今から40年ほど前、師匠がNHK教育テレビ「バイオリンのおけいこ」に出演した際に助手として同行しました。その時の講師が江藤俊哉氏で、撮影が終わった後ご持参のダブルケースに入っていたStradivarius DanclaとGuarneri del GesùのMario Cortiを見せていただきました。ともに素晴らしい楽器でしたが、Danclaの状態の良さに驚かされました。

Der Mitschüerverein(同窓会)

巣鴨高校卒業50年の同窓会、恩師の水谷重男先生をお招きして開かれました。入学初日の先生のスピーチが、多少滑っていたのを懐かしく思い出しました。高校は3年間組み替えがなく同級生の距離感はかなり近かったように思います。残念ながらお亡くなりになられた方、病気療養中、音信不通など全員が集まることは叶いまでんでしたが、最近のことは忘れがちな前期高齢者ですが、在学中の記憶は確かなので、昔話で盛り上がりました。

Die Geige

材料は、天然の産物なので、均等に木目が出ているわけではありません。この場合セオリーに反してつり目に取った方が木目が生きますが、私はあまり好きではありません。Stradivari のDanclaなど有名な名機にもつり目の作品がありますが、自分で製作するには躊躇してしまいます。

der Holzwurm(木食い虫)

ビオラの厚みだし作業、科学が進歩してHolzwurm(木食い虫)に食べてもらえれば究極のECOですね。

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 楽器の厚みだしは、かなり時間と忍耐のいる作業です。専用のドリルで+0,1mmに穴をあけて規定の厚みに等高線引きで線を引きながらスクレパー(Ziehklinge)で仕上げます。

 

 

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 修業時代師匠の言いつけでネック材から二本取ることを義務つけられていました。二本取れない場合は継ぎネック材を取ることになっていたので、継ぎネックの修理をするときには、二本取れないネック材を探すことになります。お金は、ありませんが長くこの仕事をしているので、ネック材もそれなりの数を持っています。探すだけでも結構な仕事です。作業自体は好きなのですが、たどり着くまでの工程を考えると気が重くなります。