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Re-anger主催(キタノ)北の系2005

20050616 松文館事件:高裁でも不当判決

松文館事件:高裁でも不当判決

2005年6月16日、東京高裁で、「わいせつ」ではない“絵”(実在しない人物を描いた架空描写)を描いて販売した漫画創作者と出版経営者を冤罪に陥れた「松文館事件」の判決公判がありました。

有罪ですので、まぁ負けといえば負けでしょうね。判決文を細かく検証すればおそらく地裁判決と比較すれば意義ある部分もあるのでしょうが、結論としては罪無き人を処罰する不法不当な冤罪判決でしょう。

被告人の故意の認識について、有罪判決を下した裁判所は、被告人は自白したと判断しました。

しかし事実は違います。裁判所は「調書の信頼性」の事実判断を誤っています。

拘束された被告人は、「わいせつであることを知っていた」という内容を含む調書にサインしました。サインした理由は釈放されなければ経営が破綻して大勢の社員や漫画家をまきこむことになると考えたから「わいせつと認識していた」との調書にサインしたのです。わいせつであったと思っていたから調書にサインしたのではありません。その事実は、法廷証言でも明らかでした。

もしこんな判断が認められるのであれば、漫画家や出版経営者がわいせつ罪で逮捕されたら、否認して倒産するか、自白して有罪を受けるかの、“不利益の二者選択”しか選択肢が無くなります。不利益を回避するためには、大金持ち以外は、警察の言うまま表現内容を修正したり出版を差止めなければなりません。

ですから「自白の真実性」を認めた東京高裁裁判官は、表現の自由を制限する警察の暴走を増長させかねない致命的な判断ミスを犯したと思われます。

上告するかどうかは被告人の判断ですが、上告するのであれば被告人の判断を支持するとともにひきつづき応援したいと思います。

 

以下、担当弁護人の報告。

 

■弁護士山口貴士大いに語る

松文館事件判決

http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2005/06/post_1028.html

主文:原判決を破棄する。被告人を罰金150万円に処する。

(第1震判決 懲役1年 執行猶予3年)

懲役刑から罰金刑に減刑されました。

(憲法違反の論点)

刑法175条*1は、憲法21条*2に反しない。

仮に、知る権利を侵害する結果となっても知る権利を侵害しない。*3

憲法31条の明確性の原則*4に反しない。

「蜜室」のわいせつ性を警視庁が判断した過程*5に問題はない。

(刑法175条違反の判断について)

四畳半判決の基準は、文書だけではなく、絵にも適用できる。

わいせつの判断基準を変更するべき理由はない。*6

裁判所によるわいせつの基準となる社会通念の判断は規範的な判断である*7が、その判断に際し、社会における性的な出版物の流通状況を考慮することは許される。

マンガの性的刺激は一般的には実写より弱い。しかしながら、本件マンガ本には具体的かつ詳細に性交性戯場面を描写しており、「わいせつ」である。*8

一定の思想や意識を読み取ることは困難であるから*9、性的刺激を緩和するようなものではない。

思想性・芸術性の判断要素について初めて判示した。

(故意の認識について)

警察における取調べの際の調書にしたがって、「わいせつ」性の認識を認めた。

警察における取調べの実情を反映していない判決である。

(ゾーニングについて)

ビニール梱包、成年コミックとの表示をしていたことについては、一定の評価をしつつも、判断には影響しない。((「成年コミック」の表示は、その漫画が「わいせつ」ではないという前提のもとで表示されています。つまり、成年向けだけれどわいせつではないと判断したから成年コミックとの表示がつけられたわけで。仮にわいせつな漫画があれば、そもそも販売されません。

))

(量刑について)

わいせつ性の程度も量刑要素として考慮すべき。

「蜜室」のわいせつ性は、実写表現と比べると弱い。

 

流対協が声明を出しています。

 

■出版流通対策協議会(流対協)

http://www.netlaputa.ne.jp/~ryuutai/

松文館裁判、控訴棄却・有罪判決に抗議する

http://www.netlaputa.ne.jp/~ryuutai/top_contests.htm

2005年6月16日

6月16日、東京高裁(田尾健二郎裁判長)はわいせつ図画頒布の罪に問われていた松文館貴志元則さんに対して、再度有罪判決を下した。

摘発されたコミック『蜜室』は、成年マークを表紙に印刷し18歳未満への販売を自主規制し、業界ルールに従いビニールでくるむなどのゾーニング販売していた図書で、一般的に店頭に並べて販売していたものではない。また他の書籍との相対的な関係からみて「わいせつ」とは言い難い。本書をわいせつ物として摘発したこと自体が異常である。

