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- きみ、そこはきみの家ではないのだよ - ミラン・クンデラ


28-11-2003

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70年安保のころに大学生だった人たち、というイメージが私にはあるが「団塊の世代」とは何か、とあらためて考えるとどうもあやふやなので、定義をちょっと調べてはてなのキーワードに情報を付け加えた。もともと堺屋太一が定義したそうである。

ついでに堺屋太一(この手の万博土建屋はキライなのだが)とベビーブーマーもキーワードの解説。このキーワード編集作業、結構楽しいなあ。キリないけれど。

で、ベビーブーマーのことを調べていて知ったのだが、英国では「バルジ」というそうである。人口構造のグラフの印象をそのまま言葉にしたらしい。ベビーブーマーよりも、やっかいものというニュアンスが強い。また、日本語の「団塊」はバルジと訳語をあてるほうがよいと思う。

RirikaRirika 2003/11/29 07:12 キーワード助かります。団塊の世代に直接知り合いがいないって書いたけど、東大入試が中止になった前年か翌年かに入学した弁護士さんが2人(男女)いたのをおもいだしました。職業柄か、自閉性の印象はなくって、年齢のわりに茶目っ気のあるひとたち。”亡命萌え”については、そうですね、今の話題が一段落したら、切り分けて、戻って考えてみることにします。『ららら…』は言葉の話ってあまり出てこなかったな。女子高生コトバと、中国語の単語と、主人公がまだ英語を喋れるかもしれないと独白する、って程度。

kmiurakmiura 2003/11/29 10:55 茶目っ気というのはそうですね。個性やファッション、軽さを導入したのは戦後に生まれた彼らである、という認識は一般的にあると思います。しかしそうした態度は新しいことだったので、それ以前の価値観と闘わなくてはいけなかった。だからとてもわざとらしいほど意識してそうした軽さや個性を大切にしていると思います。暗黙の了解のように見える団塊世代の仲間意識はいわば戦友的な意識でもあります。これに加えて、そもそもお前らはあたらしいジェネレーションなんだ、と子供のころからいわれていたという経緯が世代的な自閉性、という印象を私に与えるのだと思う。それは特殊であるという自己認識でもある。▼彼らは強度の高い議論を同世代の間でかなり激しくやってきた、という印象があって、それは議論をしないことをよしとする世間体価値観に対抗するという意味ではすごくがんばったのだと思う。で、みんなでがんばろう、というのが文字どうりの「全共闘」にもつながった(なんていうとものすごい怒りを買いそうだけど)。▼この場合のみんな、というのは多分に世代的な意識が含まれていたと思います。生まれたときから、お前らは戦争をしらない、新しい世代だ、云々、と言われ続けたわけだし、そうした意識が生まれるのは当然だと思います。60年安保の全学連世代は彼らを「ジャリ左翼」とこきおろしますが、これには意味が二つあって、一つは労働者を巻き込まない運動をしていたことと、上で説明したような世代的な意識を底流にした運動だった、ということだと思います▼自閉性の印象にはもう一つ理由があって彼らはとてもたくさん議論をするのだけど、特有のコードみたいなものがあるのです。これは説明するのが難しいけれど、かれらの議論の内側に入るのは難しい場面がある。逆に入れないと「ナンセーンス」ということになってしまってそもそも話が続かない、あるいは一方的な罵倒に終始することになる。かなり極端ではしょった説明ですけれど。団塊の世代の人とガチンコで議論するとわかりますが、推奨はしません。▼というわけでまたなんか長々と。世代的な話はいやだ、断続ではなく連続を、といいつついろいろ書いてしまいました。いやなのは不毛だからです。長い歴史を考えたら、こんな短いスパンの世代の話、しかも日本に限られた内輪のいざこざっていうのはとても瑣末な気がしてしまうからなのですが、本質的な議論を見極めて私小説的ないざこざ話、私怨的なものを却下するためには、背景を知っておくことは必要だろうな、と今回思いました。だけど亡命萌えっていうのはかなり長い話ですよ。オススメです。思えば吉田松陰だって亡命に萌えていたのだから。マルクス主義起源よりも根が深いかもしれない。

tokunaitokunai 2003/12/01 01:37 吉田松陰亡命萌えには笑いました。確かに。ところで、Ririka さんのところのコメント欄で「全共闘の経験が逆に若者を抑えるときにはテクニカリー・アドバンストな力になってしまって」と、書いてくださってたんですが、今更なんですがどういう意味なのか教えていただけないでしょか。それと、私は学生紛争を経験した学生さんたちが果たして、まともな議論らしい議論をしているのか、というのが結構疑問です。大学生なんかが多人数集まったら、その地点でまともな議論は無理であるような気が(もちろん突出して上手い人はいたでしょうが)。そしてそして、私はらららが傑作という立場なんですが、「けりをつけてる」というのが十分世代的な意味でかっこうが悪いというのは作者は十分にわかっていると思います。どちらかというと重さも軽さもかねそなえたただの過去として描いている、と私は思います(でも人による感想なんでしょうね。これは)。

kmiurakmiura 2003/12/01 11:43 tokunaiさん>質問に対する答えはほぼ上記と同じになってしまうかもしれません。まともな議論、ということと議論のテク、というのは別です。そうしたテクニックに圧倒されてしまうことがある。これは私が単に未熟でまともな議論で貫くことができない、ということでもあるでしょう。Windvalley さんが、今回のことでわざわざリファーしてくれて、相手にするだけのまともな集団ではないと思う、という内容で諭してくれています。たぶんそうなんでしょう。私は彼らが学生であった時分にたいした議論をできたかどうか、というtokunaiさんの質問に答えられるほど、70年代前後の議論に知悉していません。ただ現実に何十年も経っったあとで、彼らのコードを回避できない場面があるわけです。それで私はこの世代のことをよく考えてしまいます。「ららら」についてはそうですね、読んでもいないのに私はいろいろ書いてしまいました。意見が百出しているみたいなので、いずれ読んでみようと思います。今度日本に行ったときにでも入手します。実は団塊の世代の人たちがそうした形で過去を振り返りはじめたのはtokunaiさんが史実として面白い、といわれたように、あまりなかったのではないかと思います。彼らはとても口が重かったから。傷つけあいすぎた、という感傷的な説明もきいていますが、飲み屋とかではなんだかんだと私は昔話を聞いていました。実は海外にいるといろいろな年代・職業の日本人と懇意になるんで、日本にいるのとは別の角度でこうした話を知ることになります。

tokunaitokunai 2003/12/01 21:21 なるほど。どうもありがとうございました。議論のテク、とのことですが、それすら磨いていたはごくごく一部の人なのではないかと思うのです。勝手な偏見なんですけども。大多数は「運動」することに一所懸命だったのではないか、と疑っています。なんというか、そういうたぐいの「特別視」になにか引っ掛かってしまうものがあるのでした。相手にするだけのまともな集団ではないとかあるとか、というか普通の、大学生でしょう。というのが、私の偏見です。ありとあらゆるそのたぐいの粉飾が、逆にその世代を特別なものにしてしまっているような気がするのです。コメント(と日記)、すごく勉強になりました。どうも。

kmiurakmiura 2003/12/03 02:26 勉強といわれると困ってしまうのですが、というのも私は専門家じゃないし書きなぐりなんで一応ウラはとってください。ところで運動の自己目的化という点について、今日(12/2)書いたことが関連するかもしれません。普通の大学生っていっても、Ririkaさんのような高校生もいるわけでうーん、まあ、いろいろでしょうね。大学生をあなどることはできません。▼「粉飾」については注意が必要じゃないでしょうか。どの部分が戦後生まれ第一世代という運命的な理由による「長男のぎこちなさ」とでもいうべきウソくささであり、どの部分がお化粧・自己欺瞞なのか、というような細かい観察がないと、王様はハダカだ、的な糾弾になってしまうと思います。

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27-11-2003

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昨晩院生時代からの研究室仲間二人と飲みながらバカ話をしていて、細胞外基質と細胞運動の話になった。

珪藻類の運動はとても面白いメカニズムのものがあって、細胞にあいている穴から細胞外基質を噴出してジェットエンジンの原理で移動する。ジェットエンジンと同じ原理なのであるから、原理的にこれらの細胞は宇宙を旅することができるはずだ、というわけでいかにして細胞を宇宙旅行に旅立たせるか、という話でかなり白熱した議論。真空中を移動するのだから、細胞は自前の代謝システムを持つ必要があるので、細胞壁の強化や代謝システムの導入でどうにかなるだろう、とかなり込み入った改変方法のアイデアが続出。かなり酔っ払ったあとだったので、大満足で一件落着となるはずだったが、一人が思い出したように、だけどさ、動くっていったって毎分数センチ、とかだぜ、月に行くまで何百年かかるんだよ。3人そろって意気消沈しずまりかえるが、しばらくしてから一人が満面の笑みをうかべながら、いや、大丈夫だ、細胞はどんどん加速する。無重力、慣性、ジェットエンジン、だったら時速数百キロも時間の問題だ。大感動(酔っ払い)。

それにしても、生命の初源が地球外からやってきた、という仮説もジェットエンジンで動く細胞が宇宙を旅したのであれば、強力。

珪藻運動のムービー。

[Link 1][Link 2]

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1700年日本の津波の記録が北米の地震によるものであったことを証明。ネイチャー。

カルフォルニアで起きたマグニチュード9の地震が日本で5メートルの津波を起こした、とのこと。チリ地震の津波を思えばありえそうな話である。しかし筑波の研究者サタケさんが1700年の記録からこうした北米の地震があった可能性がある、と発表したところ、北米側では「ウッソー」という最初の反応だったとか。で、地学的に証明しちゃうところがとてもかっこいい。

[link]

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米・英軍の人的損害率が”公式に戦争中”の3月ー4月のレベルと同等になってしまった。

[Link]

