kobeniの日記

仕事・育児・目に見えない大切なものなどについて考えています。

雑誌「広告」に載ってるよ/ザ・インタビューズについて

こんばんはkobeniです。いやー、東京は台風が大変で…電車止まってボーゼン、となった私が最終的にとった行動は、ホームで地べたに座って、pomeraでブログの記事を書くことでした…そうです、これを書いてる時点でまだ帰宅できておりません!お迎えはどうなるのか!夜ご飯は!夫は帰ってくるのか?!まったく読めません。あんまりtwitterしすぎても、肝心の時に電池が切れたら困りますからね。ああ、台風甘く見てたなー…会社も、もう少し早く帰宅命令出すべきだったですね。いま(17時現在)、都心の各線のホームは人がすごいことになっています。つまり帰宅命令が、みんな同じくらいの時間(夕方?)に出てるってことでしょう。今日みたいな日は、お休みにした方がよかったですよね。だってほぼ全線止まってますよ、都内の電車。まあたぶんきっと明日あたり、はてなでは危機管理うんぬんのエントリがたくさん上がりそうですが、そんなことより目下たすけてください、お迎えに行きたいのー!
※その後、なんとか帰宅できました…グッタリ。


さて愚痴はこのくらいにして、きょうは告知というかご報告をします。


「広告」という雑誌をご存じですか?
広告 | KOHKOKU

広告 2011年 10月号 [雑誌]

広告 2011年 10月号 [雑誌]

博報堂さんが出している雑誌なのですが、いわゆる広告やデザインの専門誌(ブレーンみたいなやつ)といった体裁ではなく、社会の潮流を、ちょっと早めにとらえて特集するといった内容になっています。広告に携わる人は、おそらく世の中の「気分」とか、「兆し」のようなものに敏感でなければいけないので、そのあたりをすくいとって、多角的に分析した雑誌という感じでしょうか。専門誌じゃないので、どんな人にも読みやすいと思いますが。


9月15日に発売された最新号は「明日を生きるための物語論という特集でして、その中の「愛の力×物語 自分だけの物語を抱きしてめて生きる女性たち 〜BL、出産、ジャニーズ、韓流〜」という特集で、出産を経験した、いち母親としてインタビューを受けております。



本誌も献本いただいて、ここ数日で熟読しまして、すごく面白かったです。エディトリアルデザインも素敵だし!ちなみにこのインタビューを受けるという、ちょうどその頃、息子も私も夏風邪で倒れてしまい、アポを何度も延期してしまい… ほんとに申し訳ありませんでした。でも最終的にお邪魔した、博報堂さんの会議室は真っ白でカッコよかったです。(周囲の壁にいろいろ書きながらブレストできるようになってる。クリエイティブー!)

特集の最初のページではあの801ちゃんがBLを語っており、また韓国ドラマとジャニーズにハマっている女性たちのインタビューもありつつ、その中に挟まれた私が出産を語っています!私の話が平凡すぎる感じが否めませんが…。登場する4人に共通しているなと思ったのは、自分の体験をどっか俯瞰的に見てるというところでしょうか。私は「自然なお産」についての記事をブログで書いたことがあったので、「出産」と「自然」についてもお話をしたんです。私自身も、自然育児やお産にハマる人の気持ちはよく分かる。それを自分の体験を交えてお話してみました。
個人的には801ちゃんの、「自分が直接関与できない(こちらでは物語の筋を変えようがない、とか)方が愛情が長続きする」という言葉がすごく新鮮でした。育児(母と子)っていうのは、関与できる愛情の典型かもしれませんからね。

そのほかにも本誌には、「神話」を研究されている方の話、現代の神話ともいえる「ジブリ」の鈴木Pとニコニコ動画川上さん・ポニョで歌ってた藤岡さんの対談、歴史や希望学からの考察、まど☆マギ現象の考察、もちろん広告や消費におけるストーリーについても書かれており、読みごたえ十分でたったの690円!ロックです!
私はこんな有名な雑誌にインタビューされるなんてもう滅多にない(しかも匿名のブロガーとして…)ことなので、一生の記念にしたいと思います!