また、警察は社長・編集長・漫画家を逮捕し、長期に及ぶ接見禁止をつけて、代用監獄で「自白」を強要し、罪に陥れたのである。

また、わいせつ物頒布を処罰する刑法175条は明らかに違憲である。あらゆる表現は自由であり、表現の規制は人間性の否定である。その表現が、差別や教唆によって人を傷つける場合、人権を守る立場からのみ他の法律で訴追されることはありうるが、公権力がわいせつの基準を判断し刑を科すことは誤りである。出版するしないは版元の、買う買わないは読者の手にゆだねられ、社会によって淘汰されるべきだ。権力が出版を管理し、規制しようというのは根本的に間違っている。

わたしたち出版流通対策協議会はこの有罪判決に抗議する。

 

マスコミの報道など。

 

Googleニュース検索「わいせつ」

http://tinyurl.com/9rbg5

Yahoo!ニュース検索「わいせつ」

http://nsearch.yahoo.co.jp/bin/search?p=%A4%EF%A4%A4%A4%BB%A4%C4&st=n

漫画のわいせつ性めぐる裁判、二審も有罪 罰金刑に(朝日)

http://www.asahi.com/national/update/0616/TKY200506160084.html

成人漫画販売、高裁は罰金 (共同通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050616-00000148-kyodo-soci

http://www.shizushin.com/national_social/2005061601001305.htm

http://www.sanyo.oni.co.jp/newspack/20050616/20050616010013051.html

http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=CN2005061601001305&gid=G06

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2005061601001305_National.html

http://www4.oita-press.co.jp/news.cgi?D=CN20050616&ID=CN2005061601001305.1.N.20050616T130135&J=National&UP=20050616T130135

http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20050616010013051.asp

http://www.kahoku.co.jp/news/2005/06/2005061601001305.htm

http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack.cgi?national+CN2005061601001305_1

http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.NewsPack.npnews?newsid=2005061601001305&genre=national

http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050616000254

http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-050616-0005.html

男女の性交場面などを描いたコミック本「蜜室(みっしつ)」を販売したとして、わいせつ図画頒布の罪に問われた出版社「松文館」(東京)社長貴志元則被告(56)の控訴審判決で、東京高裁は16日、懲役1年、執行猶予3年の1審東京地裁判決を破棄、罰金150万円を言い渡した。

判決理由で田尾健二郎裁判長は1審同様、コミック本がわいせつ物に当たると判断した上で「DVDなどの実写表現物に比べ、わいせつ性に相当の差がある。懲役刑は重すぎる」と述べた。

成人向け漫画をめぐっては、これまで作者らが摘発され、略式命令で有罪が確定した例はあるが、裁判で刑法175条が規定するわいせつ図画に当たるかどうかが争われたのは初めて。

わいせつ漫画: 「懲役刑は重過ぎる」と罰金刑に 東京高裁 毎日新聞

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050616k0000e040040000c.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050616-00000033-mai-soci

わいせつ漫画:

「懲役刑は重過ぎる」と罰金刑に 東京高裁

 露骨に性描写した漫画を出版したとして、刑法のわいせつ図画頒布罪に問われた出版社「松文館」(東京都豊島区)社長、貴志元則被告(56)に対し、東京高裁は16日、懲役1年、執行猶予3年の東京地裁判決(04年1月)を破棄し、罰金150万円に減刑する判決を言い渡した。田尾健二郎裁判長は「漫画のわいせつ性は実写に比べて相当開きがあり、懲役刑は重過ぎる」と述べた。漫画がわいせつ図画にあたるかどうかが初めて争われた事件は、2審も有罪判決となった。被告側は上告する方針。

問題とされたのは、全編の3分の2が性器や性交などを描写した成人向け単行本「蜜室(みっしつ)」(1冊920円)。弁護側は▽思想信条や表現の自由を定めた憲法に違反する▽実写に比べ性的な刺激は小さくわいせつと言えない−−などと無罪主張していた。

判決は「わいせつ図画頒布罪は、特定の価値判断や道徳観念を強制し、心の活動を侵害するものではなく、憲法に違反しない」との判例を踏襲。「性交などの場面が露骨で詳細に描かれており、芸術性があるともいえず、わいせつ物と認められる」と指摘した。

