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判断は情報に依存する。
ゆえに情報源の不正は不公正な判断を導く。
判断ではなく、情報源が善悪を決定する。
Re-anger主催(キタノ)北の系2005

20060330 奈良県少年補導に関する条例成立

奈良県少年補導に関する条例成立(1)

奈良県少年補導条例を取り巻く事象・人物関係図

2006年3月24日、県議会本会議において、自民公明の賛成多数で「奈良県少年補導に関する条例案」は可決成立しました。奈良県には「警察の権限拡大で非行が防止できるのか」と全国から強い批判が寄せられていました。

奈良県少年補導に関する条例の制定により、少年の「有害図書類を所持する行為」や「インターネットを利用し有害サイトを閲覧する行為」や「無断外泊」などの犯罪とまではいえない行為は「不良行為」とみなされ、不良行為少年を発見した奈良県民は少年に「やめろ!」と注意する条例上の義務が発生することになります。

何が「有害サイト」なのかを判定する有害性の客観判定基準は存在しません。子どもを注意するオトナの主観・気分次第でどうにでも少年たちを追い詰めることができるなど、条例は規範性に欠けた無法な法として施行される可能性が指摘されます。

ちなみに補導対象となる「有害図書類を所持する行為」は、どこで所持しているかという“場所”の限定されていないので、自宅の自室で“所持”していても警察官は補導のための権限(指導・連絡)を行使できます。自室で「有害サイト」を閲覧している場合も、警察官は補導権限を行使できます。

「不良少年」とみなされ、補導される子どもたちは、連絡→退学などの不利益を恐れて「不良行為」をした事実を隠そうとすることします。なので、子どもを保護する前提となる子どもからの通報・証言を得られなくなる可能性があります。

たとえば、「不良行為」のひとつである「性向類似行為」については、「デートしておじさんにキスしてくれたら千円あげるよ」などと言われてキスした少女は条例上「不良少年」となり、注意・指導・通報対象となります。

児ポ法*1では、金品を介して性向類似行為を児童にさせた大人を犯罪者として処罰することになっていますが、少女(少年)は通常処罰されないことになっています。児ポ法の目的はあくまでも児童の人権擁護であるという原則があるからです。だから子どもは児ポ法では「被害者」として扱われ、少女(少年)は通常罰せられることを恐れる必要は無く、通報したり犯罪事実を供述できます。

しかし、奈良県の補導条例は補導という形で子どもにある種のペナルティを与えることになります。補導条例が成立したことにより、加害者のオトナは「奈良県の補導条例って知ってな? バラされたくなかったら絶対誰にも言うな。聞かれてもちゃんとつきあっていて金は受け取っていないと言え。わかったな」などと脅され、沈黙を強いられることがあるかもしれません。

つまり、奈良県条例は、児童犯罪を潜在化させ、あるいは拡大させる効果を生むおそれがあります。*2

 

奈良少年補導条例は、警察庁少年非行防止法制に関する研究会「提言」や内閣府少年補導センターの在り方等に関する研究会の「報告書」の、地方全国展開のモデルケースといえます。

かつて政府は、青少年有害社会環境対策基本法なる名称の、実態としてはメディア規制にほかならない違憲立法を企てようとしました。が、国民世論の健全な批判により失敗しました。そこで出てきたのが条例による全国展開という国家統制戦略であり、この奈良県少年補導条例もそうした条例のひとつと考えることができそうです。

 

というわけで、今後こうした条例の制定が全国に波及し、中央政府が立法化を目指す可能性があるため、奈良県の条例について議論の前提情報として記録しておきます。


以下、奈良県少年補導条例を策定した菱川雄治天下り県警本部長についての情報。

一部新聞(はっきり言うと読売新聞)は、子どもを指導する補導員が困っているので条例が作られたという具合にあたかも現場からの要望で条例がつくられたかのような印象操作をしているようですが、実態は内閣府警察庁の情報官僚が地方に天下り内閣府警察庁で作った“政策の天下り”をしているだけと思われます。

 

菱川雄治奈良県警本部長は元警察庁生活安全局少年課長であり、児童ポルノ対策の政府説明員として国会で答弁した経歴を持ちます。

 

第159回国会 外務委員会 第8号(平成16年3月18日(木曜日))

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000515920040318008.htm

政府参考人

警察庁生活安全局少年課長)菱川雄治君

《略》

○菱川政府参考人 お答えいたします。

加害者の数自体はなかなかちょっと把握しづらいものがございますけれども、児童買春児童ポルノ法の施行以降、これまでに国民の国外犯として検挙した事件数でございますけれども、五件十一名検挙しております。このうち、児童買春事件が三件三名、児童ポルノ事件が二件八名となっております。

《略》

 次に、国内の検挙状況でございますけれども、法律は平成十一年十一月に施行されたわけでございますけれども、法施行から平成十五年末まで、児童買春事件としては合計で六千四十八件三千九百十四人を検挙しております。また、児童ポルノ事件につきましては、同じく法施行から平成十五年までで合計七百四十三件六百七十一人を検挙しております。

 

児童ポルノ対策の説明員なら、子どもを処罰することが子どもの人権擁護につながらないことぐらいわかりそうなものですが、それを知っていて子どもを実質的に罰することになる「不良行為」の定義を奈良県で作ったるということは、菱川雄治という人は“確信犯”だということではないでしょうか。

 

菱川雄治氏は警察庁生活安全局少年課長の時、警察庁少年非行防止法制に関する研究会(座長は都条例改悪を推進した前田雅英首都大学法学部教授)の委員として、補導強化をタテマエとした警察権限拡大など含んだ提言の策定に参与していました。

つまり、中央政府で政策の企画立案していた人が県警本部長として同じ政策の企画立案をやっていることになります。

奈良県のためにやっているのではなく、政府のためにやっていることがミエミエです。

政策の天下りを許すな! 子どもの安全ぐらい地方にまかせろ! 地方自治を守れ!

 

少年非行防止法制の在り方について (提言)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen14/teigenpdf/teigen.pdf

少年非行防止法制に関する研究会について

〔メンバー〕

座長 前田雅英 東京都立大学法学部教授

委員 相原佳子 第一東京弁護士会少年法委員会委員長

 川出敏裕 東京大学法学部教授

 小宮信夫 立正大学文学部教授

 高木光 学習院大学文学部教授

 高橋則夫 早稲田大学法学部教授

 村松励 専修大学ネットワーク情報学部教授

 森嶋照伸 国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官

 山崎晃資 東海大学教育研究所教授

 太田裕之 警察大学校警察政策研究センター所長

 菱川雄治 警察庁生活安全局少年課長(〜平成16年8月9日)

 大木高仁 警察庁生活安全局少年課長(平成16年8月10日〜)

北の系2005/警察庁資料/少年非行防止法制の在り方について(中間報告)

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020380.html

 

菱川雄治氏は、元内閣府政策統括官(総合企画調整担当)付青少年健全育成担当参事官で、元内閣府少年補導センターの在り方等に関する研究会委員でした。

「少年非行防止法制に関する研究会」の座長は、東京都で青少年健全条例を大改悪を推進した前田雅英首都大学法学部教授。菱川雄治氏はここでも前田とペア! 少年非行政策では前田、菱川、村松の三人が揃って動いていることが多い。少年非行三バカトリオと呼んであげましょう。

 

内閣府少年補導センターの在り方等に関する研究会

http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hodou/hotop1.html

http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hodou/homeibo3.html

少年補導センターの在り方等に関する研究会委員名簿

あきやまかおる

秋山薫 (社)日本PTA全国協議会常務理事

いなばたもつ

稲葉保 法務省保護局更生保護振興課補佐官

いわしたとよひさ

岩下豊久 千葉県環境生活部県民生活課長

おざきはるき

尾崎春樹 文部科学省初等中等教育局児童生徒課長

さかもとまさこ

坂本正子 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課児童福祉専門官

しかたひかる

四方光 警察庁生活安全局少年課理事官

のぐちきょうこ

野口京子 文化女子大学文学部教授

ひしかわゆうじ

菱川雄治 内閣府政策統括官(総合企画調整担当)付青少年健全育成担当参事官

座長 まえだまさひで

前田雅英 東京都立大学法学部教授

むらまつ ひろし

村松博 内閣府政策統括官(総合企画調整担当)付推進担当調査官

やまぐち よしひろ

山口芳弘 神戸市青少年補導センター所長

 

菱川雄治氏は、中央政府で青少年政策を企画立案し、少年補導利権を代表する政策立案グループの実務官僚のトップにいた人です。

参事官という官職は、企業ポストで例えるなら本店の営業本部長といった立場。上には統括官、副大臣官房長官総理大臣などがいますが、いずれも政治決定や政治的調整を行い、立案実務は参事官以下で行います。つまり政治判断の前提となる情報を彼は握っており、情報の使い方、出し方次第で政治判断を左右できる立場にいたわけです。そして、本店本部長が自分の作った計画を実現するために支店長に天下って実績を作ろうとした、といったところでしょう。(それをコントロールするのは政治家(を支持する有権者)の役割であり責任ですが、役人をコントロールするだけの能力も意思も情報もないあたりが問題かもしれません。)

なーにが補導現場の都合で条例を作った、だ。いい加減なこと言うな!

 

読売新聞が菱川ヨイショ記事を書いてます。これは記事というより内閣府の広告に近い内容。

着任三ヶ月で全国的に有名になった奈良事件が発生し、マスメディアが波状的に報道合戦をくり広げ、劇的な逮捕で本部長は一躍「県民の安全を守った英雄」になる。警察が事件を計画したとまでは言いませんが、警察にとって都合よく事件が起こり世論がコロっと変わってしまうあたりに違和感を感じなくもありません。

 

読売新聞

企画・連載 一覧 人を守る地域を守る 2年目の誓い

警察と地域の連携重要 <5>女児誘拐殺人事件1年

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/kikaku/087/5.htm

県警本部長 菱川雄治さん 48

警察庁少年課長を経て2004年8月に県警本部長に就任した。県内の刑法犯の認知件数は、02年をピークに減少傾向に転じていたが、着任から3か月後に、あの事件は起きた》

大変ショックな事件でした。熱心に防犯活動を続けていた地区だけに、すきを狙った犯罪が起きることを再認識しました。子供の命を守るために、大人と社会は、最善の努力をしなければならない。そのことを実感しました。

「一生懸命やっても無力感を覚える」。当時、防犯活動に取り組む地域の方々からそういった話を聞きました。防犯パトロールなどをしていても、そのすきを狙った犯罪はどこでも発生します。でも、すきを埋める網として、防犯活動などの努力は、欠かさないことが大切なんです。

《事件後、県警には市民から子どもの安全を守る警戒活動を強めてほしいという要望が多く寄せられた。県警は学校を巡回する回数を増やし、警察学校の初任科生を通学路で警戒にあたらせるなど、「見せる防犯」に力を注いだ》

 子どもを守る機運が高まったせいか、昨年12月の刑法犯の認知件数が減りました。犯罪の未然防止には、警察官が街頭に立って警戒するのも大事ですが、「自分の身は自分で守る。地域の安全は地域が守る」という姿勢で、警察と地域が連携することが重要です。

大変不幸な事件でしたが、教訓の一つとして「事件の犠牲を無駄にしない防犯活動」が広がり、地域の連帯感が高まったようです。

《だが、事件後も子どもに対する不審者の声かけ事件などが続発。県警はホームページにその情報を公開して注意を喚起するとともに、「子どもを犯罪の被害から守る条例」の制定にも取り組んだ》

 事件前から、「子どもに対する声かけを何とかしてもらいたい」という不安の声は根強いものがありました。防犯ボランティアらが行う善意の声かけを規制しないよう、明らかに子どもに不安を与えるような行為を規制できないか考えました。いかに重要犯罪の前兆行為を敏感につかみ、対策を講じるか。それを細かく見極めながら、早い段階で検挙し、大きな事件を起こさせないことが大切です。

 国際社会からも、日本は児童ポルノの発信国だと批判を受けています。児童ポルノの撮影は違法行為であり、子どもに性的な好奇心を持つ人が刺激を受け、性的犯罪の引き金にもなりかねません。事件が起こった奈良の実情を考えると、子どもに対する重大な犯罪を抑止することは、特に重要なことです。

 子どもが健やかに育つように、大人は絶えず考えないといけません。子どもを日本一、安心して育ててもらえる奈良県にしたいと思っています。

 子どもを犯罪の被害から守る条例 女児誘拐殺人事件を教訓に、子どもを性犯罪などから守る目的で、10月に全面施行された。13歳未満の子どもの衣服をつかむなど不安や恐怖を与える行為や、児童のわいせつな画像を正当な理由なく所持する行為に対し、「30万円以下の罰金か拘留、科料」の罰則付きで取り締まる全国初の条例。

 

「子どもを犯罪の被害から守る条例」の策定を誇らしげに実績として紹介していますが、逆ですよね。

不審者の声かけを禁止する「子どもを犯罪の被害から守る条例」を作り、→規制の網を広げすぎて善意の人の声かけが難しくなり、→地元の治安力を失わせ子どもがより危険になり、→警察の責任を問う声が増え、補導権限を与えろということになり、→「少年補導に関する条例」を作ろうぜ、という経緯で補導条例が作られていることを考えると、少年補導条例は菱川本部長たちが作った欠陥条例の欠陥を埋めてるだけという見方もできるかもしれません。

というよりもむしろ、そうなることがわかっていて「子どもを犯罪の被害から守る条例」を作り、「少年補導に関する条例」を作った、マッチポンプだったのではないか、という疑問もなきにしもあらず。

 

これは一般論ですが、役人の暴走をとめるのは法と政治であり、法と政治をコントールするのは有権者です。有権者がしっかり役人の暴走を監視し、コントロールしなければ、税金と治安は役人の都合に左右されるだけです。


以下、柿本知事関連情報。

 

Wikipedia 柿本善也 2006年3月22日版

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E5%96%84%E4%B9%9F

柿本善也(かきもと よしや、1938年2月7日 - )は、奈良県知事。

奈良県大和高田市出身。奈良県立高田高等学校、東京大学法学部卒。旧自治省に入省し、自治大学校校長を経て1990年奈良県副知事に就任、上田繁潔知事の辞意表明を受け1991年11月の奈良県知事選挙に立候補、初当選した。現在4期目。

バブル崩壊期に奈良県政を担当し、1997年12月には1億5000万円に上る県庁食料費不正流用事件も発覚した。この時は柿本知事始め県庁幹部が私費で返済し、刑事事件となるのを免れた。さらに2000年11月には奈良県立医科大学教授陣の汚職事件、2001年3月には奈良県警察本部を舞台にした奈良佐川急便事件など大掛かりな不祥事が多発した。2001年9月明日香村にオープンした奈良県立万葉文化館も古代遺跡の上に立地しているとして物議をかもした。知事就任以来「遊」の哲学を提唱しているが、県勢は衰退気味で何もしない知事との声もある。

 

不祥事起こした役人たちがルールを作り、「ルールを守れ」と言って子どもを補導するんですか? 「ルールを守れだなんておまえらだけには言われたくないよ!」、と言わてしまうのではないでしょうか、子どもに。私も言うけど。

劣悪な学習環境やイジメに適応できず不登校になっている子ども=犠牲者を補導するよりも、税金泥棒の不良知事や不良警察官、税金泥棒の不良県職員を補導し指導することが、奈良県民にとって喫緊の優先課題では?

ルールを破るような人はルールを作っちゃいけない!

 

以下、知事の発言・暴言・迷言など。

 

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

奈良県:知事室 柿本善也*3

http://www.pref.nara.jp/chiji/index.html

2006(平成18)年2月6日 知事定例記者会見

http://www.pref.nara.jp/chiji/teirei/h17/h18-02-06/teirei.html

【少年補導条例案について】

記者  補導条例案について、先だって弁護士会が反対の意見を表明され、当初2月議会に提出するよう準備が進められていたが、知事の見解はいかがですか?

知事  そういう意見もあるが、作業は進んでいると報告を受けている。具体には、警察本部に確かめていただきたいと思いますが、そういう(2月議会に提出する)前提で、作業が進められていると思います。

記者  警察本部の方から、提出できる状態で来れば、議会に提出する方針か?

知事  あんな(小学生誘拐殺害)事件が起こったところなので、十分議論されることについては、警察本部も検討していないはずはないので、弁護士会の意見も聞いた上で、持ってくれば応じることになる。これは、プロセスとして、決めたとかいうことではないが、そういう作業が進んでいることは知っている。

記者  最終的には、(議案は)知事名で提出するので、警察本部で仕上げてくれば、知事としては提出するということか?

知事  その段階で、改めていろんな意見が出たことを検討したかどうかを聞いて、その上で決めることになる。弁護士会が発言されたのですから、意見としては重要なこと。

記者  この前、鳥取県で人権条例を施行するといって取りやめになったこともあったが、警察本部から、仮に提出したいと言ってきても、その段階で知事が意見を聞いて提出をやめる余地もあるということで認識して良いか?

知事  私はそういうことを言っているのではない。いろんな条例と同じこと。字句修正だけの簡単な条例もあるが、どの条例も出す時には、私なりに理解して出している、という意味で言った。それ以上に、この条例だけチェックするという意味は全然ない。

2006(平成18)年3月16日 知事定例記者会見

http://www.pref.nara.jp/chiji/teirei/h17/h18-03-16/teirei.html

【少年補導条例案について】

記者  少年補導条例についてですが、2月議会開会日に提案されて以降、日弁連日本弁護士連合会)からの反対声明や、近畿弁護士連合会から反対決議が出されたりと、状況がかなり変化し議論も深まっているかと思うのですが、今の段階での必要性についての認識をもう一度聞かせてください。

知事  日弁連等の意見については前々からお聞きしているところであり、今改めてということではなく、既に議案を提案して審議いただいているところでもあるので、私の方から説明することでもないと思います。色々な意見・懸念を、それぞれお持ちになることはあるが、やはり、現場で補導員が少年補導をどう進めているか、どんなことで困っているのかという現実を見てもらわないと。

 もう一つは、色々な懸念を言われるが、今のままで良いのか。抽象的な言い方をしますが、前へ進まないといけない。次世代を担う少年に、暖かいアドバイスや声かけをすることが必要だと思います。それを警察職員だけにしてもらうということではなく、色々な所と連携しなければならないと思いますが、どういうものを対象に、どういう方が、どういう狙いかということを明確化する。(補導員は、)いわば職務の延長のような、あるいは当然の義務のような形で努めておられるのですが、それを明確化することが必要というのが条例を提出した立場からの判断です。

記者  明確化によって警察の権限が拡大してしまうのではないかということを懸念する声があるのですが、権限の拡大でないことをどういう形で担保していくのか? 具体的に出て来てないのでお聞きしたいのですが?

知事  条例を子細に読んでいだければ、権限として増えたというより色々な範囲を明確化して、それに対して示されている懸念に配慮するような条文が並んでいます。私が初めにこの話を受けたときに、権限拡大より「ご苦労なことによく手を出してもらったなあ」と思ったのです。むしろ、本当の実態を、県民あるいは子どもを持つ親の立場でどうしたらいいのか考えるということが中心であった方がいいと思うのです。だからそういう懸念事項は、条例にも書いてあり、あるいは今後の運用について見守るとか、そういう形で対応していくべきではないか。

 実際行われてきた補導の範囲や立場を明確化する。例えば、補導を受けた人が補導員に「あなたは何の権限で、私に言うのか」と言うそうです。そうなれば、そこで引き下がるしかないのです。条例が出来ても強制権限は伴いませんが、「私は、こういうことであなたに注意しているのですよ、アドバイスするのですよ」と言える。このことを一歩前進という目で見てもらうべきではないかと思っているのです。

記者  現場の補導員がこんなことで困っているという話が、本会議や予算委員会など、この条例に関する議論の中で全く見えてこない。本当に困っている例が何件あって、どんなケースがあるということを、警察から報告を受けているのか。法令審査の中でも、どれだけ例があったという話も聞いていません。必要性があるというが、そのバックデータが出ていないような気がするのですが?

知事  統計があるかどうか知りませんが、現実の話として、先ほどのようなことを聞いています。条文を全部見てもらえれば良いと思いますが、不良行為で何条の条文が書いてあるか、明確化に力点を置いて条文が出来上がっていると私は思います。

記者  「同じ気持ちで」と警察本部長が本会議で答弁されていたが、親が注意するのと警察が注意するのは明らかに違います。現場で困っている例があることは私も聞いていますが、条例にしなければならないほど困っていることが見えないのですが?

知事  先ほど紹介した話は聞いたものですが、そう言われた時どうしますか。今の条例を離れて、みんなが声かけする雰囲気や勇気を持たないと。

記者  何の権限で言うのかと、子どもに言われた時、条例で決まったからと言ったとしてもどうか?

知事  権限というより、資格だと思います。権限というと強制や実力行為が出来るように受け止められますから、正確に言うと、そういうことを行っている立場だと思うのです。例えば、明らかに未成年がタバコを吸っていても「あんたに関係ない」という言葉が返ってくると思いますよ。

記者  条例で決まっているからと言うのですか?

知事  本当はみんなが、「今頃、タバコを吸うのは色んな誘因になるからまずいのだよ」ということが望ましいのですが、現実に電車や路地で見かけた時、なかなか勇気のいることです。

記者  条例が出来たら、みんなが言うようになるのですか?

知事  こういうためにしてはならないとか、条文に全て書いてあるでしょう。それと違った行為だとみんなが判断した時には「条例と違う」と言えば良いと思うのです。

記者  たとえば、2条4項のケで「みだりに異性の身体に触れ、又は異性につきまとい、その他の他人に性的な不安を覚えさせるような行為」というのを県警に聞いたところ、握手すらもこの不良行為に該当するということをご存じでしたか?

知事  そこまで私が答弁することではないでしょう。

記者  知らなかったのですか?

