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子どもと法・21の管理人メモ RSSフィード

2018-05-27

[](本音のコラム)山口二郎さん 傲慢の時代 - 東京新聞(2018年5月27日)

....高プロは、一定年収以上の専門職について、定額俸給でいくらでも働かせることを可能にする制度である。適用範囲が低い所得層に拡大されることは、過去の派遣労働の拡大に照らしても、確実である。現代の資本主義は、マスクスの時代のように、人を無制限に使役する野蛮に逆戻りしているようだ。....

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[] 公立校教諭が過労死 災害基金支部 長時間労働と認定 - 北日本新聞(2018年5月27日)

http://webun.jp/item/7465138

http://archive.today/2018.05.27-005338/http://webun.jp/item/7465138

地方公務員災害補償基金支部支部長・石井隆一知事)は26日までに、県内の公立学校に勤務していた中堅の教諭が数年前に病死したのは、長時間労働による「過労死」だったと認定した。県教育委員会などへの取材で分かった。補償を求める遺族の申請に対し、4月9日付で決定した。県支部によると、同基金が設置された1967年12月以降、県内では教職員の過労による病死での認定は記録にない。

地方公務員災害補償基金は、地方公務員労災に当たる「公務災害」の申請を受理・審査する機関で、全都道府県支部がある。

県教委によると、教諭の遺族が昨年までに、県教委などを通じて県支部申請した。県支部申請を受理し、調査を進めていた。

地方公務員災害補償基金は脳・心臓疾患の「過労死ライン」となる時間外労働の目安として▽発症直前1カ月間で100時間▽同1カ月を超える長期間で1カ月当たり80時間−などを挙げる。県支部によると、教諭がこのような基準を超えて働かなければならない状況だったと判断した。

県教委によると、亡くなった教諭は授業だけでなく課外活動などにも熱心に打ち込み、土日の勤務も多かったという。坂林根則教職員課長は「大変残念で、二度と起きてはいけないこと」とした上で、「教職員働き方改革の旗振り役として取り組みを進めていきたい」と述べた。

支部によると、1967年以降、教職員の死亡事例で公務災害が認められたのは県内で8件。このうち7件は交通事故や感電などが要因で、病気によるものはなかった。残り1件は84年の事例で、死亡の原因は記録に残っていないという。

教諭の当時の上司は北日本新聞に「亡くなった教諭が特定されるため、取材には答えられない」と話した。

■3割 過労死ライン超 県教委県立高調査

教育委員会による県立高校の実態調査によると、「過労死ライン」とされる月80時間超の時間外勤務をした教職員は約3割に上る。2017年9、10月の2カ月平均の結果で、月の時間外勤務が最も長いケースは218・8時間に上った。

調査は県立学校56校が対象。うち高校43校では、教員約1400人(校長、教頭を除く)の回答をまとめた。時間外勤務が月80時間を超えた教員の割合は9月が37・8%、10月が21・1%。9月は体育大会や文化祭など行事が集中し、部活動も活発に行われる時期であることが理由とみられる。

長時間労働の解消につなげようと、県教委は17年12月、中学や高校の部活について県立高校と各市町村教委、特別支援学校に通知を出した。原則土日1日を含む週2日以上、休みを設けるよう求めている。

[] 働き方法案強行採決 高プロは削除すべきだ - 琉球新報(2018年5月27日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-726834.html

http://archive.today/2018.05.27-005246/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-726834.html

安倍政権が最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案与党などが衆院厚生労働委員会強行採決し、可決した。

法案には高収入の一部専門職労働時間規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度高プロ)が含まれている。過労死が増大する働き方の改悪法案ではないか。

高プロは年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発職といった一部専門職労働時間規制の対象から外す制度だ。政府は「時間ではなく成果で評価される働き方」と説明する。柔軟な働き方で生産性を高めようとする経済界の思惑が背景にある。事実上の残業代ゼロの制度だ。

安倍晋三首相は1月の施政方針演説で、働き方改革関連法案の意義について「わが国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破る」と述べた。しかし高プロ首相の主張に逆行する。高収入専門職労働時間規制や残業代の対象から外し、働く人の命を奪いかねない危うい制度ではないか。

現行の労働基準法高プロと同様に労働時間規制の適用除外とされている管理監督者にも過労死が起きている。さらに、あらかじめ決めた時間を働いたと見なす裁量労働制適用を受けていた電機メーカーのエンジニアの男性も過労死している。労働時間規制や残業代の対象から除外すれば、結局は企業の都合で長時間労働を強いられてしまうのは目に見えている。

裁量制では企業は残業代を支払う義務がないため、労働時間管理が甘くなりがちだ。過労死したエンジニアの男性の会社も働いた時間を把握していなかった。

このため遺族は労災申請に必要な勤務実態を把握するため、自ら調査している。遺族が勤務実態を把握できなければ企業責任を問えない。極めていびつな状況だ。

関連法案高プロのほかに残業代の上限規制、同一労働同一賃金の導入が3本柱だ。当初はこれ以外に、裁量労働制適用業種拡大も盛り込まれていたが、厚生労働省労働時間調査に異常値が見つかった影響で削除された。

さらに、この調査のデータで新たに6カ所のミスが発覚した。再調査で6事業所を二重集計するミスがあったとの報告が採決当日の朝にあった。あまりにずさんだ。

共同通信世論調査では、今国会での成立は「必要ない」とする意見が68・4%を占めた。国民の理解は得られていない。厚労委の法案審議は不祥事などに集中し、残業時間の上限規制や非正規労働者の処遇改善などの重要論点議論は十分ではなかった。

にもかかわらず、政府は29日の本会議衆院を通過させ、参院に送付する考えだ。あまりに拙速だ。

高プロ労働基準法の根幹となる法定労働時間制を壊す制度だ。働き方を向上させてきた歴史にも逆行する。高プロは関連法案から削除すべきだ。

[] 教室冷房「28度以下」に…「30度」から変更 - 読売新聞(2018年5月27日)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20180527-OYT1T50005.html

http://archive.today/2018.05.27-005729/http://www.yomiuri.co.jp/national/20180527-OYT1T50005.html

今夏から教室が少し涼しくなる――!?

文部科学省は小中高校や大学にある教室の望ましい環境を定めた「学校環境衛生基準」を一部改正し、全国の教育委員会などに通知した。これまで「10度以上30度以下」だった望ましい室温は、エアコン慣れした児童生徒らの増加に伴い、「17度以上28度以下」に変更された。

通知は4月2日付で、室温の見直しは1964年の基準策定以来初めて。

教室の室温を巡っては、「暑さ、寒さに耐えることを学ぶのも教育」との意見がある一方、「勉強に集中できない」「基準を理由に30度を超えないとエアコンを使わない学校がある」などの声も出ていた。

[] 公文書管理 病の根を絶つためには - 朝日新聞(2018年5月27日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13513099.html

http://archive.today/2018.05.27-010049/https://www.asahi.com/articles/DA3S13513099.html

森友・加計問題やPKO日報の隠蔽(いんぺい)をうけて、公文書管理制度の見直しに各党が乗りだしている。だが事態の深刻さや広がりを考えると、議論されている案は小手先の対応にとどまる。

安倍政権では、中枢に近づくほど、「意思決定や報告の記録はない」という抗弁がまかり通り、その中枢に都合の悪い文書が出てくると、残していた官僚や部署が激しく批判された。

このゆがみに目をつぶったまま、制度を表向き整えてみても、適正な文書管理は期待できない。求められるのは、問題の本質を探り、病巣を根本からただす取り組みである。

まず、公務で作成・取得したものは、全て公文書として扱うことを検討すべきではないか。

今は公文書管理法で「職員組織的に用いるものとして、行政機関保有している」という条件がつく。このため、公文書個人メモかといった不毛な議論が起き、「保管していない」「廃棄した」などの言い訳を許す一因になっている。

自民公明のワーキングチームが先月まとめた中間報告は、この抜け道をふさごうという意識が薄い。書き残す内容を組織で確認するよう強調してもおり、公文書の範囲を狭くしかねない。また、「経緯も含めた意思決定に至る過程を残す」という法の趣旨をねじ曲げ、「意思決定根拠でないことは文書に書くな」とも注文する。向いている方角が逆だ。