■インタビューついでに「ザ・インタビューズ」について


「ザ・インタビューズ」流行ってますね。一方でけっこういろんな批判も目にします。私は、「まだわかんないよね」と思いながら見て(ときどき答えて)いるのですが、批判の中でいっこだけ、「それは違うと思うなー」ということがありました。その批判っていうのは、「ふつうの人にインタビューなんかすることない、おもしろくない」というやつです。

私は今回、ふつうの人、無名のひとりの母親として、「出産」という経験を語りました。今回の「広告」では、「どんな人も大なり小なり、自分の行動や思想を決定づけてきたような、物語を持っているだろう」という想定の元につくられていて、私が登場した特集では、4人がごく個人的な物語を(しかし、BLもジャニーズも出産も韓国ドラマも、ある一定の数の人たちが近い物語を共有していると思われますが)語った、というわけです。

私、ふつうの人の話がつまんない、ということは全然ないと思うんですよね。たとえばサラリーマンにとっては、医者や大工さんの仕事の信条が非常に新鮮に聞こえる、なんてことはあると思いますし、友達に、面と向かってはなかなか話せないようなことを聞いて、その人の意外な一面を見てより好きになる、ということあるかと思います。あとは例えば、自分のまわりに働くママ(でもいいし、国際結婚の人でもいいし、なんでもいいけど)がいない、自分の親にも反対される、でもTLにはお手本にしたい人がいるから、ほんとは聞きたいことたくさんある。なんて人もいるかも。
だいたい、「女子会」でのガールズトークなんて、ほぼふつうの人がふつうの人にアドバイスするような内容ですよね。でも楽しいし、救われたりする。ちゃんと筋道立ててアドバイスしたり、たしなめたりするのが上手なフツウの人なんて、たくさん居ますよね。


「インタビューに取り上げる」という体裁で、その対象が有名か無名かを決めてきたのは、まあ、マスコミですよね。でも、3.11で、ひとつ分かったこととして、この国では(これまでのマスコミ的には)無名の人たちがたくさん、マジメに生きていて、彼らはいざという時にまるで正義の味方のように、アンパンマンのように、適した振る舞いができるらしい、ということがあったと思う。
無名の人にも、その人なりの物語があります。それが「価値がない」ということはないでしょう。ただ、もちろん有名人ほどの華々しいエピソードはないだろうし、インタビューに答えるのに慣れてもいないから、「平凡な話」になってしまう可能性はあります。けど、そこは聞き手あるいは答え手が、ちょっと努力なり工夫なりすれば、超えていけるかもしれません。

インタビューというものは、これまでは、専ら有名な人に対して「生(対面)」で行われてきました。けれどザ・インタビューズはweb上で、対面じゃないですから、「臨機応変に質問できない」というデメリットはあります。プロのライターやインタビュアーは、そこらへんのドライブ感というか、生ならではのコミュニケーションに長けてる可能性はありますよね。

でも、じゃあ、これまでマスコミがやってきた「すべて」のインタビューが、そこまで、すぐれたコミュニケーションの元に、臨場感たっぷりで行われてきたかというと、そんなことないと思います。定番の質問を並べただけの記事だって、あったと思いますよ。インタビューのプラットフォームが整って、webで「マスコミの人を介さずに」できるようになってきている、そのことを謙虚に受け止めるしかないと思う。自分だってクックパッド使うでしょ、そっちが、栗原はるみの本より使いやすいと思う時あるでしょ、みたいな感じです。

ただ、webというのは、ホントに気軽にアウトプットできてしまうので、たとえば「キヨシローみたいになりたい」人が、キヨシローっぽくインタビューに答えたら、それはキヨシローになれてるのか?違うでしょ。ということはあると思います。あなたが目指してるのはキヨシローでしょ、じゃあ、まだザ・インタビューズで満足してたらダメだよね。ということはあると思いますけどね。




最終的には、理屈っぽくてウザい感じになってしまいましたが、「広告」読んでみてくださいね!ダァシエリイェッス!!