知事  条文は読んでいます。

記者  条文じゃなくて実際の運用上の不良行為として、そのような行為すら不良行為に当たるということをご存じなかったのですか。

知事  その論議はわかりません。答える能力はありません。というのは、軽犯罪法など、この種の条文は、条文の書き方とその解釈については、状況次第で微妙なところがあると思うのです。条文とは関係ないことを断っておきますが、握手しにいったときに喜ばれる状況の握手と喜ばれない状況の握手があるでしょう。いろんな状況判断だと思うのです。

記者  外形的行為として握手する行為を不良行為と定めている訳ですから。

知事  警察本部に聞いてください。

記者  知事はこの条例の提案者であって、条例を知事名で施行するのですから。警察本部で聞いてくれというのは、ある意味解るのですが、自分の名前で施行されるのですから、きちんと答えてほしいのですが。

知事  そう言われても、私がここで答えたことが事態を左右するようなことであってはなりません。今言われた条文がどう解釈されるかということを私が答えないといけないと言われれば、私があらゆる職員の行動を代行しなければならない。

記者  聞いているのは知らなかったのかどうかです。

知事  条文は読んでいます。

記者  条文は読んでるでしょうが、条文の意味するところを知っているのですか。

知事  知っているのか、知らないのか、わかりません。

記者  それはどういう意味ですか。

知事  いろんな法律があり、言葉の解釈は法律によって変わることがあるのです。細部まで私が知っていなければいけないと言われれば、それは無理です。条文は読んでいますが、どう解釈されるのかという具体のことは、条例を執行される立場の方が責任をもって答えなければ仕方がないということです。

記者  条例を見ていただけれはわかるとおっしゃたのですが、実際に適用される県民の方が読んでもわからないと言っている。私自身も、よくわからないところがあります。たとえば、正当な理由がなくしてというところで、正当な理由は誰が判断するのか、徘徊というのはどこまでをどのように規定するのかわからない。県民のための条例であれば、県民にわかりやすくしないと意味がないし、社会全体で健全育成を目指そうというのであれば、内容がこれではおかしいのではないか。あいまいな中で、警察職員の判断で補導されたら、少年はたまりません。学校を休みたくなることもありますし、いろんな状況があると思うのです。

知事  今、正当な理由とおっしゃたが、それだけで何冊もの研究書が出来るぐらい難しい話です。それを誰にもわかるように明確に説明せよと言っても難しい。

いろんな人間社会のことに適用しているので、状況に応じた妥当な判断がいつも必要です。事前に明解になっていない場合もある。法律や条例が作られた趣旨をしっかりと踏まえ、その趣旨に沿って解釈し運用するという努力が必要です。この種のものは、運用の中でだんだん妥当な線に固まっていく、そういう性格をもっているような気がするのです。

記者  運用の中で妥当な線に固まっていくということが、警察権力の拡大ということです。握手して不良行為になるとしたら、やりすぎだと思うでしょ。

知事  何ともいえません。選挙の時、女性から手を出されても最初は握手できなかった。

記者  話のすり替えですよ。

知事  すり替えかもしれないが、そんな極端な話もあるということ。人間の行動というのはそれぐらいバラエティ。

記者  握手は両方から手を出さないと握手にならない。手を出さないから握手ができない。お互いしたくないということはあるのですかね。

記者  少しでも前へ進まないといけないということはわかります。タバコを街頭で吸っている子ども達もいるでしょうけれども、それを補導する人達が、根拠がないので困っているのですというのは本当にどれぐらいあって、少しでも進めなければというベースになる話がこんなにあるから条例が必要と言ってもらわなければ。とりあえず条例を作って、拡大じゃないから権限を規定してということではたまらない。本当に困っているのですかということを聞いているのです。

知事  そういうご意見があったことを警察本部に伝えておきましょう。

記者  知事部局でいうと、青少年課にも注意する立場の職員もいる。必ずしも警察がやっている事案ばかりではない。一般の大人として注意したが困っている例があって、やはり市民にも努力義務を課したのだという、ベースになっている所は全部が警察ではないですよね。

知事  知事部局というより行政だけの話ではない。

記者  本当にこんなに困っているのですというデータを示してください。示す責務があると思います。

知事  それは、お伝えしましょう。 *4

記者  現下の状況、反対論もかなり強まっていることもありますが、成立した場合は、条例案どおり施行日は7月1日から施行するという考えに変わりはないですか?

知事  変わりはないです。議会で成立した上ですが。

記者  日弁連とか反対なさっている方は、もっと時間をかけて議論をすべきという意見もあって、そういった中には、仮に成立しても施行日を遅らせるとか、そういったことも想定の範囲内と思うのですが、現時点ではそういった考えはないということか?

知事  私の方からそういう提案をするつもりはございません。

記者  運用の中でだんだん妥当な線に固めていくというお話しですが、補導という行為が目に見えないのです。件数やどういう内容で補導したということを検証する手段というのはどうにかならないのでしょうか。

知事  段々固まっていくというのは、一般論で言ったことです。条例が出来れば、今後は補導件数はきっちり記録が残っていくと思います。というのは、補導すれば警察署長に引き継がなければならないという業務があります。そうすれば、全部書類として作成されると思います。

記者  それを公表して検証する場を作る必要がある。

知事  細部はわからないが、基本的に秘密事項ではない。固有名詞を出したりすれば別の話になるが、何件あったというのは当然出てくるでしょう。

記者  条例案の概要が出されたのが去年の11月だったと思うのですが、その間4か月というのは十分な期間だったという認識か?

知事  担当部局としては相当な議論をしたと思いますが、そこからの判断は、人によって違うと思いますから、何とも言えませんね。

記者  全国に先駆けて制定するという意味は、説明いただいている理由では説得力がないように思うが、なぜ奈良県で初めてなのか?

知事  なぜ奈良県で最初にやったらいけないのですか。おそらく必要性はどこの県でも感じていると思うのですが。最初というのは、ほとんど意識していません。意識が無いというのは、そんなことにポイントを置いて考えていません。今、聞かれて、そんな質問もあるのかなと思うのですけれども。

記者  どういう根拠があって制定を目指すのか?

知事  少年が不良行為に入りかねないような状態や補導とは無関係ですが、少年の犯罪は大きなウエイトを占めています。そういう状況から、対応して前に進まなければいけないというのは必要です。

記者  条例案策定にあたって、少年の意見はどれぐらい求めたのか?

知事  それはわかりません。聞いていません。

記者  条例を作るきっかけとかは、どなたが提案したのか?

知事  それはわかりません。いつか忘れたが、こういう条例を検討したいという報告を受け、ご苦労なことを一生懸命やっていただけるのだなと思って、検討しなさいと指示しました。本部長ではなかったと思います。

記者  警察の中でも、なぜこんな条例が出されたのかという疑問の声が起こっています。それでお聞きしたのです。

知事  秋頃に聞いて、それでは検討しなさいと言ったことがあります。それ以上のいきさつは特に聞いていません。

記者  意見ですが、質問して答えていただいたのですが、「わからない」とか「条文に書かれています」というのは、質問する方は当然条文を読んで、さらに疑問があって聞いているので、これでは議論が深まらないと思います。議会では、きっちりと答えていただきたい。

記者  先日の本会議で、大方の県民の意見に合うのではないかと答弁されて、今日この場でも、我々が県民を代表しているとは思わないが、弁護士会等も軒並み反対意見が強まっています。大方の意見に沿うのではないかという根拠づけは何を念頭に置いておられるのかというのが伺えないが、その点についてはどのようにお考えか?

知事  親だけでなくいろんな人が、子どもの行動を、これはどうかなと思う状況によく遭遇していると思う。私自身でも、子どもが路地でタバコを吸っているのを一人の時に見たら、何か言う勇気があるかどうか分かりません、その時になってみないと。

 だから、そういうことにみんなで声かけをして、子どもたちが悪い方向に走らず、いい方向に育っていくように努力するということは県民共通の希望だと思うのです。いろんなご意見があって懸念も示されているのですが、それはそれとして、当然十分その趣旨を理解して条例を作り、執行にあたらないといけない。しかし、こういうものを作れば当然警察だけでなく、いろんなところが連携して行うことではあるのですが、このままではいけないという雰囲気・ムードが出来るだけでも変わると思う。私はそういうような判断で、大方の県民の意志として、支持していただけるのではないかと思う。

記者  先ほど7月1日の施行日について触れたが、仮に24日の最終日に可決されたらとして、それから3か月余りあるが、例えば、成立した後に改めて広範な議論をするような場を設けてみるような考えはあるか?

知事  条例が決まると、我々は施行しなければなりませんから、施行日の話ではないですね。当然これが出来上がったら、施行までに「こういう条例です」ということを徹底します。

 条例の中にもいろんな関係機関の協力や県民の理解(という項目)が入っていますので、幅広くPRしないといけない。

記者  他県で、成立した後にいろんな反対意見等を踏まえ、一旦施行を凍結したというような例がありましたが、そのような余地はありますか?

知事  そういうことはむしろ異例じゃないですか、本来は。それは提案した立場でありながら提案しないというのと同じで、議会で決めていただいたことに改めて、ということを今、予定しているとか想定にあるということはありません。ただ、あらゆる手段で説明に努めないといけない。

 

不良行為の定義の運用について具体的に質問すると、答えられず「その論議はわかりません。答える能力はありません!」「本部長に聞いてくれ!」などと知事は開き直ってますが、条例提出者が条例運用についてわからない、説明できないだなんて、ナンセンスではありませんか? 

ま、「本部長に聞いてくれ!」という暴言は知事の本音だとは思いますけれど。条例をとりまとめた人は政府オスミツキの天下り県警本部長様なわけで、結局、知事様は中央政府のご意向に逆らえないような人ということなのでしょう。

知事がそういう態度をとればとるほど、柿本善也知事はなにか弱みを握られているから県警本部長のいいなりになっているのでは?  県庁食料費不正流用事件や奈良県警察本部を舞台にした奈良佐川急便事件の秘密処理でお互いのキンタマを握り合うモチツモタレツの関係になってしまっているのでは?という疑惑が奈良県民の心の中でますます膨らんでいかざるを得ないでしょう。

 

参考情報

中和広域消防組合職員不正採用事件徹底捜査を求める要望書(2005年7月)

http://nara.jcp-giin.net/www/policy/index.shtml

 

現場の補導員が従来の制度でどれくらい困っているのか具体的なデータを出してくれと質問しても答えず、「統計があるかどうか知らん!」などと開き直ってしまう知事が提出した条例は、やっぱり凍結すべきではないでしょうか。

かつて東京都で育成条例改悪案が策定されていた時、慎重派からデータを出してくれという議論が出たときに提案側がなにも答えられず、強引に議論を打ち切って条例を通してしまったということがありました。同じことが奈良でも再現された、ということでしょうか。

肝心な論点について情報をシャットアウトし、本質的な問題について議論することを奈良県は避けてきた。判断は情報に依存する。ゆえに情報源の不正は判断の不正を導く。

「現場からの要請」という存在しない虚構のデータによって虚構の世論がつくられ、虚構の世論によってできた虚構の条例がつくる「子どもの安全」という神話は子どもたちになにをもたらすのか、と、みなさんには問題提起しておきます。

 

そもそも論を言うと、教室や家に居場所が無いから子どもたちは外に行くわけで、そういう阻害された子どもの状況とものをちゃんと考えて条例作れよ、阻害の原因を拡大しながら阻害されているコドモをさらに追い詰めてどうするよ、という話。子どもたちの居場所をつくるのが先であって、とにかく戻って来い、戻ってこないなら補導するというのは問題の先送りであって解決ではない。

 

私事ですが、先日、某所でトイレで用を足していたら、バケツとモップを持った清掃のオバチャンがドカドカと入ってきて「掃除するからどいて」と言ってモップで私のお尻をツツクんです。掃除の必要はわかるけど、途中で尿を止めるわけにはいかないので「終わるまでちょっと待って」と言ったのですが、「ジャマジャマ!」と言ってお尻をつつき続けるんですよ、清掃のオバちゃんが。お尻をつつかれるたびに、尿がへんな方向に飛びそうになるので焦って「あーっ!あーっ!」と叫んでしまったわけですが、ありゃ絶対楽しんでるな、清掃のおばちゃん。出すもの出してからじゃないと帰れません!(笑)

で、何が言いたいのかというと、補導員が「こんなところに居ないで出て行け! 帰れ!」と一方的に言って補導しても、子どもたちは自分という存在を出す居場所がなければ困るということ。

 

それから、もうひとつそもそも論を書くと、子どもは教育によって人格がつくられるものであって、犯罪の取締や、監視や逸脱の禁止で子どもの人格が育つわけではないということ。ダメダメばかり言っている減点法による管理のもとでは、自分を殺し、なにもできない指示待ち人間ばかり育成される。そんな育成は「健全」な育成なんかじゃない。学校行け! 家に帰れ! エロマンガを見るな! ルールを守れ!だけ言ってりゃいいのかというと、まったくそうではないし、そんなことやっても意味が無い。

たとえば「エロマンガを見るな! 山本直樹の『学校』は不健全だから読んじゃダメ!」などと注意して「どうして?」と子どもに聞かれたとき、条例が想定しているように「それがルールだからだ!とにかくルールを守れ!」と言ったときに子どもは何を学ぶかというと、「ルールを逸脱しても見つからないようにすりゃいい、うまくヤった奴が勝ち」ということを学ぶようになるわけです。つまり、逸脱行動が以前よりも増える可能性がある。取締りと教育とは違う。

というか、オトナたちは子どもの前では善人面してるけど、たくさんのオトナがルール破ってるでしょ。ルールをやぶってもうまくやったものか勝ちという現実を子どもたちは見ている。社会の二面性を知っている子どもたちにしてみれば、「とにかくルールを守れ」「ルールだからヤメロ!」という言葉は白々しく見えるだけでしょう。

そういう現場の議論がまったく不在のまま、中央から天下った県警本部長の出世に貢献するためなのかどうかわかりませんが、なにがなんだかわからないままできちゃったのが、奈良県少年補導条例というくだらないルールではないでしょうか。

養育の自由や言論の自由など、親権や人権を過剰に制限する可能性という問題はもちろん大問題ですが、それ以前の基本的な議論すらまともにやっておらず、認識の共有もなされていないあたりが、どうにもお粗末すぎます、奈良県少年補導条例は。できちゃった条例を無くすのはなかなか難しいとは思いますので、施行で凍結すべきでしょう。


以下、奈良県警の条例策定関連情報。

不良行為の定義(ボールド部分)に注目。

 

奈良県

http://www.police.pref.nara.jp/

仮称「奈良県少年補導条例(案)」要綱案

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/051222.pdf

仮称「奈良県少年補導条例(案)」要綱案

第1 総則

1 目的

不良行為少年の補導に関し、県民の責務を明らかにするとともに、警察職員及び少

年補導員の活動に関して必要な事項を定め、もって少年の非行の防止と保護を通じて

少年の健全な育成を図ることを条例の目的とする。

2 定義

(1) 「少年」とは、20歳に満たない者をいう。

(2) 「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務がある者及び少年を現に監

護する者をいう。

(3) 「警察職員」とは、警察官及び少年警察補導員をいう。

(4) 「不良行為」とは、次に掲げる少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行

為(刑罰法令に触れるものを除く。)をいう。

アすべての年令の少年に共通の行為

・喫煙し、又は喫煙する目的でたばこ若しくは喫煙具を所持する行為

酒類を飲用し、又は飲用に供する目的で酒類を所持する行為

・競輪の勝者投票券(車券)を購入し、又は譲り受ける行為

・売春をし、又はその相手方となる行為

・正当な理由がなく、保護者に無断で生活の本拠を離れ、帰宅しない行為

・保護者その他の同居の親族の金品を無断で持ち出す行為

暴力団員、暴走族その他少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある者と

交際する行為

・有害薬物等を濫用し、又は濫用する目的で有害薬物等を所持する行為

・放置すれば暴行、脅迫、器物損壊その他の刑罰法令に触れる暴力的な行為に

発展するおそれのある粗暴な言動をする行為

・正当な理由がなく、刃物、木刀、鉄棒その他人の身体に危害を及ぼすおそれ

のある危険物品を所在する行為

・正当な理由がなく、他人に対し、金品の交付、貸与等を要求する行為

・みだりに異性の身体に触れ、又は異性につきまとい、その他他人に性的な不

安を生じさせる行為

・暴走行為をあおる行為

イ18歳以下の少年の行為

・スポーツ振興投票券(totoチケット)を購入し、又は譲り受ける行為

ウ18歳未満の少年の行為

・自ら進んで児童買春の相手方となり、その他少年の健全な育成に障害を及ぼ

すおそれのある性交又は性交類似行為をする行為

・正当な理由がなく、法律又は条例の規定により18歳に満たない者を立ち入

らせることが制限されている施設に立ち入る行為(例:風俗営業の営業所、有

害興行係る興行場など)

・法律又は条例の規定により18歳に満たない者を客とすることが制限されて

いる営業において、当該制限に違反することとなるような形態で客となる行為

(例:デリバリーヘルスなど)

・自ら進んで、法律又は条例の規定により18歳に満たない者を従事させるこ

とが制限されている業務に従事する行為(例:テレホンクラブの利用カードを

販売する業務など)

・正当な理由がなく、有害図書類及び有害がん具刃物類を所持する行為

・インターネット異性紹介事業(出会い系サイト)を利用する行為

・自ら進んで、インターネットを利用して、「有害サイト」を閲覧等する行為

・他人を中傷するような情報を、インターネットを利用して他人が閲覧するこ

とができる状態に置き、又は電子メールを利用して他人に送信する行為

・正当な理由がなく、深夜(午後11時から翌日の午前4時までの間をいう。

)に徘徊する行為

はいかい

・正当な理由がなく、保護者に無断で外泊する行為

・正当な理由がなく、学校を休み、又は早退若しくは遅刻をする行為

・自ら進んで入れ墨を受ける行為

(5) 「不良行為少年」とは、不良行為を行う少年をいう。

3 保護者の責務

保護者は、その監護に係る少年が不良行為を行わないよう適切な指導及び監督を行

う。

4 県民の責務

県民は、不良行為少年を発見したときは、当該少年にその行為を止めさせるため必

要な注意、助言又は指導を行うとともに、必要に応じ、保護者、学校関係者、警察職

員その他少年の保護に関する職務を行う者に通報するよう努める。

5 適用上の注意

(1) 条例の適用に当たっては、県民の自由と権利を不当に制限しないよう留意する。

(2) 条例の規定による警察職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解して

はならない。

第2 警察職員による不良行為少年の補導

1 警察職員による補導

警察職員は、不良行為少年の補導を行うに当たっては、常に少年の健全な育成を期

することを念頭に置き、また、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があっ

たときは、これを提示する。

2 注意、助言、指導等

(1) 警察職員は、不良行為少年を発見したときは、当該少年に対し不良行為を行わな

いよう注意を行うとともに、その後の非行を防止するため必要な助言又は指導を行

う。

(2) 警察職員は、(1)の措置をとるため必要な限度において、不良行為少年と認める

者の年令を確認し、不良行為少年であることが判明したときは、本人及び保護者の

氏名及び住所など必要な事項を質問することができる。

(3) 警察職員は、その場での助言又は指導などが当該少年に対して不利であるときな

どは、付近の警察施設に同行することを求めることができる。

3 少年の所持する物件の一時保管等

警察職員は、少年が酒類、たばこ若しくは喫煙具、有害薬物等若しくは危険物品な

どを所持している場合には、当該少年に対し、当該物件の提出を求め、保護者等に引

き渡すまでの間、これを一時的に保管し、又は当該物件を自ら廃棄することを促すこ

とができる。保管した物件については、速やかに保護者等に返還する手続をとる。

4 不良行為少年の一時保護

警察職員は、家出、無断外泊、深夜はいかいを行っている不良行為少年(18歳未

満の者に限る。)を発見した場合において、そのまま放置すれば少年の健全な育成に

重大な障害を生じるおそれがあると認めるときは、保護者等に引き渡すまでの間、警

察施設において一時的に保護することができる。(最長12時間)

5 保護者等への連絡

(1) 警察職員は、不良行為少年を補導したときは、当該少年の保護者にその旨を連絡

する。

(2) 警察職員は、補導した不良行為少年が学校に在籍する者である場合において、少

年の非行を防止するため学校における教育上の措置が必要であると認めるときは、

当該学校関係者にその旨を連絡するほか、特に必要であると認めるときは、雇用主

その他の当該少年の関係者にその旨を連絡する。

6 非行少年等を発見した場合の措置

警察職員は、不良行為少年を補導した場合において、当該少年が非行少年や要保護

児童であることが判明したときは、少年法や児童福祉法などに定めるところにより必

要な措置を講ずる。

第3 少年補導員

1 委嘱

警察署長は、

(1) 人格及び行動について、社会的信望を有すること。

(2) 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。

(3) 生活が安定していること。

(4) 健康で活動力を有すること。

の要件を満たしている者のうちから、少年補導員を委嘱することができる。

2 任期

少年補導員の任期は、2年とする。(再委嘱可)

3 活動内容

(1) 少年補導員の活動は、

ア街頭その他の場所における、不良行為少年に対する声かけ活動

イ被害少年に対する援助活動

ウ少年相談活動

エ有害環境浄化活動

オ非行及び被害防止に関する啓発活動

などとする。

(2) 少年補導員は、不良行為少年を発見した場合において、警察職員による補導を

必要とすると認めたときは、速やかに警察職員に当該事案を引き継ぐ。

(3) 少年補導員は、その活動に当たって、関係機関・団体等と緊密な連携を図る。

4 活動区域

少年補導員の活動区域は、委嘱に係る警察署の区域内の地域とする。

守秘義務

少年補導員又は少年補導員であった者は、正当な理由なく、その職務に関して知り

得た他人の秘密を漏らしてはならない。

6 身分証明書

警察署長は、少年補導員を委嘱したときは、身分証明書を交付し、少年補導員は、

その活動を行うに当たっては、身分証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、

これを提示する。

7 講習等

警察署長は、少年補導員を委嘱した場合など、少年補導員の知識、技能及び資質の

向上を図るため講習を実施する。

8 解嘱

警察署長は、少年補導員が、

(1) 委嘱の要件を欠く

(2) 職務上の義務に違反、又はその職務を怠る

(3) 少年補導員たるにふさわしくない非行がある

などの場合においては、これを解嘱することができる。

9 身分

少年補導員は、名誉職とする。

10 少年補導員協会等

少年補導員は、警察署ごとに、少年補導員協会を組織するほか、その連合体として

奈良県少年補導員協会連合会を組織し、活動計画の策定や少年補導員相互の連絡及び

調整などを行う。

第4 雑則

1 保護者等の措置

保護者等が第2−5の連絡を受けた場合において講ずる、再発防止等の措置につい

て定める。

2 保護者に対する支援

警察本部長及び警察署長は、不良行為少年の保護者からの申出があった場合におい

て相当と認めるときは、

(1) 当該保護者に対し、当該少年に係る適切な監護上の措置に関する指導又は

助言その他の必要な支援

(2) 当該少年に対し、非行の防止に関する助言又は指導、カウンセリングその

他の継続的な補導

を実施する。

3 立入り

警察職員が、不良行為少年の補導を行うため必要があると認めるときや、少年補導

員が、あらかじめ警察署長の承認を受けたときは、

(1) 興行を行う場所

(2) 図書類を販売し、又は貸し付ける場所

(3) がん具刃物類を販売する場所

(4) 物品を買い取り、又は金銭を貸し付ける場所

(5) 客に遊技又は遊興をさせる場所

(6) 飲食店、喫茶店、コンビニエンスストア、スーパーマーケットその他小売

営業の場所

(7) 電車、汽車、乗合自動車その他公衆が利用することのできる乗物及び駅

に立ち入ることができる。

4 関係機関との連携等

警察本部長及び警察署長は、少年非行の防止及び保護に関する施策について学校、

市町村その他関係機関等と緊密な連携を図ることとするとともに、不良行為少年の補

導等に関し必要があると認めるときは、関係機関等に必要な協力を要請することがで

きる。

公安委員会規則への委任

条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。

第5 罰則

守秘義務に違反した少年補導員等や、警察職員による立ち入り妨害した者に対する

罰則を定める。

奈良県少年補導に関する条例(案)経緯

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/060220.htm

奈良県少年補導に関する条例(案)をとりまとめました。

奈良県警察では、喫煙や飲酒などの「非行の入り口」となる不良行為を行う少年に対する補導活動の根拠と手続を明確化して、県民の皆様方のご理解とご協力の下で、補導活動の活性化を図ることが、少年の健全な育成に資すると判断し、昨年11月14日から12月16日までの約1か月間、

仮称「奈良県少年補導条例」(案)の概要(別添1)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-1.pdf

(PDFファイル)

をお示ししてご意見を募りました。

 また、昨年12月22日には、

   いただいたご意見の概要及びそれに対する奈良県警察の考え方

とともに、

仮称「奈良県少年補導条例」(案)の要綱案(別添2)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-2.pdf

(PDFファイル)

を公表し、要綱案に対するご意見を承ってきたところです。

 そして、県民の皆様からいただいた貴重なご意見をご参考にさせていただくなど検討を行った結果、

奈良県少年補導に関する条例」(案)の要綱案(別添3)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-3.pdf

(PDFファイル)