未だに続く米政権の「復興」、「一部テロリストの攻撃」という題目が虚しい。

アルアラビアテレビ、イラクでの放映禁止。アルジャジーラに並ぶアラブ系衛星放送局。「フセインのメッセージを流したから」。

[Link]

英国、ブランケット内相の発言だが「イラク難民はイラクに帰れ」。

[Link]

同じ内相の発表。亡命希望者を一時留置するかわりに、チップを装着させて衛星トラッキングで管理することを検討しているとか。お金の節約、ということもあるのだそうだが、長期的な住民管理に向けた試用、と考えるのはうがった見方だろうか。

[Link]

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26-11-2003

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リリカさんのところを読んでいて思ったのだが、確かにまわりに学生運動に関係していたような人間が皆無だったら、60年安保だの全共闘だのなんて、なにが起きたのかよくわからないんだろうなあ、と思った。ましてや全共闘の当事者はとても口が重い。全共闘の回答自体に、自分ひとりで引き受ける、というような志向性が含まれるからだろう(これが要は「ケリをつける」という全共闘的マチョズム)、と私は推測するしかないが、こうした事情の説明が必要なんだろうな、と思って長々とコメント。

id:Ririka:20031125#p1

書いているうちに思ったのだがとても狭い年代の範囲の「世代」という考え方は団塊の世代が導入したものではないか、ということ。団塊の世代の人は自分たちの世代は特別だ、と思っている節がある。

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11月24日付の「SO WHAT?」日記で[Link]

日本は世界の中でも最もテロの標的にしやすい国だとも言っていると聞く。でも僕にはこの声明は日本人ではない輩が日本の特殊性を知らないまま言っているようにしか聞こえない。

とのことで、外国人は日本国内ではとても目立つので日本は標的になりえない、という要旨のことをいっているけど、攻撃対象は日本国内とはかぎらんのだよな。例えばワシントンにある日本大使館なんて、建物が立派でどでかい菊御紋もついているんで攻撃の格好の対象。あるいはサンパウロの空港に着陸するJALを撃墜したっていい。あるいは世界中をうろうろしている団体ツアー客のバスは?「エジプト・クフ王のピラミッドとサハラ砂漠を訪ねる旅」の40人乗りのバスを爆破したら、かなり派手な事件になるだろう。テロリズムの要諦は劇場犯罪であること、なのだからステージングさえうまくいけば日本国内である必要はない。

RirikaRirika 2003/11/27 05:23 全共闘的マチョズムですかぁ…ふぅむ。自分たちの世代は特別だと彼(女)らがおもってるとしたらその理由はなにが考えられるでしょうか。人数が多い(多数決で勝てる(w)ってことのほかに。

windvalleywindvalley 2003/11/27 11:45 全共闘なんて単細胞集団にしか見えないのですが。乱暴な私見ですが。でも、数では負けるね。いわゆる「全共闘」でなくても世代間の数からいって。

floresflores 2003/11/27 13:57 失礼ですが当時、フランス最高の知識人と見られてたサルトルがアンガージュマンと言ってたら、あなたたちが一番最初になびきそうに見えますが。

windvalleywindvalley 2003/11/27 16:07 たなびかないですね。実践とは何か?とか思案してしまうし。自称ヒキですから(笑)。『嘔吐』は嫌いじゃないですが、サルトルってマルクス並に哲学思想的に拙劣じゃありませんか?頭の良さとか知的領域の広さとか影響力は別にして。もちろん勘違いは承知してます。

kmiurakmiura 2003/11/27 20:00 リリカさん>私がそう思う理由はなにか、と一歩引くと、彼らが自覚的に背負っている1970年代前後ということ、あと個々の強い自閉性の印象かな。特別だと思っている、というのは言い過ぎかもしれないが、カラーがあるのは確かで、そのことに自覚的な人がいると特別だと思っているように見えるのかもしれない。

kmiurakmiura 2003/11/27 20:00 windvalleyさん>集団じゃなくて単細胞レベルで困ることがあります。それが全共闘的なるもの、なのかもしれん。

kmiurakmiura 2003/11/27 20:02 floresさん>うーん。私の場合サルトルにかぎらずたなびく可能性もある。ということは実は前から思っていてオウム・阪神大震災の1995に自分の中にそうした部分があるかもしれん、と深刻になった。笠井潔さんの小説を読みながらヤバイなあ、オレ軽薄だしなあ、と思ったりもした。神風特攻隊にも思わず感極まって志願してしまいそうなので、もっとヤバイと思って、注意はしているつもり。

kmiurakmiura 2003/11/27 22:06 リリカさん> 今回の話はそもそも、母語ではない言語で考えること、という点から”亡命萌え”という点に至ったので、もう一度元に戻って考えてみるとどうだろうか。母語ではない言語で考えること、という点で”ららら・・・”はなにかヒントを与えてくれましたか。主人公が30年中国に行きっぱなしだったのだから、日本語なんてほとんど忘れているはずですよね。それにしても、こんな風に話題になっているようだと、駄作でも傑作でも読みたくなる。

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25-11-2003 猛暑とワイン

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同僚にフランスの農業高校を卒業した人間がいる。男ばかりの全寮制の高校だったという彼の高校時代の話を聞くと、ケストナーの「飛ぶ教室」を髣髴させるなんとも懐かしいような話ばかりだ。夜は毎晩のような修学旅行状態、例えば寝ている仲間のベットのマットレスを3人がかりで持ち上げて壁に挟んで本棚をつっかえにして朝まで出られないようにしておいた話を聞いたときには、世界中どこでも似たようなことをするんだなあ、とうれしくなってしまった。その高校はワインの醸造で有名な高校だそうで、フランス全土からワイン農園のドラ息子達が入学し、クリスマスや夏休みの後には彼らがフランス津々浦々の実家から持ち帰る極上ワインの「テイスティング」で泥酔するのだとうからとてもうらやましい。

その彼が先日ボジョレ・ヌーボーを研究所に持ってきて、今年のは凄いぞ、という。私は普段ボジョレ・ヌーボーに気をかけるような生活をしていないので、なにがすごいんだ、と聞き返すと、こんな糞ワインは珍しいから飲んでみろ、という。コルクを抜いて飲んでみると甘くも辛くもなく、微妙な異臭のするワインだった。口当たりもどこかシャバシャバしている。なんだこれ、というと、今年は猛暑だったんで歴史に残るダメワインの年なのだそうだ。ワイン屋に行くと、おまけで西暦とその横に丸とバツのついたリストをくれることがある。うまいワインの年とひどい出来の年が記されていて、買うときに参考にするものなのだが、今年は特筆すべきバツ印になるそうだ。

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先日id:Ririkaさんのコメント欄で話がずれてid:windvalleyさんとクンデラの話になりかけていた。クンデラは永劫回帰を信じているのか、というようなid:windvalleyさんの発題だったんだけど、そのことでつらつらあっちこっちウェブサイトを辿ってみたので、そのメモ。

松岡正剛さんが、「存在の耐えられない軽さ」に関して文章を書いている。[Link]

その中で、クンデラにとって小説を書くとはいかなることか、という一節。

クンデラは小説を「反叙情的な詩」ととらえている作家なのである。もともとは詩人だった。セルバンテス、フローベール、ゴーゴリ、カフカ、ジョイス、ゴンブロヴィッチ、ブロッホ、セリーヌ、ナボコフを評価しているのはそのためだ。

 しかしクンデラは、「小説」というものなど世界に存在しないと考えている。クンデラにとっては、フランス人の小説、チェコ人の小説、日本人の小説というものがあるだけなのだ(これはものすごく正しい)。そのうえで、作家というものは自分が「書こうとする世界の様式」を問いつづけるために書くのだと結論づける(これもものすごく正しいのに、なかなか実行されていないことだ)。加えて、何を言葉として選択したのかということを読者に伝える以外に、作家が読者に伝えるものなどないのだと宣言をする(まさにこの宣言がクンデラだ)。

クンデラに関するとても優れた作家論がでているらしい。2000年というからもう3年もたっているのだが、知らなかった。赤塚さんという人が書いている(ISBN:4891764236)。なにをいうにしても、これ読んでからじゃないと、ちょっとだめみたいです。この本、もしかして読みました?>id:windvalleyさん

うーん、それにしても上の松岡さんの意見は、クンデラにとってまさに言葉の選択が重要ということで、私がこの間コメントしたこととはちがうようだ。松岡さんの意見で行くと、クンデラがフランス人の翻訳者をメタメタに攻撃して結局自分自身でフランス語に翻訳して改訂版にした、という経緯は、あたらしい作品を書いた、ということになる。

windvalleywindvalley 2003/11/26 10:45 赤塚さんのは読んでないです。松岡さんのこの書評もいまいち納得しがたいですね(笑)。凄い方なのはわかってますが。

kmiurakmiura 2003/11/26 20:07 クンデラはどこにいるのか、という問いを松岡さんは繰り返すんだけど、結局そうした軽い問い方自体をクンデラは拒否しているんで、という結論になってしまっていて、これは排除的な説明ですよね。ナゾはふかまるばかり、という。

