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熊おやじの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-05-30

Basic Fault

 ただ、氏には、何の瑕疵も全く無いかと言えば、この私にも、一つだけ指摘できることがある。それは、バリントの主著《Basic Fault》を氏は《基底欠損》と訳された。私からすれば、此の「欠損」という訳はいただけない。なぜなら、欠損とは、「根本的に欠けている」という意味であり、もう補いようがないからだ。テニスのフォールトだって、ルール上、線の外にでただけであって、ボールが無くなるわけではない。第一、地質学では、これを《断層》と訳している。だから、私は、《基底断層》としたい。「ズレている」だけなので、何らかの工夫さえすれば、繋がる可能性の余地があろうからである(山中康裕「中井久夫氏の人と書物のことなど」『中井久夫精神科医のことばと作法』河出書房新社、2017年、pp.86-87)。


*確かに、中井久夫氏は精神分析家バリントのいう“Basic Fault”ー精神医学でいう「境界例」と重なるところが多いーの治療に関しては、ペシミスティックすぎたのかもしれません。

通りすがり通りすがり 2017/06/18 13:44 岡野憲一郎という精神科医の先生も同じ(?)指摘をしています。
http://kenokano.blogspot.jp/2011/01/blog-post_04.html
>が、この「基底欠損」翻訳を宛てた中井久夫先生には申し訳ないが、ニュ
>アンスを正確に伝えていない恐れがあるように思う。
>英語の fault は、欠損 deficit というよりは、過ち、すなわち正常とは
>違ったことが起きた、というニュアンスがある。basic fault も、その意
>味では、「母子間に生じてしまった根本的な過ち、間違い」というニュア
>ンスがあるのだ。

kkumatakkumata 2017/06/29 19:35 ご教示ありがとうございます。

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