小泉改革と日本の伝統

 小泉の実験は、日本がどこまでアメリカになれるかという壮大な実験であったかもしれない。しかし、日本人の遺伝子(熊田註:「新奇追求遺伝子」が低いという特徴を持つ)は抵抗するだろう。いつの間にか、「安全、安心」という言葉が行政の側から語られだしたのは、小泉改革の負の部分が「安全保障感」の欠如であることを見抜いてであろう(中井久夫「ワーク・ライフ・バランス」『「昭和」を送る』みすず書房、2013年(初出2009年)、p291)。


*私の「民衆宗教」研究も、日本社会のアメリカ化に対する抵抗なのでしょう。