法律の施行から7年が経ってなお、適切な文書管理ができない。その原因を掘りさげることが、改革の出発点だ。

官僚の意識に問題があるというなら、研修を強化し、違反者に厳しい制裁を科すことも議論すべきだ。人材不足ゆえであれば、文書管理に通じた職員を養成し、適切に配置する必要がある。米国などに比べ、この層が著しく見劣りすることはかねて指摘されている。紙を主体とする保存管理システムの欠陥が原因ならば、電子化の時代にふさわしいものに改める。

首相は行政文書管理の最高責任者で、各省庁に資料の提出を求めたり、実地調査をさせたりする権限をもつ。保管の実態、職員の認識、課題などを報告するよう求め、公文書管理委員会見直しのあり方を諮問してはどうか。文書改ざんや廃棄などを「誠に遺憾」と心底思っているのなら、目に見える行動で示さなければならない。

政権交代が見通せず緊張感を欠く政治が、官僚をまひさせている面も否めない。野党もまた、責任を自覚すべきだ。

[](イラク日報調査)文民統制を厳格にせよ - 沖縄タイムズ(2018年5月27日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258034

https://megalodon.jp/2018-0527-0957-21/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258034

とても納得できる内容とはいえない。

陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に関する防衛省の調査結果である。

発端は、昨年2月の国会稲田朋美防衛相野党議員に「見つけることができなかった」と存在を否定する答弁をしたことだ。だがイラク日報は陸自研究本部(現教育訓練研究本部)教練課で翌3月には見つかっている。陸上幕僚監部には今年1月に報告されたが、小野寺五典防衛相に上がったのは3月である。

発見から1年以上も防衛相らに報告されていない。防衛省自衛隊隠蔽体質、政治が軍事に優越するシビリアンコントロール文民統制)が機能しているのか疑わざるを得ない事態である。

昨年3月といえば南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報隠蔽が問題になっていた時期である。イラク日報問題が新たに飛び出すのを避けたのではないか、との疑念が拭えない。

稲田氏が国会答弁した2日後、統合幕僚監部の総括官に「本当にないのか」と発言。調査結果はこれを再捜索の「指示」と認定しているが、疑問である。

稲田氏の発言はあいまいさが指摘され、本人の認識を確かめるため聞き取りをしなければならないのに、防衛省はこれを怠っている。

調査はこの発言が「指示」だったとの前提で始めている。当初から稲田氏の政治責任は問わず、必然的に責任は部下にあるとの構図が出来上がったのではないか。

■    ■

統幕総括官が「指示」と受け止めたことを理由に、担当者が陸幕などにメールで「指示」を伝え、再度日報を捜索するよう求めた。だが、メールの本文中に「大臣指示」「命令」などの記載がなかったため、陸幕は再捜索の「指示」と認識しなかったという。やはりあいまいなのである。

陸自研究本部教練課でイラク日報が見つかったが、課長は報告の必要がないと判断。イラク日報に関する情報公開請求を受けた担当者も課長に確認もせずに存在しないと回答したという。極めて不自然というほかない。

現場の認識不足や担当者同士の意思疎通が十分でないことが原因で、組織的隠蔽はなかったと調査結果は結論付けているが、にわかには信じがたい。聞き取りは「現場のミス」で一致しており、防衛省幹部が「口裏合わせ」との見方を示しているくらいだ。

■    ■

日報には「戦闘が拡大」などとの記述があり、「非戦闘地域」に限定した派遣との矛盾もある。自衛隊の活動実態が国民に知らされなければ戦時中の大本営発表と同じだ。

今年4月には幹部自衛官野党議員に「国益を損なう」などと暴言を浴びせた。野党議員は「おまえは国民の敵だ」とののしられたとも証言している。改正防衛省設置法で制服組と背広組が同等になり、自衛隊のおごりが生まれているのではないか。

イラク日報問題を省内の調査チームで手掛けたことにそもそも限界がある。調査は尽くされておらず、国会でたださなければならない。

[](大弦小弦)那覇市のタイムスビルで開催中の写真展「カラーで・・・ - 沖縄タイムズ(2018年5月27日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258033

https://megalodon.jp/2018-0527-0959-02/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258033

那覇市のタイムスビルで開催中の写真展「カラーでもっとあんやたん」で1967年に撮影された1枚が目に付いた。自転車の荷台に置かれた紙芝居を子どもたちがじっと見つめている

▼30年代に誕生した日本独特の文化で今では世界47の国と地域へ広まった紙芝居。そんな紙芝居も戦争遂行の道具になった時代があった

▼「国策紙芝居からみる日本の戦争」(安田常雄編著、勉誠出版)には、約千種類あるという国策紙芝居のうち、神奈川大学非文字資料研究センターの240点が収録された。人気漫画のキャラクターが登場する「フクチャントチョキン」では、軍艦や弾丸をつくるのにお金が必要だからオモチャを我慢して貯金し、国債を買おうという筋立て

▼あからさまに戦争協力を訴える話ばかりではない。家族愛や友情主題にした美談仕立てで感動を誘い、節約や戦地の兵士を思う作品もあって、国が理想とする「少国民」の宣伝に一役買った

子どもの感性に訴えるものとして、4月に始まった小学校の道徳を連想するのは考えすぎか。憲法学者の木村草太さんは、道徳には学問体系がなく、政治家や社会の雰囲気で指導内容が決まる恐れがあると指摘する

▼柔らかな心を狙って、国民よりも国家が優先される思想が押し付けられる。そんな時代の再来があってはならない。(玉城淳)

2018-05-26

[][] ユダヤ人収容所子どもが描いた絵 熊谷で27年ぶり展示;埼玉 - 東京新聞(2018年5月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201805/CK2018052602000161.html

https://megalodon.jp/2018-0526-1031-55/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201805/CK2018052602000161.html

10歳の女の子が楽しかった遊園地の思い出を描いた絵=野村路子さん提供

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第二次世界大戦中、ナチス・ドイツユダヤ人強制収容所に残された子どもたちの絵を集めた「テレジン収容所の幼い画家たち展」が六月七日から、熊谷市八木橋百貨店八階カトレアホールで開かれる。同展は川越市在住のノンフィクション作家・野村路子さん(81)が一九九一〜九二年、八木橋百貨店を皮切りに全国二十三カ所で巡回展を開催し、大きな反響を呼んだ。二十七年ぶりに出発の地での開催となる。野村さんは「当時、絵を見た子どもたちが親になって来てくれたら」と話している。 (中里宏)

展示する絵は、チェコ北部のテレジン収容所収容された子どもたちが、親と引き離され、飢えに苦しむ中で描いた。遊園地など楽しい思い出を描いたものや花の間を自由に飛び回るチョウに思いを託した絵がある一方、飢えの中で食べ物を描いたり、ナチスに処刑されたユダヤ人を描いたりした絵もある。

生存者の取材を続け、多くの本を出版している野村さんによると、テレジン収容された十四万人以上のユダヤ人のうち、子どもは約一万五千人。餓死や処刑者の出る極限状況の中で、大人たちは監視の目を盗んで、捨てられた包装紙や書類などを集め、子どもたちに希望を持たせようと絵を描かせた。

教えたのは女性画家のフリードル・ディッカー。「あなたたちには名前がある。ドイツ兵が番号で呼ぼうと、お父さんとお母さんが愛情込めた名前を書きましょう」「あしたはきっといい日になるわ」と子どもたちを励まし続けたという。

多くのユダヤ人はここからアウシュビッツなどの絶滅収容所に移送され、生き残った子どもは百人。フリードル先生も犠牲になった。ドイツ敗戦後、テレジン収容所跡から、四千枚もの名前の書かれた絵が見つかった。

野村さんは一九八九年、旅行で訪れたプラハシナゴーグユダヤ教の会堂)で偶然、子どもたちの絵に出会った。「この絵を中高生の自殺が問題化している日本で見せたい」と国立ユダヤ博物館にかけ合い、絵の写真を持ち帰った。

九一年四月、八木橋百貨店で開いた展覧会の初日、受け付けに追われる野村さんに四、五歳の男の子が歩み寄り「ぼくのおやつあげる」と何度も言ってきた。男の子が見たのは豚にフォークが刺さった絵。「描いた子はおなかがすいていたのねと言ったんです」とそばにいた母親は泣き出したという。「絵の持つ意味は今も、ちっとも古くなっていない」と野村さんは言う。