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24-11-2003 フランクフルト・バレー 秋公演

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フランクフルト、ウィリアム・フォーサイスの秋公演。全4幕、新作のRicescarは3幕目。このタイトルは中世の鍵盤楽器で頻繁に使われるフーガのような音楽技法のことを意味する言葉である。即ち「反復技法」。男女二組のオーソドックスなバレエの振り付けがやがて痙攣するような不調和をきたしはじめ、最後には床の上で足をまっすぐに投げ出し、胸に手をあてて窒息するかのように上下に小刻みに跳ねる姿で暗転。閉塞した状況の暗喩。時代的なテーマと平行して、フォーサイスのバレエ団はフランクフルトでその存続の危機に瀕している。不況で予算が配分できない、という市当局の通達が今年初めにあった。たとえフランクフルトを去らねばならなくてもフォーサイスとそのバレエ団は引く手あまただろう。事実、アメリカのダンスレビューにもそうした記事が掲載されている。しかし財政的理由でフォーサイスの20年に渡る活動の蓄積をかくも安易に却下する、という行為そのものに、高度に抽象的で形而上的な活動を軽視する思潮を見るような気がする。そう、なしろフランクフルト市当局が次に求めているのは「もっとクラッシックなバレエ」なのだ。しかし、3幕目の後にジャージ姿で挨拶に登場したフォーサイスはあくまでも軽やかな笑顔だった。そして多少やりきれない思いで見始めた4幕目は実に見事だった。15人のダンサーがいっせいに、轟音を立てながら机を引きずって舞台奥から現れる。机は舞台の床から70センチほど上方に、もうひとつのレイヤーを作り出す。ダンサー達は机と机の間、机の下を凄まじい勢いで動き回り、跳ねる。上下方向に分たれた二つの空間では別々の運動が起こり、軌跡が交錯し、時にはコヒーレンスを保って収束と発散を繰り返す。半身を折って机の高さで駆け抜けるダンサーの姿は、磁力に引かれているかのようだ。終盤、ダンサー達が左袖の方に集まっているときに、ダンサー達の一人が右袖から乱暴に机を押しやる。その机に押され、机が暴力的にがたがたとビリヤードの球のようにぶつかり合う。これを合図にダンサー達は再びいっせいに轟音を立てながら机を舞台奥へと引きずり戻し、舞台は暗転する。かくして彼らはフランクフルトを去っていくのだろうか、と私は暗くなった舞台を眺める。One Flat Thingと題され、初演は2000年とのこと。静止した机と、その間を動きまわる人間。私のような素人の観客には実に明快な、運動が空間を場所に変換させる姿だった。

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21-11-2003 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

イスタンブール英総領事自爆攻撃で、第二フェーズに移行。歴史は繰り返すとはいうが、戦争の季節の始まりは本で読んだことのデジャブ。そしてこの先には本で学んだことが現実化する、と思うと私はなにをすべきか今から悩んでしまう。

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18-11-2003

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つまり東氏や北田氏のように「切断」ではなく「連続性」を強調したかった。

11月15日付偽日記

批評家は切断し、芸術家は連続させる、と読みかえしまった。

このステートメントは別に逆でもいいのだが、世代間の断絶を分析することには意味がない、という点に賛同。私はローティーンのころから数えて断続的な日本外生活が人生の3分の1を占めているので、世代的な暗黙の同意を必要とする話をされても理解不能なことがよくあるし、ましてや納得もしない。そうした人間がけっこう世の中にいる、ということを知らんのかもしれんが。

・・・などなどと思っていたらid:floresさんのところのブックレビューリンクの一部が同じことをいっている。孫引きでもうしわけないが、

結局「日本」の内側でしか話の出来ない人たち

ここまでは断言しないけれど、少なくとも作家の笠井某と東氏の対談を読んでいたときに、世代、というと日本に住んでいる人のことしか考えないのかな、と私は思っていた。

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  • 昨日のゆで卵器のことでShinさんが自作ゆで卵器をリンク。炊飯器の蒸気を利用するアイデアなんだけど、私は同じ手段で竹の小さな蒸し器を乗せてシュウマイを蒸したりする。で、なんか得した気分になったりする。
  • id:Flapjackさんのところのブッシュ来英直前レポート、お勧め。ロンドンの市長の発言は、地方自治体の長、かくあるべし、という感じ。

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クロスコリレーションのキーワードでサーチがあったんで、私が使っているクロスコリレーションの式を書いておきます。

画像解析でよく使う二次元のクロスコリレーションです。

{C(x,y)}=¥Bigsum_{i=0}^{n-1}¥Bigsum_{j=0}^{m-1}~I(x+i,y+j)¥{k(i,j)-¥bar~k)¥}

I(x,y)は画像、k(x,y) はテンプレートのカーネル、¥bar~kはカーネルの平均値。

Feature Detectionをメインにする場合は、

{C_{N}(x,y)}=¥frac{¥Bigsum_{i=0}^{n-1}¥Bigsum_{j=0}^{m-1}~I(x+i,y+j)¥{k(i,j)-¥bar~k¥}}{M_{I}M_{k}}

M_{I}=¥sqrt{¥Bigsum_{i=0}^{n-1}¥Bigsum_{j=0}^{m-1}¥[I_{x+i,y+j}¥]^2}

M_{k}=¥sqrt{¥Bigsum_{i=0}^{n-1}¥Bigsum_{j=0}^{m-1}¥[k_{i,j}¥]^2}

のように規格化するとうまくいく。

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17-11-2003

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関心を呼んでいるみたいなんで、補足。

15日付で触れた「暗黙知」の対談、出展は手元に本がないので確認できないが、次の本の一部だったように思う。

ISBN:4492800727

科学技術で日本を創る

尾身 幸次 (著)

最近ゆで卵器なる機械を購入した。たまごをグリッドに並べて立て、付属のメスカップで半熟なら半熟に相当する目盛りまで水をはかりとり、ゆで卵器にその規定の量の水を満たす。蓋をして電源を入れると蒸気が発生、ゆで卵は熱せられ、水がなくなるとブザーが鳴り、望みのかたさのゆで卵が完成する。このように機能が特化した機械を買うのは場所がムダであほらしい、とも思ったのだが、使っているととてもラクである。

私はゆで卵の作り方をしらないわけではない。半熟の卵を作る場合には、水に卵をいれて、30秒沸騰させ、火からおろして1分30秒そのまま置き、おもむろに冷やすと白身は堅く、黄身はトロトロ、という私が一番好きな状態を作ることができる、という黄金の法則はたしかノンノの料理ブックで高校生の時分に習い憶えたプロトコールである。ゆで卵器がなくてもこれでゆで卵はつくることができる。

ただ、これにはやはりコツが必要である。もっとも難しい点は、沸騰の瞬間を見極めることである。水温を測定しているわけではないので、水が沸き立つ様子で判断して、30秒を数えはじめなくてはいけない。実際にはかなりあいまいに、お、ゴボゴボいいはじめたな、と見てからだいたい30秒、という程度の手順で行う。出来上がりにはばらつきがあるものの、だいたいにおいて再現可能であった。人に教える場合には少々問題が生じる。ここでいう沸騰とはこんな感じである、ととても定性的な教え方をする。ノンノの記述に従えばだれでもできるはずであるが正確にやりはじめたら温度計が本来ひつようなのであり、またタイマーも必要である。これなしにうまく望みのゆで卵を作るためには、沸騰点をみきわめるコツをしらねばならない。これはノンノには書いていないことだった。

日本でゆで卵器が売れているかどうか私は知らない。私が最初にゆで卵器の存在を知ったときに、なんてばかげた機械なのだ、と思った。そんなことを機械にやらせるなんてアホか、頭使え、という小さな舌打ち。この感想を今の私から眺めてみると、そこに暗黙知礼賛の気分が含まれているように思える。それはわるいことではない。職人気質とはそうしたこだわりから生まれるものだから。しかしそれは必要のないこだわりだ。他にこだわりエネルギーを傾けるべき対象はいろいろあるはずである。機械があるならば、こだわる必要はない。私は日本の「暗黙知」にはそうした無駄な話がとても多いと思う。くわえてこうした無駄な暗黙知が転倒して価値になってしまっている場面にも良く出くわす。一例としてゆで卵のことを思い出したので、書いてみた。

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先週、イラクのナシリアでの自爆攻撃で死んだ18人のイタリア兵士達のニュースを読んでいて、彼らがイタリア軍の兵隊ではなく、警察官であることを知った。この悲劇的なニュースが流れると共に、イタリアでは警官の死を悼む電話が警察に殺到し、イタリア全土で電話の通話負荷が通常時の50パーセント増しになった、というニュースも英紙ガーディアンでみかけた。全国の警察署には一般市民から花が贈られたという。それはともかく、死んだ警官にはすまないが、イタリアが警官をイラクに送り込んだというのはとても正しい判断であったような気がする。戦争状態に再突入してしまった今のイラクには適用できないが、そもそも復興に必要なのは略奪や暴動を抑えるための警官であって、軍隊ではない。バクダットが表面的に陥落したあとに起こった放火や博物館の略奪は、そうした事態に対応する訓練を受けていない軍隊(米軍)が対応策を欠いたことで制御不可能な状態に陥った。アメリカは世界の警察になることを目指しているらしい。そのことを認めるか否かとは又別に、だとしたらその任を遂行する能力があるのは米軍ではなくより警察的な訓練を受けた人間の集団でなくてはいけない。日本ももし人間を送り込むのであれば、戦争状態の終結を見てから自衛隊ではなく警官と交番を送るべきではないか。軍隊は場違いなだけではなく、そのプレゼンスはそれだけで示威行為なのであり、露骨な敵意にほかならない。

[] ドロナワ式  ドロナワ式を含むブックマーク  ドロナワ式のブックマークコメント

自衛隊派遣が少なくとも来年まで延期になった。この経緯をみていると、昔ながらのドロナワ方式。

  1.  不明瞭なことばでどっちつかずだけど深く検討をかさねる必要がある、といってみる日本政府(本心は自衛隊派遣して死者が何名か出ると小泉政権が飛ぶので派遣は伸ばしたい)。延期するとは言わない 
  2.  反イラク侵略色の強い欧米マスコミを中心に「それみたことか、あの日本でさえ、兵隊を送るのをやめたぞ」という鬼の首をとったような解釈の論調。
  3.  日本政府はマスコミに断定されて少々困った様子をみせる。まだ決めていないんですけど、うんぬん(ラムズフェルドと会談したときの防衛長官の様子を思い出して欲しい)
  4.  米政権側は2の報道をみて、お、そんなことを言ったのか、と思い、たとえばウォルフウィッツの「日本になんか期待していない」捨て台詞や、一部高官の冷静な「派遣は延期されるが、日本はいずれ自衛隊を派遣することになる」的強気の発言、ライスの「日本の立場は理解できる」といった模範的な解答、立場がなくて黙るラムズフェルド、などなど。
  5.  こうしたいろいろな対応を日本政府は見て、「どうやら延期しても大丈夫かもしれない」とおそるおそる派遣時期再検討にかたむいた発言をはじめる 
  6.  それでもどうやら米政権が反発しないので、「延期します」とようやく明言。

マスコミに判断をゆだねた、と先日コメントにかいたのは、こんな意味でゆだねた、ということです。

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15-11-2003 言語不明瞭な日本語?

