死の方程式

昼に散歩から帰ってテレビをつけると、香川照之刑事コロンボの犯人役の吹き替えをやっている様子が映っていた。香川照之は小学生の頃から刑事コロンボを文庫で読んでいたほどの大ファンなのだそうだ。
それを聞いて俺と同じだと思った。
俺も小学生の頃からコロンボの熱狂的ファンで、テレビだけでなくノベルズ版もよく読んでいた。
(今は文庫で出ているが、当時なら文庫ではなく二見書房の四六判?のことだろう)


小学六年のときだったと思うが、同級生の女の子から刑事コロンボを読みたいので貸して欲しいと言われた。俺はどれにしようかと考えて、ラストが秀逸で一番好きだった「死の方程式」を選んで渡した。
その作品には2ページ程度だけsex描写が含まれていたのだが、俺は小学生らしい純真さで、そんなことは問題にせず、あくまで作品の内容で選んだのだ。
しかしそうはいっても、女の子が本を返すときに苦笑いを浮かべていたことは理解した。