としてとりまとめましたので、お知らせいたします。

 なお、要綱案との主な変更点は、

○  怠学に係る不良行為については、「義務教育諸学校」に限定し、いわゆる不登校の生徒一般が補導の対象となるものではないとの趣旨を明確にするため、

「正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊技若しくは遊興をする行為」

と規定

○  少年が所持していた有害物件の警察における一時保管の規定については、少年の任意の提出に基づいて行われる手続であることを明確に規定

○  家出などを行った不良行為少年の一時保護については、少年の同意の下で(少年が低年齢の場合には、少年の同意又は保護者の依頼の下で)進められる手続であることを明確に規定

○  少年補導員の委嘱者を警察本部長とするとともに、少年補導員に関する日常的な業務を警察署長に行わせるため、警察本部長の権限を警察署長に委任することができる旨を規定

することとしたことなどです。

 また、これまでにいただいたご意見に対する県警察の考え方は、次のとおりです。

パブリックコメントを実施した際の提出意見及びそれに対する県警察の考え方(平成17年12月22日に公表済み)(別添4)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-4.pdf

(PDFファイル)

○条例(案)要綱案公表後における提出意見及びそれに対する県警察の考え方(平成17年12月22日に公表済み)(別添5)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-5.pdf

(PDFファイル)

仮称「奈良県少年補導条例」(案)の概要(別添1)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-1.pdf

仮称「奈良県少年補導条例」(案)の要綱案(別添2)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-2.pdf

奈良県少年補導に関する条例」(案)の要綱案(別添3)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-3.pdf

パブリックコメントを実施した際の提出意見及びそれに対する県警察の考え方(平成17年12月22日に公表済み)(別添4)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-4.pdf

○条例(案)要綱案公表後における提出意見及びそれに対する県警察の考え方(平成17年12月22日に公表済み)(別添5)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/pdf/060220-5.pdf

公共工事発注見通し・随意契約の公表

http://www.police.pref.nara.jp/kaikei/kaikei-main/kaikei-main050412.htm

奈良県警本部の発注する特定調達契約に該当しない随意契約の公表

http://www.police.pref.nara.jp/kaikei/kouhyou2.htm

平成17年度 第1 回公表分 (平成17年6月13日締結分)

http://www.police.pref.nara.jp/kaikei/kaikeipdf/zuii05-1.pdf

仮称「奈良県少年補導条例」(案)作成に関する

パブリックコメント(ご意見募集)結果について

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/kekka051222.htm

仮称「奈良県少年補導条例」(案)に関し、平成17年11月14日から平成17年12月16日までの間、パブリックコメント(意見の募集)を実施しましたところ、皆様から貴重なご意見をいただきありがとうございました。

 皆様からいただいたご意見の概要及びそれに対する奈良県警察の考え方とともに、皆様からのご意見を参考にして、現時点で取りまとめた同条例(案)要綱案をお示しいたします。

1 ご意見の提出状況

(1) 意見提出者数  13名 1団体

(2) 意見提出方法内訳

ア 郵便    5名

イ ファクシミリ   3名 1団体

ウ 電子メール  2名

エ 持参  3名

(3) 意見提出者の住所

奈良県  10名 1団体

奈良県以外   3名

 

2 主な意見と推進本部の考え方

※同様のご意見については集約の上掲載しております。

全般

ご意見の概要

少年の非行防止及び立ち直り支援は、条例(案)が想定するような警察中心の政策ではなく、非行防止対策としての国際標準である教育・福祉的政策の一層の強化及び民間社会資源の尊重・支援によって実現されるべきである。

奈良県警察の考え方

少年の非行防止及び立ち直り支援を警察中心の政策として実施していこうとするものではありません。

これらについては、警察のみならず、学校その他関係機関等と緊密な連携を図っていくことが重要であると認識しています。

 本条例においても、その旨を明記することとしています。

ご意見の概要

司法統計によると、奈良家庭裁判所管内における少年一般保護事件の年間新受理件数は微減傾向である。

それにもかかわらず、全国に先駆け条例を必要とする立法事実は存在するのか。

奈良県警察の考え方

平成15年12月、政府の「青少年健全育成推進本部」の策定した「青少年育成大綱」において、「補導活動の権限や手続きなどについて、条例を含め法的明確化を図る」とされたところであり、県の少年の実情や少年の非行防止に対する県民の意識に応じて、奈良県にふさわしい条例の整備を検討することは、県として当然の取組みであると考えています。

 本県の少年非行の情勢をみると、平成16年中に検挙した犯罪少年は1,217人で、平成15年(1,498人)に比べて281人(23.1%)減少しました。

しかし、強盗などの凶悪犯は30人で、平成15年に比べ12人(66.6%)増加したほか、街頭犯罪総検挙者584人のうち、少年が372人と63.7%を占めています。

 また、平成16年中は、延べ17,389人の不良行為少年を補導していますが、なかでも、深夜はいかいと喫煙による補導人員は延べ16,800人と全体の96.6%を占めています。

 こうした状況から本県の少年非行はいまだなお深刻な状況にあると考えており、間断なく少年非行対策を推進していくことが重要であると考えています。

 また、本年8月30日から9月5日までの間、警察本部運転免許センター、五條警察署、中吉野警察署の窓口において、運転免許更新者及び運転免許試験合格者に対して「警察活動等に関する県民の意識調査」を行いましたが、「少年の健全育成のための施策」については、

 ・ 保護者のしつけの厳格化

 ・ 警察とボランティアが連携した少年補

  導活動の強化

を求める声が、それぞれ全体の約25%を占めるといった高い数値を示していることからも、県民の皆様のご意見を反映し、本県にふさわしい条例にしていくことが重要であると考えています。

ご意見の概要

条例制定権の対象範囲でないのではないか。

奈良県警察の考え方

憲法第94条において、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」と規定されており、奈良県の条例で奈良県警察の具体的な活動の根拠を定めることは何ら問題がないと考えています。

ご意見の概要

「警察権の発動が許される場合であっても、障害を除くための手段は障害を除くために必要な最小限度に止まることを要する」とする警察比例の原則に反するのではないか。

奈良県警察の考え方

喫煙や飲酒などの不良行為は「非行の入り口」となるような行為ですから、警察職員がこうした不良行為少年を発見した場合に適切な助言や指導等を行っていくことは、警察の当然の責務であり、何ら問題があるものとは考えていません。

ご意見の概要

社会全体が法を守らない、軽くみる、見逃すことの放置が今の犯罪の増加につながっている。法に触れる行為を不良行為などと今頃条例程度で検討しているようでは話にならない。

奈良県警察の考え方

不良行為とは、刑罰法令に触れる行為ではないが、少年の健全育成に障害を及ぼす行為です。

 警察としては、本条例の制定により県民の皆様のご理解とご協力の下で不良行為少年に対する補導を強化し、少年の規範意識の醸成を図っていくこととします。

ご意見の概要

補導の実施範囲、時間の拡大と、遠慮なく通報、即補導できる体制の構築をお願いしたい。

奈良県警察の考え方

あらゆる警察活動を通じて少年の非行防止と健全育成に努めていきます。

 本条例では、県民の責務として、不良行為少年を発見した場合の注意や必要に応じ警察等への通報を規定していくこととしており、県民の皆様のご理解とご協力の下、少年の健全育成に努めていきます。

ご意見の概要

条例制定は必要であるが、運用を誤ると危険である。補導が目的であり、不良行為少年の摘発が目的でないことを明記することが重要である。

奈良県警察の考え方

本条例の目的が、少年の健全育成を図ることにあることを明確にするとともに、適用上の注意として、県民の自由と権利を不当に制限しないよう留意すべきことや、警察職員の補導措置は犯罪捜査目的ではないことを明記することとします。

ご意見の概要

本条例は、他の県条例等と補完し合うことが必要であり、実効性のあるものにしていただきたい。

奈良県警察の考え方

本条例は、他の県条例等と相互に補完し合い、少年の健全育成を図るものとなるような仕組みとします。

県民等の責務について

ご意見の概要

県民の責務を法定することには反対である。

地域住民を含む県民は、それぞれの信頼関係、人間関係を背景に子どもと向き合いそれぞれのやり方で子どもを支援すべきであって、そのような支援は責務として法定されることとは相容れない。

奈良県警察の考え方

児童福祉法や奈良県青少年の健全育成に関する条例においても、それぞれ法令の目的達成のために必要な国民や県民の責務を規定しているところです。

 本条例においても、条例の目的達成のための必要事項を県民等の責務として規定することは必要であると考えています。

ご意見の概要

少年補導員の委嘱については良いことだと思うが、非行化防止には追いつかないし、根本原因は解決しない。県民の意識を高めること、大人がやさしい目で少年を見守り、あたたかく健全育成していく条例にして欲しい。

凶悪な事件が次々と発生する中で、個々の認識不足を思い知らされる。県民一人一人が「今出来るときに出来る限りのこと」をしっかり心にもつことが大切である。

奈良県警察の考え方

県民の責務として、不良行為少年を発見した場合の注意や必要に応じ警察等への通報を規定していくこととしており、県民の皆様のご理解とご協力の下、少年の健全育成に努めていきます。

警察職員の補導措置について

ご意見の概要

警察職員による不良行為少年の補導について、警察職員に対し不良行為少年を発見した場合の注意や助言、有害物件を所持していた場合の措置等のこのような権限を付与することに反対する。

奈良県警察の考え方

警察は、学校その他関係機関等と緊密な連携を図り、少年の非行防止と保護を通じて、その健全育成に努めていかねばならないものと考えています。

 喫煙や飲酒などの不良行為は「非行の入り口」となるような行為ですから、警察職員がこうした不良行為少年を発見した場合に適切な助言や指導等を行っていくことは、警察の当然の責務であると考えています。

 本条例は、こうした助言や指導、また有害物件を所持していた場合の具体的措置の手続きを明確化するものであり、県民の皆様のご理解とご協力の下で、補導活動を推進する上で、必要なことであると考えます。

ご意見の概要

非犯罪行為を規制の対象とすれば結果として広範かつ抽象的な規定になるおそれがあり、現場の警察職員に拡大解釈される可能性がある。そうなれば少年の行う行為の多くが、それ自体が必ずしも直ちに非行に結びつくことは限らないものであるにも拘わらず、警察職員による監視、注意の対象にさえなりうることが危惧される。このような締め付けをしたところで、少年の非行防止にとっては全く得策とはいえない。

奈良県警察の考え方

本条例において、「不良行為」とは、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為(刑罰法令に触れるものを除く。)をいい、少年の年齢区分に応じて出来るだけ具体的に規定していくこととしており、広範かつ抽象的な規定とするものではありません。

 喫煙や飲酒などの不良行為は「非行の入り口」となるような行為ですから、警察職員がこうした不良行為少年を発見した場合に適切な助言や指導等を行っていくことは、警察の当然の責務であり、このことは、少年を警察の監視下において締めつけようとするものではありません。

 なお、こうした活動が、少年の自由や権利を不当に制限するものでないことや、条例の規定による警察職員の権限が犯罪捜査のために行うものでないことも、条例において明記し、適正な運用を図ることとしています。

不良行為

ご意見の概要

20歳未満の者と20歳以上の者が混在して同時に不良行為を行った場合、少年のみならず、少年に該当しない者であっても補導できるよう規定すればより実効があがると考える。

奈良県警察の考え方

本条例は、「少年」の健全育成を図ることを目的とするものであり、不良行為少年に対する補導も、このために行われるものです。

 ですから、少年ではない20歳以上の成人を補導の対象とすることは適切ではないと考えます。

 しかし、成人が法令の規定により少年に行わせてはならないような行為をさせる等していた場合には、当然当該法令に基づき厳正に対処していきます。

ご意見の概要

不良行為として飲酒・喫煙とあるが、未成年者飲酒・喫煙禁止法に抵触しており、れっきとした犯罪として対処していただきたい。

奈良県警察の考え方

未成年者の飲酒や喫煙については法令により禁止された行為ではありますが、未成年者がこれに違反しても刑罰を科すものではありません。(国の法律で定めています。)

 しかし、飲酒や喫煙などの不良行為は、「非行の入り口」となるような行為ですから、今後とも適切に補導を行って少年が非行への道を歩まないようしていくこととします。

ご意見の概要

不良行為少年の補導の実態(時間・場所・件数・態様)についてネット上等で公表しそれぞれの活動諸団体とのデーター共有できるようしてはどうか。

奈良県警察の考え方

県警察ホームページにおいて、不良行為少年の総数等について公表しています。

 条例においても、関係機関等との緊密な連携を図ることを規定することとしていますが、今後とも、緊密な情報交換等に努め、少年の健全育成を図ることとします。

少年補導員について

ご意見の概要

少年補導員の地位と権限を公務員と同様の権限を与え、適切に職務が遂行されるよう希望する。

奈良県警察の考え方

少年補導員については、条例により委嘱の根拠と要件、活動内容を明確にすることとしています。

 また、活動上において知ることとなった他人の秘密について守秘義務を課すこととします。

 これらの規定の整備により、少年補導員としての活動が県民の皆様のご理解とご協力の下に、適切に遂行できるものになると考えます。

ご意見の概要

少年補導員の活動内容等の法定等について反対である。

 ボランティアである少年補導員を警察協力の組織として位置づけ、警察の志向する少年非行防止施策をこれらを巻き込んで強化することに繋がりかねない。

奈良県警察の考え方

現在、少年補導員は、警察署長から委嘱を受け、

 ・ 警察職員との合同街頭補導活動

 ・ いわゆるピンクビラをはがす等の有

  害環境浄化活動

 ・ 通学路等における見守り活動等の被

  害防止に係る啓発活動

等を行っています。

 本条例は、こうした少年補導員の委嘱の根拠と要件、活動内容等を明確にするとともに、少年補導員に守秘義務を課すものです。

 条例で規定することにより、少年補導員が、県民の皆様のご理解とご協力の下で、その活動をより活性化することができるものと考えています。

ご意見の概要

 不良行為少年に対する補導権限付与そのものが問題であると考え、少年補導員に付与することも認めるべきでないと考える。

奈良県警察の考え方

少年補導員が、不良行為を行っていると認められる少年に対して声かけ活動を行い、その結果、当該少年が不良行為少年であった場合に必要な助言や指導を行うなどの活動は、ボランティアとして、通常期待される行為であり、問題はないと考えています。

 なお、警察職員が行う措置を必要とする場合は、速やかに警察職員に引き継ぐものとします。

ご意見の概要

少年補導員の委嘱については、地位や名誉にこだわらない真に少年の健全育成に熱意のある人に委嘱し、任期については十分実効のあがるまでとしたらよいのではないか。 また、警察・行政・地域が一体となって活動できるような拠点づくりが必要ではないか。

奈良県警察の考え方

少年補導員の任期については、2年(再委嘱可)と考えています。

 熱意と実行力等を兼ね備えられた方を委嘱することとし、常に、少年補導員としての知識や技能等の向上を図っていただくものとします。

 また、少年補導員は、警察署ごとに少年補導員協会を組織することとし、関係機関等と緊密な連携を図り、その実効性が図られるよう努めていきます。

ご意見の概要

少年補導員の委嘱と同時に協議会を立ち上げ、地区別や県下全域の連絡会を構築すれば良いのではないか。

奈良県警察の考え方

少年補導員は、警察署ごとに少年補導員協会を、またその連合体として奈良県少年補導員協会連合会を組織し、関係機関等と緊密な連携を図っていく旨を規定することとします。

その他

ご意見の概要

「保護者等関係者への連絡」を条例化すべきでない。

 保護者に対して連絡するについては、地域住民による見守りの観点から、または児童相談所による児童保護の観点から具体的必要に応じてなされるのが適当である。

 また、学校等への連絡は少年のプライヴァシーの侵害であり少年に対する不利益な取扱い(停学、退学等)のおそれもある。

奈良県警察の考え方

子どもに対しては、その保護者に第一次的監督責任があるものと考えており、当該少年が不良行為少年であった場合に、保護者にその旨を連絡することは当然のことと考えます。

 また、学校関係者は、在籍者が不良行為少年であった場合に必要な教育上の措置をとることは当然のことであり、学校への連絡も必要であると考えています。

ご意見の概要

継続補導について反対である。

 未だ非行に至っていない少年を日常的監視のもとに置くということであり、本来法が予定する少年保護手続きに乗せないまま警察が抱え込んでしまうということになりかねない。

奈良県警察の考え方

継続補導については、保護者からの申出に限り行うものとしており、実施に当たっても、学校その他関係機関等と緊密な連携の下で行うこととしています。

 なお、不良行為少年を補導した場合において、当該少年が非行少年や要保護児童であった場合には、少年法や児童福祉法の措置をとるべきことを明記することとしています。

ご意見の概要

少年を取り巻く環境の整備をより実効あるものとするため、酒類やたばこの自動販売機設置者(管理者)を対象とした適正販売・管理に関する規定を設けてはどうか。

奈良県警察の考え方

本条例は、不良行為少年の補導に関し、県民の責務を明らかにするとともに、警察職員等の補導活動の措置を定め、少年の非行の防止と保護を通じて少年の健全育成を図ることを目的として制定するものです。

 よって、少年をとりまく有害環境等に関する規制等にかかる規定を盛り込むことは適当でないと考えています。

 しかし、不良行為少年の補導に当たっては、関係機関等と警察は連携を図ったり、目的達成のために協力をお願いすることも必要であると考えており、その旨の規定を設けることとします。

4 仮称「奈良県少年補導条例」(案)要綱案

仮称「奈良県少年補導条例」(案)はこちら(PDFファイル)

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/051222.pdf

※要綱案についてのご意見を承ります。

ご意見のある方は下記により提出してください。

(ご意見の内容について、個々に回答をしたり、ホームページ等で奈良県警察の考え方を示すことはありませんが、今後の立案に当たっての参考とさせていただきます。)

意見提出書(PDFファイル

http://www.police.pref.nara.jp/ikenbosyu/shounenhodoujourei/ikensho051222.pdf

(1) 郵便で提出の場合

〒630−8578(個別番号につき住所は不要です)

    奈良県警察本部生活安全部少年課内

    奈良県少年補導条例制定準備事務局 宛

(2) ファクシミリの場合(※送信時には上記「事務局名」を明記してください。)

0742−23−1169

(3) 電子メールの場合

メールでのご意見はこちら

https://www.police.pref.nara.jp/mail/mailform(publiccomment3).htm

5 お問い合わせ先

奈良県警察本部生活安全部少年課内

奈良県少年補導条例制定準備事務局

0742-23-0110(内線 3081)


以下、県公安委員会の情報。

 

奈良県公安委員会

http://www.police.pref.nara.jp/kouaniin/

定例公安委員会の開催結果

http://www.police.pref.nara.jp/kouaniin/kaisaikekka1.0512.htm

1 開催月日

  平成17年12月22日

2 主な議事の概要

《略》

仮称「奈良県少年補導条例」(案)作成に関するパブリックコメント手続き実施結果及び同要綱案について

 仮称「奈良県少年補導条例」(案)に関するパブリックコメントを実施した結果、大多数は賛成意見であったこと。また、県警ホームページ等に今回の結果と要綱(案)を公表していることなどについて報告がありました。

 

意見募集で賛成論が多かったと書かれてしまってますねー。でもパブコメ出したのは13名1団体しか無かったわけで…。うーん。

 

───────────

関連ログ

 

奈良県少年補導に関する条例成立(1)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060330

奈良県少年補導に関する条例成立(2)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060329

奈良県少年補導に関する条例成立(3)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060328

単純所持禁止・奈良県が初の条例検討(2)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050430

単純所持禁止・奈良県が初の条例検討

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050429

───────────

*1:児童買春児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年五月二十六日法律第五十二号)http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html

*2:「奈良県少年補導条例は児童保護の観点から見れば、被害が潜在化するおそれがあります。」 http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20060227/1141038273

*3奈良県知事柿本善也のページ http://www2.mahoroba.ne.jp/~kakimoto/

*4:補導現場で困っているのデータを示してほしいとの要望を伝えると知事は明確に語っていましたが、条例が制定された現段階でも未だにデータはどこからも示されていません。

20060329 奈良県少年補導に関する条例成立

奈良県少年補導に関する条例成立(2)


以下、議会の情報。

2月定例会の会議録など新しい情報はまだネットで公表されていませんが、公表され次第追って追加します。いろいろヘンテコな質問や答弁があったらしい…。

 

奈良県議会

http://www.pref.nara.jp/gikai/

提出議案と議決結果一覧表

http://www.pref.nara.jp/gikai/gaiyo/2/1-01-02.html

【平成18年度議案(知事提出)】

議第45号 奈良県少年補導に関する条例 3月24日 原案可決

2月 代表・一般質問項目

http://www.pref.nara.jp/gikai/gaiyo/2/2-01-02.html

自由民主党  松井正剛(平成18年3月6日) *1

《略》

12.奈良県少年補導に関する条例について


新創NARA  川口正志(平成18年3月6日) (())

《略》

10.犯罪と青少年対策などについて


民主党 高柳忠夫(平成18年3月7日)

《略》

8.奈良県少年補導に関する条例について


一般質問の主な項目

《略》

自由民主党  菅野泰功(平成18年3月7日)

《略》

6.「奈良県少年補導に関する条例」について

《略》

日本共産党   山村幸穂(平成18年3月8日)

《略》

5.奈良県少年補導に関する条例について

《略》

新創NARA  梶川虔二(平成18年3月8日)

《略》

6.奈良県少年補導に関する条例について

奈良県議会委員会会議録平成17年12月9日総務警察委員会

http://www.pref.nara.jp/gikai/iinkai-kiroku/17-11gatsu/soukei-171209.htm

開催日時  平成17年12月9日(金) 10:34〜12:16

開催場所  第1委員会室

出席委員  9名

丸野智彦 委員長

藤本昭広 副委員長

荻田義雄 委員

山村幸穂 委員

上田悟 委員

神田加津代 委員

菅野泰功 委員

服部恵竜 委員

中村昭 委員

欠席委員   なし

出席理事者  滝川総務部

 谷川県理事兼平城遷都1300年記念事業準備事務局長

 黒瀬総合防災監

 藤井企画部長兼観光交流局長

 菱川警察本部長 ほか、関係職員

傍聴者 1名

《略》

○山村委員

《略》

それから次に、警察本部の方にお聞きしたいと思います。

 こちらの方でも今、(仮称)奈良県少年補導条例の制定に向けてパブリックコメントを実施しておられます。この点について聞いておきたいと思います。

 警察庁の方では、少年非行防止法制に関する研究会が昨年提言を発表されております。この中身については、現在、賛成、反対、さまざまな議論があると思います。県のパブリックコメントの提案についての資料を私も見せていただいておりますが、詳細がわからないこともありますので、質問しておきたいと思うのですが、これまで警察職員が行ってきた少年補導活動、これが条例によって、どの点がどのように変わるのかということですね。

 それからもう1点は、不良行為少年ということを定義づけるということなのですが、例がここに書かれて紹介されています。そのまま放置すれば少年の健全育成に支障を及ぼすおそれのある行為ということで、内容は非常に多岐にわたるというか、不明確であるのですが、この辺、具体的にどうなのかということ。

 それからもう1つは、少年補導員の方、今ボランティアでありますが、身分や活動や処遇、これを条例で決めていかれた場合に、どういうふうに変わるのかということについてお聞きしておきたいと思います。

《略》

○中谷生活安全部長 (仮称)奈良県少年補導条例についてお答えいたします。

 警察ではこれまでも、不良行為少年に対しましては、少年補導員や関係機関と連携して、注意や、その後の非行を防止するための助言、または指導を行うなど必要な補導を行ってきたところです。しかし、少年が不適切な物件を所持していた場合の取扱いや、家出少年を深夜に補導した場合の措置などについて、必ずしも明確な法令上の規定が置かれていないこともありまして、現場での取扱いに支障が生じることもあったところです。また、少年警察ボランティアとして委嘱している少年補導員につきましても、法令上の地位が明確でないこともあり、必ずしも十分な理解と協力が得られていなかったところです。そこで、補導活動の根拠と手続を明確化して、県民の理解と協力のもとで補導活動の活性化を図るため、ご質問の(仮称)奈良県少年補導条例の制定について検討しているところであります。

