ソックリな時代

 1936年ヒトラーナチスが支配するドイツのベルリンで第11回近代オリンピックが開催された。そして、2020年安倍晋三日本会議が支配する日本で第32回目の近代オリンピックが開催されようとしている。ドイツのその後がどうなったかは説明するまでもなく、日本もかつてのドイツと同じような道を辿るかもしれない。

 2020年東京オリンピックを成功させるため「共謀罪」が必要と安倍晋三首相は言う。オリンピックをダシに日本全土を監視社会に、そして刑務所化する魂胆なのだ。当時のドイツではユダヤ人への差別があからさまに社会を覆い、現在の日本も在日朝鮮人や中国人へのヘイトスピーチが蔓延る。

 当時のドイツと現在の日本はとても似ていて、今の政治状況は本当に危ない。日本だけじゃなく、米国が、ヨーロッパ諸国が…危険水域。人種差別と軍国主義化が世界全体に混迷をもたらし、やがて戦争が勃発、そして勝っても負けても故郷や地域は焦土と化す。

 戦後民主主義の行き詰まりが反動となり、世界中に格差・差別、そして保護主義自国第一主義が蔓延。第二次世界大戦前夜とほとんどソックリではなかろうか。歴史は繰り返すと言うが、全くその通りだ。

 もちろん、何から何まで現在は昔と同じわけではなく、科学技術の発達で、世界はかつてないほど狭くなってしまったことは確か。この事実は、じつはかなり重要な要素を秘めていると思う。

 狭い世界内で自分たちだけ有利になろうとしたり、ましてや自分たちだけ生き残ろうとしても不可能。相手がいてこそ自分たちも存在できることを十分自覚すべきだし、その自覚が欠落した「自分たちの民族や国家こそが一番」という自己愛が滅びの道を突き進む。