「訊く」より「聞く」

「訊く」より「聞く」。
本人の話に耳を傾けて


「なぜ、リストカットをするのか」と問いただしても、本人には答えることができません。本人がその理由を考え、言葉にできるようになるまで、周囲の人は本人の言葉に耳を傾けましょう。


話すことも聞くことも最初はむずかしい
 周囲の人が本人と向かい合ったときにしなければならないのは、本人の言葉に耳を傾けること。質問するのではなく、本人から出てくる言葉を待ちましょう。
 これは決してやさしいことではありません。最初のうちはつい質問したり、非難や批判を浴びせかけたりすることがほとんどかもしれません。
 それでも、忘れてはならないのは、自傷行為をした本人にとって、自分の内面を語るのは簡単ではないということです。本人が少しでも話しはじめたら、「よく話してくれたね」と励まし、努力を受け止めてください(林直樹(監修)『リストカット自傷行為のことがよくわかる本』講談社健康ライブラリー、2008年、p41)。


*「聴きだすけ」(天理教)という傾聴行為を考える上で、示唆に富む見解です。