チョビット

バルセロナでバルにいって飲み物の表を眺めているとウィスキー関連のあたりに量の目安で"Chupito"書かれている。この言葉はショットグラスを意味している。発音が"チョビット"。日本語の「ちょびっと」と音がほぼ同じだし、意味もまさに「ちょびっと」。仰天して私は一発でこの単語を覚えてしまった。あなたがバルのカウンターで"ウィスキーちょびっと!"と日本語でいえば、”(どれにする?)”と、顎をちょっと上げる店のおっさんの目線が飛んでくるわけである。私は実際に試して通じた。おそらく逆もしかり、日本のバーでスペイン人のおっさんが”Whisky Chupito!”とスペイン語でいえば、おそらくわかってくれる。

うそー、と思う方はたとえば下記のサイトはバルセロナショットバー「黒猫」であるが、Chupitoがショットグラスであることが確認できるだろう。

http://blog.lifestylebarcelona.com/gato-negro-espit-chupito-bar/

最近になってそのことを思い出しアルゼンチン人のおっさんに確認したら、アルゼンチンでも”チョビット”だとか。したがってスペイン語では広く理解される言葉であり、バルセロナに限った話ではない。ついでにイタリア人にも聞いてみたら、”チョビット”で通じるそうである。

だとしたら、チョビットの語源はスペイン語でも日本語でも一緒なのではないか、つまり片方が片方から学んだ言葉なのではないか、と、想像が羽ばたく。ネットでちょっと調べてみたけれど、そもそもこの恐るべき相同性の記述はみあたらない。みつけたところではこんな感じである。英語の"a little bit"との音相似性を話題にしてるページから。

ちょびっと という言葉は英語が日本に入る前から使われていました。
ちょびっとの語源は、「ちょっと」からきています。
ちょっととは漢字で一寸と書きます。
この一寸も、もともとは「ちっと」からきています。
このちっとも「ちと」が変形したものです。

http://okwave.jp/qa/q1609260.html

もうしわけないのだが、英語なんかと比べてはいけない。スペイン語である。チョビットの相同性に、それに出会って以来感動しているわたしには「ちと>ちょっと>ちょびっと」に同意できない。なにかあるはずである。ご存じの方がいたらぜひとも教えて欲しい。