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判断ではなく、情報源が善悪を決定する。
Re-anger主催(キタノ)北の系2005

20050628 資料:厚労省の自殺統計

資料:厚生労働省の自殺統計

 

有害情報規制の議論で、インターネットの情報が自殺を誘発するとの前提での議論があったようなので、関連情報を確認しておきます。

 

小渕内閣以降(公明党が与党に合流したあたりから)自殺は増え、森、小泉内閣で増えています。

自殺死亡率も増えています。男性は1970年頃と比較すると約2倍自殺死亡率が増えています。

2003年の自殺死亡者数は32019人。毎日88人が死んでます。自殺未遂は既遂の20倍以上はいるとされるので、毎日2000人が自殺に着手していることになります。しかし、その大半がネットの影響を受けたとの証拠はなにも発見されていません。

 

厚生労働省

自殺死亡統計の概況 人口動態統計特殊報告

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/index.html

図1 自殺死亡数の年次推移

図2 総死亡率及び自殺死亡率の年次推移

 

最近の自殺の特徴は50歳代に自殺死亡率の山がある点です。働き盛りの人の絶望が深まっているようです。自殺率が大きく増えているのは男性で、女性も増えていますが男性ほどではありません。自殺が失業や労働条件など性役割と関連していることを示唆しています。

死亡順位で見ると、20歳以上45歳未満の人の死亡原因第一位が自殺です。

 

3. 年齢別にみた自殺

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/3.html

図3 性・年齢(5歳階級)別自殺死亡率の年次比較

 

表4 性・年齢(5歳階級)別総死亡数に占める自殺死亡数の割合・死因順位

−平成15年−

年齢階級 総数
割合(%) 死因順位 割合(%) 死因順位 割合(%) 死因順位
総数 3.2 6 4.2 6 1.9 8
             
 10〜14歳 9.7 3 8.5 4 11.2 3
 15〜19 23.6 2 21.5 2 28.1 1
 20〜24 36.9 1 36.4 1 38.0 1
 25〜29 40.8 1 41.6 1 38.9 1
             
 30〜34 36.1 1 38.9 1 30.2 1
 35〜39 28.9 1 32.8 1 21.5 2
 40〜44 22.6 2 27.1 1 13.3 2
 45〜49 16.3 2 19.7 2 9.2 2
             
 50〜54 11.7 3 13.8 3 7.0 4
 55〜59 8.8 4 10.1 3 5.7 4
 60〜64 5.2 4 5.7 4 4.3 4
 65〜69 3.0 6 3.0 6 3.0 6
             
 70〜74 1.6 7 1.4 8 1.8 7
 75〜79 0.9 12 0.8 12 1.0 11
 80〜84 0.6 14 0.6 14 0.6 16
 85〜89 0.4 17 0.5 16 0.4 20
 90〜 0.2 21 0.3 19 0.2 27
             
 (再)65歳〜 0.9 12 1.1 12 0.8 15

注:1) 割合はそれぞれ年齢階級別総死亡数を100として算出した。
2) 「総数」には5〜9歳及び年齢不詳を含む。

 

図4 性・特定年齢別自殺死亡率(人口10万対)の年次推移

男性

女性

 

3月から5月にかけて自殺の発生のピークがあります。季節の変わり目に自殺動機が増えます。

自分が置かれた立場の変化や状況の変化を自分の中で消化しきれないことが、自殺動機が高めているのかもしれません。

 

5. 月別にみた自殺

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/5.html

図7 死亡月別1日平均自殺死亡数の年次推移

 

自殺の手段ですが、昔は薬物が多くて45%ぐらいだった時期もありましたが、今は3%程度しかありません。昔の自殺報道を知っていて最近の自殺状況を知らない人は、「青酸カリがネットで売られているから悪いんだ」などとあり得ないような状況を想定してインターネットを批判しているケースもあるので要注意です。

平成15年の統計では、男性女性とも全年齢に渡って首吊り自殺が一番多いです。自殺の手段が自殺を促しているのならロープやひもの販売を禁じるべきだ。(笑)

女性は10歳代から40歳代ぐらいまでは、飛び降りや飛びこみがやや多い。男性も10歳代から20歳代までの若年層は飛び降りが多いです。男性は20歳代から50歳代にかけてガス自殺が多いです。男女とも高齢になればなるほど首吊りが多くなります。

若い人は飛び降り、男性の30歳前後はガス、高齢になると首吊り、という感じです。最近の傾向としては、ガス自殺が増加傾向です。

 

7. 手段別にみた自殺

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/6.html

図9 性・手段別自殺死亡数構成割合の年次比較

男性

女性

図10 性・年齢(10歳階級)・手段別自殺死亡数構成割合 −平成15年−

男性

女性

 

海外の自殺統計。統計の調査方法が異なるので単純に比較できませんが*1、日本の自殺は他国と比較しても高い状況になっています。日本の統計が控えめに出ていることを考えると、自殺先進国と言っても良い状況。

日本の女性の自殺率はハンガリーを抜いて世界一にならんとしています。男性も他の先進国と比較すると高い。

 

11. 諸外国の自殺死亡率

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/11.html

図13 性・年齢階級(10歳階級)別自殺死亡率(人口10万対)の国際比較

男性

女性

図14 性別自殺死亡率(人口10万対)の年次推移の国際比較

男性

女性

 

参考までに、本川裕氏によるWHOの自殺統計グラフ&自殺率世界マップを紹介しておきます。

失業率が高い国、寒冷な国、政治体制が変動している国、価値観が大きく変化した国は自殺率が高くなる傾向があります。

 

