のでアメリカ以外の国に出ていくか死ぬしかない)といったあたりまで情報管理が進むのかどうかはわかりませんが、そういう国家社会主義的な情報管理も将来選択可能な制度であることは間違いありません。そういう制度作りに貢献したのがディレイ下院院内総務。
アメリカでは、911以降、移民に対する情報管理がかなり進んでいて、アラブ系というだけで権利を剥奪されるケースが続発するなど、かなりひどい状況になっています。以前、NHKの番組で移民差別問題をやっていましたが、夜道を歩いていただけで疑われ、「アラブ系移民のテロリストが水道に毒物を混入させようとした」と警察に密告され、父親が強制送還され、親子が“おしん”のように別れ別れになってしまったということがありました。
全米国民対象の電子IDカードは必要か――「Real ID Act」下院通過で高まる議論 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0502/21/news054.html米下院は共和党が提出した同法案を可決した。同法案が立法化された場合、米国の各州は、2008年以降、連邦政府が定めたテロ対策基準に準拠した運転免許証の発行が義務付けられる。連邦政府職員は同基準に準拠していないライセンスや IDカードを受け付けないため、連邦政府が管理する航空機、国立公園、一部の裁判所などは米国人による利用が制限される可能性がある。
(略)
下院多数派院内総務のTom DeLay下院議員(テキサス州選出、共和党)は、「これらの常識的な改革が2001年に行われていたとしたら、同年の9月11日に発生した同時多発テロを阻止できていただろう。さらに今後も9・11と同様の惨事の発生を防止する上で大いに役立つだろう」と語った。全米国民対象の電子IDカードは必要か――「Real ID Act」下院通過で高まる議論 (2/2)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0502/21/news054_2.html
"Real ID Act"だけでなく、あらゆる法案はいちどディレイ下院院内総務のもとで大統領府と調整され、審議されています。結果的にブッシュ政権に都合の良い法案が次々と作られているということは、つまりそういうこと。
小ネタにしてはちょっと重すぎたか。
関連ログ。
自民党ポスターパロディに自民党が削除圧力
中村敦夫公式サイトのマッド・アマノ作・自民党ポスターパロディに自民党が削除圧力
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040706
米大統領パロディ:AWOL(違法除隊)ブッシュ
パロディと名誉毀損
大統領パロディでCM降板
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040721
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*1:週刊写真雑誌「フライデー」に連載されたマッド・アマノ作の写真パロディコラージュ。マッド・アマノのパロディタイムズ http://www.parody-times.com/ 「新しい歴史狂科書―FOCUS「狂告の時代」’81〜’01」 http://d.hatena.ne.jp/asin/4103981059
*2: エロ拓山崎派雑誌撲滅決起集会 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040321#p2 参考情報 「山崎拓 "変態行為" 懇願テープとおぞましい写真 元愛人の赤裸々手記」 http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040321#p3
資料:「ゲーム脳」関連雑誌論文
- 森昭雄 ゲーム脳--ITがおよぼす影響とコンピュータ労働
学習の友 (618),62-65,2005/2(労働者教育協会 編/学習の友社) *1- 本田克巳 今の若者は"ゲーム脳"に侵されている?
進歩と改革 (631),30-33,2004/7(進歩と改革研究会 〔編〕/進歩と改革研究会)- 森昭雄 記念講演 ゲーム脳の恐怖
月刊生徒指導 34(2 増刊),4-27,2004/1(学事出版) *2- 森昭雄 記念講演 ゲーム脳の恐怖
月刊学校教育相談 18(2 増刊),4-27,2004/1(学校教育相談研究所 編/ほんの森出版) *3- 清川輝基 放っておいたら、人類的危機 転倒癖、体温不安定、ゲーム脳……小さな身体に大きな異変
婦人公論 88(23 1143),42-44,2003/12/7(中央公論新社) *4- 森昭雄 少年非行とゲーム脳の見えにくい関係
月刊生徒指導 33(13),41-43,2003/11(学事出版)- 草薙厚子 わが子を「犯罪者」にしないための「ゲーム脳」研究(3)米国の「ゲーム格付け」は日本よりもっと厳しい
週刊文春 45(42 2250),161-163,2003/10/30(文芸春秋 〔編〕/文芸春秋)- 草薙厚子 わが子を「犯罪者」にしないための「ゲーム脳」研究(2)世界初の一千人調査が証明したゲームと少年犯罪の深い関係
週刊文春 45(41 2249),162-164,2003/10/23(文芸春秋 〔編〕/文芸春秋)- 草薙厚子 わが子を「犯罪者」にしないための「ゲーム脳」研究(1)子供に買ってはいけないゲームソフト--禁断のデータ 調査機関の格付けリスト公開!
