2010-07-14
儀礼のオントロギー
- 作者: 今村仁司,今村真介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/21
- メディア: 単行本
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最近あまり本が読めていないのだが、どうにか読了した。人類学の知見が多用されていて、一見自分の興味にドンピシャではまるように思われた…のだが、いまいち知的興奮を覚えなかった、というのが正直なところ。
これは今村仁司と今村真介の共著であるということだが、実質的には今村真介一人の論考に、今村仁司がいくらか文章を付け加えたものというのが実態に即しているようだ。今村仁司の手になるものは終章である第七章だけ。近代国家を取り扱った部分だ。
様々な形態の社会を考察しながら、そのどれにとっても儀礼が重要であるという結論を導く、という構成になっているのだが、気になった点がいくつかあって、中々素直によむことはできなかった。
一つ目。たしかに人類学の知見を大いに盛り込んで、「儀礼的実践」という概念に肉付けを行っている…というのはよいのだが、基本的には重要な著者から様々に引用を行って、それをベースとして文章を書いているので、何か取り立てて今村らがフィールドワークを行ったわけではないし、引用した人類学研究にこの著作を通じて何か新しいものを付け加えることができたか、といいう点もいまいち怪しいような気がする。
二つ目。総論となる第一章から始まって、第二章以降第七章まで、狩猟採集社会、首長制社会、神聖王権、古代的国家儀礼、初期近代国家、近現代国家、というテーマで考察を順番に行っていくのだが、どうもこの配置の背景には社会の進化という考えが透けて見えるような気がする。狩猟採集から農耕へ、そして商業社会へ…なんていう図式を持ってこられるとついアダム・スミスやフィジオクラートを連想してしまう。
これが問題だ!ということをすぐさまに指摘することはちょっと今のところできないのだが、一方でこの著作をそのまま受け入れる気にもならないというのが正直なところ。もう少し考える必要がありそうだ。
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