展示は絵の写真パネルと写真資料など約百六十点。十二日まで。九日と十日の午後には、テレジン子どもたちが残した詩の朗読やミニコンサートなどが開かれる。入場無料。

[] 米朝会談中止 対話の努力を続けよ - 東京新聞(2018年5月26日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052602000172.html

https://megalodon.jp/2018-0526-1034-58/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052602000172.html

驚きと失望が広がっている。トランプ米大統領が、北朝鮮との首脳会談の中止を発表したためだ。それでも両国の長い対立関係を解消するには首脳会談しかない。対話の機運を維持すべきだ。

米国側は、中止の理由を「一連の約束違反」と説明した。

北朝鮮側の行動には問題があった。いったん認めた米韓合同軍事演習に反発、米政権幹部を批判する高官談話も発表した。事前協議にも応じなかったという。

この間、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は二回目の訪中を行い、貿易問題を巡り、米国対立する中国の支援を取り付けていた。刺激の度が過ぎたようだ。

しかし、そもそもこの会談は、韓国仲介を受けてトランプ氏が即断で応じたものだ。

会談実現に向け北朝鮮側は、米国人三人の解放に応じた。北東部にある核実験場を爆破し、非核化に応じるような姿勢を見せた。

二十二日にトランプ氏は、訪米した韓国文在寅(ムンジェイン)大統領と、米朝会談を前提にした調整を行ったばかりだった。

まだ首脳会談まで二週間以上ある段階で、突如中止を宣言し、必要なら軍事的対応を辞さない姿勢まで示すのは、大国の指導者としてふさわしい行動だろうか。トランプ氏一流の駆け引きだとしてもだ。

中止は残念だが、決裂ではない。希望はもちろん残っている。

たとえば金桂冠(キムゲグァン)・第一外務次官が発表した談話の中で、首脳会談の必要性を訴え、米国に対して再考を求めたことだ。北朝鮮にしては実にソフトな対応だった。

また、以前、トランプ氏の発言に直接強く反発した金委員長は、今回批判を控えている。

北朝鮮との関係改善を進める韓国も、康京和(カンギョンファ)外相米国対話継続に向けた意思を確認するなど動いており、期待したい。

はっきりしてきたのは、米朝両国の食い違いだ。

非核化を実現するまでの時間、方法について「一括、もしくは短期間」を求める米国と、「段階的」を主張する北朝鮮の間で、鋭く対立が残っている。

これについてもトランプ氏自身が最近、段階的な非核化を容認するような発言をしており、調整は可能だ。もちろん北朝鮮も歩み寄らねばならないだろう。

何よりも重要なことは、完全な非核化の実現であり、緊張を高めないことだ。冷静な対話を、一日も早く再開してほしい。

[] 米朝首脳会談の中止発表 回り道でも仕切り直しを - 毎日新聞(2018年5月26日)

https://mainichi.jp/articles/20180526/ddm/005/070/023000c

http://archive.today/2018.05.25-224334/http://mainichi.jp/articles/20180526/ddm/005/070/023000c

決裂したと言うより意義深い会談への仕切り直しと考えたい。東アジアの現在と将来を思えば、武力衝突含みの険しい対立関係に逆戻りするのは得策ではあるまい。

来月12日に予定されていた北朝鮮との首脳会談について米国が中止を発表した。トランプ大統領金正恩朝鮮労働党委員長への書簡で、北朝鮮側の最近の対米批判などを挙げ、首脳会談を行う環境としては「不適切」だと表明した。

トランプ氏は、金委員長の気が変わったら連絡してほしいと述べる一方、米国の巨大な核戦力を使わないで済むよう望むとして、核による北朝鮮攻撃も辞さない構えを見せた。

折衝の成果を生かせ

これに対し北朝鮮側は会談中止を遺憾としながら、前例のない首脳会談を受諾したこと自体はトランプ氏の「勇断」だと評価した。数日前、ペンス副大統領の発言に怒って核戦争にも言及した同国としては極めて異例で、ソフトな対応だ。

北朝鮮の対応を好感したのかトランプ氏は記者団に、予定通りの開催の可能性はまだあると語った。双方とも対話を拒んでいないのに史上初の首脳会談計画を捨てるのは惜しい。折衝の成果を踏まえ、首脳会談の開催を改めて模索すべきだろう。

首脳会談には議題・論点の十分な整理が不可欠である。北朝鮮のように核開発が進んだ国の非核化は人類初の試みと言っても過言ではないし、非核化の行方は朝鮮半島の南北融和や朝鮮戦争終結にも大きな影響を与える。

見切り発車で「会談のための会談」にするより、多少回り道でも有意義な首脳会談にすべきである。

議題や論点の詳細は明らかになっていないが、北朝鮮非核化の具体的な手順や方法と同国の体制維持が争点になっているのは確かだろう。

米国は核について「完全かつ検証可能で不可逆的な解体」(CVID)を鉄則として、一気に、または極めて短期間での非核化を目指す。

北朝鮮は段階的な非核化に重点を置き、段階ごとに制裁解除や経済援助などの見返りを求める構えだ。

2003年に核放棄を宣言したリビアは、作業完了後に見返りが与えられた。ボルトン大統領佐官らはこの「リビア方式」を主張してきたが、リビア最高指導者カダフィ大佐は11年の内戦で、米英などが支援する反政府派に殺されている。

体制維持が最優先の北朝鮮が「リビア方式」に反発するのはこのためだが、トランプ氏は同方式とは一線を画し、段階的な核廃棄にも一定の理解を示すなど、北朝鮮に柔軟なシグナルを送ってきた。

それでも核廃棄をめぐる意見の相違は埋めがたかったのだろう。秋の中間選挙に向けて成果がほしいトランプ氏が会談中止を発表したのは米・北朝鮮の深刻な対立を物語る。

非核化の意思を明確に

他方、北朝鮮も3人の米国人を解放し、核実験場の閉鎖を公開するなど柔軟姿勢を見せた。実験場閉鎖に核専門家らを招かなかったのは核実験の実態をごまかすためだとの批判もあるが、北朝鮮国際社会の緊張緩和は前向きにとらえるべきだ。

4月の南北首脳会談北朝鮮中国の関係改善も新時代への期待を膨らませた。問題は、国連経済制裁米国の軍事的圧力の下で孤立していた北朝鮮が米中韓との緊張緩和によって孤立を脱し非核化の意思を鈍らせなかったかどうか、である。

特に中国との関係改善で北朝鮮の対米姿勢が微妙に変わったと、トランプ政権は見ている。ここは中韓も考えどころだ。非核化を前提にした北朝鮮との融和なのに、関係改善をいいことに北朝鮮が非核化を曖昧にする恐れもあるからだ。

日本政府はトランプ氏の決断に理解を示し、北朝鮮の政策を変えさせるために圧力をかけ続けると表明した。北朝鮮の脅威を直接的に受ける日本にとって、同国の核・ミサイルの除去は最優先の課題であり、米国と連携して北朝鮮の非核化の意思を慎重に見定める必要がある。

逆に言えば、北朝鮮は核放棄の意思をもっと具体的に示してほしい。十数発持つとされる核爆弾を自ら廃棄するのも一つの方法だろう。首脳会談中止への「報復」として強硬姿勢に転じ、核・ミサイル開発を再び活発化させるようでは論外だ。

核と決別し中韓や日米の支援のもとで経済発展に努める。そんな姿勢を明確にすれば、おのずと米朝首脳会談への道も開けよう。

[]<金口木舌>権力者を支える自発的隷従 - 琉球新報(2018年5月26日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-726264.html

http://archive.today/2018.05.26-013534/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-726264.html

アメリカンフットボールの反則問題で当事者が会見した。関西学院大クオーターバック(QB)を負傷させた日大の選手が内田正人前監督とコーチの指示があったと明言した

▼「相手のQBを1プレー目でつぶせば(試合に)出してやる」との指示に従い、卑劣な行為に走ってしまった。事実なら、監督は試合に出たいと切望する選手を利用したことになる

▼出場選手を決める権限のある内田氏は、反則行為の指示を否定したが「試合で行っていることは私の責任だ」と監督を辞した。一方、不正の責任を認めながら、権力の座に居座る人もいる

安倍晋三首相森友学園に関する決裁文書の書き換えについて「最終的な責任は私にある」と陳謝した。財務省理財局長だった佐川宣寿氏は証人喚問で訴追の恐れがあることを理由に証言を拒否したため、真相解明には至っていない