週刊文春 45(40 2248),152-155,2003/10/16(文芸春秋 〔編〕/文芸春秋)- 草薙厚子 ゲーム脳と少年犯罪の深い関係
週刊文春 45(29 2237),35-37,2003/7/24(文芸春秋 〔編〕/文芸春秋)- 七海陽 メディアと子どもをめぐる研究リテラシー--ゲーム脳仮説が浮き彫りにした新たな課題
月刊民放 33(6 384),28-33,2003/6(日本民間放送連盟 編/コ-ケン出版)- 森昭雄 ゲーム脳と集中する力
児童心理 57(5 784),489-495,2003/4(児童研究会 編/金子書房)- 秋本宏 子供を「ゲーム脳」から守る 我が家のテレビゲーム対処法
週刊読売 62(10 2857),103-105,2003/3/9(読売新聞社 〔編〕/読売新聞社)- 久道健三 最新科学を読み解く(32)"ゲーム脳"改善にと試してみたお手玉の意外な効果
週刊ダイヤモンド 90(45 3959),154-155,2002/11/23(ダイヤモンド社 〔編〕/ダイヤモンド社)- 大反響第3弾 テレビゲームのやりすぎで子どもが若年性痴呆になる あなたの子どもは「ゲーム脳」予備軍だ!
週刊文春 44(39 2197),46-49,2002/10/10(文芸春秋 〔編〕/文芸春秋)- 布施英利 本のエッセンス 書評 『ゲーム脳の恐怖』森昭雄著--議論のサカナとしてお勧め
現代 36(10),311-313,2002/10(講談社)
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ゲーム脳問題は脳の問題ではない(1)
最近の注目論考を三つ紹介。
ゲーム脳問題最終報告 〜最後に最大のネタを用意していてくれた森教授よ さようなら〜
※森論文の原文を参照して検証した論考
http://blog.drecom.jp/scheisse/archive/91
伝染するゲーム脳
http://www.journalistcourse.net/blog/archives/2004/12/post_5.html
俗流若者論という視点
http://kgotooffice.cocolog-nifty.com/kgotolabo/2005/03/post_10.html
http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0506/01/news033.html
http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0506/01/news033_2.html
前述した論考「伝染するゲーム脳」は、「ゲーム脳問題」は脳の問題ではないという大きな問題を提起しています。
「ゲーム脳問題最終報告」では、論文自体がかなりヒドイものであることを紹介するとともに、論文が発表された「日本健康行動科学会」という団体の役員は、みんな森教授と同じ病院関係者や大学関係者だということも紹介されています。
つまり、一般の学術団体で様々な学者から第三者的視点で検証され認められた学問ではなくて、論文を発表している人と論文を評価する団体が同一。ジサクジエーンに限りなく近い。中身の無い“科学的権威”と言うよりありません。
ではなぜ、そんな「論文」がこれほど注目されているのか。
結論を先に書くと、私たちからは見えない場所で森教授とはべつの第三者が「ゲーム脳の恐怖」という出版物を起点としたメディア戦略をコーディネイトしているから、ではないかと。
森教授の珍科学が原因というより、それを政治的・商業的に利用しようとしているのかどうかは不明ですが、何者かが森教授とは別な動機で珍科学の“科学的権威”を利用し、メディア露出を深めているから、社会に珍科学が権威として広まっている。
喩えるなら、森教授は神輿(みこし)であって、神輿をかついでいる人がいるから、みんながそれを見てヤイノヤイノと騒いでいる、という構図があるのではないかと思うわけです。
神輿は森教授だけではありません。前述した「伝染するゲーム脳」で紹介されているように、「NHK出版」*1もそうです。
あの「日本大学の教授」である森昭雄という人間が、あの天下の「NHK」出版から出した本であるという権威性は、人々の頭から疑問符を払拭し、それを信用に足る本であると鵜呑みにさせた。
森教授やNHK出版自身がメディアコーディネイトをしている可能性もありますが、珍学説を出すような人がメディアコーディネイトの能力があるとは思えませんし、NHK出版関係者がゲーム脳学説を肯定的に紹介した「週刊文春」などの雑誌メディアやゲーム脳特集を放送し続ける「テレビ朝日」に影響力があるとも思えません。彼らは、メディアに影響力のある、別な何者かがメディアコーディネイトに利用されていると考えるのが自然です。
では、その何者かとはいったい誰なのか。それはどのような動機なのか。なぜそんな動機を持ったのか。
「ゲーム脳問題は脳の問題ではない(2)」に続く。
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