本日の1本 ヤコペッティの世界残酷物語
- 出版社/メーカー: ジェットリンク
- 発売日: 2010/06/29
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たぶん25年振りくらいにこの作品を観た。ショッキングな映像あるいは珍妙な映像を集めた作品、という印象が強かったのであるが、あらためて観てみるとその編集の妙に感心させられる。
いわゆる未開の地と先進国を対比させる形で次々と繰り出される映像のスピーディさはやはり圧巻であります。
例えば男を漁る女、基本的にどっちも同じですわな。
犬を埋葬し涙する婦人と犬肉を喰らう男たちでは、後者の残酷さよりも前者の滑稽さの方が際立っている。
むしろ先進国の文化スタイルを揶揄していくことのほうがヤコペッティの本意であることがうかがえますね。特に延々と酒場の酔っぱらいを写すシーンで表出される、人間の情けなさ、悲哀がとても印象深い。
しかし、「東京温泉」のマッサージ風景は好いなぁ。
やらせがあっても、これはひとつの世界観として「本物」であるのだ。
そしてやはり、この作品といえばテーマ音楽の素晴らしさ抜きには語れない。美しい音楽があって「モンド」な世界観は完成されるのでした。
ヤコペッティは先月91歳で亡くなられたそうで。まだ生きてたのかという感もありますが、ご冥福をお祈りいたします。