フランスの人文主義者、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシは著書「自発的隷従論」で「圧制者が人々を害することができるのは、皆がそれを好んで耐え忍んでいるからだ」と指摘した。権力者の意図を酌み、隷従することが彼らを助長させる

▼日大の選手は「事実を明らかにすることが償いの第一歩」と述べた。権力にとって都合の悪い事実をつまびらかにするのは勇気のいることだ。

民主国家の奉仕者である官僚に、学生の勇気はどう映っただろうか。

[] 日大、スキャンダルまみれの田中理事長=内田独裁経営…暴力団交際疑惑、リベート問題 - Business Journal(2018年5月25日)

http://biz-journal.jp/2018/05/post_23468.html

日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督と井上奨コーチが23日、記者会見を行った。関西学院大学QB選手にタックルで負傷させる指示はしていないと話した。前日に会見した宮川泰介選手は、監督とコーチからの指示に従い思い悩んだ末に反則行為に及んだと告白したが、2人はこれを否定した格好だ。

23日の会見では、司会を務めた広報部職員が会見を強引に打ち切ろうとしたことから記者と言い合いになるなど、広報部の対応のまずさは事件直後から批判されていた。日大を取材してきたジャーナリスト伊藤博敏氏は次のように語る。

内田氏は田中英壽理事長の側近であり、2人は“謝ることができない”のだろう。田中体制業者とのリベート問題、山口組組長や住吉会会長との交際写真流出など、この数年間スキャンダルまみれだったが、右腕として支えてきたのが内田氏だ。また、田中理事長の公私の“私”の部分で支えてきたのが、内田氏の2年後輩で株式会社日本大学事業部を仕切る人物(日大理事)だ。アメフト部が田中理事長を支えているといっても過言ではない。

内田氏が自分の指示だと謝れば、田中理事長に責任が及ぶかもしれないし、田中理事長が『大丈夫だから突っぱねろ』と指示したと聞いている。だから、内田氏は『責任は自分にある』と言いつつも、その責任の内容は言えないし、対応が後手後手に回っている。広報部も上を忖度しているから、ああいう態度になる」

田中理事長は2012年までの約6年間に、日大の工事を受注している建設会社から合計で500万円以上を受け取っていると読売新聞ほかで報じられている。写真流出というのは、山口組6代目の司忍組長とのツーショット写真が14年9月に米メディアで掲載された一件だ。

日本大学事業部は2010年に設立され、保険代理業、人材サービス、キャンパス整備、学生生活支援などを事業として行っているが、不明朗な金の流れがあるとの疑いで、14年8月には東京国税局の係官が査察に入ったこともある。

1960年代からずっと続く日大内部の闘争紛争のなかで、ウラ金をつくったり、懐柔したりという工作が行われてきた。田中氏は、そういう風土のなかで勝ち上がり、理事長にまで上り詰めた。その後、4期12年の長期政権を敷き、自分と似た人間をナンバー2に就けたということだ。もっとも権力を持っているのは保健体育審議会の事務局長だが、そこが体育会スポーツ部すべてを所管している。事務局長が予算と人事権を握っている。それは学部長とは比べものにはならない権力だ。そこと人事部を与えられているわけだから、まさに内田氏がナンバー2だといえる」

大学スポーツも人格形成など教育の一環だ

教育ジャーナリストの木村誠氏は、教育機関としての日大のあり方に疑問を感じるという。

「大学のスポーツといえども、人格形成を行うなど教育の一環だ。大学教育の本来あるべき姿という視点からも、アメフト部の運営方針は正しいのかどうか問いただす必要がある。学生の自主性を尊重するようでなければ、本当の教育にはならないのではないか。試合に勝つことばかり考えていては教育の本分から外れる」

大学の体育会系というのは“日本社会の縮図”みたいな部分もあり、ある種の社会的ニーズに応えてきた。

そもそも日本社会や企業においても、上の言うことは絶対という風潮が色濃く残っていた。官僚の世界だってそうだ。日大だけではなく他の大学の体育会系スポーツ部にも、まだまだそういう部分がある」

なお、木村氏は次のように宮川選手の今後を案じる。

「彼は大学側の反対を押し切って記者会見を開いただけに、学部にはいづらくなるのではないか。彼への処遇が注目される」

日大の教職員組合理事長や学長に人事一新などを求める声明文を発表したが、木村氏はこれを「一歩前進」と評価した。そして、日大アメフト部の現役選手たちが、近日中に声明を出す予定であるという。文部科学省も日大への補助金のあり方を検討すべきではないのか。

(文=横山渉/ジャーナリスト

[] なぜ日大は凋落したのか…体育会系が経営牛耳り、田中理事長は山口組交際疑惑 - Business Journal(2018年5月25日)

http://biz-journal.jp/2018/05/post_23470.html

23日、日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督と井上奨コーチが緊急記者会見を開き、内田氏は日大常務理事の職を一時停止し、井上氏はコーチを辞任することを発表した。会見では司会を務めた日大企画広報部の米倉久邦氏が、記者の質問中にも「もういいでしょう」「早く次に回してください」と口にするなど、その傲慢な態度も注目を集めた。記者が、「このままだと日大のブランドは落ちますよ」と米倉氏に投げかけると、憤然として「落ちません」と司会者が回答するなど異例な会見となった。しかし、「日大ブランドはすでに落ちている」と指摘するのが、大学業界を取材するジャーナリストの島野清志氏だ。島野氏に日大の内実を聞いた。

――日大の特徴は?

島野清志氏(以下、島野)文理学部芸術学部医学部など幅広く学部を揃え、日本最大規模の総合大学です。附属高校・中学校もあり安定性は高く、補助金に対する依存度は7.5%と低く、経営は自立しています。ちなみに、早稲田大学慶應義塾大学補助金依存度は10%程度です。そのため、日大の運営の独立性は高く、23日の記者会見で広報部の態度が悪かったのも自負心によるものでしょう。“大学冬の時代”にあっても「日大は安全圏にいる」という意識が見え隠れしています。

――日大の経営は体育会系が牛耳っているとの報道もあります。

島野 もともと内部では体育会系が強く、現在の田中英壽理事長は相撲部出身、内田氏はアメフト部出身です。日大芸術学部は応援団が支配してきましたが、学生運動後に反動で保守派が盛り返してきた影響によるものです。かつての国士舘大学拓殖大学のような保守的な大学の系統に属しているというイメージです。

――保守的な大学だからこそ、内田氏が台頭する素地があったと?

島野 そう思います。しかし、最近の日大は系列高校も含めてスポーツがパッとしません。野球の東都リーグで日大は強いイメージがありますが、今は2部リーグですからね。高校野球でも日大一高、日大二高、日大三高日大豊山は、以前ほどの強豪校ではなくなりました。日大相撲部も名門ですが、かつてほどの勢いは見られません。箱根駅伝でも昔は常連でしたが、今年は本選出場を逃し、“古豪”といわれています。

大企業病に侵されて停滞

――スポーツ系が弱くなるなかで、学問系はいかがですか。

島野 同じく弱くなっています。日大は法科が売り物ですが、日大法科大学院司法試験合格率が低い。中央大明治大、法政大、日大の法科大学院は生き残れるといわれていましたが、それも怪しくなってきています。そもそも日大の法科には120年の歴史があり、「司法の日大」といわれて司法試験には強かったのですが、それも厳しくなりました。公認会計士試験でも、合格者数は専修大学に抜かれています。日大の良さは資格取得に強いだけではなく、公務員試験にも強い実績を持っており、支援システムもしっかりしていましたが、実績を見ると下落しています。

――日大がスポーツでも学問でも衰退した理由はなんでしょう。

島野 日大より格上の大学がAO試験やスポーツ枠を拡大し、優秀な生徒を囲い込む動きが強まったからでしょう。大学は高校生の青田刈りをやっていて、早稲田大も2003年にスポーツ科学部を新設し、スポーツ選手の受け皿をつくりました。今はスポーツを売りにすると宣伝になると気がついたのでしょう。

それに対して、日大は何もしていないのです。たとえば東海大学は、学生が集まらない学部学科はリストラしますし、上位大学は新設する学部学科が増えています。上智大学看護系の大学を買収して看護学科を新設しました。日大についてそうした動きは聞こえてこず、大企業病に侵されて停滞しているというのが大学業界での評価です。

――会見で記者が「日大ブランドが落ちますよ」と指摘し、広報担当者が反論する場面がありました。

島野 いや、もう落ちているんですよ。日大が学生の囲い込みを行なっているとも聞きませんし、斜陽のイメージがあり、魅力がなくなっていますね。学生はそのあたりよく見ています。建設業界の役員には日大理工学部出身が多いのですが、ITなどの新興系業種の社長や役員のデータを調査してみると、日大出身者は少ない。少なくても学問については、ブランド力が確実に落ちています。

――内田常務理事は一時停職すると発表しましたが、復帰する可能性は?

