困ったときには、困った顔をしてみるもんだ。  バンコク

 26 日

 時計をタイの時間に合わせる。

シンガポールで買ったタイ製の腕時計にBKKの表示。

ACが効いてて、蚊のいない寝台はいいなぁ。

バンコクではインド、バングラデシュのビザを取らなきゃね。

日数が掛かるようなら、タイ北部まで足を伸ばそうかなぁ。

 バックパックに括り付けた2つの太鼓、通り過ぎるみんながトントン
と叩いてゆく。友達作りに大活躍してくれる。

 大学生2人のうち、ナオミさんに『太陽の子』を、チヒロさんに『深
夜特急』をそれぞれあげた。

お礼にと空気枕をもらった。わらしべ長者みたいだ。

 朝食にと食パンももらった。こっちの方がうれしかった。

 バンコク、ホアランポーン駅に着き、彼女たちとお別れした。

近くにいた西洋人に声を掛けられる。

「すみません、バンコク初めてなんですけど、どこか泊まる所知ってますか?」

 カオサンに行くバックパッカーらしい。

今回はチャイナタウンに宿を取ろうかと思ったけど、見ず知らずの白人と宿探しも面白いんで、55 番のバスに飛び乗って、カオサン通りまで行く。

 前にも泊まったsrintip は満室だったので、伝説の宿 VSゲストハウスに行く。

ここのドミトリーはかなりいい!

荷物を置き、ここの周辺のツアー会社を巡り、バンコク発、ヤンゴン
ダッカ、カルカッタのルートのチケットのリサーチをする。

 MPツアーに行き、森さんと話す。

バングラデシュのビザについて相談する。

いつも頼りになるおっさんだ。

そこで滋賀県から来たロッキーくんと会い、友達になる。

 名前が弘樹なので、ロッキーと呼んでっていわれた。

おもろいやっちゃ。

 2人でチャイディーマッサージに行き、タイのおばちゃんにバキバキ
と体をほぐしてもらう。

 バンコクはやっぱええねぇ。一休み一休み。

 VSのドミトリーは1泊90B(270円)少し高い。

カオサンは日本人の旅人がたくさん。

なんかオシャレなところになってて驚いた。


 27 日

7 時半に起きて、インド大使館に向かう。

VSゲストハウスのおっさんにバスの番号を尋ねると、15 番と言われたのでそれに乗り込む
。1 時間もそのバスに乗ってたけど、わけの分からんところで、「終点だ、降りろ」と云われた。

 どこだ?ここは。

 あちこち彷徨って、インド大使館にたどり着く。

窓口で話すとパスポートのコピーがいるらしい。

ここが日本なら「近所のコンビニで・・・」

となるのだが、バンコクではそうもいかない。

 困ったときには、困った顔をしてみるもんだ。

 近くにいたイタリア人が「こっちに来い」と近くの大学の売店に連れ
て行ってくれた。

そこのコピー機を使わせてもらった。

 イタリア人って自分で言ってるけど、ほとんどインド人のサドゥーに
見える。助かった。ありがと。

 なんとかインドビザの申請を済ませて、大使館前にいたバイクタク
シーを拾う。走りに走ってバングラディシュ大使館へ。

 一日に二つの申請をした。

飯も食わずに奔走して、フラフラでVSゲストハウスに戻った。シャワーを浴びて、一息ついたところにロッキーくんが『地球の歩き方 ミャンマー』を持ってきてくれた。

一緒にバンメシを食おうってことになった。

 飯を食いながら、出会った日本人6人。

 いつの間にか友達になる。


オーストラリアでワーキングホリデー帰りのタツヤ、隣の宿は100Bでエアコン付らしい。

 スリランカ帰りの坊主あたまは、ビパサナ瞑想をしてきたらしい。

 いろんな情報が入ってくる。

 おもしれぇことになってきた。

 28 日

 朝イチで宿を移る。

隣のAゲストハウス。エアコン付で100B(約300円)

 オーストラリアからのワーホリ帰りのタツヤくんも早くから来てた。

ここで福山から来た‘社長‘に出会う。

ただのニックネーム。

そう呼んでくれっていうからしゃーないわな。

朝飯は、タツヤくんと2人で角の店でバーミーを食べる。

薄い味で朝食にはぴったりだ。

 宿にはフロントの棚に日本語の本、マンガがたくさんあり、ソファも
ある。まったりと『イニシアルD』を読む。

 ジーンズ、タオル、靴下、パンツをランドリーサービスに出す。

ここはタイ、バンコク。アジアの優等生。

コンビにもあるし、なんでもある。

 ちょっと贅沢させてもらおう。

45Bだがキレイになるのはうれしい!

 ロッキーくんに借りていた『地球の歩き方 ミャンマー』をコピーす
る。トラベルエージェンシーでヤンゴンの地図をもらう。さーて!行こ
うか、ミャンマー

 午後からまたチケット探しに通りを歩く。

帰路ナシのチケット入国はいけないっていうMPツアーの森さんの意見は真っ当だが、ガイドブック並に慎重だ。

 インド人の子供が店にいる travel in style でビーマン航空のBKK>RGN>DAC>CCUのチケットを買う。

800B(2400円)も安い。

申し訳ないがここで決まりだな。

 夜はロッキー、タツヤ、社長とナナプラザへ飲みに出る。コーラだけ
飲んで帰る。

 宿に帰る。

ドミトリーだけど、部屋にいるのはみんな友達。3時まで話す。

 話すことは日本のことばかり。

 外にいると内のことがよく見えるのはなぜだろう。

 一度、外に出ると内のことが分かるのはなぜだろう。

 いっぺん、死んでみたらこのLIFEのことも分かるのかなぁ?

 タツヤくんが持ってたアフリカのパチカと共に チベットのシンギン
グボウルを鳴らす。