入れ墨と大量殺人

 完全に健康な人間がいない以上、人が障害者に嫌悪感をもつとすれば、その正体は自己嫌悪です。今度の事件の犯人は、入れ墨を入れて「男らしさ」を誇示していることから見ても、障害者に対して自己嫌悪を「パラノイア的に投影」して、障害者を憎んでいたのでしょう。中世の人たちは神ならぬ人間はみな障碍者であり精神病者であると考えていたと阿部謹也先生は述べておられました。そういう認識があれば起こりえなかった事件です。
 と思ったら、加害者は「宇宙人」に似せて美容整形していたそうです。ニーチェの超人思想のナチス的に粗悪なパロディを見るようです。