 また、現在の補導の対象としている不良行為少年とは、不良行為、すなわち刑罰法令に該当する行為ではないが、飲酒、喫煙、深夜徘徊など、少年が事故または他人の特性を害するおそれのある行為を行う少年を指しています。現在検討中の条例における不良行為少年の定義においても、実質的には補導の対象の範囲について変更を加えることは考えておりませんでして、補導の対象を、より具体的かつ明確になるよう整理して定義したいと考えているところです。

 また、現在、意見の募集に当たっては、不良行為とは、犯罪ではないが、飲酒、喫煙、深夜徘徊等、そのまま放置すれば少年の健全育成に支障を及ぼすおそれのある行為を言い、本条例では、補導の対象となる不良行為の範囲を明確にするとしており、不良行為の定義の仕方を含め、ご意見を伺っているところです。

 以上でございます。

○山村委員

《略》

それから、警察本部の方からお答えをいただきましたが、もうひとつよくわからない面があるのですが、今、警察職員の方が行っていらっしゃいます少年補導ですね、これ自身は法律に基づく活動ではありませんよね。で、今、法整備もされていない状況でありますよね。だから、街頭補導の活動というのは、通達、あるいは国家公安規則、そういうものでやられているのだと思うのですが、それを奈良県の場合は条例で規定をして、根拠のあるものにしていこうということなんですよね。そういうことでいいますと、これまでのやっておられる活動と、これからされる活動というのが、具体的に言えば、どこがどういうふうに変わってくるのかなということを教えていただきたかったのですが、もう少し詳しくお願いします。

 それから、不良行為少年、この定義づけについては、ここに書かれている範囲のことを超えないんだということをおっしゃったんですよね。ただ、私、この書いているのを見せていただきましたが、これだと非常に範囲が広くて、不良行為少年というのは、犯罪でもなく非行でもないと。それ以前の段階ですよね。だから、補導という対象にはなっているけれども、強権的にどうこうしなさいというようなことよりも、その子どもが人間として試行錯誤を繰り返しながら成長していくということを援助する、もちろんどの子もそうなんですが、そういう対象であるわけですから、いたずらに範囲を決めて、あれもだめ、これもだめ、これは全部不良行為だということで規制をしていくというふうないき方というのは、これは正しくないのではないかと思っています。そこのところを私は懸念しているので、そういう点についても考えていただき、今検討中だということですので、お願いしたいと思います。

 それと、少年補導員の身分、活動、処遇ということで、今、地位が明確でないということでされるということになったのですが、その明確になった場合、処遇とか、活動とか、そういうものがどういうふうに変わるのかということなんですが、ちょっとそのことをお聞きしたんですが、お答えいただけますか。

《略》

○菱川警察本部長 (仮称)奈良県少年補導条例についてのご質問でございますが、まだ条例案の中身については現在検討中ということでありまして、その具体的な条文を前提としたようなお答えというのは、なかなかいたしかねるものがありますので、一般的な考え方ということについて、ご説明したいと考えております。

 先ほど生活安全部長から説明がありましたが、現在もこの少年補導というのは行っているわけでありまして、法令上の根拠は全くないというわけではなくて、警察法という規定に基づいて、任意のとりうる手段の中での働きかけということは当然できる、個別の根拠、法規がなくてもできるということでありまして、今回、条例では、まさに個別の活動としての根拠規定を整備しようというものでございます。

 条例の制定によって、従来行っていた警察の補導活動の本質に大きな変化を生じさせるといったことは考えているわけではございませんが、補導の根拠が明確になる、あるいは、先ほど生活安全部長が説明申し上げましたが、少年が不適切な物件を持っているときに、警察職員が一時預かれるようにするとか、あるいは家出少年を補導した場合に、これを警職法の規定に基づいて保護できないような場合に、保護者に引き渡すまでの間、一時的に保護するでありますとか、そういう個別具体的な権限としてはできる部分を明確にする、さらには、そういう補導した少年について、保護者の方にきちっと連絡して、保護者の方に必要な対応をとっていただく、こういったことをきちっと条例で書くことによって、県民の方々の理解と協力によって、より円滑に補導活動が行われるようになるだろうというふうに考えておるところであります。

 また、少年補導員の法的な地位の問題でありますが、これは、例えば、道路交通法上の地域交通安全活動推進員とか、同種の制度はあるのですが、基本的にはそれらの方々と同じような法的な地位になると思うのですが、こういう条例上の地位が明確化することによりまして、県民の方々の理解と協力が得やすくなるということもありますし、また、今回の条例の中では、ぜひ守秘義務についても定めたいと考えており、そういう守秘義務を持った立場ということで、より県民の方々の理解が得られやすくなるのではないかと考えておるところでございます。

 不良行為の定義についてもいろいろ貴重なご意見をいただきましたが、パブリックコメントで出させていただいている中で、例示して書いてありますが、飲酒、喫煙、深夜徘徊など云々と書いてあるんですが、飲酒、喫煙というのは割とどういった行為であるかということははっきりしているんですが、例えば深夜徘徊の、この深夜というのは、どの時間帯を深夜と呼んだらいいのかと。あと、少年が事故または他人の特性を害するおそれがある場合、幾つか補導する場合に類型はつくってあるわけですね。不健全な娯楽をしているとか、不健全な性的な行動があるとか、幾つか類型があるわけですが、社会のコンセンサスとして、不健全な娯楽というものがあるにしろ、やはり補導という形で、ある程度警察の方で働きかけをする場合においては、何を不健全な娯楽と見るのか、そのあたりをよりわかりやすい形で、県民の方にわかる形で定義をしていく必要があるのではないかと、こういうふうに考えているところでありまして、やっぱり今、そういった観点から情報の整理を検討しているといったような段階でございます。

《略》

○山村委員

《略》

それで、次に、警察の方でお答えをいただきましたが、今おっしゃっていただきましたように、法的な根拠という点でいえば個別の法はないけれども、今、警察官の職務執行法とか、そういう法に基づいて実際にやられていることはたくさんあると思うのですが、つまり、その範囲でしか、それを超えるような規制的なことをされるということは問題があるのではないかという意見が多数あると。つまり、非行でもなくて、まだ単なる不良行為少年という状態にある人を警察にとめ置いたりとか、あるいは持っているものを取り上げることになったりとか、職務質問のような形で質問をするとか、そういうことは大人に対しても非常に厳しく制限がされておりますよね。そういう状況がある中で、条例によって新たに人権や自由に制限を加えるようなものを決めていくということについては非常に問題があると思うのですが、私は、その点を考えていく上で、法的な根拠を持たせるということが必要だったとしても、その問題については、やはり規制を強化するということになって、人権を侵害することにならないようにということを求めておきたいと思います。

 それと、不良行為少年が本当に立ち直って、社会の中で再生していく、こういう少年犯罪を減らしていくという目的からいいましたら、当然、警察の力だけではなくて、学校や家庭裁判所児童相談所という役割があります。教育にかかわっている人々の役割というのは非常に大きなものがありますよね。それを一般的な県民の責務ということで押しつけるという形ではなく、やはり専門家や善意の人たちが本当に一緒にやっていけるような、教育的、福祉的な予算をふやしていく、あるいは人をふやすという、そういうところをきちんと進めることが必要ではないかということもあると思いますので、そこも、専門家の声も聞いていただいて検討されていくということが大事かと思います。

 それと、パブリックコメントで出されているこの資料だけを見て意見を募集されているわけなんですが、普通の方、私はいろいろな人の意見を聞いていますが、なかなか中身を理解できないとおっしゃるのです。よくわからないことですし、具体的にもどうなるのかなということがわからないことですから、これで意見を求められるというのは、非常に、意見を出される方に制約があると思うのです。だから、まだつくるまでに目指しておられるところまでには時間があるし、私はそんなに性急につくるということをしなくて、もう少しいろいろ広い方法で意見を聞く方法というのをこれ以外に考えていただくとか、県民的に議論ができるということが必要ではないかと思いますので、その点を申し上げておきたいと思います。

 

もっと厳しく追求できるとは思いますが、大筋でいい質問をしていると思います。

少年補導には法的根拠がありません。警察官はあくまで犯罪捜査が主な活動であり、犯罪と関係のあることについて“職務質問”は許されていますが、子どもの養育や教育は育てる親の価値観によって様々であるため、画一的に対応すれば私生活の介入につながるおそれがあります。

子どもが犯罪に巻き込まれるおそれを警察は強調しますが、警察官が補導し子どもたちの行動を制限するようになれば、子どもたちは警察官に補導されるかもしれないと思って警察官の目の届かないところに行くようになり、子どもたちはますます危険な場所に行く可能性があります。

従来の民間ボランティアとしての補導員には、なんの権限もありません。権限が無いから子どもたちは補導員が現れても逃げ隠れせず、見える場所にいるわけです。見える場所にいるから、なにかあっても対応でき、安全です。もし補導員に補導権限を与えたら、子どもたちは補導員の目の届かぬところに行くでしょう。つまり、ますます子どもたちは危険に近づくことになります。

 

質問者の情報。

選挙の投票の参考にしてください。

 

日本共産党奈良県会議員団

http://nara.jcp-giin.net/

日本共産党奈良県会議員団「山村さちほ議員」

http://nara.jcp-giin.net/www/member/giinYamamura1.shtml

 

条例の話ではないですが、奈良県って9千票程度で県議になれるんですねぇ。

札幌市北区で出馬した現職の共産県議は、18,909票とっても落選してしまいました。*2地域によって政治事情は様々とはいえ不条理ですね。奈良県は県議の議席数が多すぎやしませんかね。

 

文教委員会記録

http://www.pref.nara.jp/gikai/iinkai-kiroku/17-11gatsu/bunkyou-171209.htm

開催日時 平成17年12月9日(金) 13:34〜15:15

開催場所  第3委員会室

出席議員  10名

中辻寿喜 委員長

畭真夕美 副委員長

奥山博康 委員

田中美智子 委員

山本進章 委員

岩城明 委員

安井宏一 委員

松井正剛 委員

小林喬 委員

山本保幸 委員

欠席議員   なし

出席理事者   矢和多教育長 ほか、関係職員

傍聴者 なし

《略》

○田中美智子委員 

《略》

あともう1つは、(仮称)県少年補導条例案への対応について伺いたいと思います。

これは奈良県警の方が、(仮称)県少年補導条例というものをこれからつくっていきたいと。ついては、概要の案を示すので、県民の皆さんに意見を寄せてほしいというふうにおっしゃっているわけですけれども、この内容については、少年非行という、非行というふうに至っていない、不良行為を行った少年に対して警察がいろいろかかわっていくという、そのかかわり方を決めていくというものでございますし、また、補導委員ですか。

○中辻委員長 補導委員です。

○田中美智子委員 少年補導員を新たに委嘱をして活動していってもらうと。そこには守秘義務もちゃんと定めていくということですし、罰則なども、少年補導員の守秘義務違反や、立入要求拒否に対して罰則を定めるであるとか、それから、運用上の注意でいえば、少年の自由と権利を不当に制限しないよう、運用に当たっての注意について定めるんだと書いています。ということは、不当でない制限、自由や権利を制限するということはあり得るということになっているわけなんですけれども、この概要だけでは本当にわからないんですよね。

 私は、やはり、少年といった場合、用語の解説では20歳までを少年と言うと、こう書いています。そして、この不良行為というのは、喫煙、飲酒、それから夜間の出歩きですね、そういったことを不良行為として、そして、いろいろ警察が関与していくということになっていくわけですけれども、その内容によっては自由や権利が侵害されるというようなことにもなりますし、やっぱり子どもにとっては教育とか福祉、この立場で接していくことが、本当に非行という方向に進んでいかない、その上でもとても大事なことだと思うんですね。安易に警察権力で子どもたちを萎縮させたり、親たちにもそういう思いをさせたりというようなことでは、かえって立ち直りを阻害するということにもなるんじゃないかと思うんです。この点では教育と随分かかわりのあることだと思うので、教育委員会にはこの問題についての相談というか、教育委員会と何か協議がこの間されてきたのかどうか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。

《略》

○矢和多教育長  順番はちょっと違うかもわかりませんが、奈良県少年補導条例というのが、仮称でございますけれども、そういう方向で今、県警察本部の方で検討いただいておりまして、警察の方から私自身の方に、趣旨とか、それから目的についてお話を伺いました。私自身、20年前には高等学校の教師をしておりました。補導委員というのをやっておりましたので、よくその趣旨は理解できたと思っております。この条例は、健全育成に有益なものであると認識をいたしております。

《略》

○田中美智子委員

《略》

 それから、県少年補導条例案の問題ですけども、教育長、先ほど補導委員をしたことがあるとおっしゃったけれども、その補導委員と今度委託しようとしているのとは意味が違うんです。私たちはボランティアで今まで、大体学校のPTAなどの中から担当者を選んだりしていますよね。それとは違って、権限を持って子どもを、不良少年を補導するという、そういう内容になっているものですので、その辺は、ややもすると、この内容を見てみますと、その補導委員がもう少し機能的に役割を果たすことなのかなと思えてしまうんですけれども、どうもそうではないというようなことです。

 実は、去年の12月に、警察庁の少年非行防止に関する研究会というのが少年非行防止法制のあり方について提言を発表しています。その提言の中で、犯罪行為ではない不良行為にまで警察の権限を拡大して、民間ボランティアに強制権限を与えるというようなことを提言している。そういう内容とどうも流れは同じようなんです。

 そこで、日本弁護士連合会は、今年の7月に意見をまとめて、警察庁の方にも、また関係機関にも提出したということなんですけれども、この意見を私、読ませていただいて、本当にこれは問題を随分はらんだものだなというふうに思いました。主に言っているのは、警察権の発動というのは、基本的人権の尊重の観点から必要最小限度にとめるべきものであり、これを拡大する法律の制定は反対であるというふうに弁護士連合会がおっしゃっています。ですから、条例も同じことになると思うんです。

 それから、少年非行予防のための国連ガイドライン、リヤド・ガイドラインと言うんだそうですが、その理念、すなわち、少年非行防止のためには、家庭、学校や地域において子どもの人権を尊重した教育、福祉的アプローチが重視されなければならないとしているんですけれども、この理念を踏まえて、国、地方公共団体は教育福祉政策を抜本的に拡充強化して、警察よる監視型ではない、子どもの成長発達支援という観点に立ったコミュニティーの再建、これを援助する施策を行うべきであるという内容がるる述べられておりますので、一度この少年非行防止法制のあり方についての日本弁護士連合会の意見をぜひお読みいただいて、それで参考にしていただいて、子どもたちの健全育成がかえってそがれるというような、阻まれるというようなことがないように、教育委員会としてしっかり対応していただきたいなと思っております。

 こういった条例の概要だけでは、中に含まれている心配な部分は出てきておりませんので、私なんかからしたら、何かいいことがあるのかなあと思って、何か誘導されていくような、そんな心配もしますので、ぜひこれはしっかり情報開示も求めて、必要な意見を子どもたちの立場に立って言っていくということが必要だということを求めておきたいと思うんです。

 さっきおっしゃった、これまでの補導委員とは違うというご認識はおありでしょうか、後でちょっとお聞きしたい。

《略》

○矢和多教育長 条例にかかわりまして、私は20年前に補導委員というのをしておりまして、そういうことから、この条例につきましてはよく理解ができたと、そういうことでございます。同じだとは考えておりません。お聞きいたしました内容につきましては、子どもたちの健全育成に有益なものであると私自身は感じております。

リヤドガイドラインの遵守義務を怠っている点あたりの指摘はなかなか良いです。

リヤドガイドラインは「非行少年と烙印をおすことは、かえって青少年の好ましくない行動を持続させるという認識を非行予防対策の中で認識されねばならない」とはっきり言っています。

 

少年非行の予防のための国連ガイドライン(リヤド ガイドライン

United Nations Guidelines for Prevention of Juveniele Delinquency (The Riyadh Guidelines )

http://www.mirandanokai.net/body/siryou/riyadh.html

1. 基本原則

《略》

2 少年非行の予防が成功するためには、幼児期から人格の尊重とその向上を念頭におき、調和のとれた成年期の発達を確保する努力を社会全体が行う必要がある。

3 このガイドラインの解釈にあたっては、子供中心の態度が追求されなければならない。青少年は、社会において積極的な役割とパートナーシップを認められなければならず、単に社会化と統制の目的物とみなされてはならない。

《略》

5 進歩的な非行予防政策および非行対策の体系的な研究とその案出の必要性および重要性が認識されなければならない。これらは、子供の発達に深刻な害悪を及ぼさず、他人を傷つけない行動のために子供を犯罪者としあるいは刑罰を科することを避けるものでなければならない。そのような政策や対策は、以下のようなものを含まなければならない。

a 全ての青少年の、とりわけ危険にさらされまたは社会的な危険に直面している青少年あるいは特別のケアと保護の必要な青少年の、さまざまなニーズに応え、かつ、その発達を保障する援助の枠組みとして機能する機会の提供、とりわけ教育の機会の提供

b 違反行為を犯す動機、必要、機会あるいは条件を減少することを目指した、法律、手 続、組織およびサービス提供ネットワーク(service delivery net- work) に基づく、非行予防のための専門的な理念ならびにアプローチ

c 青少年の総合的な利益を第一に追求し、かつ、公正で平等な公的な介入

d 全ての青少年の福祉、発達、権利ならびに利益の保障

e 社会の標準や価値に全面的には適合しない青少年の行動というものは、しばしば成熟と成長の過程の一場面であり、大人になるにしたがって自然と消失するものであるという考慮

f 専門家の支配的な意見において、青少年を「逸脱者」、「非行少年」あるいは「類非行少年(pre-delinquent)」と烙印することは、かえって、青少年の好ましくない行動を持続させると言われていることの認識

《略》

4. 社会化の過程

《略》

A 家族

11 いかなる社会も家族とそのメンバーのニーズと福祉に高度の優先順位をおかなければならない。

 

以下、質問者の情報。選挙の投票の参考にしてください。

 

日本共産党奈良県会議員団「田中美智子議員」

http://nara.jcp-giin.net/index.html

http://nara.jcp-giin.net/www/member/giinTanaka1.shtml

 

それにしても、憲法解釈を変えることになるかもしれないほど重大な内容を含む条例について議論されているのに、傍聴者なしというのは本当? そう記録されているので本当なんだろうなぁ。

無関心だからでは済まされないと思いますよ。県が積極的に市民を議論に参加させていないということが問題ですけれど、市民ひとりひとりが政治の“現場”にコミットしない“おまかせ民主主義”にも問題があるのかも。

 

奈良県議会 会議録検索システム 

http://tinyurl.com/qrrh3

平成17年 11月 定例会(第277回)-12月06日−02号

◆四十三番(服部恵竜) (登壇)今定例会、私が最初の質問者でございます。発言のお許しを得ましたので、自由民主党を代表いたしまして、当面する県政の幾つかの課題につきまして、知事、教育長、警察本部長にお尋ねをいたしたいと思います。

《略》

次に、深刻化する少年犯罪を未然に防止する目的から、奈良県少年補導条例の制定に向けた検討をされ、十一月十四日からパブリックコメントも開始されたようであります。この取り組みは、国においても法制化に向けて検討が進められていると聞き及ぶ中で、本県が国に先駆けて検討し制定しようとしている奈良県少年補導条例について、その制定の趣旨と必要性についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたしておきたいと思います。

《略》

◎ 警察本部長(菱川雄治)

次に、現在検討中の奈良県少年補導条例、これは仮称でありますけれども、この条例についてであります。

 県警察では、少年は次代を担う宝と位置づけ、非行の防止と保護を通じてその健全な育成に取り組む必要があると考えておりまして、とりわけ非行の入口に立つ不良行為少年につきましては、早期発見により非行性が深化する前の立ち直り支援等が必要であると考えております。そこで、県警察では、これまで関係機関やボランティア等と協力し、不良行為少年に対する街頭補導活動等を行ってきたところでありますけれども、少年が有害な物件を所持した場合の取扱いや、深夜に補導した家出少年等の保護の取扱いについて、必ずしも明確な法令上の根拠が設けられていないということもありまして、活動に支障が生じる場面もあったところであります。また、少年警察ボランティアとして委嘱している少年補導員の方々につきましても、法令上の位置づけが明確ではなかったために、その活動に理解と協力が得られにくい面があったことも否めないところであります。そこで、補導活動の根拠と手続を明確化して、県民の理解と協力のもとで補導活動の活性化を図るため、本条例の制定について検討することとしたものでありまして、現在、条例案の概要を公表し、広く県民の意見を募集しているところであります。

 なお、少年に対する補導活動につきましては、平成十五年十二月、政府の青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱におきまして、「権限・手続などについて、条例を含め法的明確化を図る」とされたところでありまして、国におきましても所要の検討が行われていることとは思いますが、国による法律の整備を待つということではなくて、県の少年の実情や、あるいは少年の非行防止に対する県民の意識に応じて、奈良県にふさわしい条例の整備を検討するということも、地方分権の時代にふさわしい取り組みではないかと考えているところであります。

 

自民党県議らしい質問ですね。菱川雄治警察本部長に自由にしゃべらせるための質問だと思います。

 

服部恵竜奈良県議会議員(自由民主党)

http://www4.ocn.ne.jp/~hattori/profil.htm

 

地方分権の時代にふさわしい取り組み」と答弁してますが、そう答弁している人が天下りで、政策も警察が作った天下り政策。

「平成十五年十二月、政府の青少年育成推進本部が策定した青少年育成施策大綱におきまして」と説明していますが、青少年育成推進本部の下にいた人のひとりが菱川本部長。

 

平成17年 11月 定例会(第277回)-12月07日−03号

◆四十五番(山本保幸)

《略》

最後に、青少年健全育成条例の改正について、お尋ねをいたします。

 県内の刑法犯の認知件数が減る一方で、半数近くの人が治安が悪くなったと感じていることが県警の調査でわかったと、先日報道されていました。特に少年非行の増加は凶悪化、低年齢化し、進展化しており、まさしく少年犯罪の抑止は治安回復の大きなかぎになると言われます。また、この三月、内閣府は、少年非行に関する世論調査結果を発表いたしました。時間の関係で詳細に触れることはできませんが、非行の背景に、コンビニ、カラオケボックス、漫画喫茶、インターネットカフェの深夜営業、インターネットによる自殺や暴力、性の情報が手に入る、簡単に暴力や性に関する情報を扱ったビデオ、出版物を手に入れられる、また、社会全般に心の豊かさや思いやりの心が失われている、子どもに関心がない等、社会の規範意識の低下を指摘しております。そして、行政に力を入れてほしい政策として、少年に悪影響を与えるような環境を改善する、警察や学校、児童相談所、少年補導センターなどの関係機関が連携し、非行少年に対し継続的に指導・助言を行う、その他、無職少年の就職支援、子どもの居場所づくり、警察の対応等が挙げられています。

 今回、県警本部は(仮称)少年補導条例案の制定に向けて取り組んでおられ、現在パブリックコメントが実施されておるというふうに伺っております。それはそれで大切なことでありますが、少年非行は、警察による取締りや、あるいは管理の強化だけではなく、県は子どもを取り巻く環境を的確に分析し、社会情勢の変化に即した青少年健全育成条例の改正と、それに基づく家庭を含めた社会全体での良好な社会環境の整備や再非行を防ぐための取り組みなどが重要であります。そのためには、社会全体でそれぞれが担わなければならない役割を改めて検証し、役割分担の明確化と連携強化に努めるべきと考えます。家庭、学校、関係機関・団体など地域ぐるみで、かつ相互に連携をしながら取り組んでいくことが極めて重要であると考えております。

