私の学問的業績

 私のこれまでの仕事の中で、私の死後も読み継がれるのは、内観療法論(母性論)・大本教祖論(女装論)・天理教教祖論(暴力論)・創価学会初代会長論(侠気論)の4本でしょう。大半の大学研究者が残る論文を生涯1本も書けないのに比べれば、随分クリエィティヴで幸福な学者人生の前半だったな、と思います。
 東大宗教学科の元・主任教授の柳川啓一さんは、晩年はうつ病に苦しみ、精神病院から出校していました。その前の主任教授の小口偉一さんは、晩年はアルコール依存症で、ウィスキーを飲みながら講義していました。現在の私立大学なら、二人ともクビでしょう。思うに、柳川さんにせよ小口さんにせよ、超秀才であっただけに、「ついに自分には残る仕事がない。」ことがよく見えて、耐えられなかったのではないでしょうか。それに比べて、私は幸福な後半生を生きられそうです。