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昨日世界各地でで大々的に報道された「日本、自衛隊派遣取りやめ」ニュースの顛末。要は典型的に言語不明瞭な日本政治家の言葉が「取りやめ」と解釈されたということらしい。毎日新聞が、今回の件について簡単な解説をしている。[Link]

日本国内向けには相変わらずの言語不明瞭で問題にならないかもしれないが、日本の外では大いに問題になる。ましてやイラクにおける連合軍の動向ならばなおさらの問題である。

日本語の情報伝達効率について先日思いついたことを少し書いた。今回の顛末は現実に日本語が低効率な現象となった場面である。しかしながら、なのだが、日本語であってもこれははっきりと言明することが可能な内容だ、行くのか行かぬのか。いつ行くのか。責任をもって日本政府が考えているならば、明確に情報を伝えることができるはずだ。米国の様子を伺って右往左往しているので伝えるべき情報が自分でもわかっていない。そうやって責任回避をする構造があり、それを補助するための無責任ツールとしての日本語用法がある。情報伝達の効率が意識的に下げられ、それが常態になってあまつさえ「空気をよめ」と物理的に不可能な曲芸を要求されるために、情報伝達効率が下がっていることにさえ忘れてしまう、日本の文官のトップとも言える福田某がこの用法を駆使していることを見ても、本来の言葉としての日本語の復活までには長い道のりが必要だろう。

[]これに関連して。 これに関連して。を含むブックマーク これに関連して。のブックマークコメント

先日トヨタの会長奥田某と、元科技庁長官尾身某の対談を読んでいて私は苛立った。彼らの話題の中心は技術者や職人の「暗黙知」だった。マニュアルには書かれることのない微妙なコツ、それが日本の工業のクオリティを高めており、この点で日本は経済的に救われる、ということだった。暗黙知の反対語として「形式知」ということばを使っていた。これはマニュアルを指している。すなわち文章にして書きとめることのできる知識だ。私は、日本は暗黙知だけではないか、と反感を覚えた。形式知という呼び方からもわかるように、マニュアルはタテマエでしかないのだ。本当のことは書いていない。日本の社会ではそれが常識的である。法律もそうだ。法律という書かれた「形式」はあるが、それと生きることとは別なのである。書かれたこと、明らかなこと、すなわちパブリックなことはすべて虚構であるというコンセンサスさえあるように私には思えてしまう。暗黙知礼賛に私が苛立ってしまったのは、その問題ある状態をあたかも素晴らしいことであるかのようにたたえたのが日本の政治・経済のトップにある人間だからだ。職人が「そりゃ体でおぼえるしかねえよ」というならばまだしも、「形式」の頂点にいる人間二人がこんなことをいっているのだからしょうもない。不況だのなんだのと問題が山積みのようにもみえるが、実のところその問題を真面目に自分の問題であると考えることができない。端的にいってこれは想像力の欠如である。そしてこれはまた「形式」と「暗黙」の乖離でもある。世の中で起こっていること、テレビにうつっていることは「形式」だ。

floresflores 2003/11/16 18:48 googleのnews見てたけど、延期に悩む日本って感じの報道でしたよ。そんなに不明瞭でもないと思いましたが。

kmiurakmiura 2003/11/17 20:48 判断がマスコミの側にゆだねられてしまっていた、と私は思っています。だからバラバラの報道になった。米国高官が、日本政府は態度をもっと明確してほしい、という主旨の発言をしていた。この発言の記事のリンク、また探すことができたら、追加します。

kmiurakmiura 2003/11/17 23:07 自衛隊派遣、時期にこだわらず=官房長官発言は「あいまい」−米高官 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031115-00000277-jij-int

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13-11-2003

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id:tokyocat:20031112 経由。

土屋貴志氏「規範的判断における情報」

倫理学を専攻しているという人間には一人だけあったことがある。まだ学生の時だったが、肉体系のバイトで一緒になった。東大、というので専攻は、となにげなく聞いたら「倫理学だ」というので、全く倫理的ではないバカなことを次々としでかしては反省を繰り返す私はその言葉面に妙に感銘をうけ、この男はさぞかし倫理的なのであろう、と勝手な思いを持った。いうまでもなくこの素朴な期待は次々に裏切られる。結局私には倫理学というのはいったいなんなんだ、という思いだけが残り、私がそんなことを思っているとはしらない彼はいつまでたっても倫理学の片鱗を見せようとはしなかった。土屋氏が上の発表で述べているのはこの私が感じたような「倫理学の裏切り」をいかにして説明しようか、ということに他ならない。倫理学は倫理学として完結した体系であればよく、一方で実践的な部分はそれとは別に後から理屈をつければよい、という意見である。一方でこれにたいして、それじゃあメタ倫理学すなわち論理学ではないか、無意味である、と鋭い批判を加える土屋俊氏は、理念的な結論と実践は常にずれるものであり、しかしながらこの不可避のずれに対して常に理念的なサイドから実践に近づこうとおそらくは無駄に終わるかもしれない永遠のアプローチに賭けるのが倫理学という行為である、という姿勢を見せる。私にはどう考えても後者の方が潔い、と思う。でなければ最初から倫理学などやらなければいいのだ。

[] イラク情勢 2003年11月12日-13日  イラク情勢 2003年11月12日-13日を含むブックマーク  イラク情勢 2003年11月12日-13日のブックマークコメント

12日

イタリア野党、上下員でイタリア軍のイラク撤退を要求。イタリア人の死者は昨日から一人増え、18人。一回の犠牲者としては、第二次世界大戦後のイタリアの平和維持活動で最悪。

米、暫定指導部の選出、暫定憲法の制定など、主権移譲を早めることを検討。改革の速度を速めたい、とパウウェル国務長官。アフガン型の復興を目指す。ただし「早期の撤退はない」とブレーマー暫定占領局代表。

...というや否や米軍、バクダットで攻撃ヘリ、攻撃機を使った空爆。ゲリラ掃討「アイアンハンマー」作戦の一環。イラク人2名死亡、3人が負傷、5人を拘束。バクダット近郊では米軍が兵器貯蔵所を破壊。

バクダットで、道路わきにしかけられた爆弾により、ハンビーで移動中の米兵一人死亡、一人負傷。

13日

記者会見で福田官房長官は自衛隊派遣について「地域、ニーズの内容を考えながら慎重に検討する」。「なるべく早く参加し、復興・人道支援をしたい」とも。小泉首相は軍事アナリスト小川和久との会談後、「困難な状況だけに、極めて有意義な仕事だ」と強調。

自衛官10人の調査団をサマワに派遣することを決定。

-> 毎日新聞は「年内派遣にこだわらない姿勢を示した」と解釈しているが、福田某のこの数日の発言はなにもいっていないことに等しい。要は米政府のイラク対応策が目下混乱しているので、米側からの日本への指示がまだないのだろう。イラク駐留米軍司令官のサンチェスが「戦争中である」と明言している。小泉首相は「この戦争に参加することは有意義だ」と発言を訂正すべきであるし、福田某は「戦争参加をなるべく早めたい」と明言しなくてはいけない。でなければ虚偽である。

->追記。 この記者会見で、「年内の派遣は断念する」と福田某は言ったと英米の各紙及び通信社は配信。[Link]これは世界的にはかなり大きな扱いのニュース。「あの忠犬ジャパンが??」というわけである。しかし日本の大手マスコミはまたもやはっきりとこの発言を取り上げていない。前回と同じく、京都新聞だけが報道している。実にナゾ。なお、米側は「自衛隊派兵を一時取りやめた日本に米国は怒りは感じない」とライス国家安全保障補佐官が発表している。[Link]おそらく昨日のブッシュ・ブレーマーのミーティングで、日本は当面派遣しないでもいい、と決定、日本に今朝連絡がいったのだろう。それにしても不可思議なのは日本の報道秘匿。どうなっているのだ。

イラク情勢に関するCIAの極秘レポートの内容がさらに詳しく暴露されている。筆者はCIAイラク駐留支局長。このレポートによれば対米反抗勢力は兵力が5万人。推定にはすぎないが、ペンタゴンがブッシュにささやいている反乱勢力の数をはるかに超えており、この勢力は旧バアス党以外の人間からも構成され、さらに一般住民の支持をひろげつつある。こうした支持勢力は、攻撃する兵士をかくまうグループなども含めて拡大中である、とのこと。

バクダットはいまや戦時下。夜には米軍による空爆、一般の住居では2時間毎に30分だけしか電気が供給されない。石油相の父であり、シーア派権力者であるモハメド・ベア・ウル・イルームは米軍に誤射を受けた。[Link;2003/11/13]

イラク復興関連事業をめぐって、ブッシュ政権の関連企業の多額受注、競争入札なしの発注、水増し請求などの事例が続発。

->毎日新聞。これはとても重要な分析記事だが、日本のほかのメディアは全く報道していない。

[Link]

神浦さんが実にまっとうな意見。

日本政府は今こそ、イタリア軍より自衛隊が自爆テロのターゲットになる可能性が高いことを知るべきだ。なぜならそれがゲリラ戦の原則だからである。イラクに派遣される自衛隊員の背中には50億ドル(4年間)の札束が乗っている。米軍が主導するイラク復興の支援金である。アメリカのイラク政策を強く支持しているのは英国についで日本である。その自衛隊派遣に日本国民の多くが反対している。派遣される自衛官もテロリストに反撃する手段を禁じられている。テロリストにとってこれほど好都合な目標はない。

神浦J-rcom 03年11月13日

[Link]

