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人事労務コンサルタントmayamaの視点 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2011-08-28

面接時の質問に注意


先日、こんなニュースを見つけました。

朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?


採用面接で血液型を聞かれることがあるようです。企業側はあくまでも参考程度と説明しています。

(※人事労務とは関係ありませんが、医学的にはABOの血液型と人間の性格には関連性は全くないといわれています。)

職務に関連のない血液型を面接で聞くことは不合理であり、いわれのない差別につながりかねないということです。

確かに

「参考までに」
「採否には関係ない」
「答えられなければ答えなくてもよい」


と言われたりしても、応募者からすればきちんと答えない訳にはいかないですし、本当にそれで合否を決めていないのか確認する術はありません。



ちなみに法律によって面接で求職者に質問することが禁止されている事項があります(職業安定法第5条の4、平成11年労働省告示第141号)。意外に知られていないものもあるので注意が必要です。代表的なものは以下です。

  • 本籍に関する質問
  • 住所に関する質問
  • 住宅環境に関する質問
  • 家族構成、家庭環境に関する質問
  • 家族の職業、地位、学歴、収入、資産に関する質問
  • 思想、信条、宗教、尊敬する人物、購読新聞、愛読書に関する質問
  • 支持政党、労働組合の加入状況に関する質問
  • 男女雇用機会均等法に抵触する質問


ポイントは、能力・適格性・職務と関係がないもの、本人の努力では解決できないもの、差別につながる恐れがあるもの、憲法で保障されている基本的人権自由権に関するものなどが考えられます。


「愛読書」や「尊敬する人物」、「信条としている言葉」などは、意識なく質問してしまいそうな気がしますし、また、「家族構成」「家族の職業」などは、私自身、過去に実際に採用面接を受けた際に聞かれたことがあります。

「将来どんな人になりたいか」というのも禁止事項ですが、「将来当社でどのようにキャリアアップしていきたいと考えているか」と聞き方を変えれば違法な質問とはいえないでしょう。



不況の影響により厳選採用の傾向が続く昨今、会社にとって必要かつ優秀な人材を確実に見極めるために採用担当者は様々な質問を応募者に投げかけるわけですが、一方で質問の内容についてもより慎重な対応が求められていることに十分留意する必要があります。



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2011-08-20

給与計算業務の重要性と今後


私たちの業界のベーシックな業務の1つに給与計算の代行というものがあります。



アメリカにおいては以前から自社の給与計算をアウトソーシングするのは当然の事だったのですが、近年は日本においてもアウトソーシングの流れが加速しています。



そもそも給与計算は外注に向いている業務といえます。

タスク標準化しやすいですし、業務自体が本業のサービスや売上に影響する訳ではありません。また、取り扱う給与の情報は会計のように経営に直接的に必要な数字ではありません。

それでいて専門的な知識が必要であり、特に中小企業では担当者への依存度は大きいものと考えられます。




関わったことのない方にはあまりピンとこないかもしれませんが、給与計算は想像よりも複雑で難解な業務です。


給与計算業務の中で肝といえるのは、勤怠集計税金保険料の計算の2つです。

給与を計算するにはまず、欠勤や遅刻・早退、途中入社・退社、休職などの不就労部分や、時間外・休日・深夜労働の割増賃金について給与へ反映させる為、タイムカードの勤怠を集計する作業が必要です。

確定した総支給額・課税対象額等をもとに所得税、雇用保険料社会保険料等を計算し、最終的な差し引き支給額を算出します。

これら一連の業務には、正確な法律の知識が必要です。
(※勤怠集計には労働基準法税金保険料の計算には所得税法厚生年金保険法等の各種法令

日本は諸外国に比べ、これらの法律が複雑と言われており、給与のアウトソースが遅れている原因とも考えられます。

特に勤怠集計においては、一般企業の給与担当者レベルでも、正しく計算できているケースは少ないのではないでしょうか。




ところで昨日、東日本大震災の被災者支援として、給与天引きによる募金制度を導入する会社のニュースを見つけました。

以下参照
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110819/bse1108190503001-n1.htm

募金給与のシステムを使うのは、いいアイディアだと感じました。


また、先日、大変お世話になっている公認会計士の先生とお会いした際に、企業から出張旅費をその都度現金で精算されるのは煩わしいので給与で一括してもらいたいというお話をお伺いしました。



給与計算の外部委託は過当競争に入っているかもしれません。
価格破壊を起こして集客をはかっている業者もあれば、むやみに価格を引き下げずに適正価格で品質を維持し信頼を築いている専門家もいます。

実感では、価格が安ければサービスも安いなりだと思うのですが。いずれにしても判断するのは委託をする企業側です。


給与計算をただのフロー化された定型業務と捉えれば過当競争で終わってしまいますが、毎月会社から全社員に一斉に振込が行われるシステムには多くの可能性があり、顧客ニーズも様々です。固定観念にとらわれず新しいビジネスをつくっていくことも重要なのだと思います。