島野 大いにありますね。私は復帰するとみています。本人はまだやる気ですね。日大の体育会系は団結が強いですから、田中理事長も内田氏を守るでしょう。

日大幹部の驕り

――14年、複数の海外メディアによって、田中理事長と山口組組長の交際がツーショット写真と共に報じられました。

島野 大学と暴力団は対極にある世界であり、ほかの大学ではあり得ません。

――田中理事体制特性上、日大内部から声をあげることが難しいようです。

島野 「経営が危ないなど、あり得ない」「いざとなれば学生を付属校から集めればいい」という安心感が蔓延しており、異論が出ない体制になっています。そもそも暴力団交際していると報じられる田中理事長に、内部では誰も逆らえません。日大にも良識的な先生もいますが、何も言えない環境になっています。それに職員の待遇は悪くないですから、あえて火中の栗を拾いたくないのでしょう。

――これから日大はどうなりますか。

島野 人気のある芸術系、医学系、理工学部系の受験者が多いですから、難易度が下がるという程度の影響が出るかもしれません。日大幹部には「うちは多少のことがあっても大丈夫」という驕りがある。存続をかけて国士舘大学拓殖大学もクリーンなイメージにチェンジし、留学生も多数受け入れていますが、日大は昭和で時代が止まっています。巨大組織ゆえに、今後さらに問題点が噴出し、ブランドが毀損していく恐れがあります。

(構成=長井雄一朗/ライター)

2018-05-25

[] 文書廃棄、捜査次第で麻生氏の進退問題に 公明井上氏 - 朝日新聞(2018年5月25日)

https://www.asahi.com/articles/ASL5T3Q60L5TUTFK006.html

http://archive.today/2018.05.25-051750/https://www.asahi.com/articles/ASL5T3Q60L5TUTFK006.html

麻生太郎財務相について、公明党井上義久幹事長は25日の記者会見で「(財務省職員の処分が決まる中で、政治家としてどういうふうに責任を取るかということが一つの課題になってくる」と述べた。財務省の調査結果や大阪地検の捜査結果しだいでは麻生氏の進退にも関わる、との見方を示した。

[](政界地獄耳)防衛省と日大アメフト部の体質は同根 - 日刊スポーツ(2018年5月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805250000236.html

http://archive.today/2018.05.25-010654/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805250000236.html

防衛省は、国会答弁などで「不存在」としていた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題に関する調査結果を23日に発表し、組織的隠蔽(いんぺい)を否定した。防衛省は当時の防衛相稲田朋美の指示がメールで伝えられるなど、命令が徹底されなかったこと、またその確認すら行われていないことなど、大臣軽視や文民統制からの逸脱ともいえる対応が見え隠れしていたことが分かる。つまり稲田をなめていたのだろう。

★稲田は就任当時、ハイヒールで甲板を歩くなど、本人の防衛相としての意識も低く、命を賭して任務に就く自衛官らの士気の低下が指摘されていた。しかし女性だからか、それとも、気に入らない大臣という軽視した対応の空気があったのだろうか。それでも調査は稲田には及ばず、処分もされていない。また現職の防衛相小野寺五典にも、処分はない。それどころか現場の処分は大甘で、シビリアンコントロールが問われている問題をあたかも連絡ミスかのように処理した。

防衛相は「シビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題をはらんでいる」と強調し「首相安倍晋三から指示が末端の部隊まで行き渡る組織をつくるため、再発防止に全力を挙げてほしい」と指示を受けたと会見で説明。統合幕僚長・河合克俊に訓戒、防衛事務次官・豊田硬、官房長・高橋憲一、陸幕長・山崎幸二は口頭注意となった。これでは先の野党議員に「国民の敵」と言って訓戒処分になった3佐同様、身内に甘い日大のアメフト部の指導幹部らと同根だ。

★日大の対応の悪さなどに、多くの国民は憤りを感じているし、批判も多い。しかし企業や警察、防衛省などは、絶対命令や理不尽な命令にも、忠実なものをかわいがる傾向がある。就職でも、体育会の学生は好調と聞く。これは日本社会の体質になりつつあるのではないか。不安が募る。(K)※敬称略

[]<金口木舌>学校は戦地より「危険」? - 琉球新報(2018年5月25日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html

http://archive.today/2018.05.25-003105/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html

また起きてしまった。米テキサス州の高校での銃乱射事件。生徒ら10人が亡くなり1週間がたつ

容疑者は17歳の男子生徒。銃は父親の物だった。テキサス米国でも銃規制の緩い州の一つ。銃所持の権利拡大を提唱する州副知事は「銃の問題ではない」と主張し、暴力的なゲームや妊娠中絶による命の軽視、家庭環境が問題だと続けた

米紙ワシントンポストは今年、戦闘地域で死亡した米軍人は13人、学校での銃乱射事件で死亡した生徒らは27人と伝えた。今、学校は戦地より「危険」なのか。米国内は銃乱射に備えた避難訓練を行う学校も多い

新年度普天間第二小で既に146回の避難が行われた。米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童避難する。元気な声が響き渡るはずの場所でごう音が響く

▼同校の避難を伝える記事に、ネット上で「辺野古に移せばいい」「基地の近くに学校を造る方がおかしい」という声が飛び交う。「飛ばないで」という一言がなぜ出ないのだろう

▼銃規制強化を求め、米国の高校生が立ち上がった活動は「March For Our Lives(命のための行進)」。「大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』と聞こえる」というフロリダの高校生、エマ・ゴンザレスさんの言葉をかみしめる。

[](筆洗)フェイクニュース - 東京新聞(2018年5月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052502000130.html

https://megalodon.jp/2018-0525-0930-36/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052502000130.html

鬼になった女が、伊勢からやって来た。鎌倉時代末期に、そんなうわさ話で京の町が大騒動になったと『徒然草』に記されている。

およそ二十日間にわたって人々は

鬼見にとて出(い)でまどふ

という興奮状態だった。上流階級も下層の人も、この話題で持ちきりで、鬼が出たという話が流れると、道も通れないほどの混雑になって、ひどいけんかも起きたと吉田兼好は、つづっている。

一条室町に鬼あり

昨日は西園寺に参りたり

などもっともらしい具体的な情報が飛び交ったとも記されていて興味深い。

偽の情報が真実を装って一気に広がる。今の世ならフェイクニュースか。人々の好奇心や願望、不安などを栄養源にして世の中に浸透する。人々が簡単に

出でまどふ

のは今も昔も変わらない。

違うのは、影響の大きさがけたはずれになったことだ。ロシアが偽情報で米大統領選に介入した疑惑をはじめ、一国の政治に関わるようになった。特に、公用語である英語の世界で深刻だ。欧州法律による規制の動きもあるが、国境を簡単に越える偽情報を封じるのは難しい。人の性(さが)は簡単に変わらないことが、問題と思ったほうがいいだろう。

うわさが収まった京では、あれは、流行病の前兆だったと言う人も現れたとある。だまされたと分かっても、流言になお意味を探す。悲しい心の一面があることも心得ておきたい。

[](余録)「わるいことは罪だからするな… - 毎日新聞(2018年5月25日)

https://mainichi.jp/articles/20180525/ddm/001/070/123000c

http://archive.today/2018.05.24-211134/https://mainichi.jp/articles/20180525/ddm/001/070/123000c

「わるいことは罪だからするな、よいことは無駄だからするな」はイタリアことわざ。「世界ことわざ大事典」で伊文学者須賀敦子(すが・あつこ)さんが「シニックで、いかにもイタリア人らしいことわざ」と評していたこと政治についても「演奏家はかわっても、音楽はいつも同じ」と冷笑的である。だがそこに反汚職環境保護などを掲げ、「政治家たちよ、降参しろ!」と既成政党の政治の打破を訴えて乗り込んだのが新党「五つ星運動」だった。

