目を瞑って、みっつ数えて

「頭がパニックになりそうになったら、やるおまじないなんだよ。数え方は
いち、にい、さん、じゃなくて、ひとつ、ふたつ、みっつ、だよ。試しに
やってみてくれないかな?」


目を瞑ったら、やわらかいものがくちびるに押し当てられました(妄想です


今日は、かなでさんの誕生日。毎日SSも終わったし、今年は書かなくても
いいかなあ……と思っていましたが、なんとかかんとか出来ました。
だから、毎日書くのは終わったってのにさ(笑)。


というわけで、結果的に毎日執筆は続いていますが、さすがに今月はありません。
伽耶さまのお話とか、シスター天池とか、雪丸とか、クリスティーヌ(でしたっけ?
あのたぬき)とか、ネタは豊富だとは思うのですが、ここらが切り上げ時かな、と。
昨日のは特別版なので、あれも続きは書きません。てか、書けないですよ(わは
あのテンションはかなりがんばらないと出せませんしー。
少しゆっくりしたら、今年の年初に立てた目標、執筆中の作品の続きを書こうかと
思ってます。いいかげん、温泉に行かねば……。
いろいろ思うところはありますが、簡単に書くとこんな感じです。


さて、ここからが普通の日記です(ぉ
今日も早めに終わったので、古本屋で立ち読みしてきました。
・「ビーチスターズ」1〜6
以前、ちらっと読んだことはあったのですが、あらためて読んでみたらこれが
なかなかのめりこんでしまいました。
先日発売された7巻で、ひとまず完結しているようですが、続きが来月創刊
される「月刊少年サンデー」で始まるようなので、期待して待ちたいと思います。


・「FORTUNE ARTERIAL ラジオ(仮)」(WEBラジオ)
これについては、どうやら昨日のネタではなく本当らしいですね。
webラジオは全然聴かなくなってしまって久しいのですが、これは聴きたいなあ。
やっぱり、オープニングは伽耶さまの美声なのでしょうか(笑)。


私信等、週末に書きますので、しばしお待ちください。


それでは、明日もエステルマジカルがんばります♪

(ぷちSS)「伝説のかなでなべ」(FORTUNE ARTERIAL)(悠木 かなで)

「えっと、それでは、かなでさん卒業記念、『おなべ大会』を開催しまーす」
 孝平が開会の挨拶をすると、元気にかなでが立ちあがった。
「いやっほー♪ まさかみんなでこんなイベントを計画してるなんてねー、お姉ちゃんは
うれしくてうれしくて……留年したくなっちゃいます!」
「もう、バカなこと言わないで、お姉ちゃん」
 いつものように、陽菜は苦笑しながら微笑んだ。
 四月に入ってもまだ寒く、以前から計画していた『おなべ大会』は予定通りに開かれた。
 すでに卒業してしまっているので、今更留年なんてできるわけもないのだが、かなでな
らもしかして……と思ってしまうのは、彼女の人となりを知っている人ならではの反応だ
ろう。
 かなでも新しい生活を始めているのだが、しばらくは気軽に会うこともできなくなって
しまうので、快く白鳳寮まで足を運んでくれた。
「今回の食材は、鉄人に頼み込んで調達して来ました。鉄人も悠木先輩のためならと、喜
んで協力してくれましたよ」
 瑛里華はパチリとウィンクする。
「ありがたいことだねぇ〜。今度会ったらお礼を言わないと……って、それはかなり先に
なりそうだから、私の代わりに……きりきりがお礼を言っておいてくれるかな?」
「……ええ。わかったわ」
「あら、ずいぶん素直ね、紅瀬さん」
「最後ぐらいは、ね」
 いつもは渋る桐葉も、今日ばかりは素直らしい。
「それじゃあ、そろそろいい頃合なので、栄光の一番箸をかなでさんに」
「はい。かなで先輩、こちらをどうぞ」
 白が差し出した黄金色の箸を、かなでが受け取った。
「取り皿っす」
「ありがとう、しろちゃんにへーじ。それでは、悠木かなで、いっきまーす!」
 掛け声とともに、黄金色の箸がきらめいた。


「もう……お腹いっぱいだわ……」
「さすがにこれ以上は、限界です」
「もっと辛いほうが好みなのよ」
「こ、これ以上食べると、ダイエットしないといけなくなっちゃうから……」
「後は、任せた……」
 死屍累々。という四字熟語がぴったりの光景が、目の前にあった。
「えー、みんな早いよぉ。お姉ちゃんのお鍋が食べられないって言うの〜?」
 鉄人が用意してくれた食材は、最高級のものばかりだった。そして、それは質だけでは
なく、量においても平均を遥かに上回っていたのだ。
「鉄人、腕前は確かなのに、どうしていつもいつもこんなにたくさん用意するのかしら」
「そりゃ、やっぱり『質より量』ってことなんじゃないか?」
「質がたっぷりなんだから、量はほどほどでいいじゃないのよ! ……うっ」
 突っ込まずにはいられない体質が災いしたのか、瑛里華は顔を青くして崩れ落ちた。
「うーん、えりりんも脱落かー。じゃあ、最後はやっぱりこーへーにがんばってもらうし
かないよね♪」
「あの、かなでさんもがんばってくれないと困りますって」
「わたし、もうお腹いっぱいだもん」
「俺だっていっぱいいっぱいですって!」
「……こーへーは、お姉ちゃんの鍋が食べたくないって言うんだ……」
 俯いた顔を震わせながら、かなでが呟く。
 たとえそれがウソ泣きだろうと、そうでなかろうと。孝平が取るべき選択肢は、いつも
決まっていた。


 数十分後。
 ようやく動けるようになった瑛里華が目にしたのは、きれいにたいらげられたお鍋と、
かなでに膝枕されながら満足そうな微笑を浮かべて眠っている孝平だった。
「あの、悠木先輩。もしかして、支倉くんが残りを全部?」
 にっこりと笑いながら、かなでは言った。


「うん! 伝説の『はい、あ〜ん』とか、『く・ち・う・つ・し』とか奥義を駆使して、
なんとかやっつけることができたよ☆」


「……ごちそうさまでした」
 そう言って、瑛里華は再び崩れ落ちた。
 その年の、新寮生に配られる小冊子のタイトルは「修智館学院109の秘密!」となっ
ており、109番目の秘密のタイトルは「伝説のかなでなべ」になっていた。



 おわり