 全国的に見て、少年非行の増加、少年を取り巻く社会環境の変化、社会規範の低下等に呼応して、規制強化や健全育成に業者や地域に努力義務を課すなど、条例の見直しが進められています。全国の知事部会においても、個別具体的な問題について対応を協議しているということも伺っております。青少年健全育成条例は一県だけで強化してもだめで、近隣府県との連携も重要ではないかと考えております。大阪府兵庫県でも条例の改正の動きがありますが、本県の条例の見直しについてどのようにお考えなのか、こども家庭局長にお伺いをいたします。

《略》

◎こども家庭局長(上森健廣) (登壇)四十五番山本議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、青少年健全育成条例の改正についてどのように考えているのかというお尋ねでございます。

 青少年を取り巻く環境は、有害図書類やインターネット、残虐なゲームソフトなど、さまざまなメディアの情報がはんらんするとともに、非行や犯罪被害者が懸念される深夜営業施設の増加など、急速に変貌しつつあることはご指摘のとおりでございます。県におきましては、これまでも、青少年健全育成条例の改正や環境浄化活動の推進など、その整備に努めてきたところでありますが、こうした社会経済環境の変化を踏まえ、諮問機関であります県青少年問題協議会を今年度は既に五回開催いたしました。その中で、携帯電話やインターネット等新たなメディアへの対応、社会的自立に困難を抱えるニートなど、当面する課題や青少年施策の基本的な方向についてご議論をいただいているところでございます。

 青少年を取り巻く有害環境につきましては、今後とも、関係機関や県の青少年指導員等の協力を得ながら浄化に努めるとともに、お尋ねの条例改正などにつきましても、新たな問題事象や実効性ある対策に関する議員あるいは県民各位のご意見や、県青少年問題協議会のご議論、ご提言を十分に踏まえながら、必要に応じ、所要の措置を講じてまいる所存でございます。

 

有害情報の影響の科学的根拠など見解の相違はありますが、提案側の矛盾を指摘しているので、まあまあの質問だと思います。少なくとも賛成したり質問しないよりはずっとマシ。山本県議(新創NARA)は委員会採決で反対にまわっていますので、その点は評価できると思います。

 

ちなみに、民主党本部はこういうアピールも出しています。

 

民主党 2005年12月17日 

【子どもの安全に関わる緊急アピール】

http://www.dpj.or.jp/news/200512/20051217_12appeal.html

《略》

私たちは、昨年発生した奈良県での事件以降、検討を重ねまとめた、学校及び周辺の安全対策を推進する「学校安全対策基本法案」を次期通常国会に提出します。

さらに、「子どもの安全合同会議」を立ち上げ、学校やその周辺のみならず、厚生労働省所管の保育所、障がい児施設、児童館、学童保育等、経済産業省の下にある学習塾、法務省所管の性犯罪者の再犯防止の問題等、中央省庁の縦割り行政を排して、すべての子どもたちの「命」を守るために、あらゆる方策を講じます。

《略》

学校安全対策基本法(本文)(PDF 29KB)

http://www.dpj.or.jp/seisaku/kan0312/monka/image/BOX_MKA0008-honbun.pdf

 


二月定例会での条例案審議の会議録については、後日ここに追加します。

ネット中継を見た人の話しではひどい答弁だったらしい。乞うご期待。

 


以下、弁護士会の声明。

「不良行為」の定義の問題は、たしかに看過できない大変な問題。

どうしてこんな条例がこうも簡単に通過してしまうのか。

日本弁護士連合会

http://www.nichibenren.or.jp/

会長声明集 Subject:2006-03-10

奈良県少年補導に関する条例(案)」に対する会長声明

http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/060310.html

現在開会中の奈良県議会において、「奈良県少年補導に関する条例(案)」が上程され、近く採決の予定と伝えられている。しかし、その内容には、以下のように重大な問題がある。

第一に、警察職員の権限を拡大し、子どもに対する監視を強化することが、少年非行の防止と少年の健全な育成につながるとの発想に、根本的な誤りがある。

1990年の国連犯罪防止会議が採択した「少年非行の防止に関する国連ガイドライン」(リヤド・ガイドライン)は、基本原則として、「少年非行の防止が成功するためには、社会全体が幼児期から少年の人権を尊重及び伸長しながら、青年期の調和のとれた発達を確保するため努力する必要がある」「幼児期からの青年の福祉が非行防止計画の中心とされるべきである」と明記している。また、国連子どもの権利委員会(CRC)は、2004年1月、日本政府に対し、「問題行動」を伴う子どもを犯罪者として取り扱わないようにすることを勧告している。

少年非行の背景には、子どもの悩みやストレスがある。特に、重大な非行をおこした少年ほど、成長過程でさまざまなハンディを背負い、自己肯定感を持てない子どもが多い。その様な少年の成長の支援には、少年の心の傷を受けとめ、福祉的・教育的・医療的援助こそ重要である。

第二に、26項目の「不良行為」を定めているが、そのなかでは、学校を欠席、早退、遅刻した子どもや「不登校」の子どもも対象とされる危険があるなど、監視の範囲に歯止めがない。また、警察職員の権限として、注意、助言、指導、質問、警察施設への同行の要求、所持物品の提出要求、一時預かりないし廃棄の催促、少年の保護者等への連絡を定め、さらに警察署長の権限として、警察施設における12時間を超えない一時保護を定めている。これらは、警察官職務執行法で認められている警察官の職務権限の範囲を大きく逸脱しており、憲法13条から導かれる警察比例の原則に反するものである。

また、「不良行為」は、少年法の「ぐ犯事由」と重なり合う内容を含んでいる。少年法は、ぐ犯少年を発見した警察官に家庭裁判所への送致または児童相談所への通告のみを認め、少年補導員については家庭裁判所への通告のみを認めている。これは、ぐ犯が犯罪ではなく、その外延が不明確であることから、ぐ犯調査を理由として、警察が親や子どものプライバシーや人身の自由に深く介入することの問題性を配慮して、警察職員の権限を限定したものと解される。本条例(案)は、少年法の規定を大きく超えて、「不良行為少年」の補導の名の下に、事実上ぐ犯少年に対する権限を警察職員に付与している。このことは、子どもや親の人権を保障した少年法の趣旨を没却し、憲法94条の条例制定権の範囲を逸脱するものである。

第三に、県民に対し、「不良行為」少年を発見したときの「行為を止めさせる努力義務」や、「保護者、学校、警察などへ通報する努力義務」を定めているが、このような義務付けは、保護者の意向に関係なく、地域住民や関係機関の一定の価値観により行動規制する危険性がある。また、それを望まない住民の良心の自由を脅かすおそれがあり、問題を抱える子どもと家族を住民全体で監視する息苦しい地域社会を生み出すことになる。

当連合会は、以上の観点から、本条例(案)の制定に反対するとともに、国・地方公共団体に対し、警察中心の非行防止施策ではなく、福祉・教育・医療による子どもの成長支援の強化、及び、非行防止と立ち直りを支援する地域の自主的活動を援助する施策の拡充を求めるものである。

2006(平成18)年3月10日

日本弁護士連合会

会長 梶谷剛

■奈良弁護士会

http://www.naben.or.jp/

仮称「奈良県少年補導条例(案)」要綱案に反対する会長声明

http://www.naben.or.jp/shonenhodou.htm

1 はじめに

  奈良県警察本部は、現在、その立案による「仮称「奈良県少年補導条例」(案)要綱案」を発表し、今後これを条例化するべく県議会への提出を予定している。

 この「仮称「奈良県少年補導条例」(案)要綱案」(以下、単に「本要綱案」という。)は、概要、(1)各種行為を少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある「不良行為」と規定する、(2)これを行う不良行為少年に対する県民等の責務を定める、(3)不良行為少年を補導する権限を警察職員に付与する、(4)民間ボランティアである少年補導員の委嘱要件、任期、活動内容、活動区域等について定める等を主な内容とするものであるが、以下に詳述するとおり、これらの内容にはそれぞれ重大な問題点があるので、当会は、その問題点を指摘し、このような条例が制定されることのないよう、意見を表明する次第である。

2 本要綱案の根本的問題点

 本要綱案は、「不良行為少年の補導に関し、県民の責務を明らかにするとともに、警察職員及び少年補導員の活動に関して必要な事項を定め、もって少年の非行の防止と保護を通じて少年の健全な育成を図ること」をその目的とするという。

  少年の健全育成及びそのための少年非行の防止それ自体は重要な社会の利益である。しかし、それを実現するための手段として、本要綱案が予定する「不良行為少年に対する補導権限」の法定化をはじめとする警察権限の拡大は、適切な手段とはいえない。

 少年非行防止のための成長支援の本来的あり方は警察権限の拡大による規制強化ではなく教育・福祉的政策であることは、1990年に第8回犯罪防止及び犯罪者処遇に関する国際会議で採択された「リヤド・ガイドライン」でも明確にされているし、2001年11月に奈良で開催された日本弁護士連合会主催第44回人権擁護大会においても、このリヤド・ガイドラインの理念をふまえて、「子どもの成長支援に関する決議」を採択し、その中で、「少年犯罪の防止のために大人に求められていることは、子どもの悩みやストレスを早期に正面から受け止め、一人ひとりの子どもの尊厳を確保し、その力を引き出すことであ」り、そのためには、「学校や地域社会、福祉機関、医療機関、保健所などは、子どもに対する人権侵害を見逃さず、関係機関との連携を強めて、これに対処すべきであ」るとの提言を行っているところである。

  単に規制・威嚇を強めることでは少年非行問題は解決しない。強制権限を背景に持つ者が、条例に規定される「不良行為」に該当するとして少年に対し権力的・画一的指導を行ったとしても、それは、少年が自ら抱える問題点を認識し、これを積極的に改めていこうとする真の更生への契機にはならない。更生への契機として必要なのは、個々の少年が抱える問題に応じたきめ細やかな対話・ケアなのである。

 そのために必要な学校教育の充実、児童相談所の人員、予算増加を含む態勢・活動の充実、未就職者に対する就職の機会の提供等、先に取り組まれるべき福祉施策をなおざりにしたまま、ただ規制を強化するのみでは、少年非行の防止及び保護という目的は達成されない。

  あるいは、地域社会が少年を温かく見守る中で、住民それぞれが、時には自ら少年を正し、時には積極的に少年を守ってやるという連携があることこそあるべき姿である。それにも拘わらず、下記のように、地域住民に対し、不良行為を行う少年について警察職員等へ通報するよう努める責務を法定化し、むしろ地域社会への警察権力の介入を促進するのは誤った方向性である。地域社会は少年の更生への最も有効な社会資源として活用されるべきであり、その保護力を強化するような取り組みが先になされるべきである。

  また、未だ犯罪に至らず、少年法上の「ぐ犯」さえ構成しない適法行為を「不良行為」として規制の対象とすることは、憲法13条後段から導かれる「警察比例の原則」に反するおそれがある。

 さらに、本要綱案が予定するような警察権限の拡大は、その性質上、国法によって全国統一的に処理されるべき事項であると考えられるから、一地方公共団体たる奈良県の条例制定権の対象ではない。あるいは、制定権の範囲を超えると解される。

 そもそも、奈良家庭裁判所管内における少年一般保護事件の年間新受件数は、ここ数年ほぼ減少傾向にある。また、奈良県と人口が近似する他の県に対応する家庭裁判所管内における同事件の年間新受件数を比較しても、奈良県の件数がことさらに多いとは必ずしもいえない。すなわち、奈良県においてあえて少年非行の深刻な増加をいうべき根拠となる事情はなく、したがって、上記のように法律的に極めて問題のある条例を全国に先駆けて制定する必要性は全く存しない。

  このように、本要綱案は、全体としてみても、多くの看過できない問題点を含むものである。

3 「不良行為」に対する規制の点について

 本要綱案は、飲酒・喫煙・深夜はいかい等それ自体は少年が行っても犯罪とはならない行為についても「不良行為」として定義し規制の対象とする。

  しかし、先に述べたように、犯罪行為・触法行為に該当せずぐ犯にも該当しない行為を規制の対象とし、警察権限を及ぼすことを可能にすることは、「警察権の発動及びその程度は、社会公共の秩序にとって容認できない障害の程度に比例すべきである。また、その障害を除去すべき手段は、常に必要最少限度にとどめなければならない。」という警察比例の原則に反し許されない。

  本要綱案が定める「不良行為」の範囲は極めて広範にわたっており、かつその定義が漠然としているものもある。これらを規制の対象とするならば、警察権限の市民生活に対する不当な介入をほとんど無限定に認めることにも繋がりかねない。

 また、以下に挙げる行為を規制の対象とすることは特に問題である。

  第一に、本要綱案は、「自ら進んで児童買春の相手方となり、その他少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある性交又は性交類似行為をする行為」や「正当な理由がなく、法律又は条例の規定により18歳に満たない者を立ち入らせることが制限されている施設に立ち入る行為(例:風俗営業の営業所、有害興行係る興行場など)」等を不良行為と定義するが、児童買春等性的搾取の対象となった少年は、少年法上のぐ犯に該当しない限り、被害者としてケアの対象とされるべきであり、警察職員による補導の対象とするのは不当である。

  第二に、本要綱案は、「正当な理由がなく、学校を休み、又は早退若しくは遅刻をする行為」をも不良行為と定義するが、いわゆる不登校についても補導の対象とされてしまう危険があり、不当である。

4 「不良行為」に対する県民の責務を定める点について

 本要綱案は、「県民は、不良行為少年を発見したときは、当該少年にその行為を止めさせるため必要な注意、助言又は指導を行うとともに、必要に応じ、保護者、学校関係者、警察職員その他少年の保護に関する職務を行う者に通報するよう努める。」とする。

  しかし、ここでいう「不良行為」とはあくまで非犯罪行為である。それにも拘わらず、このような行為を止めさせる努力義務及び保護者等に通報する努力義務を定めるとすると、それを望まない県民の内心の自由が侵害されることとなる。また、県民一般にこのような義務を課せば、問題を抱える少年及びその家族と地域住民を含む県民とを、条例による強制のもと行動を監視し、制限し、挙げ句は通報する側とされる側として対立するような状況に置くことは必至である。このような息苦しい状況が非行防止及び立ち直り支援に資するとは到底思われない。

5 警察職員に「不良行為少年」に対する補導の権限を付与する点について

 本要綱案は、警察職員が不良行為少年を発見したときに、状況に応じて、これに対する注意、助言、指導、質問、警察施設への同行の要求、所持物件の提出要求、一時預かりないし廃棄の促進、警察施設においての一時保護、少年の保護者等への連絡をしうるとする。

  しかし、繰り返しになるが、警察官の権限行使には警察比例の原則が妥当するところ、非犯罪行為を根拠として上記のような警察官の権限行使を認めることは、明らかに警察比例の原則に反する。

  警察官の権限行使については、警察官職務執行法においてその要件が厳格に規定されているところ、本要綱案のいう「不良行為」のみを根拠として上記のような行為を行うことは、全く認められていない。職務質問でさえ、警察官職務執行法2条によれば、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。」と厳格な要件を課されているのであり、このような要件を満たさない者に対し質問する権限を警察官に認めることは許されない。ましてや、警察施設への同行の要求や警察施設においての一時保護は少年の人身の自由を、所持物件の提出要求、一時預かりないし廃棄の促進は少年の財産権を、少年の保護者等への連絡は少年のプライヴァシー権をそれぞれ直接に侵害するおそれがあるものである。

 したがって、警察職員に対し補導の権限を付与することは絶対に許されない。

6 少年補導員の活動内容等を法定する点について

 本要綱案は、民間ボランティアである少年補導員の委嘱要件、任期、活動内容、活動区域等について定めている。

 しかし、少年補導員についてこのような事項を条例において定めることは、本来ボランティアである少年補導員を警察協力の組織として位置付け、警察の志向する少年非行防止施策をこれらを巻き込んで強化するということに繋がりかねない。これは妥当ではなく、必要なのは、教育・福祉的施策の一層の強化であることは、再三繰り返しているとおりである。

  これらの者は、あくまで民間のボランティアとして自由に活動させるべきであり、但し県は必要に応じてこれらの者に対し直接に財政上の手当をするべきである。

7 まとめ

 以上のように、本要綱案については、様々な看過できない問題点が存するので、当会は、これに対して反対の意見を述べるものである。

以上  

2006(平成18)年1月27日

奈良弁護士会

会長 福井英之

奈良県少年補導に関する条例(案)」に反対する会長声明

http://www.naben.or.jp/shonenhodou2.htm

奈良県少年補導に関する条例(案)」に反対する会長声明

2006(平成18)年3月9日  

奈良弁護士会 会長 福井英之  

1 はじめに

 現在開会中の奈良県議会において、「奈良県少年補導に関する条例(案)」が上程されている。

 この「奈良県少年補導に関する条例(案)」(以下、単に「本条例案」という。)には重大な問題点があるので、当会は、その問題点を指摘したうえ、このような条例の制定に反対するものである。

2 本条例案の問題点

 本条例案は、「不良行為少年の補導に関し、保護者及び県民の責務を明らかにするとともに、警察職員及び少年補導員の活動に関して必要な事項を定め、もって少年の非行の防止と保護を通じて少年の健全な育成を図ること」をその目的とするという。

 少年の健全育成及びそのための少年非行の防止それ自体は重要な社会の利益である。しかし、奈良家庭裁判所管内における少年一般保護事件の年間新受件数は、ここ数年ほぼ減少傾向にある。また、上記新受件数と、奈良県と人口が近似する他の県に対応する家庭裁判所管内における同事件の年間新受件数とを比較しても、奈良県の件数がことさらに多いとはいえない。すなわち、奈良県において特に少年非行の深刻な増加をいうべき根拠となる事情はなく、したがって、以下のように問題点の多い条例を今あえて制定すべき必要性はない。

 また、少年非行の防止を実現するための手段として、本条例案は警察権限を拡大し少年の行為に対し広範な規制を及ぼすことを予定しているところ、このようなやり方は、適切な手段とはいえない。

  第一に、少年非行防止のための成長支援の本来的あり方は警察権限による規制ではなく教育・福祉的政策であることは既に世界的潮流であり、2001年11月に奈良で開催された日本弁護士連合会主催第44回人権擁護大会においても、このような流れをふまえて、「子どもの成長支援に関する決議」を採択し、その中で、「少年犯罪の防止のために大人に求められていることは、子どもの悩みやストレスを早期に正面から受け止め、一人ひとりの子どもの尊厳を確保し、その力を引き出すことであ」り、そのためには、「学校や地域社会、福祉機関、医療機関、保健所などは、子どもに対する人権侵害を見逃さず、関係機関との連携を強めて、これに対処すべきであ」るとの提言を行っているところである。

  単に規制・威嚇を強めることでは少年非行問題は解決しない。強制権限を背景に持つ警察官が、条例に規定される「不良行為」に該当するとして少年に対し権力的・画一的指導を行ったとしても、それは、少年が自ら抱える問題点を認識し、これを積極的に改めていこうとする真の更生への契機にはならない。問題行動には、子ども自身の悩みや劣等感が顕れていることが多い。したがって、更生への契機として真に必要なのは、個々の少年が抱える問題に応じてきめ細やかな対話・ケアを行い、少年が自己肯定感を持てるようにすることなのである。

 そのために必要な学校教育の充実、児童相談所の人員・予算増加を含む態勢・活動の充実、未就職者に対する就職の機会の提供等、先に取り組まれるべき福祉施策をなおざりにしたまま、ただ規制を強化するのみでは、少年非行の防止及び保護という目的は達成されない。

 第二に、未だ犯罪に至らず、少年法上の「ぐ犯」さえ構成しない行為を「不良行為」として規制の対象とすることは、憲法13条後段から導かれる「警察比例の原則」に反するおそれがある。

 しかも、本条例案が定める「不良行為」の範囲は、不登校をこれに含みうるなど極めて広範にわたっており、かつ、「放置すれば暴行、脅迫、器物損壊その他の刑罰法令に触れる暴力的な行為に発展するおそれのある粗暴な言動をする行為」のように、その定義が漠然としているものもある。これらを規制の対象とするならば、警察権限の市民生活に対する不当な介入をほとんど無限定に認めることにも繋がりかねない。

 さらには、本条例案は、警察職員が「不良行為少年」を発見したときに、「不良行為」の内容及び状況に応じて、これに対する注意、助言、指導、質問、警察施設への同行の要求、所持物件の提出要求、一時預かりないし廃棄の促進、警察施設においての一時保護、少年の保護者等への連絡をなしうるとするが、未成熟の少年が、自らを補導しようとする警察官に対して、全くの任意に行動を決することができるとは必ずしもいえない以上、警察施設への同行の要求や警察施設においての一時保護は少年の人身の自由を、所持物件の提出要求、一時預かりないし廃棄の促進は少年の財産権を、少年の保護者等への連絡は少年のプライヴァシー権をそれぞれ直接に侵害するおそれがある。

  第三に、本条例案は、県民が不良行為少年を発見したときにこれを止めさせる努力義務及び保護者等に通報する努力義務を定める。

 しかし、本条例案のいう「不良行為」とはあくまで非犯罪行為であるから、それにも拘わらず、このような行為を止めさせる努力義務及び保護者等に通報する努力義務を定めるとすると、それを望まない県民の内心の自由が不当に侵害されることとなる。また、県民一般にこのような義務を課せば、問題を抱える少年及びその家族と地域住民を含む県民とを、条例による強制のもと、行動を監視し、制限し、挙げ句は通報する側とされる側として対立するような状況に置くことは必至である。このような息苦しい状況が非行防止及び立ち直り支援に資するとは到底思われない。むしろ、問題を抱える少年及びその家族を、地域社会から疎外してしまうことにもなりかねないし、このような方向性は、地域社会が一体となっての子育て支援を掲げて県が一方で進めている「新結婚ワクワクこどもすくすくPlan(奈良県次世代育成支援行動計画)」とも整合しない。

3 まとめ

 以上のように、本条例案については、様々な看過できない問題点が存するので、当会は、これに対して反対の意見を述べるものである。

以上


以下、不登校厚生団体・青少年団体の反対声明。

こういう現場の声に、条例を策定した人や審議したひとたちはどれだけ心と耳をかたむけていたのでしょうか。

 

ふきのとうの会、フリースペースSAKIWAIの反対声明

http://future.web.infoseek.co.jp/documents/fukinotou.html

奈良県少年補導の関する条例(案)に反対します。

2006年3月9日   ふきのとうの会(不登校ひきこもりを考える親たちの会)

フリースペースSAKIWAI(子ども・若者たちの居場所)

 私たちは、不登校ひきこもりの子どもを持つ奈良の親の会と、子ども・若者たちの居場所を主催している団体です。

 この条例案が可決されると。子どもたちの人権が侵害されることを非常に危惧しています。今回、県議会に上程された条例案は、少年(19歳以下)の健全育成を目的としながら、補導対象となる“不良行為”(非行の入り口となるもの)として、幅広く28項目もの行為を規定しています。

その中には、到底、犯罪行為にはいたりそうもない行為まで、対象にしています。例えば、「正当な理由なく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊戯若しくは遊興する行為」が不良行為のひとつに定義されています。

不登校の子ども達は、学校でいじめや様々な理由で学校に行かれなくなり、いっぱい傷付いています。ひきこもっていた子どもがやっとの思いで外出できるようになっても、この条例案だと、警察や少年補導員に補導されたり、県民に通報されるおそれがあります。

