平鍋さんとアツク語る会メモ

しまださんから誘われて平鍋さんが来るというのでかなりビビってたけど行ってみてよかった。前日勉強会から参加。知らない人ばかりのところに飛び込むのはかなり勇気が必要だったけれど、平鍋さんやRuby札幌の中の人とかと話せて有意義だった。イタリアン(フレンチ?)で行われた前夜祭で平鍋さん提案のフルーツバスケットで席替えするアイデアはいいなと思う。勉強会の前にみんなでウェーブするなど、さすが偉大なファシリテータでした。 そんな中で、いろいろ印象に残った言葉があったのでメモ。

印象に残った言葉たち

プロダクティブプログラマ
  • 生産性が高いプログラマというのは価値を生み出すプログラマ。step数とかじゃない
  • 価値を生み出すプログラマ(ハッカー)は筋がいい。コードの有るべき場所がわかる。そういう人とペアプロすると価値がわかる。
  • 生産性が上がったかどうかは自分自身を観察することが大事。何ができるようになったか。
アジャイル
  • アジャイルとはホールケーキをショートケーキの様に縦割りで作るようなもの
  • リファクタリングを継続するためにはテストが必要で、それにはオブジェクト指向開発が向いている。
  • オブジェクト指向で作っても案外再利用できる部分は少ない。最大の再利用性が高いのは strcpy や printf
  • 最近は再利用性よりもテスト容易性の方がオブジェクト指向としての価値があると思うようになってきた
  • リーンは現場で無駄を「考える」こと。そしてそれを取り除いて改善していく
  • ソフトにおける「在庫」とは「テストしてないコード」「実装されていない仕様書」
  • ウォーターフォールスクラム、カンバン、どれでも、平均スループットは同じ。途中の在庫量が異なる。
  • 「在庫」を少なくする為にXPやアジャイルが考えだされた
  • セールスフォースでは機能(サービス)ごとに全工程に関わる人達を一カ所に集めて「かんばん」で駆動する
  • イテレーションごとにデモをする。「Demo or Die」
  • EnergizedWork。 ワークスタイルとリチャージのバランスが重要。
座談会
  • メールはサブジェクトだが twitter は人を追う
  • 風呂で本を読む。半身浴で3時間。本の状態はあまり気にしない。頭の中に入れる。
  • 本を読むには一人で集中できる環境を作る。風呂、トイレ、移動中、とかを有効に使う。
  • ポモドーロテクニックキッチンタイマーで一人アジャイル。タイムボックス中は割り込まれないようにメーラを落とす。
  • アジャイルはゴールが共有できるプロダクトが合う。受託のSIではお客さんがゴールを握っているので合わないかもしれない。
  • 信頼貯金。チームメイト/上司/顧客との信頼貯金を増やして行けば、情報伝達のスループットが上がる。
  • 信頼貯金を増やすには相手の困っていることを聞いて力になる。そこに自分たちのやりたいことも入れ込んで行く
  • いきなりやりたいことを言っても断られる可能性が高い。
  • 頼まれたことに対して自分なりの+αを付け加える。付加価値が無いとプロとは言えない。
  • 「許可を取るな 謝罪せよ」。やりたいことをやってみて後で謝るというのも時には必要。
  • 意見がぶつかった時は一つ上の What で合意点を見つける。一旦合意点が決まればその後話しやすくなる。信頼貯金++
  • ビルゲイツが「プログラムの完成度合いを行数で測るのは、飛行機の完成度合いを重量で測るようなものだ」と言っていた気がする。
  • 「進捗の数字を見てる暇があれば現場に行って話を聞け」
  • チームを作る時の最初にやることは、何の為に集まったのか、どうしていきたいか、ロマンを共有する
  • 一緒に食事しながら話すのは大事。
  • まずは動くものを作る。次に触りたくないようなコードのまま放置しない。リファクタリングする。後々の自分や仲間が楽になる。
  • いつリファクタリングするのか? 実装直後。料理して食べ終わったら、すぐ皿洗うように心がけている。料理中も隙見て皿洗う
  • 世界は自分の中にある。認識されているものが世界。認識の仕方を変えることが世界を変えることの一歩。「世界は頭の中にある」

読みたくなった本

感想

前日の勉強会ではプロジェクトでかんばんを使っているお話があって、元々そういう文化がないところに新しいものを持ち込むエネルギーや行動力に感心した。そんな彼のチームメンバーは凄く恵まれていると思う。なかなか真似できることでないなと思った。
同じようにレガシーで時代遅れなやり方の中で、苦しみながらも地道に自分にできる事をと勉強会を開くお話もあり、勉強大事・交流大事と活路を見い出そうとする姿に感動してしまった。共通するのはみなさんとてもいきいきとしていた事。そして自分は何も出来てないなぁと改めて実感させられた。

当日の平鍋さんの言葉には終始感心しっぱなしで、なんとなく理解していたアジャイルという言葉がより深まった気がした。人を惹きつける説得力やユーモアやストーリーなど、何度聞いても素晴らしいなと思えるプレゼンだった。それ以外にも、参加者のみなさんの声として、アジャイルの良さを理解しつつも現実の契約や上司の説得、進捗報告の難しさ、定量的な効果の見せ方、メンバーの教育の難しさなど、同じような現場の悩みや苦労を抱えているんだなぁということを知ることが出来た。こういったアジャイルに取り組む生の声を聞けたのもとても参考になったし、貴重な機会だったと思う。またこういうイベントがあれば是非参加したい。
そして、自分にできる事を改めて見つめ直していきたい。

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