現代文化と境界性パーソナリティ障害

 現代文化の流れと境界性パーソナリティ障害の心の在り方との間には、多くの共通点が見出されます。境界性パーソナリティ障害の人によく見られる存在感覚の危うさ、自己意識の不安定さが主要な芸術的テーマのひとつとなったのは一九六〇〜七〇年代でした。(中略)近年、これらが芸術のメインテーマとして取り上がられることが少なくなっているのは、それが一般の人々の間に広がり、すでに芸術が取り上げるべき前衛ではなくなっているからだと思います。しかしそれは、決して境界性パーソナリティ障害の問題が解決したということを意味していません。むしろこの現在においてこそ人々が本格的に取り組むべき一般的な問題になっていると捉えることができます(林直樹「監訳者解題」タミ・グリーン『自分でできる境界性パーソナリティ障害の治療ーDSMー4に沿った生活の知恵ー』誠信書房、2012年、pp.87-88)。


*全く賛成です。

AC・よそもの・私とあなた―「見捨てられ」感覚をめぐって―
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20160916/p1