1Q84
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 単行本
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サヨナライツカ的な要素としては10歳の時に小学校で手を握ったことを生きる支えというか唯一の愛として生きて行く男女。
村上春樹でめずらしかったのは家族というか父親との描写と文学界への批判。噂よりエロは少ない。
ジョージ・オーウェルの1984年への言及はほんの少し。
題名が年号で副題にも何月があり、内容でも歴史や期間、昔の内容が多く、時間芸術である音楽との結びつきが強く感じられた。
純文学な小説って、なんていうか著者の中に抽象的な何かがあって、それを具体的な文章で紡ぎだして、読者はそれを一文字ずつ読んで、抽象的な何かを自分の中に再構築している感覚がある。だったら著者の抽象的な何かをもうちょっとわかりやすく伝えてくれないもんだろうかとも思う。でも本を読んで自分を通して構築した抽象的なイメージを出すことも出来ないな。
浦沢直樹のBILLY BATのこうもりとリトル・ピープルが似ているな。あと主人公の境遇も。
いつものことだけど、この終わり方はどうなの?伏線の回収は?
続きを書くかもってインタビュで読んだ気もする。早く出してくれ。
でも全2巻で平均律クラヴィーア曲集をまねしてそれぞれ2章まとまりで24章ずつだろうから構成がちょっと微妙になるのかな。
最後にふかえりのイメージは完全にはしえり