場合によっては、警察に同行され、12時間まで留め置かれるおそれがあります。そうなれば、子どもが受ける精神的ショックは甚大で、 再びひきこもるおそれがあります。

また、不登校の子ども達の中には、適応指導教室や遠くのフリースクールに電車に乗って通う子もいます。通う途中、度々呼び止められ、質問されたら、せっかく通えるようになっていても、通えなくなるおそれがあります。

また、学校にも適応指導教室も合わず、フリースクールも近くになく、ホームスクーリングを選択している子どもいます。そういう場合、 この条例案だと、自由に外出ができなくなるおそれがあります。正当な理由の定義が非常にあいまいで、この条例で不登校の子どもが補導されない保証はありません。

また、少年補導員に委嘱すると書かれていますが、その人達が不登校ひきこもりの子ども達を必ずしも理解されているとは限りません。

学校にも家庭にも居場所がなく、いじめや虐待などの人間関係で傷付いた子ども達が、追い詰められたなかで、「不良行為」と書かれた行為をしていても、警察や大人の側がはじめから「不良少年」と予見をもって補導することは、行為を取り締まることはできても、子ども達の心は救われません。

むしろ、そういう子ども達は社会や大人達の被害者です。この条例案では、そういう子ども達を守り支援していくことができるとは思われません。

また、この条例案を周知徹底したと県知事は語っていますが、県民の人たちは、この条例案のことは、ほとんど知りません。県民にとって非常に関りのある条例案なのに、十分な議論なしに拙速で可決するべきではないと思います。廃案若しくは継続審議にされることを要望します。

登校拒否・不登校問題全国連絡会、奈良県登校拒否を克服する会の要求書

http://future.web.infoseek.co.jp/documents/narakokufuku.html

―子どもたちの健やかな育ちと自立への援助は、受容と共感と信頼の対応で―

監視と取り締まり強化の「奈良県少年補導条例(案)」の撤回を強く求めます

2006年3月   奈良県登校拒否を克服する会

 私たちの会は、親を中心に、教職員、相談員、この問題に関心のある人達が互いに経験を交流しあい、受けとめ助け合い、子どもたちが登校拒否・不登校状態から生きるエネルギーを回復し、自ら立ち上がるのを援助してきました。

 その援助の基本にあるのは「受容と共感と信頼に基づく援助」です。そうした援助によって、多くの子どもたちが、親子関係を築き直し、自己肯定感をひろげ、自らの意思で進路を切り開いています。「人との出会い」を作り、ひろげています。

 このように子どもたちが自らの意思で立ち上がるまでには、さまざまな行動があります。登校するふりをして家を出て校区外を「徘徊」し夕方帰宅した子、夜になるとまわりの目を気にせず安心して出かけた子、校区外だと買い物に出かけることが出来た子、登校してもすぐ帰宅したり自分の行ける時間だけ登校したり自分の心と相談しながら様々な形で登校する子どもたちなどさまざまです。

 こうした行動には、全て子どもたちにとって意味があります。全て子どもからのサインがあります。訴えがあります。叫びがあります。

 大切なことは、その行動を規制したり、注意したり、やめさせることでは決してありません。まわりの大人たちが、子どもたちのサインを受けとめられるかどうかです。子どもを認め、理解しようとする姿勢になれるかどうかです。その姿勢がなければ、決して子どもの本当の姿は見えてきません。子どもを援助することも出来ません。

 子どもを受けとめ、理解しようとすることで、子どもの思いや苦しみを感じ、子どもたちの声に心寄せていくことが出来るのです。その事により、子どもたちは安心感をふくらませ、前に進もうとするエネルギーを少しずつ大きくしていけるのです。

 私たちの会は、こうしたことをいろいろな体験を通じて確認しあい、子どもたちの援助を続けて17年目になります。多くの親や教職員、子どもたちの笑顔を見るたびにその事の重要性を感じ続けてきました。

 こうした会の経験からすれば、今回の「少年補導条例案」は下記に示すような重大な問題をもったものであり、実施されれば不登校問題がいっそう困難を増す危険性をもつものとして、「少年補導条例案」の撤回を強く求めるものです。

 重大な問題点として次の点が考えられます。

 第1に、「不登校の生徒一般が補導の対象となるのではない」とホームページにありますが、「要綱案」と「条例案」を比べて、本質的に何も変わらず、依然として不登校生徒の補導の危険性があります。

 子どもたちのさまざまな行動の中には、「徘徊」したり、いわゆる「非行行為」にはしる子もいます。

 私たちは、こうした子どもたちの姿に「自分の気持ちを分かってもらいたい」という思いや「周りの人との関係での苦しさ」や「自己嫌悪や自尊心との葛藤」を見てきました。今回の条例案では、こうした場合、当然、補導の対象となり、子どもたちの思いや苦しさを受けとめることとはかけ離れたものとなるに違いありません。

 また「正当な理由」とは、いったい何を指すのか曖昧な条文で、まさに「条例にあるから」という警察判断がなされ、さまざまな行動をとる不登校児の場合、「不良行為」と判断され、補導される場合も充分予想されます。

 「正当かどうか」の判断をを警察がにぎるということは重大な問題であり、これはまさに「権限強化」の危険性を持つものといわざるを得ません。

 第2に「条例による少年補導」の根本的誤りは、県民に「監視と通報」を明記するなど、警察が子どもたちを「取り締まりの対象」と見て「さまざまな困難や間違いを犯しながらも、学び成長し続ける主体」としては決して見ていないことがあります。こうした見方はいわゆる「不良行為」の問題をいっそう複雑にするだけです。

 第3に、子どもたちをめぐる環境の悪化にこそ目を向けるべきです。そうしたことに目を向けないで、子どもたちに責任を転嫁しては絶対にいけないということです。社会と大人自身の問題として捉えてこそ、真に子どもたちの行動を理解し、改善していく手だてが生まれてきます。

 今回の条例(案)には、そうした観点が全く欠如しています。「補導活動の活性化(ホームページ)」とは言うが、補導しなくていいような社会環境の「活性化」には目が向けられていません。そうした姿勢はまさに、問題を少年個人に転嫁しているからにほかなりません。補導の活性化や強化よりも、補導しなくていい環境作りこそ県民あげて取り組むべきことです。そのために警察がすべきことは多くあるのではないでしょうか。

 子どもたちをとりまく環境の悪化は、憂うべき状況です。

 この30年間で、飲酒や喫煙が「規制緩和」の名の下にいたる所で販売され、自動販売機や量販店だけでなく、コンビニでも購入できるなど、24時間いつでも購入できる状況になっています。性の商品化に関しては、インターネットを使った物にまで広がり、雑誌などの購入も24時間購入可能になっています。こうした子どもを取り巻く社会環境の悪化は、大人社会が作り出したものです。そうした環境を変えることなしに、「不良行為」だけを問題にする姿勢は許されません。まして「正当な理由」を警察の判断で行うことは絶対に許されません。

 こうした環境に警察や行政が目を向け、改善を図ることに全力を挙げてこそ、現在行われている「補導」もより効果を上げ、「青少年の健全な育成」がはかられるのではないでしょうか。

 第4に「パブリックコメント」については、このような重要な問題について、全く形式的にすすめているといわざるを得ません。

 本当に重要な内容だと考えるなら、内容を様々な形で県民に提示し、論議を広く行えるようにすべきです。学校や児童相談所、少年補導員などへも提示できているかどうかは、はなはだ疑問です。校長や少年補導員など関係者に知らされていない人もあり、今回の条例がいかに県民の意見に耳をかそうとしていないかを示しています。条例(案)に「県民の責務」を明示するなら、なおさら、手をつくして知らせ、広く論議を呼びかけ、十分な論議をすべきです。そのためにも条例案を一度撤回し、再度論議しなおすべきです。

 第5に子どもたちの健やかな育ちと自立への援助のためには「補導強化」ではなく、さまざまな施策が必要です。

  家庭の経済的困難が増えています。親の養育不安も広がっています。そうしたことへの施策

  子どもの問題で自主的に行われているさまざまな活動への援助

  地域の街作りなどさまざまな自主的な活動による人の結びつきを強める取り組み

  学校教育では、30人学級定数のための教員増などの教育環境改善、子どもと学校に関わる  地域の人々との結びつきを強める取り組みなど、さまざまな施策が求められています。

 子どもたちが安心して暮らせる家庭・地域・学校づくりは、「子どもを温かく見守る人のつながり」なしには考えられません。そうした努力が現在でも県内で数多く行われています。こうした努力を、条例による監視と取り締まり強化で台無しにしてはなりません。

 以上、不登校に関わる問題だけでなく、健全な子育てを考える上で重大な根本的誤りのある「条例(案)」は直ちに撤回するよう強く求めます。

おかネット−岡山県不登校ネットワークの反対決議

http://future.web.infoseek.co.jp/documents/nara_apeal.html

奈良県少年補導条例案の撤回を求めます

 私たちは、岡山県内の、不登校ひきこもりの子どもを持つ親の会と、子ども・若者たちの居場所のネットワークです。

 現在、奈良県議会で審議されている、「奈良県少年補導条例(案)」の中に、「正当な理由なく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊戯若しくは遊興する行為」が、補導対象となる「不良行為」として定義されていることを報道で知りました。

 不登校の子どもたちの多くが、自宅や自室に閉じこもりがちになります。それは、学校生活の中で深く傷ついたり疲れきったりして、他人の目に大変に敏感になっていることのほか、昼間外に出ると色々と大人から「注意」を受けたり、場合によっては警察官や青少年補導員などに「補導」されたりし、まるで悪いことをしているかのように思い込んでしまうからでもあります。

 閉じこもりがちの子どもたちは、長い時間の末にようやく元気を回復し、やっとの思いで外出できるようになったとたんに、警察官や「少年補導員」、地域住民などに、「不良行為」だとして、「注意、助言又は指導」を受けたり、補導されるようなことになれば、大きな精神的なショックを受け、再び閉じこもってしまう危険性がきわめて大きいといわざるをえません。

 この点については、「怠学に関わる不良行為については、『義務教育諸学校』に限定し、いわゆる不登校の生徒一般が補導の対象となるものではないとの趣旨を明確にするため、『正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊技若しくは遊興をする行為』と規定した」と説明されておりますが、条例案には、「正当な理由」が何であるかが明示されておらず、その判断は、警察官や「少年補導員」、「不良行為少年」を発見した市民の主観に委ねられており、不登校の子どもが補導対象になるのではないかとの不安をぬぐいきれません。

 また、不登校の子どもを持つ親は、不登校に関する誤解と偏見の中で、地域の中で孤立しがちになり、一人で問題を抱え込むことで、より事態がこじれることが少なくありませんが、住民に「助言又は指導」や警察官等への「通報」する努力義務が課されることで、そうでなくても孤立しがちな不登校の子どもを持つ親や家族が、地域住民から「助言又は指導」・「通報」される側となって、さらに孤立してしまう恐れがあります。

 報道によれば、準備期間がわずか半年とあまりに拙速で、条例案の作成に当たって、教育委員会児童相談所等の専門機関との協議、議論も行われていないともききます。本条例案は、以上のような多々の問題点があり、不登校に関する理解を全く欠いたもので、不登校にかかわる者として、絶対に容認できるものではありません。

 条例案の撤回を強く求めるものです。

2006年3月19日

岡山県不登校ネットワーク

世話人団体          

フリースペースてらこやおひさま

フリースペースあかね

倉敷不登校ネットワーク

FUTURE不登校を考える会

コアラの会

 

不登校問題に関心のある親たちも、奈良の条例を“不登校児追い詰め条例”と認識しているようです。

 

■全国不登校新聞社

不登校が補導対象に!?/奈良県・少年補導条例

「正当な理由なく欠席」で補導 3/10

http://www.futoko.org/cgi/newsread/newsread.cgi?disc=newest&st=51&ed=51

奈良県警は2月27日「奈良県少年補導に関する条例(案)」を県議会に提出した。条例の目的は少年補導の法定化、活性化によって、少年の健全育成、非行防止を図ること。しかし、この条例案に対し、「警察権限の拡大」を懸念する声や「不登校も補導対象となるのでは?」という不安の声が広がっている。条例案は3月13日から県議会で審議され、可決されれば、今年7月1日からの施行となる。

 条例案で定められるのは、少年補導の対象、補導に関する警察の権限と保護者・県民の責務。5章30条で構成され、飲酒や喫煙、深夜徘徊など、補導対象となる不良行為が26項目にわたって規定されている。また、青少年条例としてはめずらしく、一部の行為は、18歳未満だけでなく、20歳未満にも規定を設けている。

 条例案は警察の権限について「補導した少年に対する注意や助言」「警察施設で最長12時間の保護(少年が同意した場合)」、「タバコや薬物などの任意提出を求め、一時的な保管、廃棄を促す」などを規定している。また、「条例の規定による警察職員の権限は、犯罪捜査のために行なうものではない」「県民及び滞在者の自由と権利を不当に制御しない」といった注意点も定められている。県民の責務としては「保護者は、少年が不良行為を行なわないよう指導および監督する」こと、不良行為を発見した場合は「助言や指導、または通報するよう努める」などを定めている。

●不良行為を明確化し規制

 奈良県警は、条例を提案した理由について「少年非行は依然として深刻な状況にあり、少年を取り巻く環境に対しては、県民全体として取り組む必要がある。不良行為の早期発見が非行防止、健全育成につながることから、補導の活性化を図っていきたい」としている。

 少年補導の権限や活動内容、不良行為の範囲は「少年警察活動要綱」(警察次長通達)によって指針が示されているだけで、法律上の規定はない。とくに不良行為は、刑罰法令に触れないものの「自己または他人の徳性を害する行為」と位置づけられており、その範囲はあいまいだ。2004年警察庁が設置した「少年非行防止法制に関する研究会」は、少年補導に対する警察の権限、不良行為の範囲を明確にし、法定化するよう提言した。具体的な条例案が出たのは、奈良県がはじめて。

 奈良弁護士会は、この条例に対し「非行防止のために必要な教育・福祉的政策の観点から外れる」として、反対を表明している。弁護士会は「広範囲かつ、刑罰法令に触れていない不良行為を規制対象とすることは、『警察権の発動は、目的のために必要最少限度において用いるべきもの』という原則に反し、警察権力の不当介入をほとんど無限定に認めることにもつながりかねない」と批判している。このほか、地域住民に通報努力を促すことで「地域住民がたがいを監視する状況になり、問題を抱える少年と周囲住民の対立さえ生み出しかねない」「警察施設への同行要求や一時保護は少年の人身の自由を直接に侵害する恐れがある」などの危険性を訴えている。

●「正当な理由なく欠席」で補導

 条例案は「正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席し、または早退し、もしくは遅刻して、徘徊をし、または生活の本拠を離れて遊技もしくは遊興する行為」を補導対象としている。この規定によって、不登校の子が外出しているだけで、補導されることも危惧される。昨年11月に県警が実施したパブリックコメントでは、この規定について「不登校が補導対象となってしまう」との指摘もあがっていた。

 県警は「あくまで怠学を補導対象とした条文であり、不登校は対象となっていない」とし、当初の条文「正当な理由がなく、学校を欠席すること」に「徘徊」「遊技」「遊興」を追加した現在の条文へ修正した。しかし、条文は修正されたものの、「怠学」か「不登校」かは警察判断にゆだねられることになる。実際問題として、不登校が補導の対象となることはないのか、また、「怠学」だからといって警察の補導の対象となるのはおかしいのではないかなど、懸念の声が県内外の親の会やフリースクールからあがっている。

 県内の不登校の親の会「ふきのとうの会」とフリースペース「SAKIWAI」は、不登校の子が補導対象となる危険性に変わりはないこと、「正当な理由」があいまいなこと、などを理由として、反対声明を発表し、県議会に対し、条例案の廃案もしくは継続審議を要望している。

 「奈良県登校拒否を克服する会」も、条例案の撤回を求める要望書を県などに提出した。要望書は「大切なことは、その行動を規制したり、やめさせることではなく、子どもの行動を理解しようとする姿勢。『不良行為』にはしった子は、気持ちを受けとめてほしいからこその行動という子も多い。条例案は子どもたちの気持ちから離れている」と批判している。

 県議会に当事者の声が反映されるのか、審議の行方が注目される。

不登校を考える会

不登校も取り締まり? 奈良県のとんでもない条例案

http://future.web.infoseek.co.jp/topics/20060310.html

不登校が「不良行為」として取締りの対象となる? こんな条例案が奈良県議会に提案され、不登校関係者をはじめ、弁護士や教員、女性団体から反対の声があがっています。

問題となっているのは、仮称「奈良県少年補導条例」(案)。少年非行が「依然として深刻な状況」にあるとして、少年(19歳以下)の「非行防止」と「健全育成」を目的に、不良行為少年の「早期発見」のためと称して、現行法では罪にならない行為を「不良行為」として列挙し、規制を加えようとしています。

「不良行為」とされているのは、「みだりに異性の身体に触れ」る行為など男女交際の問題や、「正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席」すること、「正当な理由がなく深夜徘徊(はいかい)する」ことなど。「不良行為」を発見した県民には、その少年に注意をしたり、警察等に通報する努力義務を課しています。

当初の案では、「正当な理由がなく、学校を休み、又は早退若しくは遅刻をする」ことを「不良行為」と定義していましたが、「いわゆる不登校の生徒一般が補導の対象となるものではないとの趣旨を明確にするため」「義務教育諸学校」に限定し、徘徊をしたり、生活の本拠を離れて遊技や遊興するなどの語句が加えられたもののが、不登校の子どもが補導されるのではないかとの懸念は消えていません。

現に、フリースクールやフリースペースに通う子どもたちが、駅前や街頭で警官に補導され、交番や警察署に同行(連行?)され、スタッフが迎えに行くというようなことは過去にひんぱんに起きていますし、今日でも決してまれではありません。

また、「当該少年にその行為を止めさせるため必要な注意、助言又は指導を行う」よう努めよとの努力義務が一般人に課されると、平日の日中など、通常多くの子どもが学校に行っている時間に外出している子どもに対して、「その行為を止めさせるため必要な注意、助言又は指導」として、学校に行くよう声がかけられることにもなります。

奈良県内では、弁護士会が、「少年の保護育成の手段は、権力的な規制に頼るのではなく、学校や、児童相談所をはじめとする福祉機関、地域社会等による包み込み」などを「手段とすべきことは世界的潮流」とする、条例案に反対する会長声明を出し、県議会各会派にも反対するよう呼びかけました。

また、県教職員組合や女性団体など5団体が「同条例を考える会」を結成し、同条例案を県議会に提出しないよう申し入れたほか、反対のシンポジウムを開催。ふきのとうの会(不登校ひきこもりを考える親たちの会)やフリースペースSAKIWAI、奈良県登校拒否を克服する会など、不登校関係団体も、条例案への反対を表明しています。

東京シューレ代表・奥地圭子さん 不登校一般が対象ではないということを示すために「正当な理由なく」をつけたということだが、誰が、どう判断するのか? 先日、東京シューレの小学4年の子が11時ごろ、駅で補導されて警察に連れて行かれ、警察から「お宅の生徒か?」と確認の電話があった。このようなことは、シューレを作った80年代によくあったが、復活する気配で心配だ。

鳥取タンポポの会代表・医師 森英俊さん 子どもの成長支援にとって大切なことは「不良少年に対する補導権限」の条例化や警察権限の拡大ではない。子どもの意見表明を受けとめ、子ども自身が一人の人間として、家庭でも社会でも、人間としての尊厳を守られることが何より重要。学校教育が今の子どもたちに合わなくなって、歪んできたため、学校に背を向ける子どもたちが増えてきた。子どもたちの置かれている状況をよく理解し、規制や威嚇ではなく、一人ひとりの子どもに合った教育を用意していく必要がある。

 


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関連ログ

 

奈良県少年補導に関する条例成立(1)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060330

奈良県少年補導に関する条例成立(2)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060329

奈良県少年補導に関する条例成立(3)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060328

単純所持禁止・奈良県が初の条

*1:松井正剛のホームページ http://www.imj.ne.jp/matsui/

*2日本共産党候補の得票 道府県議選(2003年4月15日「しんぶん赤旗」) http://www.jcp.or.jp/tokusyu/2003senkyo/03_tihousen/kengi-tokuhyou.html

20060328 奈良県少年補導に関する条例成立

奈良県少年補導に関する条例成立(3)

奈良県議会議員の発言いろいろ。

 

日本共産党奈良県委員会

http://www3.kcn.ne.jp/~jcpnara/

少年補導に関する条例の可決にあたっての声明

http://www3.kcn.ne.jp/~jcpnara/seisaku/kodomo/syounenhodoujyourei.html

2006年3月24日

                           日本共産党奈良県会議員団

本日の奈良県議会において「奈良県少年補導に関する条例」が賛成多数(賛成35、反対9)で可決されました。

この条例は、昨年11月の突然の県警察の発表からわずか4ヶ月で決めるという、スピード制定です。パブリックコメントを実施したといいますが、意見の提出はわずか13人と1団体であり、多くの県民はまだ、条例の内容を知らされていません。この間の議会質問でも、子どもたちにかかわる教育関係者や福祉関係者、保護者、子どもたち自身の意見も反映されず、県民的な議論が十分にされていません。

奈良弁護士会はじめ、日本弁護士会、近畿弁護士会の反対声明が出され、「登校拒否・不登校を克服する会」「非行と向き合う親たちの会」をはじめ県内外の数多くの団体、個人から反対の意見が表明されました。県議会への反対を求める要望も全国からよせられるなど、かつてない運動が広がりました。

わたしたち日本共産党と議員団はみなさんと共同し、議会内外で条例の問題点を明らかにして、条例制定を許さない取り組みに全力をあげてきました。

この間、一般質問、総務警察委員会、文教委員会、予算委員会での論戦の中で、多くの人々が危惧して訴えておられたように、(1)警察が子どもたちを「取り締まりの対象として、警察職員の権限を拡大し、子どもに対する監視を強化することは、少年の非行防止や健全な育成に役立たないこと。(2)「不良行為」の定義は、不登校の子どもも対象にされるなど、監視の範囲に歯止めがないこと。(3)条例で定められる警察権限の拡大は、警察官職権限の範囲を大きく逸脱しており、少年の人権侵害につながりかねない。憲法13条から導かれる警察比例の原則に反すること。(4)奈良県で、今この条例が必要とされる根拠がないこと、等問題点が改めて明らかになりました。

問題行動をおこす子どもの支援は子どもたちを「学び、成長しつづける主体」としてとらえ、福祉的、教育的、医療的援助を強めることこそ重要です。

県民がお互い監視しされる側に分断され、警察等へ通報するような殺伐とした社会にすすむのではなく、親も子も暖かく見守り、励ましあえる連帯の社会こそ求められています。

条例は可決されましたが、施行は今年7月1日からとなります。今後も広く県民に呼びかけ、「条例施行」に反対する皆さんと力をあわせて、条例を施行させない取り組みを強めるとともに、廃止をめざします。

2006年3月20

少年補導条例案委員会で可決 田中議員、公聴会参考人を提案

http://www3.kcn.ne.jp/~jcpnara/minpo/2006topics/20060320.html

20日おこなわれた奈良県議会予算審査特別委員会で、奈良県少年補導に関する条例案が反対3、賛成9で可決されました。この間、奈良県議会の各会派には反対の意思表明や慎重な審議をと求めて全国の新婦人の組織、不登校の子どもたちにかかわってきた団体や個人などからたくさんの要請文が届きました。日本共産党の田中美智子委員は関係する部局での審査で取り上げ、条例が少年の健全育成とはまったく相容れないものであることを追及しました。同時に、委員会でもっと審査をつくすために専門家や関係者などを呼んだ参考人質疑、公聴会をおこなうよう求めましたが、聞き入れられませんでした。