その後ローマ市長も当選させた同党は、各国で高まるポピュリズム大衆迎合主義)のイタリア版と見られていた。それが反移民を掲げる極右政党と連立を組み、法学者のコンテ氏を首相指名して近く新政権を発足させるという。

この話が世界中に不安まじりで広がったのは、欧州連合(EU)発足時からの基軸国で欧州統合に懐疑的な政権が生まれることになるからだ。金融市場への影響や、ハンガリーなど東欧での反移民の動きへの接近を心配する声もある。

経済ではEUが求める財政規律を拒み、大型減税や低所得者への所得保障を約束する新政権である。さてそれで巨額の財政赤字はどうするのか。「言うとするのあいだには大海原(おおうなばら)」も、この手の約束に慣れたイタリア人のことわざだ。

対露制裁の解除など外交的にも独自色を打ち出している連立両党だが、当面は息をのんで見守るしかない新政権の一挙一動である。こんなことわざもある。「バラなら咲くだろう、イバラなら刺すだろう」

[] 米朝会談中止 対話の扉を閉ざすな - 朝日新聞(2018年5月25日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13509785.html

http://archive.today/2018.05.25-003408/https://www.asahi.com/articles/DA3S13509785.html

これほど短兵急に準備を整えるには、あまりに重すぎる首脳会談だったということだろう。

来月12日に予定されていた米朝の首脳会談を中止すると、トランプ米大統領が決めた。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長あての、その旨の書簡を公表した。

核の完全放棄を迫る米国と、最大限の見返りを求める北朝鮮。その合意をさぐる事前交渉が難航したのは間違いない。

そもそも会談の開催を決めたのはトランプ氏の型破りな即断だった。しかし、長年に及ぶ敵対関係の終結を探る折衝が曲折するのは十分予想できた。

米朝関係のあり方は、北東アジアの今後の安全保障を占う。肝要なのは、長期的に意義ある合意を築くことだ。来月12日の日程にこだわらずとも、この間に重ねた米朝間の交渉の実績は資産として生かせる。

どうすれば朝鮮半島の非核化と冷戦構造に終止符を打てるか。その大局を見すえて今後も粛々と対話を続けるべきだ。

中止の決定に至るまでには、米朝双方が自らの思惑で主導権争いをした跡がうかがえる。

金正恩氏は中国との2度の首脳会談を経て、対米交渉に強気で臨む自信を抱いたらしい。一方的な核放棄を強いるなら、米朝会談再考すると牽制(けんせい)した。

トランプ氏も対抗して、会談の延期や中止の可能性に触れていた。その脳裏では、米国の秋の中間選挙に向けて、米朝会談が自らの手柄になり得るか否かを周到に計算したはずだ。

北朝鮮に譲歩をして中途半端な合意をするより、当面見送った方が得策と考えたのか。あるいは、史上初の会談を実現する野心は保っており、今回の書簡も駆け引きの一環なのか。

いずれにせよ、当面最も重要なのは、昨年のような武力衝突危機を再現させないことだ。今回の中止決定をもって、これまでの対話機運から、対決局面に回帰してはならない。

北朝鮮はきのう、一部の海外メディアを招いて核実験場を廃棄した。たとえ表面的な演出であっても、昨年まで暴挙を重ねた北朝鮮が和平のアピールに変化したのは前向きな進展だ。

北朝鮮の柔軟性のなさは相変わらずだが、トランプ氏の異色の外交はさらに予測が難しい。この流動的な事態に直面している日本、韓国中国ロシアの周辺国の責任も重い。

国連安保理決議による制裁体制は維持しながら、米朝双方に対話継続の働きかけを強める。そうした国際連携により、今後も忍耐づよく朝鮮半島の完全な非核化を追求するほかない。

2018-05-24

[] 森友交渉記録 「安倍晋三小」14年認識 近畿財務局 - 毎日新聞(2018年5月24日)

https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00m/040/191000c

http://archive.today/2018.05.24-002044/https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00m/040/191000c

学校法人森友学園」への国有地売却を巡る問題で、財務省が23日に公表した交渉記録には、財務省近畿財務局大阪府のやりとりを記録した文書も含まれていた。学園が新設を目指した小学校の名誉校長に安倍晋三首相の妻昭恵氏が就任する1年以上前の2014年3月、校名が「安倍晋三記念小学校」だったことを財務局が認識していたことを示す文書もあった。

学園理事長だった籠池泰典被告(65)によると、籠池被告が昭恵氏に学校建設を伝えたのと同時期。翌4月には、大阪府豊中市の小学校建設用地を訪問し、昭恵氏と写真撮影していたくだりは国会に提出した公文書では削除された。当時から財務局安倍首相の名前を意識していた可能性がある。

府とのやりとりの記録は13年9月〜15年12月の計32通。14年3月4日に財務局職員府庁を訪ねた際の記録には、府職員の発言として「安倍晋三記念小学校として本当に進捗(しんちょく)できるのか、取り扱いに苦慮している」とあった。

学園が13年9月に財務局に提出し、昨年11月に開示された設置趣意書の校名は「開成小学校」。昭恵氏が名誉校長に就任したのは15年9月だった。

また、15年1月8日付の記録では、財務局職員が、小学校の設置認可を審査する府私立学校審議会を早期に開催するよう執拗(しつよう)に求めていたことも分かった。府職員が「大阪府のスケジュールまで口出しするのは失礼ではないか」と不快感を示すと、財務局側が「無理を承知でお願いしている」と返答したことも記録されていた。小学校の設置が早期に認可されないと、国有地の売却時期に影響が出かねず、開催を急ぐ様子が記されていた。【津久井達、藤顕一郎、芝村侑美】

[] 森友交渉記録 理財局が廃棄指示 佐川氏ら処分へ - 毎日新聞(2018年5月24日)

https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00m/040/187000c

http://archive.today/2018.05.24-002328/https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00m/040/187000c

財務省は23日、学校法人森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る学園側との交渉記録を国会に提出し、国会で問題となった昨年2月以降、理財局の一部職員が近畿財務局職員に保管する交渉記録を廃棄するよう指示していたことを明らかにした。関係者によると、複数の財務局職員が同省の調査に「捨てるよう指示を受けた」と証言しているという。当時理財局長だった佐川宣寿国税庁長官の「(交渉記録は)廃棄した」との国会答弁に合わせるためで、虚偽答弁だったことが明白になった。

財務省は、大阪地検の捜査結果を見極めた上で、文書改ざんとあわせた調査結果と職員の処分を公表する。当時の理財局幹部らを懲戒処分とする方針で、すでに退職し国家公務員法上は処分できない佐川氏は懲戒処分相当とする。佐川氏は3月9日に辞職した際、「行政への信頼を損なった」として減給20%、3カ月の懲戒処分を受けたが、追加処分が科される見通しだ。

交渉記録を巡って、佐川氏は昨年2月24日の衆院予算委員会での答弁で「事案が終了したため、廃棄した。記録は残っていない」と断言していた。

財務省によると、交渉記録は財務局職員らが手控えとして保管していた。同省は国会提出に当たり、捜査当局の協力も得てほぼ全てをそろえたといい、記録は全217件、A4判で約960ページに上った。

23日午前、衆参両院の予算委員会に交渉記録と改ざん前の決裁文書を提出した富山一成理財局次長は「国会答弁が事実と異なっていたことについて、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

国有地は、2016年6月、地中に埋まったごみの撤去費用として約8億円を値引きし1億3400万円で学園側に売却された。交渉記録では、首相の妻安倍昭恵氏に関する記述もあった。売却に先立ち財務局側と学園側が貸し付け契約を結んだ後の15年11月、学園側の要請で、昭恵氏付職員の谷査恵子氏が理財局に「安倍総理夫人の知り合いの方から優遇を受けられないかと総理夫人に照会があった」と電話。理財局側は賃料の減免には応じられないとしつつも「現行ルールのなかで最大限配慮をしている」と応じた。また16年3月15日の記録では、学校建設の過程で「新たなごみが見つかった」として、学園の籠池泰典理事長(当時)らが理財局を訪問し昭恵氏の名前を挙げて対応を迫った。

一方、あわせて提出した改ざん前の決裁文書は計14文書で約3000ページに上る。大阪地検から提供を受けたコピーなどをもとに、財務省改ざん前の状態を復元した。【井出晋平、杉本修作】