先日触れたイラクのゲリラ戦に関するスコット・リッターの寄稿が和訳された。

[Link]

flapjackflapjack 2003/11/14 08:54 福田発言について。いまBBCのニュースでも出てきた。日本はあんまりでてこないから、この発言が重要視されていることはあきらか。発言についてはhttp://www.nikkanberita.com/経由で知ってはいたんだが、なんで大きなメディアは報道しないのか僕も不思議に思う。

kmiurakmiura 2003/11/14 19:47 毎日が「福田長官は13日の会見で、「年内派遣」にこだわらない方針を示している。」とは書いているみたいですけど、このニュアンスとは違いますよね。日本向けにははっきりさせないでおこうという方針なのだろうけど、意図がよくわからん。

kmiurakmiura 2003/11/14 19:53 こんなのがあった。http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20031114k0000e010036000c.html 外国側がはやとちりしているだけなのかな。だとしても、世界的にはもう高々と報道されてしまっているので、影響力はおおきい。

windvalleywindvalley 2003/11/14 20:55 倫理学者が「倫理的」である必要はないわけで。反倫理・反道徳の吟味を含んでの倫理学という考え方もあるわけで(笑)。もちろん真面目に。

kmiurakmiura 2003/11/14 21:35 タバコを吸いながら診察する医者みたいなものだと私は思ってます。ちなみにそんな医者が実際にいたら私は好きになるけれど。

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12-11-2003

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言語が先か論理が先か、という話を考えることもなく時々思い出していて、かつて自分が脳の構造と哲学の論理構造の関係性を見出そうとしていたことも思い出した。その後実際の細胞のあまりにも動的でケイオティックでノイズにまみれた世界に直面してすっかりそんなことはどこかにすっとんでしまった。スタティックであるはずがないのだ。動的な構造は関係性として記述するしかありえず、しかしそれでも階層、というスケーリングを避けて通ることができない。スケールが違えば関係性は様相を一変させる。

それよりも動的な構造を数式ではない言葉で表現することは可能なのだろうか。ヘーゲルやレーニンの運動(物理的な運動)に関する一説を呼んでいると、センテンスがいくつかのひとまとまりになって運動をしているような気分になることがある。これはそもそもヨーロッパ言語を基礎に数式が発展したからだ、と考えると通常の言語によって動的構造の、その少なくとも印象を与えることはできるような気がする。日本語で私が物理的な運動を感じるのは俳句や短歌の世界である。しかしこの場合、運動は循環的な動構造というよりも発散していく運動だ。自然を対象に詠嘆するスタイルが多いからだろうか。あるいは短いステートメントに限られるので循環するまでもなく読者が放り出されるからかもしれない。

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イラク情勢 2003年11月11日−12日

11日

ブッシュ米大統領がアーリントン墓地で演説。語録。

「我々が従事している仕事は容易ではないが、極めて重要だ」

「数十年にもわたって独裁者がイラクの社会と尊厳を踏みにじった後で、(米独立宣言を起草した大統領の)ジェファーソン流の民主主義が数カ月のうちに芽生えることはない」

「イラク人を恐怖に陥れ、米国や同盟国をおじけづかせるのが目的だ」

「アフガニスタンとイラクの民主化が失敗すれば、民主化を求める中東地域の数百万人の希望を絶つことになる」

中東民主化構想

米兵について「極めて大きな損失だ」

「あなた方の愛する人たちは、正しく義にかなった目的のために命をささげた」

駐留米軍サンチェス司令官、記者会見で「戦闘地域と非戦闘地域の区分けは困難」。米英に対する襲撃は一日30から35件。

小泉首相、「日本は戦闘行為にいくわけじゃないですから。」と官邸でコメント(みせしめとしての格好の標的になりに行く、ということだからウソではない。今日のイタリア軍に対する攻撃でもわかるように、ゲリラの戦法は「同盟者から崩せ」という孫子の兵法なのだ。)。

米軍、スンニ派三角地帯で一万発のロケット砲、迫撃砲を押収。

夜、米英占領当局(CPA)本部があるバクダットグリーンゾーンにロケット弾数発。

11日付フランス・フィガロは、米民主党幹部らがブッシュ大統領に(1)押収との首脳会談開催(2)NATOへの指揮移管を要請、との報道。

ポール・ブレーマーが突然予定外の米国一時帰国。イラクでの情勢悪化を受けて、権力委譲を早める話し合いが行われるのではないか、というのが英・ガーディアン紙の推測。

米軍兵士、バクダットで一名、バクダットの北西部で一名死亡。いずれも「即興爆弾」(IED Improvised Explosive device)の爆発による。米軍勝利宣言後、156人の米軍兵士が死亡。

12日

英医療団体メッドアクトが、イラク戦争で2万1千から5万5千のイラク人が殺された、という推計を発表。(AP)

午前10時50分、イラク南部ナーシリア、イラク警察軍の駐屯地で自爆攻撃。イタリア軍兵士17名死亡、イラク人8名死亡、多数が負傷。日本自衛隊派遣予定地サマワはナーシリアの北西100キロの近傍。

「実行犯はフセイン元大統領に忠誠を誓うフェダイン・サダムなどの勢力とみられる」とイタリア国防相、根拠は示さず。一方で、復興への関与継続を強調。

米軍、バクダットでシーア派指導者の乗った車に発砲。運転手が足に怪我。

福田康夫官房長官は記者会見で自衛隊年内派遣を強調(昨日の京都新聞の報道「年明けまで延期」情報はガセらしい)。

AP電によれば、12日、ブッシュ大統領、チェイニー、ラムズフェルド、ライス、及び昨晩緊急で米国に一時帰国のブレーマーがミーティング。政権移譲を早め、より多くの権限をイラク政府に移管するべきだ、とブレーマーは提案。

CIAによるイラク情勢解析レポートのリーク。イラク情勢急速悪化の警告。

The CIA analysis suggests U.S. policy in Iraq has reached a turning point, as the Bush administration moves to escalate the war against the guerrillas and accelerate the transfer of political power to Iraqis.

[Link]

レポートの内容:

  • 昨日サンチェスがバクダットで宣言したような「より強力なゲリラ制圧」の方向は、より多くのイラク人をゲリラ化することにつながる、と指摘(CIAが解析しなくてもそんなことはわかりそうなものだが。)。
  • また、米国がバックアップする元亡命イラク人の指導者達は、イラク人に支持されていないこと
  • 多くのイラク人が占領軍に武力反抗して米軍を追い出すことが可能だと自信を持ち始めていること
  • シーア派とスンニ派貧民層が地下で手を握り始めたこと、などを指摘。
  • ゲリラ側にとって武器弾薬は豊富であり、調達も容易。

ブレーマーはこのレポートの内容に基本的に同意したという。機密扱いのこのレポートがこれだけ早くリークされたのは、米国高官の提言がブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドに無視されつづけているため、ブッシュが確実に目を通すようにするための官僚的な工作、という見方。

[] アルミニウムの椅子  アルミニウムの椅子を含むブックマーク  アルミニウムの椅子のブックマークコメント

id:shibaayu:20031105#p2

知人の建築家の家にはこの椅子が並んでいる。見た目はバウハウス的な無骨さなのだが実に座りごこちがよい。その家を訪ねるときには「あの椅子に座れるな」と同時に思いだすほどだ。

アルミには脆弱なイメージがある。アルミホイルや、一円玉のように。しかしこの椅子はとてもしっかりしていて、座って体ずらしたときにゆがみが生じない。なおかつとても軽い。この相反する性質がとても新鮮な感覚を生じさせる。相反する性質を見事に実現し、経験に驚きを与える。

作りの堅牢さと持ち上げたときの軽さ、というのは椅子の存在として相反する性質のはずである。少なくとも私の経験は、軽い椅子はゆがみやすい、という推測を反射的に生じさせ、座ろうとする体にあらかじめ警告する。しかしこの椅子の場合、座るやいなや危機感は霧散し、警告は裏切られ、深い安心とフィット感が体を満たす。

shibaayushibaayu 2003/11/12 23:51 はじめましてです。「あの椅子に座れるな」という気持ち、すごくわかります!

kmiurakmiura 2003/11/13 00:16 美容室に置いてあるってことですけど、趣味がいい店ですね。もしかして髪を切るときにこの椅子?それとも待っているときの椅子ですか?

shibaayushibaayu 2003/11/13 00:55 わかりにくいかもしれないんですけど、パーマとかカラーリングしている時の待ち時間に座る椅子なんです。それも混んでるとき限定の。さらにその椅子は2、3脚しかないので座れたらラッキー!みたいな感じでした。なので、高いけどお金貯めて自分で1つは欲しいなと思ってます。

kmiurakmiura 2003/11/13 01:18 なるほどー。特別席ね。ちなみに日本だといくらぐらいですか?ドイツだと一脚3万円ぐらいするとか。

shibaayushibaayu 2003/11/13 10:37 私の中ではすごく特別席でしたね。そこの美容室の椅子はどれもすごくいい椅子でした。値段は画像探してて見たところでは48,000円でした。

kmiurakmiura 2003/11/13 20:43 やっぱり、高価いんですね。当の建築家の人にきいてみたら、この椅子はもともと警察で使用するためにデザインされたそうです。この場合、「またあの椅子にすわれる」っていうのは悪い冗談ですけど。ちなみに今売られているのは復刻判なのだとか。

shibaayushibaayu 2003/11/13 23:45 4脚買ったら20万円!お店によって多少のバラつきはあるのかもしれませんが、高価なことには変わりなさそうですね。刑務所ですか・・・あの座り心地を囚人しか味わえないなんて、ちょっと勿体ないですねぇ。

