はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

人の「生きた価値」はどこにあるか

悼む人

悼む人

天童荒太の本を初めて読みました。

やらんなんこといっぱいあったのに
60ページぐらいからおもしろくなって
土日は
全部放っぽり出して
何もやらんと読んでました。

人気作家ですが
タイトルがどれも重そうだし
避けていた気がします。

信乃さんが読んだと言われて
私も読んでみました。

2009年の直木賞受賞作品です。

「悼む人」は事故や事件で亡くなった人を
尋ねながら生前を偲び
悼んで日々を送る青年の話です。

まったくの他人を
新聞や雑誌の記事をたよりに
近所の人に生前の様子を聞きながら
悼む。

その人を知るために
たどり着いたのは
たとえどんな経歴があろうとも

「誰に愛され
 誰を愛し
 何をして人に感謝されたか」


悼んでいきます。

悼むことは
たいがいは
好意的に受け捕えるのでは

と思っていましたが
変人扱い
犯罪者扱い
を受けながらの苦難の旅だと
わかります。

架空の人物なのでしょうが
リアリティがありました。

エンディングが素晴らしかった。

神々しい気持ちで本を閉じました。