アルコール症の治療

「私が挙げた中で「家族が見放していず、友人と飲むことが多く」ということは、どこかに人間的魅力があるということだね―、「何らかの趣味があり」―世界に向かって部分的にせよ開かれているということだ―、「野球や力士にひいきがあり」―ということは同一視する対象があるということだね―、「酒は何で、銘柄が何という好みがあり、ほろ酔いを楽しむことができる」、こういう条件が全部揃っていたらアルコール症にならないだろうが、多いほど治療がしやすいのは当然で、こういう条件の多くを充たしている患者しか結局は治療になっていないね、残念だけど」
(中略)
「両者は無関係ではないね。恥にまみれた自分をユーモアで捉えるということは、ひとつの健康化への試みだろう?」
「(中略)つまり、惨めさの中にある自分を距離を置いて眺めるということだ。これは成熟した態度だけど、アルコール症の人に話すユーモアはだじゃれ程度でいい。あまり深刻なのはどうかな。治療者からは、相手ほどブラックでないユーモアを返す」(中井久夫「対話編「アルコール症」『世に棲む患者』ちくま学芸文庫、2011年(初出1987年)、pp.112-115)。


吾妻ひでおの大傑作マンガ「失踪日記2−アル中病棟−」(イースト・プレス、2013年)は、上記の条件の多くを満たしています。吾妻氏はおそらく「回復」するでしょう。

レディ・ガガとゴシック・ロリータ

 昨日(12月12日)、NHKのミュージック・ジャパン(MJ)に出演したレディ・ガガは、日本で購入したというゴシック・ロリータのファッションに身を包んでいました。「日本のストリート・ファッションが好き」だそうです。やはり、レディ・ガガのファッションには「武装」としての側面が強いのでしょう。


武装としてのファッション」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20120925/p2