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11-11-2003

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細胞膜中でマクロに計測される蛋白質の拡散係数とミクロに一分子レベルに測定される蛋白質の拡散係数は、同じ結果になるはずであるという10年程前の理論的予測は繰り返し裏切られてきた。その齟齬は蛋白質の平均的な挙動からは測定し得ないミクロに生じている確率的でストカスティックな動力学に由来すると考えられつつある、と最近のネイチャーのSさんのレビューにもあった。拡散係数のレベルではその値の大小の差にしか現れない。一つは運動のカテゴリーが実は不足しているということにあるのかもしれない。セミナーで質問されて苦労しつつこのあたりempiricalにどうにかならないかと頭を抱えつつどうにか切り抜け。宿題。

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米国における科学者の研究はますます不自由になっている。一緒によくコーヒーを飲んでいたギリシャ人の友達が9月からいなくなり、ハーバードで構造生物の研究をはじめたのだが、こっちの仕事を終えなくてはと先々週から大西洋を越えて舞い戻っている。一週間でボストンに戻る予定だったのだが、ビザの問題があったとかで先週は足止め、さていざビザもできたし、とこの間の週末空港まで行ったものの今度は追い返されたのだとか。アメリカにいる日本人のポスドクの友達も、一時帰国したつもりが半年も日本でぶらぶらすることになってしまった、という話をちらほら耳にする。

アメリカの科学もこれで下り坂なのかなあ、と思っていたら次のような記事がサイエンスに掲載。

バイオテロに関係するような危険な生物を使って研究している研究者は、FBIに許可を得なくてはいけない、という法律が昨年議会を通過した。このため、該当する研究者は研究計画や指紋カードを提出してFBIによる安全審査を受けなくてはいけないことになった。この研究者審査の最終期限が明日の11月12日である。これまでにFBIに殺到した書類の数は実に9000通。FBIの方での処理能力を超えていて書類審査さえままならない状態。更に、指紋の提出に関してはその義務があることさえしらない研究者が多かったため、書類の再審査が必要になっている。すなわち明日以降、9000人の生物学研究者は、研究をすると法律違反、という研究総停止の可能性の危機状態であったが、微生物学会の陳情で先月末、「とりあえず書類が提出されていればよい」ということになった。

しかしである。書類不備、すなわち指紋カードの提出を失念した研究者は2000人とのこと。これらの研究者は明日からは研究所に行くと法律違反なのである。

私がこの二年米国に感じるのはテロリズムということに対する実に表層的な思想である。バイオテロ、といえば猛毒を出す細胞や細菌、ということで目の仇にしているが、デザインによっては培養細胞やどこにでもいる酵母に適当な変異を導入すれば人間に害のあるストレインを作成することも不可能ではない。微生物学の研究者の指紋を採取して締め付ければどうにかなる、という問題では明らかにない。

追記

参考になる記事。

Visa rules leave US colleges facing semester of discontent

GEOFF BRUMFIEL

Nature 423, 906 (26 June 2003); doi:10.1038/423906a

[Link]

Researchers rage at tightened restrictions on US immigration

GEOFF BRUMFIEL

Nature 422, 457 - 458 (03 April 2003); doi:10.1038/422457a

[Link]


イスラム諸国から米への留学生が激減=調査

[Link]

↑リンクURL訂正しました 11/13

更に追記。6日付けのネイチャーの記事。

US loses allure in foreign students' eyes

Nature 426, 5 (06 November 2003); doi:10.1038/426005a

[Link]

↑リンクURL訂正しました 11/13

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田中宇さん更新。

http://tanakanews.com/d1111iraq.htm

イラク侵略直前、パパブッシュが子ブッシュをよびつけて侵略を諌めた。その詳しい理由をいまの時局から説明。侵略前のフセイン政権下の諜報部では、「即興爆破装置」すなわちマックガイバーよろしく市販の部品を組み合わせて爆破装置を組み立てる訓練が主に行われていたというスコット・リッターによる報告。

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イラク情勢

10日

ラムズフェルドが日韓メディア記者会見で自衛隊のイラク派遣について「いつでもどこでもあらゆる(敵の)攻撃を防ぐことは不可能だ。危険な仕事だと思う」と述べた。ついでに「日本は過去数年間、国際的な安全保障分野での軍事的活動を次第に拡大させてきた」と評価。

日本政府は12月中旬に向け調整していた自衛隊先遣隊の12月中サマワ派遣を先送りるする再検討に入る。年内派遣はないかもしれない*1

バクダット北東部サドルシティの自治評議会のモハナド・カービ議長が、米兵と口論、射殺される。米兵の指示に従わなかったため*2。カービ議長は英語が達者だった、とのこと。米軍と貧しい地区の間の関係改善に尽力していた。

バクダットの中心部でイラク警官が走行していた救急車を検問したところ、1000ポンドの爆薬を発見。運転手は逃走。ビルを丸ごと爆破できる量のプラスチック爆弾。

11日

サンチェス駐留米軍司令官がアルカイダ関連とみられる20人の身柄拘束と発表。9月にブレーマーが19人拘束と発表した被疑者と同じかどうかは不明。また、イエメン、スーダン、シリア、エジプトなどから数百人が国境をこえてイラクに流入している、とコメント。

バスラで道路にしかけられた爆弾が爆発、車にのっていた市民4人が死亡。

バクダット中心部高等裁判所近くで爆発、市民5人が負傷。

米軍がワジリヤ近くで囚人を護送中爆発、イラク警官二人と囚人二人が負傷。

サドルシティで200名のシーア派モスレムが、カービ議長射殺に抗議してデモ。米兵の命令で解散させられる。

*1:京都新聞しか報道していないのだが...

*2:「自治評議会の議長が命令に従わない」のは当然ではないのか

RirikaRirika 2003/11/12 13:23 生物系はとくに厳しいのでしょうか。数学・物理や経済方面でハーバードやプリンストンに留学中の人たちからそういう話は聞こえてこないけれども。

kmiurakmiura 2003/11/12 19:48 特に生物に限った話ではないと思います。参考になりそうな記事をいくつか上に追記しておきます。

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10-11-2003 この状況下での派兵がどれほどマヌケか政府はわかっているのだろうか

[] pseudo-total moon eclipse  pseudo-total moon eclipseを含むブックマーク  pseudo-total moon eclipseのブックマークコメント

9日未明、快晴の夜の空だったので、皆既月食を眺めようと午前1時から観察。某宇宙物理学者の知り合いによれば2時6分にピーク、とのこと。5分おきに写真撮影をこころみるが、完全には陰にならず、ぼんやりと赤味のかかった月が空に。地球の大気圏の部分で光が散乱ないしは屈折して、陰になっている部分が照らされてしまう、とは件の宇宙物理学者の説明だが、完全に黒くなる、と思い込んでいた私はかなり失望、結局午前4時まで撮影していたが、眠気もあってかなり不満。

[]イラク情勢 2003年11月7日ー10日 イラク情勢 2003年11月7日ー10日を含むブックマーク イラク情勢 2003年11月7日ー10日のブックマークコメント

国際社会が連携してイラク復興に尽力することを宣言した10月中旬の国連決議の希望的観測を裏切り、米をサポートする予定であった同盟国とおぼしき国々が次々とイラクから撤退している。先週にはM-1アブラハム重戦車が2台、攻撃されいずれも破壊され、反乱の激化を端的に物語っている。イラクにおける反乱の組織化が顕著だ。それを「不法入国した外国人テロリストによるテロ」と米国は一方的に断定している。

確かに、立て続けに米軍のヘリを撃墜した巧妙さはチェチェンゲリラの対ロシア戦を思わせる。米国が主張するように、外国のテロリストが関わり、もしかしたらチェチェンまでもが「連合軍」になってしまっている、という冗談までもが笑えなくなる。しかも、攻撃を仕掛けているのは外国のテロリストだけではないのだ。先週放映された韓国テレビ局の取材からもわかるように、元バース党の兵士も反乱に加わっている。先週号のドイツ、シュピーゲル誌にも同様の元イラク兵士に対する覆面インタビューが掲載されていた。

先週米軍大隊長が、尋問の際にイラク人に拳銃をつきつけた、との咎で問題になっている。このいかにも占領軍の行いそうな暴力的尋問の結果、米軍が待ち伏せ攻撃を回避することができたというのは結果論としてよかったのかもしれない。しかしである。その拳銃をつきつけられたイラク人は、実はイラク警察の警官だった。警官が「テロリスト」の動向を把握し、人権問題になるほどの態度で拳銃を突きつけられてはじめて、待ち伏せ攻撃のことを口にする。占領政策の破綻が、ここにも明白だ。

4月のバクダット陥落の際に、首都決戦と意気込んだ米側の思いに反してあっけないほど簡単に、主たる抵抗もなく首都は陥落した。同時にバクダットから南部にかけて、あたかもその撤退が計画されたかのように兵士達が砂漠の中に消えるようにいなくなった。このことからバクダット陥落直後、一部ではこのエンディング不可解也、とのさまざまな憶測が乱れ飛んだ。楽観的な米国は、米国の軍事力を前に共和国防衛軍は尻尾を巻いて逃亡したとの解釈をした。いずれにしろこうした憶測は4月の時点では単なる憶測にすぎなかった。しかし今の時点でのイラク情勢はその理由を実に明快に説明する。撤退はゲリラ戦にむけた戦略的な撤退にほかならなかったのだ。

こうした状況にもかかわらず、ドイツにイラクでの協力を要請したり、自衛隊派兵を予定どうりに行おうとしている日本は「アメリカのプレッシャーに耐えかねてしかたなく」という日本の理不尽な弱さを指摘するメディア(英・ガーディアン)もある。

