kodamatsukimi2004-03-16

・2/26の「ロードス島戦記 邪神降臨」紹介の末尾に次回は
 山田章博さんの「ロードス島戦記 ファリスの聖女」を紹介します、
 と書いたわけですが
 紹介するにあたり、あらためて原作の小説版を読み返してみました。



・……。

 
 やはり山田章博は偉大だ。

 と再認識いたしました。



・そのようなわけで趣向をかえまして

ゲームの「山田章博の世界」

 と、いうことで今回はお送りいたします。


  山田章博 公式サイト     http://www.tea-leaf.net/~neenee/
  山田章博ノ世界 ファンページ  http://www.tea-leaf.net/yamada/


・山田さんの職業はご本人曰く「漫画家」(画集 ISBN:4120032639 あとがきより)。
 しかしながら最近のマンガ執筆状況をみるに
 むしろイラストレーターのイメージが強いようです。

・最近の大きな仕事としては、小野不由美さんの小説「十二国記」、
 ’02に放映された「ラーゼフォン」。
 
・マンガの方は、昔の作品の版型をかえての再出版が主で
 コミックバーズでの連載作品「BEAST of EAST」は
 果たして完結するのか、するとしても何年先のことになるやら。

・やはり、まっとうな漫画家ではなくなっているようであります。



・さて、ゲームのデザイン関係については、こちらのサイトが詳しいです。

 山田章博(漫画家)作品目録  http://www.geocities.co.jp/Hollywood/4335/yamadac1.html 

 これらの中でゲーマー的に注目すべきものを挙げてみましょう。
 ゲームに興味のない山田章博ファンの方は(絵あり)のサイトをご覧ください。

 
・「ガイアポリス」 AC ’93 コナミ アクションRPG(パスワード式) 

・アーケードのみなので知名度は低いですが
 燃えるBGMと痺れるアクションの名作。
 キャラクターデザイン担当。
 関連本などもないので、いずれ埋もれる運命。

 参考サイト あっくんの基板の館(記念館) 注;音でます
 (絵あり) http://www.ne.jp/asahi/cc-sakura/akkun/bekkan/gaia.html


・「フロントミッション サード」 PS ’99/9/2 スクウェア 
                 SLG ¥7,140 ASIN:B000069SXH
                        廉価版 ASIN:B00005OVCP

・「フロントミッション」シリーズの3作目。
 SFCの1はそれなりに名作の評価を得たものの
 その後の2、オルタナティブ(2.5)が
 重い、そもそも出来が悪い、と悪評を買ってしまい
 少しは改善された、このサードもあまり評判になりませんでした。

スクウェアらしく、概して作りこみが甘いのがこのシリーズなのですが
 昨年発売の4(フォース)はなかなかの良作。
 一貫して、このように作り込まれていれば
 シリーズ評価はまったく違っていたでしょう。
 一時期のスクウェアのソフト乱発の悪い面が出てしまった作品です。

・とはいえ、3(サード)自体はなかなかスピーデイーな良作。
 世界観が他のフロントミッションとはやや異なるので
 外伝としてみればシリーズファンも許容できるのではないでしょうか。   

・山田氏はキャラクターデザイン担当。
 前作までが天野喜孝氏なので違和感が。

 (絵あり)公式サイト http://www.square-enix.co.jp/games/ps/fm3/frame.html


・「悪魔城ドラキュラXX」 SFC ’95/7/21 コナミ 
              アクションAVG ¥1,029 ASIN:B0000645OG

・悪魔城シリーズの5作目。
 悪魔城シリーズは様々なハードで出ているのですが
 「XX」は’93/10にPCエンジンSCDROMで出た「X」を
 SFCに移植したもの。

・詳しくはこちらの解説をご覧ください。

 ゲームウォッチ記事 「悪魔城ドラキュラ」シリーズ http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20031222/cv_3.htm


・「X」はPCエンジンゆえにプレミアソフトになっているのですが
 「XX」はほぼ同内容ながら安価。
 バッテリー切れの恐れがあるものの
 最新作のキャッスルバニアを除き
 総じて価格が高いこのシリーズのなかでは、容易に手に出来るので
 シリーズ入門用に良いでしょう。 

 (絵あり)http://www.medianetjapan.com/2/16/entertainment/mitsu/gsf0053.htm
 (追記 上記サイトは消えています。他に絵が載ってるサイトがみつかりません……)


・「バズー!魔法世界」SFC ’93/7 ホットビィ RPG 

・2/16に紹介したホットビィの文字通り遺作。
 ストーリーは非常に驚きの展開で評価できるのですが
 そこにたどり着くまでが辛すぎる。

・「星を見るひと」を製作した所ですから。

・プレミアがついてますが、あえて買うほどのものでしょうか。
 その話題のストーリーについてはこちらをどうぞ。

 銀の黄昏錬金術協会(http://my.reset.jp/~keito)内 
  (絵あり)バズー!魔法世界保管のページ http://my.reset.jp/~keito/SDA/bazoe/bazoe1.html