田中美智子議員は19日の予算委員会(警察本部)の審査では、条例案が憲法13条や少年法、警察官職務執行法に定められた内容からも逸脱し、結局、県民や滞在者、少年の人権やプライバシーを制限するように機能することになり、目的とする少年の健全育成に結び付くのではなく、かえってマイナスになると指摘。「不良行為というようなことになった場合、子どもも悩み、親もどんなにつらい、苦しい思いをしながら立ち直りを、しかも、孤立しながらやっているか。ちゃんと認識していますか」とただしました。

菱川雄治警察本部長は「法を逸脱していることはない」、「県警察がどういう活動をするかを条例で定めるのであって、しごく自然なこと」などと答弁、子どもや親の認識がどうかよりも、警察の仕事をどうするかの観点からばかりの答弁です。中谷光生活安全部長も「非行の入口となる不良行為に注意助言することによって、健全に育てようという思いであり、条例は最善のものと考え」ていると答えました。

田中美智子議員は、弁護士会の会長声明がでたり、毎日のように全国から要請をうけたりしていることを受け止め、また福祉部や教育委員会など少年の健全育成に関係する部局の審査でも十分に検討されていないことが浮かび上がっていると指摘し、法律の専門家や関係者、当事者となる青少年などを参考人として呼び、もっと学ぶべきだと委員会に提案しましたが、聞き入れられませんでした。

■森山よしふみ奈良県議会議員(民主党)

http://www.moriyama-nara.jp/

『徒然日記』

http://www.moriyama-nara.jp/cgi-bin/tackynote/tackynote.cgi

2006年 3月25日 (SAT).......週末の朝

《略》

昨夜ニュース番組の「報道ステーション」を

見た方から条例制定について放送していたと聞く。

全国ネットの番組でそれも結構時間を割いていたとの事。

昨日閉会日はたくさんの報道関係が後ろに並んでいたなかに

全国系も撮影していたよう。

反響の大きさをあらためて感じる。

ニュースでは賛否それぞれの立場の方からコメントを

頂いていたようだが、果たしてどちらの考えを

より理解して放送してくれていたのかな。

《略》

2006年 3月15日 (WED).......15の夜

盗んだバイクで走り出す 行き先もわからぬまま

暗い夜の帳の中へ

誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に

自由になれた気がした15の夜

これは尾崎豊の「15の夜」の歌詞の一部。

尾崎豊は何かしらの悩みを抱える多くの若者から

カリスマ的な存在として支持されていた。

残念ながら30歳にもならない若さで亡くなった。

死亡原因は麻薬の中毒では、などと噂されていた。

あれだけ名曲を連発していたのだからそうであっても

おかしくはない。

この歌詞こそ今回の条例に当てはまる。

バイクを盗むことは窃盗罪で立派な犯罪だが、

行き先は決まっていないけどどこかへ行きたい、

今の場所を離れたいって考る若者は多い。

自分がまだ知らない世界を知りたいって思うのは

不思議な感覚ではない。

自分を律し鍛錬している若者なら精神力で乗り越えられようが、

一般的な生き方をしてきた若者なら甘いほうへ靡いていく

心配がある。

その思いは一時的なものだが、その時にいかにその方向へ

進まないように協力してやれるのかが大人にかかっている。

自分たちで気がつくまで待てばいいなんて

ことを考えてはいけない。

補導の話になると尾崎豊の歌詞が浮かんでくるが、

歌詞は象徴的なものだろうけど、けっこう

危ない歌詞があるよな。

昔はノリで聴いていただけだったからそんなこと

思わなかったけど。

当時より尾崎豊の曲が聴きやすく感じるのはなぜだろう。

昔の花火に変わったからかな。


以下、マスコミ報道など。

 

中国新聞

少年の補導に法的根拠 奈良県が初の条例可決

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2006032401004649_Main.html

飲酒、喫煙や無断外泊、深夜はいかいなどの「不良行為」を細かく定義し、警察官らによる少年補導に全国で初めて法的な根拠を与えた「奈良県少年補導に関する条例」が24日、県議会で賛成多数で可決、成立した。施行は7月1日。

 少年犯罪の深刻化を受け、警察庁も補導手続きの明確化など非行防止法制の在り方を検討中で、これを先取りした形。警察官が少年を一時保護したり、たばこなどを預かる権限も規定しており、「警察の権限拡大や少年の人権侵害につながる」と批判も出ている。

 補導の対象となる不良行為として列挙されているのは26項目。20歳未満では、飲酒、喫煙などに加え「暴力的行為に発展する粗暴な言動」「みだりに異性に触れ性的不安を覚えさせる行為」など。

(初版:3月24日18時16分)

奈良新聞

総合 2005年11月9日

少年補導条例制定へ-全国初・県警が骨子

http://www.nara-shimbun.com/n_all//051109/all051109b.shtml

県警は8日、街頭補導活動の活性化を目的に「(仮称)県少年補導条例」を制定するため、条例案の骨子を発表した。補導の根拠を定めた条例をつくるのは全国で初めて。警察職員や少年補導員が行う補導は、これまで法律上の明確な根拠がなかった。条例で補導活動の根拠や手続きを明文化し、効果的な補導活動を目指す。

(2005.11.9 奈良新聞)

社会 2005年12月23日

不良行為26項目規定-県警が少年補導条例要網案

http://www.nara-shimbun.com/n_soc//051223/soc051223c.shtml

少年非行や少年が犯罪に巻き込まれる被害を未然に防止する街頭補導活動の活性化を目的とした「県少年補導条例」の制定を検討している県警は22日、パブリックコメント手続きを踏まえて作成した同条例の要綱案を明らかにした。補導の対象となる不良行為26項目を規定した。条例制定案は来年2月定例県議会に提出する方針。

(2005.12.23 奈良新聞)

社会 2006年2月21日

補導対象を明確化-県少年補導条例案

http://www.nara-shimbun.com/n_soc//060221/soc060221b.shtml

県警は20日、少年非行や少年が犯罪に巻き込まれる被害を未然に防止する街頭補導活動の活性化を制定の目的とする「県少年補導条例案」を発表した。同条例案は27日開会の2月定例県議会に提出、可決されれば7月1日から施行される。

 条例案は5章30条で構成され、飲酒や喫煙、深夜徘徊(はいかい)など補導の対象となる不良行為を26項目にわたって規定。昨年12月に発表された要綱案からさらに検討を加え、主に4点について変更された。

 要綱案では、正当な理由なく学校を休んだり早退や遅刻することを不良行為としていたが、条例案は「義務教育諸学校」の児童生徒に限定。いわゆる不登校の児童生徒が補導の対象とならないことを明確にするため「義務教育諸学校を欠席、早退、遅刻をして徘徊し、遊技や遊興する行為」と規定した。

(2006.2.21 奈良新聞)

総合 2006年2月28日

少年補導条例案など提出-県会開会

http://www.nara-shimbun.com/n_all//060228/all060228a.shtml

県議会の2月定例会は27日開会し、柿本善也知事が、前年度当初比3.6%減となる4619億3300万円の平成18年度一般会計予算案、警察官の街頭補導に法的根拠を与える県少年補導条例案など、合わせて50議案を提出した。会期は3月24日までの26日間。

 柿本知事は、議案説明で警察活動について「子供の安全、少年の非行防止や安全安心のまちづくりを目指す県民運動の展開などを総合的に推進する」と姿勢を示し、その中で県少年補導に関する条例案を説明。また「基金計150億円を取り崩すことで収支の均衡を図る」など厳しい財政状況を指摘した上で、新年度予算案では「やまと21世紀ビジョンと同実施計画をもとに人、県土、遺産を活用しながら、平城遷都1300年に向けた取り組みなどを行う」とした。

(2006.2.28 奈良新聞)

総合 2006年3月7日

http://www.nara-shimbun.com/n_all//060307/all060307a.shtml

県議会の2月定例会は6日、本会議を再開し、柿本善也知事が、県少年補導に関する条例案について「ほかの関係機関と連携をとりながら実施する。パブリックコメントも行った。県民の意識に合った条例と思う」と説明、あらためて条例制定に意欲を示した。またアスベスト対策では、県立三室病院(三郷町三室)の呼吸科に98人が受診し、うち5人に石綿肺が確認されたほか、アスベスト使用の建物については公共、民間あわせて554施設あったことも報告した。

(2006.3.7 奈良新聞)

社会 2006年3月8日

条例には根本的な誤り-「県補導条例」撤回を要求

http://www.nara-shimbun.com/n_soc//060308/soc060308c.shtml

開会中の2月定例県会に提出されている「県少年補導条例」について、「県登校拒否を克服する会」はこのほど、「健全な子育てを考える上で根本的な誤りがある」として、撤回を求める要求書を作成した。県議に郵送するほか、県警にも提出を検討している。

(2006.3.8 奈良新聞)

社会 2006年3月14日

可決急がず議論を-不登校の子ども持つ親の会など

http://www.nara-shimbun.com/n_soc//060314/soc060314e.shtml

 県少年補導条例の制定に反対している「ふきのとうの会」などは13日、「十分な議論がないまま拙速に可決すべきではない」として、廃案か継続審議を求める文書を県議会の各会派に提出した。

 同会は不登校の子どもを持つ親が中心となって平成5年11月に結成。親同士の交流会を開くなどしている。

(2006.3.14 奈良新聞)

総合 2006年3月18日

適正な運用強調-県少年補導条例案

http://www.nara-shimbun.com/n_all//060318/all060318d.shtml

県議会の予算審査特別委員会は17日再開し、県少年補導に関する条例案の審議で委員から反対意見が相次いだほか、賛成の立場からも運営に関して心配する声が挙がった。ただ委員会として専門家の意見を聴く機会を求めた提案は賛成少数で否決された。この日は委員会としては多い12人の傍聴があるなど、同条例案に対する関心の高さが示された。

(2006.3.18 奈良新聞)

社会 2006年3月21日

施行凍結、廃止へ尽力-県少年補導条例案特別委可決で奈良弁護士会

http://www.nara-shimbun.com/n_soc//060321/soc060321c.shtml

県議会予算審査特別委員会で、県少年補導条例が可決されたのを受けて、反対を表明している奈良弁護士会の子どもの権利委員会委員長、古川雅朗弁護士が20日、会見し、あらためて同条例の廃止、施行凍結に向けてさらに尽力する意向を示した。

(2006.3.21 奈良新聞)

総合 2006年3月21日

少年補導条例案を可決-本議会でも可決へ【県会特別委】

http://www.nara-shimbun.com/n_all//060321/all060321b.shtml

   県議会の予算審査特別委員会(松井正剛委員長、13人)は20日、県少年補導に関する条例案を9対3の賛成多数で可決した。同条例案には、日本弁護士会連合会などが反対を表明しており、委員会でも批判が出されたが、柿本善也知事は運用段階でのチェック充実などを説明、自民党の委員ら大多数の賛成を得た。24日の本会議採決も可決される見通し。また同委員会は平成18年度一般会計予算案など57議案も可決した。

(2006.3.21 奈良新聞)

保護者ら強い不信感-県少年補導条例案可決

http://www.nara-shimbun.com/n_soc/060325/soc060325a.shtml

未成年の「不良行為」に対して質問や警察署への同行を認める県少年補導条例が24日、成立した。規定する「不良行為」に該当すると判断した場合、警察職員はこの権利を行使できる。学校を休んで出歩くことにも「正当な理由」が必要だ。不登校の子どもを追い詰めたり、監視社会をつくることにならないか―。保護者や弁護士の間では条例に対する不信感も強い。

(2006.3.25 奈良新聞)

県少年補導条例が可決-県警本部長「適正運用する」

http://www.nara-shimbun.com/n_all/060325/all060325c.shtml

県議会の2月定例会は24日、最終日の本会議を再開し、県少年補導に関する条例案を34対9の賛成多数(退席1人)で可決した。7月1日に施行される。同条例案には、日本弁護士会連合会や市民団体が反対しており、傍聴席には採決を見届けようと県民ら約20人が詰めかけた。

(2006.3.25 奈良新聞)

朝日新聞 奈良

少年補導条例案 県議会委で可決

2006年03月21日

http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000603210001

■「議論まだ必要」との声も

県議会予算審査特別委員会は20日、県少年補導条例案を賛成9、反対3で可決した。24日の本会議で採決される。奈良弁護士会子どもの権利委員会委員長の古川雅朗弁護士は記者会見し、「補導する側の恣意的な解釈を許しかねない内容で、まだ議論が必要なのに残念だ。仮に制定されても、施行凍結を求めていきたい」と話した。

この日の審議では、委員から「条例が警察に与える権限は警察官職務執行法が定める範囲から逸脱するのではないか」との疑問が出されたが、菱川雄治・県警本部長は「今までもやってきたことで法律の規定を超えるものではない」と答弁。「運用の透明性をどう担保するのか」との質問に対しては、柿本善也知事が「成果を定期的に報告してもらう仕組みを検討したい」と理解を求めた。

毎日新聞

県少年補導条例案:委員会可決 「議論不十分」の声も−−本会議で成立へ /奈良

 ◇県警本部長「適切運用に努力」

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nara/news/20060321ddlk29010577000c.html

 県少年補導条例案は、20日の県議会予算審査特別委員会(松井正剛委員長、13人)で可決された。24日の本会議での成立が確実。現場の補導員は歓迎するが、奈良弁護士会が施行凍結を視野に活動を続ける意向を示すなど、「議論が尽くされていない」という市民の声があるのも事実だ。

 この日の審議では、警察権限の拡大などを懸念する声に対し、菱川雄治県警本部長が「従来の補導活動に法的根拠を与えるもので中身は変わらない。適切な運用に努める」との見解を繰り返し、理解を求めた。柿本善也知事は、施行後は県警から定期的に報告を求めるなどして、運用状況を検証する考えを示した。会派として賛成を表明した自民も「懸念があることを踏まえ、誤った対応が行われないよう求める」と注文をつけた。

 県少年補導員協会の宇恵義昭理事(69)は「『何も法に触れてないのに』と親からも反論されることもありつらかったが、理解してもらいやすくなる。自分たちの立場も明確になり責任感も増す」と歓迎する。

 一方、傍聴した県立高1年の男子生徒(16)は「子ども対象の条例なのに学校では説明がなかった。周りの友達もほとんど知らないうちに決まるのは問題だ」。一緒に訪れた母親(48)も「警察から声を掛けられた時にうまく説明できるだろうか。もっと時間をかけ、子どもたちも納得できるようにしてほしい」と力説した。古川雅朗弁護士は「審議の過程が拙速で遺憾だ。不良行為の対象が広範で、恣意的に運用される余地をはらんでいる」と改めて批判した。

 条例案に対する各委員の賛否は次の通り(敬称略)。

 <賛成>小泉米造、荻田義雄、山本進章、奥山博康、井岡正徳、菅野泰功(自民)、中村昭(新創NARA)、畭真夕美(無所属)、森山賀文(県民クラブ)<反対>山本保幸(新創NARA)、高柳忠夫(民主)、田中美智子(共産【野村和史、中村敦茂】

毎日新聞 2006年3月21日

県少年補導条例案:奈良弁護士会、反対のビラ配る /奈良

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nara/news/20060310ddlk29040601000c.html

奈良弁護士会が9日、奈良市近鉄奈良駅前で、県議会で審議中の県少年補導条例案に反対するビラ配りをした。

 弁護士や職員ら20人以上が参加。悩みを抱えている子どもに必要なのは取り締まりではない▽住民が互いに監視し合うような社会を作るべきでない−−など、条例案の問題点を指摘するビラを通行人に手渡し、制定反対を訴えた。

 また、不登校ひきこもりの子を持つ親たちで作る「ふきのとうの会」(奈良市)も弁護士会の活動に合わせてビラを配布。同会が運営するフリースペースのボランティアで、小中学校時代に不登校を経験した早瀬さと子さん(19)は「不登校になると、同年代の子がいる所は避けたいので、夜間に外出することもある。深夜はいかいとして補導されるのでは、社会との接点を閉ざすことになる」と話した。【野村和史】

毎日新聞 2006年3月10日

■奈良民報 2006年2月5日

(仮称)少年補導条例(案)は子どもの健やかな成長の助けになるのか

日本共産党県議団が学習交流会開く

http://www.mituko-imai.com/akahata/page031.html

奈良県議が2月県議会に提出しようとしている(仮称)県少年補導条例案は、子どもたちの健やかな成長のたすけになるか−−日本共産党奈良県議団(山本幸穂団長、3人)は1月26日、学習懇談会を開催。子育て中の女性や市民、地方議員ら48人が参加して熱心に話し合いました。

この条例案は、犯罪や飛行ではない「不良行為少年」の補導を強化し、非行を防止し、保護を通じて少年の健全な育成をはかるものと説明されています。不良行為を細かく規定し、県民には通報などを責務とし、警察職員に不良行為の少年を補導できるよう権限を与えるものです。

県警は、ホームページで、条例案の要綱案を示し、県民の意見を聴取するパブリックコメント(県民の意見募集)をを行いました。しかし、それ以外に広範に知らせる手立てはないため、まだまだ広く県民に知らされている状況とはいえません。

懇談会に参加した人からも「みんなが知らないでいる。条例の危険な内容を多くの県民に知らせよう」と、具体的な行動提案も含めて意見が出されました。

佐藤真理弁護士は「規制・威嚇を強めることでは少年非行問題は解決しない。少年の非行防止や立ち直り私怨は、警察中心の政策ではなく、子どもの人権を尊重した教育的・福祉的アプローチこそが必要だ」とのべました。

また、警察権力の発動は、社会公共の秩序にとって容認できない障害の程度に比例し、障害除去の手段は「常に最小限度にとどめる」とする原則があるが、条例案が警察職員に補導の権限を付与することで、この原則に反し、少年の財産権プライバシー権を侵害する恐れがあることを指摘しました。

山本幸穂県議は、奈良県警が迷惑防止条例を強化し、大人の見守り活動を鈍らせることになりかねない「子どもを犯罪被害から守る条例」制定に続いて、全国に先駆けて少年補導条例を制定をすすめるなど、警察の取り締まり権限強化ばかりをすすめている状況を報告。問題点を県民に広く知らせて討論をすすめ、親と県警にも届けようと呼びかけました。

今井光子県議は、学校関係者や父母らとの懇談をすすめているとのべ、田中美智子県議は県議会の討論の様子を報告しました。

日本共産党県議団は、この学習懇談会用に「県政資料」を配布しました。希望者には送付することにしています。問い合わせ電話0742(27)5291県議団控え室

■2006年2月18日(木)「しんぶん赤旗

奈良 少年補導条例案の議会上程 県警に中止要求 考える会 25日にシンポ

http://www.mituko-imai.com/akahata/page033.html

奈良県警が準備をしている県少年補導条例案について民主団体などで作る「同条例を考える会」(宮本次郎事務局長)は二月県議会への上程を中止するよう求める申し入れを十七日、県警に行いました。日本共産党の今井光子県議が同席しました。*1

申し入れ書は「条例案は少年の人権を侵害しかねないもの。少年の非行防止や立ち直り支援は教育・福祉の諸政策の充実によって実現すべきだ」としています。

県警側は、今回の条例案には県内外から多くの意見が寄せられているとのべました。*2

同会は、条例案の問題点を広く知らせようと自治連合会や子どもにかかわる団体に、ビラやシンポジウムの案内状を送付しています。

日本共産党の西本守直奈良県市議が地域の民生児童委員などを訪問し、対話するなかで、子どもが「何か悪いことをするのではないか、とあらさがしや、しかってばかりでは、生き生きとした自発性はうまれません」と書いた手紙が住民から寄せられています。

■2006年3月2日(木)「しんぶん赤旗

奈良県の少年補導条例案 警察の干渉を拡大 “不登校”も取り締まり?

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-02/2006030204_01_0.html

不登校も警察の取り締まりの対象? ―奈良県議会が「県少年補導に関する条例案」で揺れています。奈良県警が提出した、全国的にも例がない条例案に「警察の権力的な規制で少年の健全育成ができるのだろうか」と県内外から強い不安や批判の声が寄せられています。奈良県 鎌野祥二


 条例案は「少年(十九歳以下)の健全育成」を目的としながら、補導対象になる「不良行為」として二十八項目を規定しています。その中には「みだりに異性の身体に触れ」る行為など男女交際の問題や、十七歳以下では「正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席」すること、「正当な理由がなく深夜徘徊(はいかい)する」ことなど、いずれも現行法では犯罪とはならない行為に規制を加えています。

 警察職員による補導の内容は「注意」や「危険物品」などの「一時保管」、警察施設での「一時保護」などです。県警は「早期発見により、非行性が深化する前の立ち直り支援が必要」と制定理由を説明しています。

各界から反対の声

 昨年十一月に条例案の概要をホームページなどで公開してパブリックコメントを募集し、二月県議会に提案と超スピード日程で進めてきました。

 しかし、県内の中学校校長からは「まったくそんな話は聞いてない」と驚きの声があがっています。奈良市西部で少年補導員をつとめる女性(44)は「子どもにかかわる人たちからもっと意見を聞いてほしい」と話します。

 奈良弁護士会は、今回の条例づくりに反対する会長声明を一月二十七日に発表しました。「少年の保護育成の手段は、権力的な規制に頼るのではなく、学校や、児童相談所をはじめとする福祉機関、地域社会等による包み込み」などを「手段とすべきことは世界的潮流」(同声明)とし、各県議にも反対するよう働きかけてきました。

 教職員組合、新日本婦人の会などの五団体は「同条例を考える会」を二月一日に結成。PTAや民生委員などに条例案の問題を知らせるビラを送って対話を進める一方、県警に同条例案を県議会に上程しないよう求めてきました。

“有効”の検証せず

 同会が主催した二十五日のシンポジウムには教師や親、青年など百二十人が参加。パネリストの県立高校二年生の男子生徒は「ぼくたちをしばるのではなく、言葉やコミュニケーションを大切にしてほしい」と訴えました。

 日本共産党の山村幸穂県議は二十日の県議会・総務警察委員会で県民生活への警察の干渉が拡大する懸念を指摘しました。「補導の活性化」というが「警察の補導が非行防止に有効だという実証的な調査や検証をしたのか」とただしました。

 これに対する県警本部長の答弁は「経験則としてわかることではなかろうか」というものでした。補導の効果を具体的に示すことができなかっただけでなく、非行防止に有効であることを示すなんの検証もしていないことが明らかになりました。そもそも条例の制定が必要なのか、問われます。


奈良県少年補導に関する条例(案)」(抜粋)

 第二条の4

 この条例において「不良行為」とは、次に掲げる少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為(刑罰法令に触れるものは除く。)をいう。

 (1)のオ 放置すれば暴行、脅迫、器物破損その他の刑罰法令に触れる暴力的な行為に発展するおそれのある粗暴な言動をする行為

 (1)のケ みだりに異性の身体に触れ、又は異性につきまとい、その他の他人に性的な不安を覚えさせるような行為

 (3)のス 正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊技若しくは遊興をする行為

 (県民の責務)

 第四条

 県民(少年を除く。)は、不良行為少年を発見したときは、当該少年にその行為を止めさせるため必要な注意、助言又は指導を行うとともに、必要に応じ、保護者、学校の管理者又は職員、警察職員その他少年の保護に関する職務を行う者に通報するよう務めるものとする。

■2006年3月21日(火)「しんぶん赤旗

補導条例案を可決 奈良県議会委 警察権限拡大に懸念 自・公賛成

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-21/2006032115_03_0.html

「警察の権限拡大で非行が防止できるのか」と全国から強い批判が寄せられている奈良県少年補導に関する条例案が二十日、県議会予算審査特別委員会で反対三、賛成九で可決されました。

 同日の質疑では、日本共産党の田中美智子県議が補導対象となる「不良行為」があいまいで歯止めない警察権限の拡大につながりかねないことなどを指摘し、子どもの意見を聞かないまま拙速な条例化は許されないと強く反対を表明しました。ほかの会派の議員も「県民の合意形成が抜けている」と反対意見をのべました。

