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熊おやじの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-02-24

立ち上がる女の子/それを支える男性

 岩明均(大傑作・『寄生獣』の作者)の短編時代劇「剣の舞」が、私は大好きです。岩明均(原作)の『レイリ1・2』を読んで、理由がわかりました。私は、「立ち上がる女の子と、それを支える男性」という関係に惹かれるのです。「セーラームーン戦士」(戦闘美少女)に対する「タキシード仮面」役への憧れ、といってもいいかもしれません。


雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン) コミック

岩明 均 (著)

講談社 (2001/3/21)


雪の峠・剣の舞 (講談社漫画文庫) 文庫

岩明 均 (著)

講談社 (2004/10/8)

2016-06-06

ガロ三人娘

 かつて漫画誌ガロ』で活躍し「ガロ三人娘」と呼ばれた才能溢れる女性作家たち(近藤ようこやまだ紫杉浦日向子)のうちやまださん、杉浦さんは残念なことにこの世を去られました。近藤ようこさんのますますのご活躍を心よりお祈りしていますー『五色の船』を読んで。ちなみに、近藤ようこ高橋留美子は、高校の漫研同期です。おそろしい高校漫研もあったものです。

2016-05-27

全共闘・リブ・少年愛

 私は、地元徳島での大学時代のことを思い出していた。そういえば、彼らもそんな感じだったな。口で言っていることに、実際の暮らしや行動が伴っていない。

「私はね、今の学生運動なんか信用していない。高校生のときから学生も大人も信用していない。あの人たち、難しいこと言ってるけど、自分の言葉の意味がまずわかってないもの。そんなことで何かを変えるなんてできやしないし、逆にそんなことで変わってしまう国じゃないよ、日本は」

 そして、続けた。

「それよりもさ、みんなそれぞれが、まず目の前のマンガ。少女マンガでしょう。少女マンガを変えようよ。そして少女漫画で革命を起こそうよ」

 まったく同感だった。それこそ地に足が着いている。誰が、何のためにやるのかはっきりしている。では具体的に何をどう変えていけばいいのか。今まで私はマンガを考え、描くとき、何か具体的な目的や目標、意義というものを持っていただろうか?(竹宮惠子『少年の名はジルベール』小学館、2016年、pp.60-61)。


*BL(ボーイズ・ラヴ)にも、ウーマンリブと同様、「全共闘運動の鬼子」としての側面があるのでしょう。

2016-05-26

準フェミニスト、ジルベール

 男の子と女の子のふれあいだって、男の子同士のふれあいだって、人間同士のふれあいであることには変わりはないんですよ、ということが通じる相手ではない。だが、今私が本当に描きたいものが描けないのだったら、せめてこの作品のなかだけでも、淡い少年たちのふれあいを、たとえ友情レベルでもいいから残しておきたかった。

 当時の私は、家庭や結婚に縛られるような生き方を全否定していたので、そうではないボヘミアン的生き方を、マンガのなかの少年の行動で表現してみたいという想いもあった。現実社会で自分ができないことを主人公の男の子にさせる。自分が着てみたい服を着させて、歌いたい歌を歌わせ、言いたいことも言わせる。表現者としての特権だ(竹宮惠子『少年の名はジルベール』小学館、2016年、p102)。


*やはり、腐女子は「準フェミニスト」のようです。

2015-08-05

マンガ『岡崎に捧ぐ』について

 WEBサイトで話題になっていた山本さほのマンガ、『岡崎に捧ぐ(1)』(小学館、2015年)が単行本化されました。小学校6年生の女子、主人公の山本さんと親友の女子、岡崎さんの親友関係を、1990年代を舞台に描いたマンガです。このマンガがヒットしたのは、アメリカの精神科医、H・S・サリヴァンが、人間の精神的成長にとって決定的に重要であるとした「前青年期における同性の親友関係」をテーマにしたからでしょう。


自分ではない誰か。

目の前にいて自分を見つめてくれる誰か。

自分がいなくなってもその場に在りつづけ、自分と同じように世界を眺め語り死んでいくであろうそんな<他人>を信じることは、きっとそのまま私たちの生きる世界を信じることであり、それが唯一の<現実>であることを信じることに違いない。

 そんな<他人>に会いたい。

 その出会いの後には、私は決して今の私ではなく、現実は<私の現実>ではない唯一のかけがえのない<現実>となって私の前にひろがるに違いない。

 今<希望>や<救い>を語ることは、そんな出会いを通過することなしにはあり得ないのではないかと、そう思えてなりません。

(押井守・天野喜孝「天使のたまご」徳間書店、1985年、pp.154-155)


*「<性>の侵入」がますます早期化して、サリヴァンの重視した「前青年期の親友関係」が怪しくなってきた現代、この押井守氏の言葉や山本さほのマンガに惹かれる若者は多いと思います。

2014-12-20

『寄生獣』映画化について

 映画『寄生獣』、やっぱり見にいかないことにしました。私は岩明均の原作マンガの熱烈なファンで、マンガのネームを丸暗記しているほど何度も読み返しています。原作があまりにも傑出した作品なので、多少映画化の手法がマズくても、一定の出来映えにはなるでしょう。ネット上の映画評価も、そこそこにはいいようです。しかし、映画監督が『永遠の0』を撮影した山崎貴だということが気にくわない。

 SF作家のP・K・ディックには“writing philosopher”という評価があります。マンガ『寄生獣』にも、「哲学のエンターテイメント版」としての側面があります(ちなみに、岩明の父親は哲学の大学教授)。しかし、映画監督が山崎貴では、原作マンガの「思索の深み」には手が届かないと思います。


ー「心に余裕(ヒマ)のある生物(熊田註;人間のこと)、何て素晴らしい!」

2013-09-16

マンガ『I』(1-3)

 いがらしみきお『I』(1-3、小学館、2011-2013)を読了。宗教マンガの力作です。