・「テラファンタスティカ」 SS ’96/12/27 セガ 
              タクティカルSLG ¥6,090 ASIN:B000069T76
              サタコレシリーズ(廉価版)¥2,940 ASIN:B000092PGK

 (絵あり)たぶん公式サイト http://www.infomadonna.ne.jp/~takeshiy/terra/noframe/index.html

・開発はDCの「ナップルテール」なども手がけたチャイム(http://www.chime.co.jp/)。

・このソフト、中古で泣けるほど安い値段で売っていますが
 その市場評価に反した良作タクティカルSLGです。
 ¥180で売らないで
 ¥18,000にしてプレミア感を煽ったらいかがですか中古屋さん。

・シナリオを「ナップル」同様、TRPGで有名な門倉直人さんが手がけているそうで
 言葉一つ一つがよく練られています。
 グラフィック、音楽も雰囲気あり。
 システムも「タクティクスオウガ」ままにせず独自の工夫があり
 一つ一つは実によく出来ていて名作の予感です。

・けれども、もうちょっとのところが惜しい。
 セーブの制限や、評価がわかりにくい幕間の会話、
 敵のお間抜けな思考ルーチンなど。
 もっともこれは難易度調整のため故意のものとも思えますが
 それならばそれに合わせたシステムの工夫が欲しかったところ。

・わかっている人がリメイクすれば
 傑作となりうるであろう、惜しい素材のソフトです。
 セガでなく任天堂に頼んで
 インテリジェントシステムズにでも作ってもらえれば……。 

・是非冒頭だけでも体験してみてください。安いですし。


・「ミスティックアーク」 SFC ’95/7/14 エニックス 
             RPG ¥12,390 ASIN:B000068HWU

・開発はプロデュース。
 エニックス発売ということもあり
 わりと名前は知られてるように思うのですが
 その地味すぎる内容のためか
 ’99/3にPSでリメイクされたものの話題にもならず。
 (3/22追記 PS版は出ていないようです。すいません。)

・全体のまとまりはよいものの
 これ、というインパクトにかけるゲームです。
 やや序盤むずかしいですが、悪くはない佳作。
 中古で入手も容易。


・「ミスティックアーク まぼろし劇場」PS ’99/3/18 エニックス 
                   AVG ¥7,140 ASIN:B000069TWI 

・上の続編ですが、こちらはアドベンチャーゲーム風。
 で、ありながら画面が見づらく目が疲れる仕様。
 ちょっとそれはどうなのでしょう。
 どうもプロデュースという会社、志は高いものの
 技術、内容がついていかないようです。
 だからなくなってしまったのか。南無。

山田章博ファンなら当然ご存知かと思いますが
 この「ミスティックアーク」2作には設定資料集がでています。

 「山田章博の世界 ミスティックアークアートワークス」 ISBN:4797309407

 お値段¥2,800と高めながら、フルカラー。線画は白黒ですが。
 山田さん自身の設定解説も豊富で非常に良い出来。
 はっきりいってしまいますと
 苦労して上の2作をプレイするよりも
 この資料集を見ていたほうが楽しめます。お勧めです。


・そして同型もう一冊の資料集がこちらの「ラーゼフォン」。

 「山田章博の世界 ラーゼフォンアートワークス」 ISBN:4797323167


・「ラーゼフォン」はアニメがメインなのですが、昨年ゲームもでています。

 「ラーゼフォン 蒼穹幻想曲」 PS2 ’03/8/7発売 バンダイ 
                AC+AVG ¥6,069 ASIN:B0000A1WKH

 公式サイト http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/rahxephon/

 新作アニメDVD同梱の「Plusculus」¥7,122 ASIN:B0000A1WKI

・開発は光栄の「バトル封神」などのシェイド(http://www.shade.co.jp)。
 
・はじめに原作ありき、のいわゆる「キャラゲー」の中で
 ガンダムものを除けば、屈指の出来。
 「銃夢 火星の記憶」や「北斗の拳 世紀末救世主伝説」などの
 バンダイなのにそれなりに遊べるキャラゲー、の一作。

・もっともドラゴンボールZ2を見るまでもなく
 たまたまでバンダイがわかっていないのは明らかですが。


・「アヌビス」風の戦闘シーンはスケールこそ小さいものの
 なかなかの原作再現度。充分にラーゼフォンを操る感覚が味わえます。
 難易度も高くなく、キャラゲームに合わせたバランス。

・AVGパートはかなり力の入った出来。
 キャラクターボイスパターンも非常に豊富で
 アニメに準拠したシナリオ展開だけでなく
 ゲームとしての独自シナリオルート3本も
 それと同様以上の作り込み。
 エンディング全40種類は半端ではありません。