  • 7日、キルクーク周辺でパイプライン炎上。
  • 7日、モスルで警察署、迫撃砲攻撃を受ける。バクダットの北東、モクダディヤでも米軍駐留の警察署に迫撃砲攻撃。
  • 7日夜から8日にかけてティクリート周辺で掃討作戦展開。40人拘束、武器多数押収。
  • 7日、川口外相がドイツのフィッシャー外相にイラク復興での協力を要請。
  • 8日朝、ファルージャで道路わきの爆弾爆発、米兵二人死亡、一人負傷。
  • 8日バグダット、時限爆弾により米兵人一人死亡、一人負傷。
  • 8日、アーミテージ国務副長官がバグダットで記者会見。「極めて戦争に近い、とコメント」
  • 8日、赤十字国際委員会(ICRC)はバクダットとバスラの事務所一時閉鎖を決定。職員のほぼ全員が撤退。
  • 8日、日本政府は自衛隊派兵地域をイラク南部、バスラの北西サマワとした。12月中旬、150人の先遣隊。総計陸自700人、空自150人、海自が300人になる予定。
    • CIAの作戦部長だったミルト・ベアデンがこのところの国連・赤十字など米国以外の組織に対する攻撃に関して、これは孫子のいう戦略的な「同盟者に対する攻撃」である、とニューヨークタイムズでコメントしている。日本がイラクに駐留すれば、同盟国に対する攻撃の見せしめとして、激しい攻撃が加えられてもおかしくはない。
  • バクダットの南50キロ、イスカンダリアで9日夜、ロケット弾攻撃により、米兵一人死亡。同時に中部ファルージャで空爆。
  • 9日、スウェーデンの民間援助団体「希望の星」の車両がバスラ・クウェート間国境付近で自動小銃による攻撃。
  • 10日までに、ウォルフウィッツ米国防副長官を狙った10月25日のテロに関連して35人を逮捕。
  • 10日、米軍はバクダットからティクリートにかけての三角地帯に空爆再開。
  • 10日付けの英紙タイムズのインタビューで、ブレマー米文民行政官はイラクでのテロ攻撃の激化、連合軍の情報収集能力の欠如を認めた。旧フセイン政権の情報諜報員を少数含めることもやぶさかではない、としたとのこと。
  • 10日、イラク北部で、トルコのクルド自由民主会議と米国部隊が衝突。
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07-11-2003

[]「知の不良債権」  「知の不良債権」 を含むブックマーク 「知の不良債権」 のブックマークコメント

http://www.juryoku.org/hihyouheisoku.html

2001年の文章、ということは、まさに「固有名のフェティシズム」痴話が盛んだったときかもしれない。人物評をフルに内臓した文章はどこか下品だ、という印象を与える。批評が人物を離れて結果だけを議論することができないのならば、その価値は不労所得でしかない、とも私は思う。サイエンスの論文に対して、「おまえの論文は実存的ではない」やら、「密教的なやりとりが背後にあるだろう」といった批判はいくらでも可能だけど、そんなことは仕事をしなくてもできることだし、だから誰も関心をもたない。批評の問題は常に不労所得を得ることができるようなゴマカシが効くことだろう。

狭いニッポンでそんなに激しく罵りあうこともないだろうにねえ、と私は一時帰国して目にするさまざまな雑誌を読みながら思ったものだ。後の批評空間ウェブサイトにおける柄谷行人の「子犬」発言が簡潔にして際立った「メタ批評」だったものだから私は、あ、これはこれで一応終りなんだろうな、と思った。あえて今、この文章をウェブに再掲されたことの意味を考えると、なるほど、これはblog的である、ということに私は思い当たる。書き捨てられて忘れ去られていく状況の記録。たぶんそれだけだ。それとも、未だにこんなことやっているのかな?

[]ストリップ摘発に反テロリズム法 ストリップ摘発に反テロリズム法を含むブックマーク ストリップ摘発に反テロリズム法のブックマークコメント

http://ok.halhal.net/~senichi/j/news-topics.htm

元のLas Vegas Review Journalは

http://www.reviewjournal.com/lvrj_home/2003/Nov-05-Wed-2003/news/22521283.html

パトリオット法がストリップクラブのオーナーに対して拡大適用された。操作を行ったのはFBI、クラブオーナーの財務状況と、南ネバダの地方政治家の間の関係を明らかにする過程で「テロリストのマネーロンダリング活動に関する情報」取得捜査権を適用。問題アリアリである。アメリカが大好きな日本政府がマネをしだすのも時間の問題だろう。

[]イラク情勢 イラク情勢を含むブックマーク イラク情勢のブックマークコメント

  • 6日ポーランド軍の士官がイラク中部セイブで待ち伏せ攻撃で死亡。日本はポーランドが指揮する地域に自衛隊を派遣する予定、とはポーランドのシェマイジンスキ国防相が10月28日に発表している。
  • 7日午前6時、ティクリート郊外で「ブラックホーク」撃墜され、乗員6人全員が死亡。米軍ヘリ攻撃の範囲を拡大している模様。元バース党幹部を中心に抵抗戦線が組織化した、との毎日新聞情報。
  • トルコがイラクへの派兵計画を撤回。
  • 「プライベート・リンチ」でイラク戦争のヒロインに祭り上げられたジェシカ・リンチがABCテレビでダイアナ・ソウヤーのインタビューを受け、「軍は救出劇を創作して発表した。」と答える。ニューヨークタイムズに記事。
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06-11-2003

[] コーネルのウェブ教授のセミナー  コーネルのウェブ教授のセミナーを含むブックマーク  コーネルのウェブ教授のセミナーのブックマークコメント

  • 新しい話。
    • Second Harmonic Generation -> anisotropic, textures, non-stained samples
    • あまりつかえそうにない。
  • 古い話。
    • 2光子励起レーザー顕微鏡のこと。マウスの脳、解剖せずにミクロな電位変化測定(蛍光標識)
    • FCS。細胞膜上のリセプター・リガンドのクロスコリレーション。ペトラのことをこきおろしていた。弟子をこきおろすっていうのもなあ。

http://www.drbio.cornell.edu/

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05-11-2003 イラク人のパン屋のことなど

日本の侵略戦争 日本の侵略戦争を含むブックマーク 日本の侵略戦争のブックマークコメント

よっぽどのことがない限り、日本はイラク侵略に参加することにとになる。私の頭をよぎるのは、ドイツ語の夜間学校で机をならべたイラク人のパン屋だ。一番最初のクラスで、ドイツ語がほとんど喋れない人間ばかりだった。そのイラク人は気のいい男だったが、アルファベットを憶えるのに精一杯であっという間にドロップアウトした。いつでも店にきてくれというので、遊びにいったら食べられないほどのパンを押し付けて、いいからもっていけ、と笑った。彼は再びあんなふうに私に声をかけるのだろうか。日本人がテロの標的になる危険性がまたひとつあがった。海外在住の日本人にはなおさらのことである。肌身に感じぜずにいられようか。

イラク情勢 イラク情勢を含むブックマーク イラク情勢のブックマークコメント

  • 自衛隊派遣含む支援縮小考えず 岡本補佐官
    • イラク訪問中の岡本行夫首相補佐官は5日、バグダッドで日本人記者団と会見、「テロ事件でイラクの治安が緊張状態にあるのは確かだが、ここで退けば国際支援の努力を頓挫させようというテロリストの思い通りになる」と述べ、日本として自衛隊派遣を含むイラク復興支援からの撤退や活動縮小は考えていないことを強調。
    • [毎日新聞11月6日] ( 2003-11-06-09:54 )
  • http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031106k0000e010016000c.html
  • 北部モスルで米軍への攻撃相次ぐ 
    • イラク北部のモスルで5日、一連の攻撃でイラク人3人が巻き添えで死亡、米兵5人を含む少なくとも12人が負傷。事件現場では、米軍の車列に向けてロケット弾が放たれ、これが一般車両に当たってイラク人2人死亡、米兵1人が負傷。
    • [毎日新聞11月6日] ( 2003-11-06-09:45
    • http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200311/06/20031106k0000e030013000c.html
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04-11-2003 思考の言語依存性について

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「母国語の呪縛の外へ」(id:Ririka:20031102#p1)に関して思ったこと。

id:flapjack:20031101#p2経由。

感性・思考という部分でいえば結論は言語非依存ではないか。そうでなければ文学の普遍性はありえない気がする、と大上段だが、要は翻訳文学を否定することになってしまう。なんで私は日本語でミラン・クンデラを読んで熱中してしまい、しまいには感動さえするのか。日本語でトマシュの思考をなぞることができないならばあの本を私は読まなかったことになる。「存在の耐えられない軽さ」は英語でも読んだのだが、感動はかわることがなかった。

こうした個人的な印象の導出過程は言語によらず一定の結論に到達するように思う。しかし、コミュニケーションの効率と精度には言語依存性がある。その結果、複数の人間の議論の場合は結論が言語依存的にかわってしまうことがあると思う。

建築が良い例になるのではないか。ドイツで仕事している知人の建築家(日本人)によると、ドイツ語は建築方法を指示する時に、とても正確な表現をすることが可能なのだとか。したがって、実際に建築作業をする人に、建築家の意志が効率よく正確に伝わるのだ。付け加えれば、実際に作業している人間同士のコミュニケーションの精度と効率も言語依存的である。

建築家の頭の中には、建築物の確固たるイメージがあるかもしれない。しかし、実際に建つ建築物という共同作業の結果は言語(コミュニケーション)に依存する部分がおおい。変わる可能性があるのだ。すなわち、結果には言語依存性がある。

同じことが数学における数式という言語でもいえるのではないか。他人に説明するには数式の方が正確かつ効率的という歴史的な経験は確かだし、そのことで可能だった展開がさまざまにある、という点は明白である。

言葉を積み重ねていくような建築的な作業を一人の思考で(「畳み込み思考」とでもいおうか)行う場合には差が生じるかもしれない。基礎に近い部分での小さな差が、尖塔部分の傾きの大きな違いになってしまうかもしれないからだ。あるいはよほど精度が悪ければ、尖塔を積み上げることさえできない惨状も想定可能だ。しかし私の知る限り、日本語はそれほど精度の悪いものではない、と思う。日本の建築が欧米の建築に劣るとも思えない。