2011-08-08

子ども手当の廃止


民主党の目玉政策だった子ども手当が今年度限りで廃止されることが事実上決まりました。来年4月以降は児童手当を増額して復活させるとのこと。


以下、時事通信より引用

民主自民公明3党の幹事長政調会長は4日午前、国会内で会談し、子ども手当の修正で正式に合意した。現行の中学生までの1人当たり月1万3000円の支給額を、「つなぎ法」の期限が切れる10月分から、3歳未満と3歳〜小学生以下の第3子以降は1万5000円、3歳〜小学生の第1、2子と中学生は1万円にそれぞれ変更。所得制限は2012年度から導入し、水準は年収(額面)960万円程度とした。ただ、所得制限の対象となる世帯も、年少扶養控除の廃止により大幅な負担増となっているため、軽減措置を検討する。
 また、10月から半年間の対応について、政府が「子ども手当に関する特別措置法案」を今国会に提出して成立を図り、「子ども手当」の名称を存続させる。12年度以降については、特措法案の付則に「児童手当法に所要の改正を行うことを基本とする」と明記。子ども手当を廃止して、自公政権時代の児童手当を復活させる。

引用ここまで


状況をみる限り廃止は当然だと思いますが、来年6月から始まるはずの住民税の扶養控除廃止はどうなるのでしょうか。

「3歳未満」、プラス「第3子以降の3歳〜小学生」の場合は、現行から2千円上乗せの1万5千円と手厚くする一方、来年から960万円という所得制限をかけるようですが、国の本当の狙いは何でしょうか。(民主党の目的はもちろん特例公債法案成立のための野党の協力ですが。)

現行手当をトータルで減額し、さらに所得制限をかけて支出を減らし、廃止した扶養控除は戻さなければ国は大きな財源を確保できそうですが。まあ年末までは制度の方向性は定まらないものと考えられます。

もう1つの目玉政策である高校無償化も、全国の私立高校の授業料が値上げされるという予想外の展開になっているようです。

個人的に思うのは、子育てにおいて3歳未満のうちは比較的出費は少なく、最も出費が増えてくるのは高校受験から大学まで、つまり子ども手当(あるいは来年以降の児童手当)の支給がまもなく終わるという時期からではないのかと。

まあ仮に子ども手当が大学生まで対象になったら今度は特定扶養控除を廃止するとか言い出すのは火を見るより明らかなんですが

2011-08-01

退職金制度を考える


退職金制度改定ラッシュは落ち着いてきたようです。

来年3月末で適格退職年金税制上の優遇措置がなくなるため、多くの企業はここ数年の間に他制度への移行を終わらせたものと思われます。

また、多くの企業において退職金そのものへの考え方は大きく変わりつつあります。金額を大幅に減額したり、制度自体を廃止したり、あるいは算定方式を大きく見直す企業もあります。



私も現在、関与先の退職金制度の見直しにあたり、新制度の設計をようやく終わらせて移行手続きを進めているところであります。



退職金制度を考える際に最も重要なことは、制度が会社の人材戦略にマッチしているのかどうかということです。

「そもそも退職金は必要なのか」
「何の為に退職金を支給するのか」

ということをゼロベースで考えてみるのがよいと思います。

一般的に退職金は従業員のモチベーション向上よりも長期勤続の奨励、定着率の向上に対する効果の方が大きいものと考えられます。

あまり長期勤続を推奨せずに適度に新陳代謝を求めている会社の退職金支給額が定年までの累進的カーブを描いていたり、あるいは入社から熟練・貢献までの時間がかかる職種であるにもかかわらず受給可能な最低勤続年数が短かったりするのは、人件費の配分としては有効とはいえません。



退職金の支給水準については大幅に減額したい企業が当然多いのですが、その場合には自己都合退職の場合の減額率を引き上げることによって、比較的従業員の反発を受けずに改定を行うことが可能と思われます。(※大企業など中途退職者の少ない企業は効果が薄いですが)



算定方式の傾向は、基本給連動方式(最終給与比例方式)を廃止するところがほとんどではないかと思われます。この方式だと会社が支払い義務の発生している退職金の総額を管理するのが難しく、また、賃金をベースにすると賃金制度そのものに悪影響を与える可能性がある為です。

近年は、年齢や資格などに応じたポイントを毎年積み上げるポイント制退職金制度を導入する企業が主流と思われますが、最近では成果主義の流れから、確定拠出年金をベースとした業績連動型退職金制度も増えていると聞きます。(※これらの制度の場合、一方的な不利益変更ではないという説明もしやすいです。)

貢献を退職金に反映させるのかという点は退職金制度を考えるうえで非常に重要なポイントですが、賞与制度や賃金制度との整合性やバランス、そして人事制度全体のコンセプトを考慮し、トータルで考えることが必要です。



これらの基本的事項が固まってくれば、次は現実的に導入が可能なのかという資金準備の話になってきます。退職金に関しては外部積み立ての様々な準備制度がありますが、また次の機会に詳しく書きたいと思います。




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