[] 森友交渉記録 佐川氏答弁後に廃棄 昭恵氏隠し 鮮明に - 東京新聞(2018年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018052490070448.html

https://megalodon.jp/2018-0524-0923-45/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018052490070448.html

学校法人森友学園」を巡る国有地売却問題で、財務省が徹底して政治の関与を隠蔽(いんぺい)しようとしていたことが鮮明になった。同省は二十三日、「残っていない」と説明してきた約九百五十ページに上る交渉記録を国会に提出し、問題が発覚した直後の昨年二月下旬以降、理財局職員の指示で廃棄していたことを明らかにした。昨年二月に安倍首相が「妻(昭恵氏)が関与していたら首相を辞める」とした国会答弁の直後に、約三千ページの決裁文書改ざんと記録の廃棄で、昭恵氏側の関与を隠そうとしたことになる。(桐山純平、白山泉)

大阪地検の協力などで復元した交渉記録は約九百五十ページで、二百十七件に上る。財務省職員が「手控え」として個人のパソコンなどに保管していた。財務省は昨年二月下旬以降、交渉記録を廃棄。決裁文書改ざんも昨年二月下旬から四月に行っていた。いずれも佐川氏の答弁とつじつまを合わせるためだったと説明した。

交渉記録には、昭恵氏の名前が少なくとも九回登場した。このうち、昭恵氏付きの政府職員だった谷査恵子氏が二〇一五年十一月、森友側による国有地の賃料減額の優遇制度について財務省に問い合わせた、と記されている。安倍首相はこれまで谷氏の問い合わせを「自発的」と説明してきたが、記録には「優遇を受けられないかと総理夫人に照会があり、問い合わせた」との記載があった。

森友問題が発覚後の昨年二月十七日の衆院予算委員会で、安倍首相は「私や妻が関係していたなら、首相国会議員も辞める」と強調。野党は記録の提出を求めたが、同月二十四日、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官(当時は理財局長)は衆院予算委で「売買契約の締結をもって、事案は終了した。記録は速やかに廃棄した」と述べた。

野党は合同会合で「誰の指示で廃棄したのか」と財務省を追及。理財局の富山一成次長は「それは人事当局の調査で」と明言しなかったが、同省は今月中にも、文書改ざんや交渉記録の廃棄が行われた原因や責任に関する調査結果を公表する。

財務省は交渉記録のほか、森友学園に関する改ざん前の決裁文書全文(約三千ページ)と、「本省相談メモ」とされる資料も提出した。

◆「昭恵氏知人」の相談受け照会

交渉記録には、昭恵氏付きの政府職員だった谷査恵子氏が二〇一五年十一月、財務省理財局の担当課に、森友学園との土地取引について詳細に問い合わせていた状況が記されていた。

事案の背景として冒頭に「安倍総理夫人が名誉顧問に就任した開校予定の小学校から問い合わせがあった」と記載されていた。昭恵氏は一五年九月に名誉校長に就任し、財務省側は昭恵氏と学園側との関係を知った上で回答していた。

一五年十一月十日にまず谷氏からの連絡を受けたのは、財務省国有財産業務課の職員。谷氏は「安倍総理夫人の知り合いの方が、近畿財務局管内の国有地で、今年五月に定期借地契約を締結し、社会福祉法人同様、(借地料を減額する)優遇を受けられないかと照会があった。学校法人に拡大されるなど、今後の方針について教えていただきたい」と照会していた。

この二日後に、財務省の田村嘉啓国有財産審理室長(当時)が谷氏に電話で「学校施設まで対象とするものではない」と回答。「森友学園に対する国有地の貸し付け・売り払いは、最大限の配慮をして対応しているが、先方が理解してくれない」と話したという。(藤川大樹、岡本太)

[](筆洗) - 東京新聞(2018年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052402000134.html

https://megalodon.jp/2018-0524-0925-32/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052402000134.html

どうしてもなくしたものが見つからない。こういう場合のおまじないに<清水の音羽の滝は尽くるとも失(う)せたるものの出ぬはずはなし>というのがある。若い方にはなじみはないか。これを三べん唱えると、あら不思議、こんなところに…というわけである。

「聖アントニオ、聖アントニオ」。欧米などでは、カトリック聖人アントニオに失せ物発見を祈るのだという。恋愛、縁結びの聖人と聞いた覚えがあるが、失せ物や探し物の聖人でもあったか。なんでも、この聖人、大切にしていた本を何者かに盗まれたが、祈りによって無事戻った、という言い伝えがあるらしい。

<清水の…><聖アントニオ>の国民の祈りが通じたか。森友学園に国有地を破格の安値で売却した問題に絡んで、財務省森友学園側との交渉記録を提出した。野党の求めにも廃棄した、残っていないと、さんざん説明してきた文書も含まれている。で、結局は見つかった。

廃棄したという国会答弁とのつじつま合わせで、廃棄を指示していたとは、情けなさで震えてくる。

「残っていない」ではなく、政権にあだとなる不都合な記録を役所が隠し、国民をだましていたことに他ならぬ。この一件だけで政権が吹っ飛んでも不思議ではない。

さて政権は「清水の…」「聖アントニオ」と三べん唱えるか。見つかるまい。国民の信用という名の、その失せ物は。

[] 森友文書公表 疑惑解明は国会の責務 - 東京新聞(2018年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052402000176.html

https://megalodon.jp/2018-0524-0926-48/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052402000176.html

財務省が公表した学校法人森友学園」との国有地取引をめぐる交渉記録からは国会を欺き続けた重大な隠蔽(いんぺい)行為が浮かび上がる。何を隠そうとしたのか、国会は今度こそ真相解明を果たすべきだ。

「私や妻が関係していたということになれば、首相国会議員も辞める」

安倍晋三首相が二〇一七年二月十七日に国会で発した言葉が、すべての始まりだったとの見方はますます強まったといえる。

今回明らかになった重大な事実は、佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長の「売買契約の締結をもって事案は終了し、記録は速やかに廃棄した」との国会答弁と整合性を図るために、理財局職員が九百五十ページに及ぶ交渉記録を廃棄するよう指示していたことだ。

国有地売買の決裁文書改ざんしたのと同様、答弁とのつじつま合わせのためだったと理財局幹部はこの日、国会に説明した。

問題の核心は、佐川氏の国会答弁が、首相の「辞める発言」を受けて、「記録は残っていない」と急速に強弁に転じた点である。

交渉記録には、首相夫人付きの政府職員だった谷査恵子氏が、学園の要望を受け、「国有地の賃料に優遇が受けられないか」などといった問い合わせを財務省にしていたことが記されていた。

学園との交渉で安倍昭恵氏の関与を深くうかがわせるものではないだろうか。決裁文書改ざんで昭恵氏の名前が削除されていたのと併せ、疑惑はより深まったと思わざるを得ない。

交渉記録は、廃棄が進められたものの、近畿財務局職員個人的に「手控え」として保管していたものもある。いずれにしても財務省国会を一年以上にわたり欺いてきたのである。国権の最高機関、国民の代表をだます行為は、国民全体を愚弄(ぐろう)するに等しい。

加計問題では、安倍首相加計孝太郎理事長と一五年二月に面談したかが焦点となっている。愛媛県職員が学園からの報告として面談記録を文書に残しているにもかかわらず、首相は「会っていない」の一言で一蹴した。

これでは国民の納得はいつまでたっても得られるはずはない。真相解明を妨げているのは、加計氏や昭恵氏らの証人喚問に反対している与党に他ならない。

憲法国会に付与された国政調査権がもはや死蔵された状態のままなのも自公の党利党略のせいである。首相の疑惑解明は与党の責務であると認識を改めるべきだ。

[] 森友文書公開 国民あざむいた罪深さ - 朝日新聞(2018年5月24日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13508012.html

http://archive.today/2018.05.23-232435/https://www.asahi.com/articles/DA3S13508012.html

財務省が、森友学園との国有地の取引をめぐる交渉記録を国会に提出した。辞任した佐川宣寿・前理財局長が、昨年2月に国会で「残っていない」と答弁し、その後も「廃棄した」と繰り返してきた文書だ。

さらに驚くべき事実が明らかになった。財務省の説明によると、同月下旬以降、省内で保管されていた記録を、実際に廃棄していたというのだ。佐川氏の答弁とのつじつまを合わせるためだったという。