私の場合は英語の作業をしているときには英語で考える。日本語の作業をしているときには日本語で考える。それで不便はないし、切り替えにあまり問題はない。ただ、おもしろいな、と思ったのは日本をドイツ人の友達と一緒に回っていたときのこと。たまたま仕事が日本であり、仲間のドイツ人を案内することになった。レンタカーを私が運転して関西を巡った。彼らといろいろな議論をしながら散歩し、喋りつづけながら駐車場に停めた車に戻ったときに私は左側のドアに手をかけていた。当然そこには運転席はなく、友人は笑い、私は頭をかきながら反対側に回る。ドイツで毎日車を運転しているからクセがでた、ということになるかもしれないが、日本に年3回以上私は帰り、そのたびに右ハンドルの車を運転するが、一人でいる場合、あるいは日本語を喋っている状況下ではこのような間違いをすることはまずない。こうした「切り替えの不具合」を経験することはあるものの、車を運転することそのものにおいてはあまり本質的ではない。英語やドイツ語を喋りながら日本を運転していても目的地にはたどりつく。目的地がはっきりしている場合、思考ツールの差は単に効率の問題でしかないようにも思える。

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イラク情勢はますますベトナム化している。

ベトナムではなくカンボジアにおけるポルポト政権の映画であるが、先週末、たまたま「Killing Field」を見た。10年以上前にも見ているのだが、クメールルージュの大虐殺は何度聞いても理念型の思考のあやうさを感じさせる。台湾における蒋介石にしろ日本における赤軍派にしろ、論理を突き詰めて狂った粛清を行う。西洋型の神がいないアジアに西洋型の論理を突き詰めると、こうなってしまうのだろうか。

一方でいいたかったのは、今この時期に見るとイラク情勢が重なって見えて仕方がない、ということだ。アメリカは何度も同じことをしている、と私は半ばあきらめ、半ば絶望する。報道をコントロールしようという姿勢も、全く同じなのである。今この映画を全米で再上映すべきではないか、と私は思う。

Killing Field

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8442/research/cambodia/munen.html

http://home9.highway.ne.jp/timtamie/travel.files/Rep/others/killingfield.htm

以下、この一日のイラク情勢。

  • バグダッド中心部で爆発、迫撃砲着弾
    • 4日午後7時45分(JST5日午前1時45分)ごろ、連合国暫定当局(CPA)本部などがある当局管理区域(通称グリーンゾーン)周辺。少なくとも迫撃砲2発着弾、4人負傷。
    • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031104-00000014-yom-int
  • イラクで攻撃相次ぐ 米兵とイラク人判事が死亡
    • 北部モスルでイラク人判事が自宅近くで射殺。中部ナジャフでは3日、旧フセイン政権時代の与党バース党関係者を訴追する委員会の委員長のイラク人判事が射殺。

tokoyatokoya 2003/11/05 22:02 なぜか書き込んだら前日の方に、、、すいません

tokoyatokoya 2003/11/05 22:04 いや、僕のミスでした。お騒がせしてすいません。で、おまけ:文学も読み手に書き手のイメージを伝えるという点ではコミュニケーションなのでは?と思うのですが。

kmiurakmiura 2003/11/06 01:09 どうも。情報の発信側にとってイメージが明確かどうか、という違いがあるように思いますがどうでしょう。

tokoyatokoya 2003/11/06 02:48 うーん、建築の時は非常に精密な言語が必要で文学の時にはそのような精密さ(明確ささ)はあまり問題にならないか?何かを非常に精密に記述してその物語の印象が変わる(つまり著者の持つイメージも変わっていく)ということもある気がするのですが、、、、でも、そういうことはまれなのでしょうね、きっと。

kmiurakmiura 2003/11/06 10:12 私なりに言い換えてしまいますが、 小説の製作過程における「畳み込み思考」が言語依存的に生みだす差異、ということですよね。もうすこし考えてからまた私の考えを書いてみたいと思います。Tokoyaさんの指摘で、製作過程と流通過程の重なる部分、重ならない部分をそれぞれはっきりさせなければいけないのではないか、ということを思いました。うえの議論ではその分類がはっきりしていないように思います。

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03-11-2003

[] 内部と外部の重み  内部と外部の重みを含むブックマーク  内部と外部の重みのブックマークコメント

I_{internal}I_{external}は、観念論と経験主義に対応する。

この二つは対立した考え方として歴史上さまざまな形で変奏されてきた。「世界を自分の思うようにしかみることができない」が観念論である。観点は所与に構成されており、外界は観察者に影響することがない。すなわち、知覚画像はI_{internal}の強度の影響下にある。一方で経験主義は外部刺激依存的な知覚画像ということになる。I_{external}が知覚映像の原因そのものである。しかしながらこうした考えは、ネコの実験が示すように間違っている。現実に物をみたり、一方で夢をみるように、時間依存的な重みの変化がある。先日の式を次のように書き換える。

f(w_{i(t)}I_{internal}+w_{e(t)}I_{external})

このことで、結果する総知覚映像にたいするI_{internal}I_{external}それぞれの時間依存的な重み変化を加えたことになる。

[] 履歴の導入  履歴の導入を含むブックマーク  履歴の導入のブックマークコメント

w_{i(t)}は単純である。時々刻々と変化する外界の刺激及び、目を閉じる・閉じないあるいは明るさを意味する。

w_{e(t)}は複雑である。なぜならば、経験が関わる部分であるからである。

例えば電子顕微鏡学者は、通常の人間には見ることができない構造を電子顕微鏡像の中に見出すことができる。はじめてそうした画像を見た人間にはランダムな点とかすかなグラデーションにしか見えない画像の中に、複雑な構造や、特定の分子・原子を見出す。これは訓練された目によってはじめて達成された解像度である。経験が構造の可視化を行う。

そこで履歴関数を導入する必要がある。履歴はw_{e(t-¥tau)}すなわち過去の外部刺激に依存することとする。所与に構成される部分(たとえばおっぱいに対する特別な注意力)は後ほど導入することにする。

¥frac{dw_{i(t)}}{dt}=g(w_{e(t-¥tau)}I_{external}(t-¥tau))

g()は、記憶と忘却の関数である。

[] を含むブックマーク のブックマークコメント

子供は紅葉する山を見て美しいと思わない。大人が紅葉する山を美しい、と感じるのは、経験依存的である。味覚も同様である。えぐみ、という経験をもたぬヨーロッパ人は、器質的にもえぐみを味わうことが不可能である。

[] を含むブックマーク のブックマークコメント

20代半ばのクロアチア人の友人と飲んでいて、いつか聞こうと思っていた質問をした。「戦争に行こうと思ったか?」差障りのある質問かなあ、と思ってずっと聞くのを控えていた。私の記憶の中では、かなり強烈なプロパガンダを流して戦意発揚工作をしていた、というクロアチアのイメージがあり、5年前のワールドカップの時に登場したクロアチアのサッカーチームにもあまりいいイメージを抱くことができなかったのをよく憶えている。特にあのワールドカップの時には、クロアチアにまず日本が負け、次にドイツが負けた。ドイツが負けたときには、ミュンヘンのビアガーデンで、夕闇の中でかいスクリーンで1000人の観客とビールをあおりながら試合を見ていた。徐々にドイツの形勢が崩れていく中で、前半あれほど興奮していた観客がだんだんと元気を失い、一方で大声をあげ、大興奮していたのは10人程度のクロアチア人のグループだった。後半のなかばからは雨までもが降り始めた。試合終了のホイッスルがなったとき、ドイツ人の観衆はこれが1000人の集まりか、とおもえるほどシーンと静まり返り、さながら葬式のようだった。一方で、テーブルにのり、足を踏み鳴らしながら国家を絶唱し、興奮するクロアチア人たち。

とはいえ、彼は即座に「思った」と言った。国の問題というよりも自分の村の先輩や、同級生が死んでいく中で、家族や仲間を守るために自分も銃をとって戦わなくては、と思ったそうである。そこである日の朝、決意を込めて「俺は戦争に行く」と母親に宣言したのだそうである。即座に返ってきたのは母親のパンチ、もんどりうってレンジに頭をしたたかぶつけた、と彼は頭をかきながらいった。結局かれはその母親に猛反対をうけ、戦争にはいかず、今、神経細胞の研究をしている。

このときに一緒に飲んでいたドイツ人の友達は、この答えにかなり驚いた様子だった。ほんとうにおまえは戦争をしようと思ったのか?人を殺そうと思ったのか?しんじられない、としばし彼のことを軽蔑する口調になった。

でも私にはそのクロアチア人の友人の気持ちがよくわかるような気がした。太平洋戦争の末期、私が19歳だったら神風特攻隊に参加してなんとか家族を守る助けをしたいと願ったのではないか、と思うのだ。それは今この現在の私からみれば実にばかげた命の捨て方である。犬死である。家族を守るのならば、家にはりついていればよい。しかしそれでも、19歳の自分がその現場にあることを想像すると、いてもたってもいられずに、特攻志願してしまうのではないかと思うのだ。間違っている、と考えるのは今、この立場にいる自分なのであり、環境と状況が違えば、自分はそうありうるかもしれないのだ。正当化するつもりはないが、それが生の戦争だ。

今、日本の自衛隊、北部方面隊の第二師団の自衛官はなにを考えているのだろうか、と私は思う。年明けにも彼らはイラクに上陸するだろう。しかし彼らは家族を守るためにイラクにいる、などとはとうてい実感することができないだろう。命令されるからイラクにいる。それだけだ。そして彼らを殺そうとして迫ってくるのは、かのクロアチア人の友人のような、イラク人なのだ。家族を守ろうと銃で迫ってくる彼らに、侵略者である日本の自衛官は銃を向け返し、発砲することができるだろうか。

tokoyatokoya 2003/11/05 22:00 Ririkaさんのところの的確なコメントを見てやってきました。それで文章を読んで思ったことを以下に。このkom’sさんの結論は「日本語は文学の翻訳に耐えうることが出来るほどよく出来ている」ということをいっていることになりませんか?そうであるならば、このことを受けてもう一度「文学は言語非依存的である」という最初の仮定を吟味するべきじゃないでしょうか?

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