 自民党公明党の議員は条例に心配する意見も聞いたとしながら、「可決して関係団体との意思疎通を」「条例をどう運用するかが大事」などとのべ、賛成しました。

 同条例案には日本弁護士連合会、奈良弁護士会が会長声明で反対を表明。「不登校の子どもまで取り締まるのか」と県内外の関係団体などから条例案に反対する意見が多数寄せられています。

少年少女の補導活動に法的根拠、奈良県条例案成立へ(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060320i315.htm?from=main3

法的な根拠に基づき補導活動ができる全国初の「奈良県少年補導条例」案が20日、県議会の予算審査特別委員会で可決された。

警察官らが、喫煙や深夜はいかいなどの「不良行為」をした少年を一時保護したり、所持品を任意提出させたりする権限を新たに設け、警察庁が目指す少年非行防止法制化を先取りした。日本弁護士連合会などからは反対もあるが、24日の本会議で可決、成立し、7月から施行する予定。

 現在、補導活動に法的な根拠はなく、「少年非行への対処が年々難しくなってきている」という補導員らの意見があり、県警が条例案を作成した。

 条例案は、補導の対象となる不良行為について、〈1〉20歳未満の喫煙や飲酒〈2〉18歳未満の午後11時〜午前4時のはいかい〈3〉無断外泊〈4〉風俗店への立ち入り〈5〉有害サイトの閲覧――など、26項目を定めている。

 少年が深夜はいかいしていた場合、警察官と補導員は、本人の同意を得て最長12時間、警察署で一時保護できる。また深夜以外でも学校を理由なく欠席、早退し、はいかいすれば、補導対象となる。

 この条例案に対し、不登校や引きこもりの子を持つ親の団体や日弁連は「子どもたちの人権が侵害される」と反対を表明している。

「有害サイト閲覧」「ネットで中傷」も補導対象に 奈良県条例案

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/22/news063.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060322-00000072-zdn_n-sci

 奈良県議会で3月24日に採決される「奈良県少年補導条例」案は、少年を対象にした補導活動に法的な根拠を与える全国初の条例となる。補導の対象となる「不良行為」には、いわゆる有害サイトの閲覧や、ネット上での中傷行為も含まれている。

条例案は、不良行為として喫煙や飲酒など26項目を規定。そのうち18歳未満の場合、インターネット関連として(1)いわゆる出会い系サイトの利用、(2)県青少年健全育成条例の定義に該当する「有害サイト」の閲覧、(3)他人を中傷するような情報をインターネットを利用して他人が閲覧することができる状態に置き、又は電子メールを利用して他人に送信する行為──が含まれている。

このほか学校を無断で遅刻・欠席して徘徊(はいかい)したり、自ら進んで入れ墨を受ける行為、も対象となっている。

条例案は既に20日の予算審査特別委で可決されており、24日の本会議で可決・成立すれば7月から施行する予定。

少年への補導活動には法的な根拠がなく、警察庁は法制化を目指して検討を進めており、条例案はこうした動きを先取りした形だ。

条例案には日本弁護士連合会などが反対しており、奈良弁護士会は「『不良行為』の範囲は極めて広範にわたっており、かつその定義が漠然としているものもある。これらを規制の対象とするならば、警察権限の市民生活に対する不当な介入をほとんど無限定に認めることにもつながりかねない」と指摘している。

ITmediaニュース) - 3月22日17時47分更新

★少年補導に初の条例、奈良県議で成立

http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3253335.html

・未成年者の犯罪を防ぐために、補導の対象となる不良行為を細かく定めた条例が、全国で初めて奈良県議会で成立しました。警察の不当介入も招くと批判も出ています。 奈良県議会で成立した少年補導に関する条例は、喫煙や飲酒など補導対象となる 26項目の不良行為を定めています。 18歳未満が出会い系サイトを利用することや、保護者に無断で外泊したり、学校を 休んで遊ぶことまで含まれています。 また、補導に当たる警察官の職務権限も定められていて、弁護士会は「警察の不当 介入を招き、人権侵害につながる」と反発しています。 「条例が施行される前は凍結を求めるような運動をしていきたい」(奈良県弁護士会 福井英之会長) この条例は7月から施行されます。  


警察の統計ソース。

 

警察庁 少年非行等の概要(平成17年1〜12月)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen28/20060216.pdf

警察庁 少年非行等の概要(平成16年1〜12月)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen21/syonenhikoh16.pdf

警察庁 少年非行等の概要(平成15年1〜12月)

http://www.npa.go.jp/toukei/syonen1/syonengaiyou1501-12.pdf

警察庁 少年非行等の概要(平成14年1〜12月)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen2/heisei14gaiyou.pdf

警察庁 少年非行等の概要(平成13年1〜12月)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen2/heisei13gaiyou.pdf

警察庁 平成16年中における少年の補導及び保護の概況(要旨版)

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen26/syounen16youshi.pdf

平成16年中における少年の補導及び保護の概況

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen25/syounen16.pdf

平成15年中における少年の補導及び保護の概況

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen20/syounen15.pdf

平成14年中における少年の補導及び保護の概況

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen5/shounen20030613.pdf

犯罪統計資料(平成17年1〜12月分)

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji27/hanzai.html

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji27/17.1-12(hp).pdf

平成17年(1〜11月)の犯罪情勢

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji26/20051226.pdf

平成16年(1〜11月)の犯罪情勢

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji23/hanzai.pdf

平成15年(1〜11月)の犯罪情勢

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji16/index.htm

平成14年(1〜11月)の犯罪情勢

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji11/index.htm

平成13年(1〜11月)の犯罪情勢

http://www.npa.go.jp/toukei/keiji6/index.htm

 

統計を一部引用。

 

刑法犯罪種別検挙件数・検挙人員対前年比較

※認知件数は省略

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/hikou_01.gif

刑法犯少年の推移

 

全国の全体統計では、平成17年(1-12月)は前年に比べ11,132人も少年検挙人員が減少しています。

人口比では一時的にしか減っていないですが、条例制定以前の統計では奈良県の犯罪少年は検挙数も人口比ともに減少傾向が続いており、刑法犯罪検挙人員に占める少年の割合も減ってます。このグラフは平成8年からの統計ですが、それ以前の統計を含めると、長期減少傾向はよりはっきりします。

昔に比べて格段にメディアが発達し、自称「良いオトナ」たちが言うところの有害とはいえない「有害情報」が増え、子どもたちをとりまく情報環境が変化しているにもかかわらず、少年犯罪は減っている。「有害情報」なるものが増えることで少年犯罪が減るということは証明され得ても、その逆は無い。

ちなみに平成17年(1-12月)の犯罪認知件数約226万ですが、そのうち172万は窃盗で、景気が悪くなれば増え良くなれば減るという相関関係になっていることを確認できます。

 

全犯罪都道府県別認知検挙件数・検挙人員対前年比較(近畿と東京のみ)

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/hikou_05.gif

重要犯罪都道府県別認知検挙件数・検挙人員対前年比較(近畿のみ)

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/hikou_04.gif

 

奈良県では認知件数では減り、検挙件数は増えてます。つまり検挙率は向上してます。重要犯罪では認知件数、検挙件数、検挙人数ともに激減してます。重要犯罪の検挙率はあまりかわっていませんが、重要犯罪の発生は劇的に少なくなっています。前年度比40%以上減っているのはすごすぎです。奈良県では重要犯罪を減らすことに成功し、窃盗とか他の犯罪も検挙率が上がっている。

要するに、どこからどうみても奈良県の治安の“実態”は劇的に良くなっているわけです、新条例がつくられていないにもかかわらず。

奈良県で劇的に治安実態が良くなったのは、中央から送り込まれたエリート本部長様が奈良にきてからのようですね。エリート本部長様のメンツをつぶすようなことは絶対にできず、なにがなんでも成果をあげなければならないという圧力とプレッシャーが捜査現場にかかっている状況の中で、現場の警察官ががんばっているから成果があがっている。

だとすれば、警察組織内部の都合や状況で治安が良くなったり悪くなったりしているわけで、だったら最初からそうしろよという話。新しい新たな対策を講じる制度を、住民の人権を不当に制限してまでつくらねばならない理由は無いでしょう。

なのに“体感“治安は悪化し続け、住民は凶悪犯罪の影にこれまでないほど恐怖し、警察力強化を叫び、条例制定に賛成の世論が奈良県津波のように高まっている?というのはどういうことなんでしょうね。

増えているのは犯罪ではなく、「犯罪が増え凶悪化している」という“情報”が増えているのではありませんか? と、問題提起しておきます。

 


関連リンク。

 

■少年補導条例を考える会

http://www3.kcn.ne.jp/~jcpnara/miyamoto/syounen.html

県会議長への申し入れ全文

http://www3.kcn.ne.jp/~jcpnara/miyamoto/mousiire.html

少年補導条例を考えるシンポジウム

基調報告 

警察権限拡大での規制強化では子どもや社会に有害

奈良弁護士会子どもの権利委員会委員長 古川雅朗弁護士

条例案には、たくさんの問題点がありますが、絞って言うと3つの問題点があると考えます。

1つは、もっとも大きく、かつ根本的な問題点です。条例案の警察権限の拡大、青少年に対する規制を強化する施策は、まったく無益であるばかりか、むしろ少年と社会に有害な施策であるということ。少年は未だ未成熟で、発達途上にあって、仮に少年が非行を犯したとしても刑罰をもって臨むのではなく、少年への保護や教育で更正させようというのが基本的な理念です。少年法の基本的な考え方も保護主義です。少年を罰する、制裁を課す観点では、少年の更生にはつながりません。われわれがめざすべきは、子どもを育て直す力の強化、地域社会の復権ではないでしょうか。条例がやろうとしていることは、少年の不良行為を発見したとき通報を県民に責務をおわすように、地域社会が子どもたちを包み込むのとは逆の、相互に監視しあう社会です。

成人の刑事公判では、すべての人に弁護人がつく国選弁護人制度がありますが、鑑別所に収容されている少年には付添人制度がありますが、実は、必ずしも十分に確保されているわけではありません。奈良弁護士会は独自に、同16歳未満の少年に必ず弁護士が付添人としてつくようにしはじめていますが、制度的な確立が求められています。こういった問題もあります。

2つには、奈良県が全国に先駆けてこの条例をつくる立法根拠に疑問があるということです。奈良家庭裁判所にかかった少年一般保護事件は年々、減少傾向にあります。また、奈良県の人口概数と類似する県の数を比較してみても、どこも大きな差はありません。県警は補導件数が激増していると説明しますが、補導件数は警察が頑張れば増える(変動する)数字であり、恣意的に扱いうるのではないか。それだけで、少年非行が増加しているとか、凶悪化しているとは直結しないと思います。

3つには、条例制定の手続きの妥当性、民主性の問題です。パブリックコメントの締め切りから1週間もたたないうちに、条例の要綱案は発表されました。広く県民、特に条例の対象となっている子どもたちからも十分な意見聴取と討論をおこなうべきですが、それはされていません。子どもの権利条約からもはずれます。


参考にしたサイト・ブログなど。

 

http://future.web.infoseek.co.jp/topics/20060310.html

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyoukyou/nara.htm

http://silhouetteholly.blog39.fc2.com/blog-entry-150.html

http://silhouetteholly.blog39.fc2.com/blog-entry-152.html

http://omaenoseida.blog42.fc2.com/blog-entry-18.html

http://it.cymedia.jp/?eid=299146

http://blogs.dion.ne.jp/rx8gray/archives/3083149.html

http://blogs.yahoo.co.jp/pojitevu56/30345682.html

http://blogs.yahoo.co.jp/mokonacherry/208578.html

http://blogs.yahoo.co.jp/hiro_monta_bar/27060333.html

http://blog.goo.ne.jp/erovows/e/c82b6be29b21bf4ac4e98e0b9b344b66

http://saijoucity.at.webry.info/200602/article_27.html

http://greenshop.btblog.jp/ar/kulSc05AA4427A154/1/

http://newmoon1.bblog.jp/entry/283214/

http://shin-ayaka.at.webry.info/200603/article_110.html

http://sky.ap.teacup.com/deep/163.html

http://fairytale.way-nifty.com/hana/2006/03/post_ca75.html

http://mischief-trickster.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_01d7.html

http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2006/03/post_07f5.html

http://yhx0303.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_ae05.html

http://shinshu.fm/MHz/02.32/archives/0000112708.html

http://edugarden.blog50.fc2.com/blog-entry-244.html

http://d.hatena.ne.jp/AMark/20060324#p2

http://d.hatena.ne.jp/bighawk/20060320

http://d.hatena.ne.jp/celsius/20060323#p3

http://d.hatena.ne.jp/claw/20060326#p1

http://d.hatena.ne.jp/dr_y/20060322#1143035799

http://d.hatena.ne.jp/grafvonzeppelin/20060321

http://d.hatena.ne.jp/grafvonzeppelin/20060324

http://d.hatena.ne.jp/kabutch/20060326#p1

http://d.hatena.ne.jp/hanazukin/20060323#1143064197

http://d.hatena.ne.jp/hito28349/20060323/p2

http://d.hatena.ne.jp/hyouryu/20060315/p1

http://d.hatena.ne.jp/ROMman/20060323#p3

http://d.hatena.ne.jp/suikaf/20060323/1143115242

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060323#1143076585

http://d.hatena.ne.jp/yosuzumetei/20060325/p2

http://d.hatena.ne.jp/yas-toro/20060322/p10

http://shibutetu.jugem.jp/?eid=26

こうした「子ども」に関わる法制定については、子どもの権利条約の意見表明権で、意見表明をする権利が認められているが、パブリックコメントを募集はしているものの、そうした手続き上の保障はない。

奈良県では、少女殺害事件を受けて、青少年保護条例で「声かけ」規制がされたばかり。いったい、奈良県は何がしたいのか。

子どもの権利条約

http://www.savechildren.or.jp/about_sc/kodomono_kenri/index.html

http://www.savechildren.or.jp/about_sc/kodomono_kenri/minkan1_1.html

第3条

(子どもの最善の利益)

子どもにかかわるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。

http://www.savechildren.or.jp/about_sc/kodomono_kenri/minkan1_1.html

第5条

(親の指導の尊重)

締約国は、親、または適当な場合には、地方的慣習で定められている拡大家族もしくは共同体の構成員、法定保護者もしくは子どもに法的な責任を負う他の者が、この条約において認められる権利を子どもが行使するにあたって、子どもの能力の発達と一致する方法で適当な指示および指導を行なう責任、権利および義務を尊重する。

第8条

アイデンティティ保全

締約国は、子どもが、不法な干渉なしに、法によって認められた国籍、名前および家族関係を含むそのアイデンティティ保全する権利を尊重することを約束する。

締約国は、子どもがそのアイデンティティの要素の一部または全部を違法に剥奪される場合には、迅速にそのアイデンティティを回復させるために適当な援助および保護を与える。

http://www.savechildren.or.jp/about_sc/kodomono_kenri/minkan1_2.html

第12条

意見表明権

締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響 を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する。 その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。

この目的のため、子どもは、とくに、国内法の手続規則と一致する方法で、自 己に影響を与えるあらゆる司法的および行政的手続においても、直接にまたは 代理人もしくは適当な団体を通じて聴聞される機会を与えられる。

第13条

(表現・情報の自由)

子どもは表現の自由への権利を有する。この権利は、国境にかかわりなく、口頭、手書きもしくは印刷、芸術の形態または子どもが選択する他のあらゆる方 法により、あらゆる種類の情報および考えを求め、受け、かつ伝える自由を含 む。

この権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その 制限は、法律によって定められ、かつ次の目的のために必要とされるものに限る。

他の者の権利または信用の尊重

国の安全、公の秩序または公衆の健康もしくは道徳の保護

 

たしかに奈良県は条例策定にあたって子どもの権利条約第12条の義務を怠っています。

国際法が求める法手続きなしで作った条例は法的効力が無いのではないでしょうか。

国際ルールを守れない県が子どもに「ルールを守れ」と言うのはおかしいです。

 

http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/910cd945237291a02d85e76d03b30817

>有害情報と認定されたサイトを閲覧する行為を「不良行為」と認定 とありますが、こんなことをどうやって監視できるんでしょうかね?実質不可能だと思いますが。

奈良県議会の本当の目的は「ネット」をエサに予算を獲得することにあるように思います。

今後どのようになるのかわかりませんが、PCの購入、監視費用などと、奈良県議会の予算の使い方を、市民オンブズマンなどが「監視」したほうがいいんじゃないでしょうか。こっちのほうがはるかに「不良行為」の可能性が高いと思います。

 

予算を獲得のための条例という視点はスルドイ。

意味の無い税金の使い込みが増えるという意味での「不良行為」こそ深刻。不良役人を取り締まるルールこそ必要。

 

条例賛成論のブログも紹介しておきます。

 

http://yoshinashigoto.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/__21e3.html

子供に権利なんて無いです。子供には義務のみあります。それは、勉強をし、場合によっては働き、社会に出るための資質を身に付けることが最大目的です。「やることないから」「ヒマだから」「なんとなく」「オトコにナンパしてもらうため」どの口がそんな事を言ってるんだ?第一、親は何をしてるんだよ。親の金で遊び歩いてる生産性の無いただのガキ。はっきり言って将来的にも日本に必要ないですから、この国から出て行ってください。

 

補導だけでなく子どもの国外追放も容認する、などという“妄言”を主張している奈良県議は、寡聞ながら一人も存じません。条例案の採決で賛成した議員も、こうした暴論には同調しないだろうと思います。(いたら教えてください)

生産性の有無とは関係なく、子どもでも誰であっても人間として人権はあります。

憲法論について踏み込んで考えるなら、パターナリズム(本人の同意の無いお節介)はどこまで認められるかという点を考えると良いかもしれません。

 

http://blog.goo.ne.jp/s_mae/e/bd852cfa8409acd23a3a7ac994e6667d

で、子供の人権がどうのこうの。警察権力がどうのこうの。

こんな条例作っても効果がないどうのこうの。

とりあえず、アホか?

確かに子供の人権は守るに値するかもしえないけど

最近、過保護すぎやしないか?

最近じゃあ、手を出したら体罰って風潮ができてしまって

子供を叱れない大人が増えてしまっている気がする。

鉄拳制裁とはいかないまでも、痛みを伴う指導って必要な気がする。

 

他の家の子どもを殴りたいのでしょうか。そのための条例は必要? 

なにか勘違いなさっておられるようですが、補導条例は、「不良行為をする少年」を注意する義務は県民に課していますが、他の家の子どもを殴っても良いなどという規定は存在しません。

他の家の子どもを「痛み」を与えたら犯罪者です。逮捕されますので気をつけましょう。

条例案の内容をよく理解していないまま批判に反発している人がいるという事実自体が、補導条例の内容が一般に正しく理解されないまま安易に作られたことを証明しているのではないかと思います。

 

http://ki46sinnsitei.blog55.fc2.com/blog-entry-19.html

確かに賛否両論あるでしょう。しかし、今の日本にはこれしかないんじゃないでしょうか?

日本は国家権力によって社会秩序を保つしか道は無い様にも思えるのです。

もちろん民主主義社会の範囲で、ですが。

 

警察力が必要かどうかという議論と、無原則に人権を制限してよいかどうかという議論は異なります。警察力は必要ですが、警察力の行使には人権という限界があり、無原則な警察力の行使は認められません。奈良県も、警察力行使には限界がないなどとは言っていないと思います。

たとえば、捜査官が凶器を持って警察官に襲いかかろうとしている犯人にピストルを向けるのは正当行為でしょうが、逮捕した容疑者を取調べる時に「自白しろ。自白しないと撃つぞ」とピストルを向けて脅すのは認められません。そういうことをやって処分を受けた警察官もいます。それが「警察比例の原則」という民主主義の原則です。

警察力は必要だけど、補導条例は民主主義社会では当然に認められるべき「警察比例の原則」に反し、公権力が越えてはならない一線を越えている。だから批判されているのだと思います。

 


北の系関連ログ

警察庁少年警察活動規則/募集意見に対する考え方を公表

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020100.html

「少年警察活動規則試案」パブリックコメントに対する警視庁回答

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020069.html

「少年警察活動規則試案」パブリックコメント

http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020068.html

 

少年警察活動規則についての情報。

 

警察庁「少年警察活動規則試案」に対する意見の募集について

http://web.archive.org/web/20020805061829/http://www.npa.go.jp/comment/shounen/public_comment.htm

警察庁「少年警察活動規則試案」に対するパブリックコメント募集結果について

http://web.archive.org/web/20020805061829/http://www.npa.go.jp/comment/result/shounen/the_result_of_pc.htm

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関連ログ

 

奈良県少年補導に関する条例成立(1)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060330

奈良県少年補導に関する条例成立(2)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060329

奈良県少年補導に関する条例成立(3)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20060328

単純所持禁止・奈良県が初の条例検討(2)

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050430

単純所持禁止・奈良県が初の条例検討

http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050429

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*1:今井光子県議ら、日本共産党の県議が補導条例に反対したことは評価できますし、上程中止を求める要求を出したことは良いことだと思います。ただし私は、日本共産党の政策のすべてが正しいとまでは考えていないということは書いておきます。たとえば、「有害図書類」を収納する自動販売機の規制にもっとも積極的だったのは、日本共産党の今井光子奈良県議会議員でしたが、そもそも「有害図書」なるものが少年犯罪を増やしたとの科学的因果関係は証明され得ないことが既知のメディア効果研究から明らかになっていますので、こうした政策には私は反対です。今井議員など共産党議員の多くが有害図書規制に賛成している背景には、女性団体の得票が組織票になっていることが背景にあると思われますが、科学的な社会政策をすすめるのであれば、主観的な情動で政策を判断している団体とは手を切り、しがらみを断ち切るべきだろうと思います。参考情報→今井光子奈良県議会議員 http://www.mituko-imai.com/ 「北葛4町の有害図書規制・・・自動販売機が大幅に減りました。/王寺町5台→0台、上牧町0台→0台、広陵町12台→5台、河合町3台→0台 /今井光子県議の問い合わせに、県が説明したもので、北葛城郡の設置数は大きく減少。全県で撤去された58台のうち半数の27台が北葛城郡で撤去されました。/そして4月の時点で設置0は上牧町だけだったのが、当麻町、王寺町、河合町からもなくなりました。/ 北葛城郡では、女性団体や個人の呼びかけに応える請願署名運動が大きく展開され、県議会に請願が提出され、採択された経緯があります。今井議員は委員会質問で、この問題をとりあげ、日本の未来をになう子どもたちが、かけがえのない命を大切にし、お互いを思いやり、愛情にもとづく性を大切にして、人間として成長することを願って、社会的にだれが見ても子どもにとってよくないと思われるビデオやアダルト雑誌などを、誰でも(子どもでも)が購入できるような環境を地域から改め、子どもたちが健全な文化を享受できるような環境にするために、通学路上の図書類自動販売機設置業者の自主的規制が有効にすすむよう県が適切な行政指導をおこなうべきだと主張してきました。」 http://www.mituko-imai.com/iryou/page093.html日本共産党奈良県会議員団「アダルト雑誌等の自販機が減少 2003年12月11日 子どもたちの健やかな成長を願う母親の願い 前進しました」 http://nara.jcp-giin.net/www/topic/030012.shtml

*2:パプコメは20人に満たない数だったのに「多くの意見」ですか。へー。


 

疑うことをやめること。
それがもっとも真実から遠い行為だ。

kitanoのアレに関するご意見・ご連絡はki@tree.odn.ne.jp まで。
(キタノ)北の系2005
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