自殺率の国際比較

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2770.html

 

自殺の動機については、自殺者の三分の二が遺書が無いため分析が難しいです。が、遺書を残している人の遺書の分析からある程度の傾向はわかります。

遺書を残している人のうち約半分が経済苦。三分の一が病気や看護など。経済問題では40〜50代が深刻化しています。

 

警察庁生活安全局地域課「自殺の概要」

参考表 性・年齢・原因・動機別自殺者数 −平成15年−

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/16.html#5

「平成16年中における自殺の概要資料」 [H17.6.3 掲載]

http://www.npa.go.jp/toukei/chiiki5/jisatu.pdf

「平成16年中における自殺の概要資料」よりグラク作成。

自殺の動機(遺書無しを含む)

自殺の動機(遺書無しを除く)

自殺の動機別年齢層比較

自殺者の社会層別自殺者数推移比較

 

上記「自殺者の社会層別自殺者数推移比較」グラフをみてわかる通り、無職者の自殺者数が他の人たちの自殺者数よりもずっと多くなっている状況で、しかも近年はその傾向が強まっているように見えます。やはり失業でしょうか。

企業の経営体質の改善と好景気は、リストラによって作られたものであるとの批判があります。大量に首を切り、残された社員には「おまえらも言うことをきかないとリストラされるぞ」と脅して服従と重労働を求めた結果として、企業の利益が出ている。労働者や生活者の人権環境は確実に悪化しています。

 

警察統計では無職者と被雇用者が自殺の上位を占めていることから、失業が自殺と高い相関関係があることが推測されていますが、失業者数との推移比較ではさらにその相関関係が明確になっています。

 

失業者数と自殺数の月次推移

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2740.html

 

単純に自殺の原因を説明することはできません。しかし、ここまで見れば、なにが自殺を増やしているのかは、かなり想像がつきます。

インターネットが有害だから自殺が増えているだって? バカも休み休み言え。

 

 

自殺報道関連言及ブログ。

厚生労働行政の矛盾の激化は、やはり政治の責任だと思います。

 

優先順位はどうなっているか

http://blog.livedoor.jp/aonor798876/archives/26662534.html

うつ病対策で目標3割減

http://d.hatena.ne.jp/syulululu/20050627#p1

これを読んで、いったいなんと欺瞞的なことを行うものだと頭にきてしまう。自殺者をほんとに減らしたいのであればまずは失業率をどうにかするべきであるし、リストラされた中高年のためのセーフティネットを作っていくことが短期的には最も効果的なものであろう。

(略)

象徴的なのが「精神保健法第32条」*2の改悪の問題である。現在、指定の医療機関において精神病であるという診断を受けたならば、医療費の95%を国が負担してくれるということを精神保健法の32条は規定している。他の身体的な病気とは違って、精神病の場合だけが特別な補助を受けられるということをいぶかしく思う向きもあるかもしれないが、精神病、特に重い鬱病は勤労意欲を完全に奪い去ってしまうため、失業し、健康保険が使えなくなってしまうという場合が非常に多い。それへの救済措置として、32条は重要な役割を果たしてきた。

だが、精神障害者の「自立」の名の下になされる財政緊縮で、32条の制度自体が危殆に瀕することになった。*3 今後の制度運用がどんなふうなものになっていくかはまだ不透明な部分もあるのだが、まず負担料の値上げと認可基準の厳格化は間違いない。よほど重い統合失調症などのみが対象となり、鬱病ではもはやいくら重篤なものでも認められなくなるだろうと言われている。最悪の場合、健康保険の使えない鬱病患者は医療費全額負担ということになりかねない。そうなれば通院することそのものが不可能になってしまう場合が出てくるし、少なくとも通院への敷居を上げてしまうことは間違いない。十分な診療がえられなくなったならば、悲しいことに自殺に至ってしまう患者が増えることは容易に予測できることである。

http://blog.livedoor.jp/gacha_ping/archives/26666058.htm

http://ansu-kasukabe.ameblo.jp/entry-f91d483e39d6714a71025c977be28803.htmll

需要があるからサイトが出現する。元から需要を減らせばサイトは自然消滅する

http://d.hatena.ne.jp/minap/20050629#n3

日本一自殺率の低い徳島

http://blog.livedoor.jp/teruentes/archives/26629075.html

厚労省が自殺防止会議

http://hasemana.cocolog-nifty.com/main/2005/06/post_a839_4.html

http://blog.livedoor.jp/tonrac/archives/24742302.html

自殺者7年連続年間3万人台

http://antonin.exblog.jp/2882662

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オマケのリンク。

暗い日曜日」の音源。

 

歌 Damia

作詞:Jean Mareze et Francois-Eugene Gonda

作曲:Seress Rezs

Sombre dimanche(暗い日曜日)1933年

http://www.akzt35.photoshot.com/SombreDimanche.wma

 

1933年ヒトラー内閣が樹立した年でしたね。

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関連ログ。

 

自殺者数過去最多の3万4千人:「悲観せず頑張れ」純一郎談

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20040729

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*1:特にハンガリー。原因不明の溺死や凍死は、日本では「死因不明」分類になりますが自殺項目に含めてしまう国もあります。

*2: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO123.html

*3:精神保健福祉法32条、見直し反対プロジェクト グループ「患者と現場の声」http://www.geocities.jp/project32c/ 32条通院医療費公費負担の事務取扱について厚生省公衆衛生局長通達 : PDF版(1.6MB) http://www.geocities.jp/project32c/32hantei_tsutatsu.pdf

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