判決によると、貴志被告は02年4月、同社編集局長と漫画家=ともに罰金50万円が確定=と共謀し、「蜜室」約2万冊を16店に卸した。【武本光政】

成人漫画販売、高裁は罰金 1審の猶予判決を破棄 (時事通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050616-00000029-jij-soci

http://www4.oita-press.co.jp/news.cgi?D=CN20050616&ID=CN2005061601000668.1.N.20050616T104940&J=National&UP=20050616T104940

http://www.minyu-net.com/news/2005061601000668.html

http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20050616010006681.asp

http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/229973011.html

http://www.shizushin.com/national_social/2005061601000668.htm

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2005061601000668_National.html

http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack.cgi?national+CN2005061601000668_1

http://www.kobe-np.co.jp/kyodonews/news/00012343kd200507161000.shtml

http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=CN2005061601000668&gid=G06

http://www.shikoku-np.co.jp/news/news.aspx?id=20050616000170

http://kumanichi.com/news/kyodo/social/200506/20050616000139.htm

http://www.sanyo.oni.co.jp/newspack/20050616/20050616010006681.html

http://www.kahoku.co.jp/news/2005/06/2005061601000668.htm

http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.NewsPack.npnews?newsid=2005061601000668&genre=national

男女の性交場面などを描いたコミック本を販売したとして、わいせつ図画頒布の罪に問われた出版社「松文館」(東京)社長貴志元則被告(56)の控訴審判決公判で、東京高裁の田尾健二郎裁判長は16日、懲役1年、執行猶予3年の1審東京地裁判決を破棄、罰金150万円を言い渡した。  成人向け漫画をめぐっては、これまで作者らが摘発され、略式命令で有罪が確定した例はあるが、裁判で刑法175条が規定するわいせつ図画に当たるかどうかが争われたのは初めて。  1審判決などによると、貴志被告は専属契約している漫画家(罰金50万円が確定)らと共謀。2002年4月、性器や性交場面などを露骨に描写したコミック本約2万冊を書籍取次店など計16社に頒布した。

実写物とはわいせつ性に差 東京高裁

http://www.373news.com/context.php?id=FN2005061601000606&genre=General

http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=FN2005061601000606&gid=F01

コミック本販売でわいせつ図画頒布罪に問われた貴志元則被告の判決で、東京高裁は「DVDなどの実写表現物に比べると、わいせつ性に相当の差がある」と罰金刑の理由を述べた。

成人漫画販売に罰金 東京高裁

http://www.373news.com/context.php?id=FN2005061601000550&genre=General

http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=FN2005061601000550&gid=F01

実写よりわいせつ性低い…漫画本の「性描写」に罰金刑 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050616i505.htm

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050616-00000505-yom-soci

「わいせつ」漫画出版社社長、2審は罰金刑に減刑 日本経済新聞

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050616AT1G1600H16062005.html

ネットの有害情報規制論が浮上、問われる企業姿勢

↑なんじゃこの記事は

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20050616AT1D1509K15062005.html

 

地裁の判決はこちら。

 

松文館裁判一審判決文

http://picnic.to/%7Eami/news/etc/040122hanketsu.txt

 

参考リンク。

 

■松文館裁判

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/9018/shoubun-index.html

■松文館裁判傍聴録

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm

東京高等裁判所

初公判(2004-09/14)

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm#matu14

第二回公判(2004-10/26)

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm#matu15

第三回公判(2004-12/09)

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm#matu16

第四回公判(2005-02/17)

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm#matu17

第六回公判(2005-06/16)

二審判決

http://www87.sakura.ne.jp/%7Ecou/matu.htm#matu18

貴志社長のコメントの概要。

一審判決の懲役1年3年の執行猶予、そして逮捕以来の2年半は長い。漫画家も怖がり、消しも大きくなり、銀行からの融資も厳しくなった。一人ならばいくらでも戦えるが従業員のいる会社社長の身、戦うのは苦しい。そんな中、みなさんのご支援を受けここまでこれました。ありがとうございます。無罪でないのは当然残念だが現実問題として懲役刑で無くなったのは、正直ホッとしています。

 基本的には最高裁まで争う気持ちはあるのだが、色々会社経営の事情もあり現在の所上告するかは検討中、融資先を回ったりしてこれから考えます。

 

二審になってやっと裁判の形をなしてきた判決となりました。

故意の認識。警察内の資料、ワイセツ物取り締まり要綱にある業者からの内容の是非に対する質問は一切受け付けない(殺人などは別ですが意図的でないものは刑事罰にはならない)。辺りはスルー(認めれば検閲の薦めだし、認めないとどこが基準か分からない? 175条の実際的な一番の問題点)されてしまったが、高裁までは事実認定の場。その場でゾーニングを今の現実、事実として認められた事は大きく、表現裁判としてやっと一歩踏み出せました。

ゾーニング論は、一定の評価があったようですが、結果的には裁判所の有罪判決を変えることはできませんでした。

ゾーニング論や自主規制戦術の妥当性について、その肯定的な見方を転換させる必要があると思います。ゾーニングでは規制に対抗できないし、自主規制しても自由の確保にはつながらない。今日の有罪判決がそれを証明したのです。

 

