「女性用バイアグラ」?

性的不能治療の「女性用バイアグラ」登場か 「まるで電気スイッチが入ったかのように…」 肉食系女子に朗報? 
http://www.sankei.com/west/news/150715/wst1507150002-n1.html
FDA、「女性用バイアグラ」を認可
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150819-00000005-jij_afp-int


安部 どうも、いきなり性の問題と出られたので、ちょっとまごつかされたね。(笑)しかし、性というやつは、観念的なものから、即物的なものになったというよりは・・・・・・むしろ、隠されることによって、ますます露出されて来たという関係なんじゃないかな。つまり、昔はもっと、人間行動の一部として、調和していたものが・・・・・・。
三島 おそらくそうだろうね。
安部 だから性がむき出しにされはじめたと、良く世間では言うけれど、実際にはそうではなくて、むしろ隠されることによって分離されたということじゃないかね。
三島 それはね、だからやはり十九世紀と二十世紀の間にフロイド(ママ)がいるということが、とても大きなことでね。(後略)
安部公房×三島由紀夫「二十世紀の文学」『発想の周辺ー安部公房対談集ー』新潮社、1974年(初出1966年)、p17)


*M・フーコーの『性の歴史』よりもはるかに早い議論です。女性が、こういう「<性>に取り憑かれた近代」における「男並み平等」を追求することがいいことかどうか、私にはわかりません。

旧日本軍兵士の「団結」

 ある時、摩文仁海岸の岩陰で一人の海軍将校が、水色の軍服に白い巻脚絆を佩いて岩の上に正座し、東方に向かって深々と頭を下げると、あっという間もなく手榴弾で自決するのを見た。その瞬間、付近の岩陰から何人かの敗残兵が飛び出し、先になった者が死者の傍にあった肩かけの袋に足を掛け拳銃を構えて周りを見回した。すると、別の兵隊が手榴弾を投げ付けて彼を殺害して食糧を奪い取るのを目のあたりに見せつけられた(大田昌秀『沖縄の決断』朝日新聞社、2000年)。


*旧日本軍兵士の「団結」は、あくまで「天皇への忠義」に集約されるタテ関係に支えられたものであって、それがなくなれば「烏合の衆」になったことがよくわかります。