山田章博ファンは、まず上の資料集を買いましょう。
 ミステックアーク同様に
 ラーゼフォンの数々の細かい設定が山田氏自身により詳細に解説。
 ファンとしては非常に興味深い内容です。
 値段以上の価値は確実にあります。

・その上で興味のある方はアニメを。全26話。
 作画は総じて安定しており
 山田氏の設定を、かなりよく再現しています。

・話はかなり伏線多数、電波で意味が掴みかねる会話が多く
 ちょっとわけわからないのでなんとも評価しかねます。
 また、話を再編成した映画版もあり。
 こちらのほうがやや評価高いようですが
 アニメに思い入れがない身としては
 どちらもあまりかわらないかも。

・またノベライズとして、なんと「戦闘妖精 雪風」の神林長平さんによる
 「ラーゼフォン 時間調律師」(ISBN:4199051201
 もあり。SF好きの方にはお勧めです。


・アニメを何話か見るか、
 ダイジェストストーリー的な映画版で話を掴んだ上で
 ゲームをプレイしてみるべきでしょう。

・このゲーム、つまるところファンアイテムとしては
 まさにキャラゲーム屈指の出来といえますが
 作品に思い入れが無ければ
 やや作業性が強く、ストーリー説明も不十分でわかりにくい、
 それなりに良く出来ているけども、
 という評価になり、ちょっとおすすめ出来ません。
 

・攻略本は公式ガイドブックが一冊でています。ISBN:4754220250
 お値段¥2,200。高い。しかも英知出版。なぜ。
 内容はかなり詳細に解説されており、しっかりと作られていて
 編集プロダクションの真面目な仕事振りがうかがえる良い内容。
 設定資料集的なところは前出のアートワークスが網羅しているので
 そのあたりは割り切って攻略に特化。
 高いですが納得の内容ではあります。

・出版社や値段の関係、そもそもゲーム自体あまり売れていないので
 (おそらく2万本程度)、この攻略本かなりレアと思われます。
 見つけたら保護しておくと良いかも。

・それから「Plusculus」の新作アニメですが無理に買わなくとも。
 アニメのDVDを買うほどのファンならば必須なのでしょうが。



・その他には

・「疾風魔法大作戦」AC’94/9、SS’96/6 エイティングライジング STG
  (絵あり)公式サイト http://www.8ing.net/prd/sipu/

 「魔法大作戦」の続編。レース形式のSTGという斬新なシステムですが
 なぜ自機がボスと戦っている間に
 ライバル機はスルーして行ってしまえるのでしょうか。
 「バトルガレッガ」「蒼穹紅蓮隊」のライジングとは思えぬ駄目ゲーム。


・「西遊記」 PS KOEI SLG 
  (絵あり)公式サイト http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/Rlsaiyou.htm

 題名通り西遊記をタクティカルSLGにしたもの。
 とくにこれといって特筆すべきところなし。
 むしろこちらの本 ISBN:4877197494 を買ったほうが
 よいでしょう。
 キャラクター画、線画も載っており山田さんのインタビューもあり。

 
・「マーメノイド」 PS ’99/8/5 エクシング RPG

 (絵あり)http://www9.wind.ne.jp/venom/hobby/game/meremanoid/

 不覚ながら知りませんでした。設定資料集も出ているそうです。
 うーむ無念。



・というわけで長々と紹介しましたが、いかがだったでしょうか。


・まとめると 
 山田章博ファンは「山田章博の世界 ラーゼフォンアートワークス」ISBN:4797323167
              「ミスティックアークアートワークス」ISBN:4797309407
 の2冊。
 高いお値段と、ゲーム アニメというジャンルだからと敬遠せずに
 買ってみてください。
 値段以上に価値があるのは確実。


・ゲーマーは「フロントミッション4」。
 これをプレイ。
 



山田章博関係ないですね。ではDCの「ロードス島戦記 邪神降臨」を。



・む、これも関係ないですか。
 しかたない、「ロードス島戦記 ファリスの聖女」を。



・結論、とりあえず山田ファンは当然ながら、
 ロードスに興味のない方も「ロードス島戦記 ファリスの聖女」を読もう。
 話はそれからだ。
 恵まれてませんね山田先生。



・蛇足のだそく 
 「ファリスの聖女」ですが

 ・’94に角川ドラゴンコミックス版 1巻 ISBN:4049260387
 ・’01にニュータイプ100%コミックス版 1巻 ISBN:4048534181
                       2巻 ISBN:404853419X 同時刊行

 という形式なのですが、’01年版の1巻は書き足しがあるので
 そちらを買えばいいのか、というとさにあらず。
 
・ドラゴンコミックス版にあった冒頭のカラーの10Pほどの「伝説」という部分、
 さらに巻末の山田氏の後書きが収録されていないのです。
 旧版の愛読者へのナイス処置ですね。


・やってくれますね角川書店。なんとかしてください山田先生。