ならば、もうそんな意味の無い自主規制はやめてしまおうじゃありませんか。

公権力が自主規制を評価しないなら、やめてしまいましょう。

 

非常識な法適用が裁判で肯定されつづけ、法と現実の乖離が避けられないのなら、むしろその乖離を広げて実力で法を無効化させるという方法論も、私たちは真剣に考えなければならないように思います。

それ以外に表現の自由を確保する具体的な方法があれば是非提案していただきたいし、議論したいと思いますが、そういう具体的な提案が規制する側もされる側からも無いあたりに、問題の深刻さがあるように私には感じられます。

 

■松文館(アダルトページ)

http://www.shobunkan.com/

「わいせつコミック」裁判―松文館事件の全貌 (道出版/著者:長岡善幸)

http://www.shobunkan.com/michi/4-86086-011-X.html

■復刊リクエスト投票

http://www.fukkan.com/

No.12639 蜜室

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=12639

交渉情報

http://www.fukkan.com/bookhist.php3?no=12639

交渉情報入力日 2003/07/28 09:54:15 交渉方法 未記入

交渉情報追加

出版社より返事をいただきました。復刊ドットコムでは、交渉中の状態としておきます。

「わいせつ物と指摘された「密室」の復刊をこれ程多くの方々が希望されていると知りとても心強く感じております。皆様の声援を背景に勝訴を勝ち取り再び出版出来るよう鋭意努力致したいと思っております。 松文館」

関連ログ。

 

松文館裁判控訴審:公判記録

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050227

松文館事件控訴審:ちばてつや証人が証言

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050221

報道資料/松文館事件一審「冤罪」判決

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020357.html

───────────

*1: 刑法 「第百七十五条  わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。 」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

*2:日本国憲法 「第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 ○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。 」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

*3「仮に、知る権利を侵害する結果となっても知る権利を侵害しない。」って何なんですか!!!! (。_゜) 思わず笑いました。判決文を読んでみないとなんともコメントのしようがありませんが、裁判官は何を考えているんでしょうかねぇ。

*4:日本国憲法 「第三十一条  何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html 「わいせつ」が具体的に何を指すのかについて判断する客観的で具体的な基準を一切明示せず、国民の議論も法廷上でもわかれているのに、なぜ「明確性」があると言えるのか不明です。たとえば「外陰部の形状を撮影した写真においてスクリーントーンによる消しの濃度が20パーセント未満のものはわいせつである」という具合に具体的なら、客観的かつ具体的かつ限定的だと思いますが、「わいせつ」という言葉はそこまで客観的かつ具体的かつ限定的ではありません。

*5:「のわいせつ性を警視庁が判断した過程に問題はない」と判断したようですが、警察はわいせつ罪適用要綱の法廷での公開を最後まで拒否しました。国民が納得できるような「わいせつ性を警視庁が判断した過程」を示す証拠は法廷で出ていなかったはずですか、なぜ「問題はない」のでしょうが理解できません。

*6:現在の「わいせつ罪」というのは、1880年(明治13年)に作られた太政官公布36号の当時の条文からまったく変っていません。江戸時代がおわって間もない頃の政治、社会、情報、宗教、性意識などを前提に作られた条文を、インターネットが普及した2005年の現代でそのまま適用するというのは、常識的に考えておかしいのではないではありませんか。裁判官の頭の中が江戸時代のまま判決を出したということでしょうか。

*7:「わいせつの基準となる社会通念の判断は規範的な判断」は、裁判官の個人的な宗教観、裁判官の個人的な思想、裁判官の個人的な不快感情、裁判官の個人的な漫画リテラシーに依存し、科学的で客観的な基準を根拠としていません。結局、絵の「好き嫌い」で罪の是非を論じているという点では、一審判決と大差無いのではないでしょうか。

*8:「具体的かつ詳細に性交性戯場面」がわいせつだっていう意見には、私は賛成できないですね。だって、所詮は絵でしょ。もちろん、「具体的かつ詳細に性交性戯場面」があれば常に興奮する人はいるかもしれませんが、絵柄や、ストーリーや、キャラクターによっては興奮しない人もいるわけです。凌辱系にしか興奮しない人は、肉感的なキャラの和姦描写中心の「蜜室」では興奮しないよという人もいるわけです。たまたま裁判官が「蜜室」に興奮したからといって(笑)、国民すべてが興奮するわけではない事実は、裁判の証言でも明らかになっていたはずです。

*9「一定の思想や意識を読み取ることは困難」という判断はひどすぎますね。裁判官は罪に問われた漫画「蜜室」をまともに読んでいないか、漫画を読み解く能力(漫画リテラシー)に欠けていると考えざるを得ません。


 

疑うことをやめること。
それがもっとも真実から遠い行為だ。

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