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2018-08-26 歯医者のナショナリズム

knockeye2018-08-26

 歯医者には歯医者独特のナショナリズムがあることに気がついた。

 前にもこのブログに書いたが、ひどい歯医者にひっかかっちゃったのだ。ただ、かぶせがとれたのを直してもらいにいっただけなのに、初診の日にいきなり、事前の説明もなく、まったく違う歯を抜かれてしまった。

 抜いた歯を持ってきて、「こうなってたので抜きました」と、事後の説明があったが、シロウトがすでに抜いた歯を見せられても、それがどうなってたのかわかるはずがない。

 その時点で撤退するのが賢明だったと今にして思うが、まあ、その歯が悪かったんだろうなと思って、そのまま通ったが、抜いたまま半年経っても、新しい歯を入れてくれないので、「まだ入れないんですか」と聞くと、「ダイジョブ、ダイジョブ、半年くらい」との答え。その時点で撤退すればよかったが、地理的に便利だったので。

 いよいよ歯を入れて(一年まで行かなかったと思うが、半年というには長すぎるくらいの期間が過ぎていたと思う)、「ハイ、全治しました」となったのだが、それからひと月も経たないうちに激痛。あまりに痛すぎて、最初、歯の痛みだと気がつかなかったくらい。頭は痛い、咳は出る、洟は出る、痰も出る。風邪薬を飲んでも治らない。もしやと思って、その歯医者にいってレントゲンを撮ると「骨が溶けてる!、いつからこうなってたんだ?」と訊かれる始末なんだが、一年近くあちこち弄り回って、ついこないだ全治ですってなったばかりなのである。「いつから」って、こっちのセリフでしょ?。

 要するに、噛み合わせが合ってなくて、骨に負担がかかったみたい。間に合わせに歯を削って、これで様子を見てってことになったが、もちろん、この時は完全撤退して、別の歯医者に駆け込んだ。それで、こりゃ、口腔外科に行かなきゃってことになったのである。

 この顛末を話すと、誰もが「そりゃ、ひどい歯医者にひっかかったな」って反応になる。世の中にひどい人間がいるのと同じ比率で、ひどい歯医者もいる。あたりまえのことだ。

 ところが、同じ話を歯医者にすると、違う反応になる。「別に噛み合わせ悪くないみたいよ」とか言うのだ。「それは、だから、骨が溶けてるってなった後に、削ったんですよ」って言っても無反応。取り合わない。

 口腔外科の方で、「半年以上ほったらかしですよ」って言うと、「それは経過を見てたんですよ」みたいなことを言って、見も知らぬ歯医者を庇おうとする。半年以上経過を見るほど慎重なら、初診の日に相談なしに抜歯せんだろう?。それに、抜く前も、抜いた後も痛くもなんともなかった歯が、歯を入れて一ヶ月も経たんうちに激痛なんですよ。

 そしたら、「そもそもあんたの歯の手入れが悪いせいだろ?」って言いましたね、その口腔外科医。いやいや、歯じゃないし。歯じゃなくて骨だから口腔外科に来てるんだし。もっかい言うけど、歯が痛くて歯医者にいったんじゃないから。歯医者が歯を入れてから激痛なんで。これ俺のせいかい?。

 あまりのことにこいつら裏で繋がってんのかな?と疑ったけど、たぶんそういうことじゃなくて、歯医者は「歯医者に悪い奴はいない、この患者がクレーマーなんだ」と思うみたいなのだ。目の前で惨状を訴えてる患者より、見も知らぬ歯医者の方を信頼してしまうみたい。「見も知らぬ」からこそなのかもしれない。自己を投影してしまうんだろうと思う。

 それで、思い出しましたね。昔、勝谷誠彦が「週刊SPA!」のコラムに「日本兵がそんな酷いことをしたとは到底思えない」ってことを書いてたのを読んで、あんた、日本兵のことなんか、知ってる年齢でもないし、実際に戦争体験した元日本兵は、酷い体験をいっぱい告白してるじゃないですか?。何言ってんだろう?、と思ってたら、鬱になって、降板しちゃいましたけどね。

 正直言って「バカじゃねえの?」と思ってたんだけど、でも、同じ歯医者ってだけで、何処の馬の骨か知らない赤の他人を弁護しちゃうんだから、そういう心理って、どこにでも発生するんだろうね。「そんなひどい歯医者がいるわけない」とか思ってるとしたら、それは歯医者だけだよね。世の中、ひどい歯医者がいっぱいなわけで、だから、いい歯医者が流行るわけで。

 「日本人が悪いことするわけない」は思ったことないわ。だって、生まれてから今まで出会ってきたのはほとんど日本人だけど、イヤな奴いっぱいいた。勝谷誠彦だってそのはずなんだけど、でも、立場を変えると、自分もそんな心理になることがあるのかもしれない。今思い出したけど、高野孟が「全共闘世代だから」って思わず口にして苦笑いしてたことがあった。

 自分にもしそういう感覚があるとしたら、真宗門徒だからってことかもしれない。こないだ、『〈民主〉と〈愛国〉』の感想に、親鸞派、日蓮派ってことを書いた後、あの本を読んで、そんなことを考えるのは俺くらいだろうなと反省した。

 吉本隆明が「公」という概念を否定していたのは本当だと思う。ただ、その「公」が人を幸せにするのかどうか、そこに引っかかりを感じはする。

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