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人事労務コンサルタントmayamaの視点 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2011-12-12

非正規社員の定年制


期間雇用非正規社員たちが、65歳定年制により契約更新を拒否されたのは違法だとして会社を提訴したニュースがありました。


ニュースは以下
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以下抜粋

訴状によると、郵便事業会社は民営化された2007年10月に就業規則を制定し、6カ月契約の期間雇用社員について、65歳に達した後は契約を更新しないとする定年制を導入。約1万4000人について、今年10月以降の更新を一斉に拒否した。
 原告側は「定年制は、年功による賃金上昇や厚生年金による退職後の生活保障などがあって初めて合理性が肯定される」と主張。非正規社員への導入は合理的根拠がなく、就業規則は無効としている。

引用ここまで



この訴訟が今後どうなるのかは注目すべきところですが、率直に言って、非正規雇用に定年を適用するのはお勧めしません。

私はこれまでに有期契約の社員に定年制を導入したいという会社の相談を何度か受けてきましたが、その度に導入すべきでない旨を伝えています。理由は長期雇用を前提としていると解釈されたら困るからです。



有期労働契約は契約期間において臨時的に必要な雇用です。雇用契約書に更新規定をつけることにより、状況に応じて契約を更新していくことは当然可能ではありますが、これはあくまでも「期間満了の都度必要と判断したから更新する」ということであり、「更新を繰り返すことにより長期に渡って雇用する」ことを最初から予定するものではありません。

派遣切りなどの契約社員の雇い止めでよく問題となるところですが、契約更新がただの形式的なものだと判断されれば、実質は期間の定めのない雇用だったとみなされ、ヘタをすれば正社員と同様に継続して雇用しなければならなくなるリスクが考えられます。


今回のケースで言えば、一定の期間だけ雇用する予定の労働者に対して定年制を適用するという考え方はそもそも矛盾しており、長期雇用を前提としていると指摘されても反論の余地はないように思われます。



ついでに言うと、長期雇用を前提とした正社員であればこそ、その見返りとして広い範囲の会社の業務命令権、人事権、労働条件の不利益変更なども認められるものと考えられます。それらについて正社員と同様に取り扱った挙句、期間満了による契約の終了のみを会社が主張することはなかなか容易には認められないものと思われます。


また、定年制だけでなく、試用期間休職制度についても、制度の趣旨を考えれば長期雇用を前提としていることは明らかであり、有期契約労働者を対象に運用するのであれば、そのリスクについても当然検討すべきといえるでしょう。



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