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2011-04-17 月のうさぎがみたいと思えば誰でも見れるさ

[]バットマン:ラバーズ&マッドメン バットマン:ラバーズ&マッドメンを含むブックマーク

あらすじ:ゴッサムシティの夜間自衛を始めて10ヶ月経ったバットマン。街のゴロツキを倒し、麻薬ルートを壊滅して街は平和になっていった。しかし、その街に彼の論理を越える強盗事件が起こる。今までの彼の経験や知識をもってしても解けない事件。その事件の主犯には、全てを完璧にこなし、この世を諦観してしまった男ジャックがいた。


感想(ネタバレ):
ジョーカー誕生譚としては、アラン・ムーアが書いた「キリングジョーク」が有名だが、これはそんな「キリングジョーク」に対して、ジョーカーという謎と嘘に満ちた存在の誕生が一つであってはいけない。というコンセプトにマイケル・グリーンが書いたもう一つのジョーカー誕生譚である。
あらすじで書いた時点で気付くと思いますが、その完璧な男ジャックがのちのジョーカーです。
犯罪現場であまりに退屈したジャックは故意に警報システムを鳴らし警察を呼びます。そこでバットマンに初めて出会います。
ジャックはバットマンの姿を見てこう言います。
「ばっかみてぇ」
全力を持って窃盗団に戦いを挑むバットマンの姿を見てジャックは嘲笑います。
ジャックがどのような人間かというと、強盗や窃盗、殺人どんな犯罪も彼は己の頭脳と天才的な射撃センスによって成功を収めてきました。彼の中の功績は増える反面、彼の内面では全てをそつなくこなす自分の才能に嫌気が差し、自分の仕事にやりがいが出ず仕事をやめようとしていました。
ジャックはバットマンに出会い、自分とは違い、バカらしい格好して全力で街を守るバットマンに興味を持ちます。そして、彼の為に街中で自分がプロデュースした事件を連続して起こし彼を試します。ジャックの起こす事件に振り回されるバットマン
まぁ、バットマンは犯罪に対する経験や知識はありますが、いかんせんジャックは金を得る為や欲求を消化する為に犯罪を行っているのではなく、ただバットマンを試す為に事件を起こす訳ですからバットマンにとっては関連性や目的の見えない事件の数々戸惑う訳です。
この連続事件に頭を抱えたバットマンは犯人を割り出すために精神科医にアドバイスを貰いにいきます。*1精神科医は、そんなバットマンに対してこういいます。
「彼は犯罪者ではない、これは犯罪じゃない。悪だ。(ジャックは)人間以上かもな、あっさいと人を殺すような男だ、身体を鍛えたりマスクを縫っている間に考えなかったかね?こんな事をできるのは狂人だけだ。彼らに常識は通じない」
業を煮やしたバットマンはこれ以上のジャックの悪行についていく事が恐ろしくなり、街のギャングに彼の確保を頼みます。
化学工場でリンチに遭うジャック。
バットマンが化学工場に辿り着いた時には、ジャックは無く、ジョーカーの影のみがあるだけ……。
まぁ、ストーリーはだいたいこんな感じです。後半はジョーカーバットマンの戦いもあるのでそこも見所です。


これを書く為に何度か読んで、気付いたのですが、ジャックがジョーかになるのは、最初、アラン・ムーアの「キリングジョーク」と同じように化学工場で薬品被った時かと思っていたが、ジャックはバットマンにあった時からジョーカーになっているね。淡々と仕事をこなす出来る公務員のようなジャックがバットマンを困らせる為だけに金にならない事件を犯す。本当にジャックからジョーカーに代わったのは、チンピラの拳銃を避けて自分に生の執着あったと認識した時、ある意味、「人生がつまらない」と溜息を付いていたジャックが死に、ジョーカーに生まれ変わったと思う。過去を捨てたかと思いきや、クラブのウエイトレスに金送ったりしているシーンとかでジャックとジョーカーに繋がりを持たせているんでしょうね。タイトルである「バットマン:ラバーズ&マッドメン」のラバーズに当たるブルースとローナ・ショアとの愛の物語もありますが。まぁ、バットマンことブルースと付き合う人間女性の典型的な末路ですね。下半身不随じゃないだけマシじゃん。とか思ってしまったですし。


本作は「キリングジョーク」よりもエンターテイメント性があるので、「キリングジョーク」を読んだ事がない人でも問題なく読めます。というか、主な出演がバットマンジョーカーなので初心者でも楽しく読めるはずです。
グラフィックも綺麗で見やすく(一部コマ割が特殊になっていて読みにくいが)話も綺麗に完結しているのでオススメです。
とにかく、帯の文句「あんたのおかげさ。あんたがコウモリごっこを始めるまで、俺は何をしたいのかわからなかった」は名言。

あのコンピュータについてつっこんだら負けです。

*1:その精神科医がのちのスケアクロウ

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