集団的熱狂はなぜ起こるのか

森永卓郎氏が「マガジン9条」で「集団的熱狂はなぜ起こるのか」という文を書いています。これは簡潔でわかりやすい。
 

■マガジン9条
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森永卓郎戦争と平和講座
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集団的熱狂はなぜ起こるのか
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例えば、小泉総理の政治手法とカルト性の強い宗教の手法には、共通点が多くみられます。まず、カルト性の強い宗教がどのような特徴を持っているのかを整理しましょう。
第一は、カリスマの存在です。カルト教団で分権型の組織になっているところは、まず存在しません。大抵の場合、教祖が圧倒的な権力を手にしており、教祖に逆らうことは許されないのです。
第二は、恐怖による支配です。万が一、教祖に背いた者は、その後、回復できないほど厳しい懲罰を受けるのです。
第三は、厳しい修行の強制です。崇高な目的の達成のためには、精神的、肉体的に厳しい修行を行うことを信者は求められます。この修行のなかには、多額の資金を教団に寄付することも含まれます。そんなことをさせると、信者が離れて行くと思われるかもしれません。しかし、それは逆です。人間というのは、ひどい目にあわされ、金を貢げば貢ぐほど、その相手に夢中になって行く性を持っているのです。
第四は、情報の遮断です。外界からの情報にできるだけ触れさせないようにすることで、冷静な判断をさせないようにするのです。
(略)
陶酔的熱狂は、一度発生するとなかなか収まりません。1930年代のときも、それが終わったのは、戦争で大量の人命が失われ、国富が大きく失われた後でした。
残念ながら、私にはいまの日本が満州事変へと暴走していったその時期と重なって見えて仕方がないのです。

 
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