道を越えて

AKB0048」というアニメにはAKB0048という架空のアイドルグループが登場する。この作品の舞台(宇宙)ではいくつかの星で芸能が規制・禁止されている。AKB0048はそのような星でゲリラライブをおこなう非合法アイドルグループであり、テロリストと称されることもある。
主人公の父親は、AKB0048に入りたいという娘の志望を否定する(第1話)。話が進むにつれて父親の芸能に対する考え方は変化しているようにみえる。しかし父親はなお、娘のことを理解していない、AKB0048に入ったことを許していないと語る(第24話)。
非道なテロ行為をおこなっているというAKB0048への批判に対して、AKB0048は歌と愛を届けているだけであると反論する。しかしその姿勢が、愛や芸能を盾にした脅迫のように感じられるシーンが僕にはあった。
AKB0048はルールを変えるためにルールを破っている。これが主人公の父親の正義感に反しているのではないかと推測する。父親は芸能を促すために、芸能によって労働の生産性が上がることを主張している。AKB0048とは対照的に、ルールを守りながらルールを変えようとしている。
僕の感覚としては、芸能の価値は労働の生産性とはほとんど関係がない。そんなくだらない説得材料を使わないといけないほど父親の立場は窮屈なのだろう。しかしAKB0048に「非」を認めずにはいられない者にとっては、この立場にも共感がある。
この父親の姿勢は、僕が「AKB0048」という作品にどのように向き合えるかを教えてくれるように感じる。



重層的ロールモデル:憧れ、指導者の内面化 - 反言子
ぴをふし(@kiwofusi)/「akb0048」の検索結果 - Twilog
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