文書を隠し、改ざんし、捨てる。組織としてこの問題を闇に葬ろうという、明確な意図があったとみるべきだ。国会、そして国民は、1年以上にわたって財務省に欺かれ、裏切られてきたことになる。

官僚だけの問題ではない。「文書はない」の一点張りで野党の質問をはねつけ、人々の疑問に真摯(しんし)に答えようとしなかった佐川氏を、安倍首相麻生財務相国税庁長官に登用した。国民の知る権利と、立法府行政監視機能を軽んじた点で、首相らの罪も重い。

提出された文書には、3年前の秋、首相の妻昭恵氏付の政府職員から、国有地の貸し付けをめぐって問い合わせを受けたときの応答メモもあった。

職員は「安倍総理夫人の知り合いの方(学園の籠池泰典前理事長)から、総理夫人に照会があり」と説明したうえで、学園が求める優遇措置について財務省の担当課に尋ねていた。

同省は昭恵氏の具体的な関与や、首相への忖度(そんたく)を否定してきたが、昭恵氏と学園とのつながりを認識し得たことを示す記載だ。また、政府職員は「個人」として行動していたに過ぎないとする菅官房長官の従来の説明にも、改めて疑問符がつく。

首相もまた「妻は一切関わっていない」と繰り返している。しかし少なくとも国有地の売却がまとまる以前のこの時期に、昭恵氏が学園と財務省の橋渡しをしたことを、公開資料は物語る。昭恵氏や政府職員国会に呼んで話を聞く必要がある。

財務省は3月から交渉記録の存否を調べてきたというのに、国会の会期末まで1カ月を切ったきのうになって、ようやく公表した。形ばかりの質疑をこなして逃げ切ろうという思惑があるとしたら、到底許されない。

官僚たちは、何のため、だれのために、事実と異なる答弁をし、文書改ざん・廃棄までしたのか。そもそもなぜ学園に有利な取り計らいをしたのか。

それを明らかにしない限り、国政に対する国民の不信をぬぐうことはできない。

[] 首相面会の解明 加計氏の喚問が必要だ - 東京新聞(2018年5月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052302000152.html

http://archive.today/2018.05.23-072538/http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052302000152.html

加計孝太郎・加計学園理事長が安倍晋三首相と二〇一五年二月に面会し、獣医学部新設計画を説明したとする文書が残っていた。首相答弁とは矛盾する。事実解明には加計氏らの証人喚問が必要だ。

参院予算委員会に提出された愛媛県作成の文書によると、加計学園は一五年三月の同県との打ち合わせの際、同年二月二十五日に加計氏が首相と十五分程度面談し、加計氏が「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指す」ことなどを説明、首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあった、と伝えていた。

首相はこれまで加計学園獣医学部新設計画を初めて知ったのは一七年一月二十日だったと、国会などで答弁してきた。文書の内容は首相答弁と明らかに矛盾する。

この文書の記述が正しいという前提に立てば、首相国会で虚偽の答弁を繰り返したことになる。国権の最高機関に対する冒涜(ぼうとく)にほかならず、看過できない

首相はきのう、愛媛県文書の内容について「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない。念のために官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と否定した。

しかし、首相加計氏との面会記録を確認できなかったのは、首相官邸への入邸記録が「業務終了後速やかに廃棄される取り扱いとなっている」(菅義偉官房長官)ためであり、面会を否定する根拠とするには無理がある。

指摘された二月二十五日以外や首相官邸ではなく私邸など、ほかの場所で加計氏と面会したことはなかったのか、疑問は残る。

愛媛県文書によると、首相加計氏との面会後、一五年四月二日に学園側と会った柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が「総理案件になっている」と発言するなど、学部新設の動きが加速した。公平・公正であるべき行政判断が、首相の影響力で歪(ゆが)められたことになる。

愛媛県文書首相答弁のどちらが正しいのかは、政権信頼性安倍内閣の存立に関わる重要な問題だ。その真偽を確かめるには、加計氏や柳瀬氏らの証人喚問が必要であり、中村時広県知事愛媛県今治市の関係者の参考人招致も検討すべきだろう。

与党側は加計氏らの証人喚問や中村知事らの参考人招致を拒否してきたが、この問題を解明できなければ、国会存在意義が問われるという危機意識が希薄ではないのか。与野党を超え、国政調査権を果敢に行使すべき局面である。

[](余録)「焼いてしまおうか」と英国首相チャーチル… - 毎日新聞(2018年5月24日)

https://mainichi.jp/articles/20180524/ddm/001/070/150000c

http://archive.today/2018.05.24-002912/https://mainichi.jp/articles/20180524/ddm/001/070/150000c

「焼いてしまおうか」と英国首相チャーチル。「取っておけばいい」。ソ連首相スターリンが答えた。卓上の紙にはチャーチル手書きの東欧分割案とスターリンの同意を示すチェックマークが記されていた。

第二次大戦後の東西両陣営の勢力範囲をめぐる1944年秋の会談である。東欧諸国民の戦後の運命を決めたメモ書きを今誰もが見られるのは英公文書館が保管しているからだ小林恭子(こばやし・ぎんこ)著「英国公文書世界史中公新書ラクレ

さすがのチャーチルも後ろめたかったようだが、歴史の真実はメモ1枚の形で後世に残された。こちらも後ろめたさからなのか。すでに「廃棄した」と答弁し、その答弁に合わせて実際に廃棄を進めた記録約1000ページの出現である。

むろん改ざん前の決裁文書約3000ページと共に国会に提出された財務省森友学園との交渉記録のことだ。提出にあたり財務省は、国会答弁とつじつまを合わせるため文書改ざんばかりか、記録の廃棄まで行ったことを明らかにした。

提出した文書職員が手控えに保存していたもので、記録廃棄のいきさつは改めて調査して報告するという。文書には首相の妻安倍昭恵(あべ・あきえ)氏付の政府職員が理財局に土地貸付料の優遇措置について問い合わせた記録などが含まれていた。

もともとウソを許さぬための公文書を、ウソに合わせて改ざん・廃棄した近代国家のオキテ破りはどんな組織病理がもたらしたのか。財務省という国家中枢を腐らせたものの正体は今こそ見極めねばならない。

[] 森友記録と自衛隊日報 うそと隠蔽の罪は大きい - 毎日新聞(2018年5月24日)

https://mainichi.jp/articles/20180524/ddm/005/070/068000c

http://archive.today/2018.05.24-003024/https://mainichi.jp/articles/20180524/ddm/005/070/068000c

財務省がきのう、森友学園との国有地取引に関する交渉記録などを明らかにする一方、防衛省陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報をめぐる問題の調査結果を公表した。

そもそも二つの重要発表を同じ日に設定したこと自体が、国民の理解を得ようという姿勢ではない。膨大な情報を一度に公表することで、個々の報道を減らし、国民の関心をそらす意図があるとしか思えない。

公文書は何のためにあるのか。いずれも政府側が理解していない実態を改めて示したと言えるだろう。

森友学園との交渉記録について、財務省佐川宣寿前理財局長は昨年の国会で「残っていない」と再三答弁してきた。

ところが存在していることが報道されて国会が調査を要求。これを受けて同省は今回、職員個人の「手控え」などの形で残っていたことが分かって公表したと説明している。

財務省は森友問題に関する決裁文書改ざんに手を染めた。しかも驚くことに今回、佐川氏の答弁に合わせるため、改ざんと同時に交渉記録の廃棄も進めていたことが分かった。この隠蔽(いんぺい)工作は誰の指示だったのか。さらに調査が必要だ。

国会に提出したのは、この交渉記録と改ざん前の決裁文書、近畿財務局が本省に相談した際の「本省相談メモ」で計約4000ページに及ぶ。

相談メモには、安倍晋三首相の妻昭恵氏付の政府職員だった谷査恵子氏が2015年秋、財務省理財局の担当課に対し、学園への土地貸付料について優遇措置が受けられるかどうか可能性を問い合わせたとする記述もあった。

今後も文書を精査し、国会で真相を解明していくのは当然だ。

一方、防衛省は存在しないとしていたイラク派遣部隊の日報が見つかった問題について、「組織的隠蔽はなかった」と結論づけた。

情報が省内の一部にとどまっていたのは担当者の認識不足などが原因だったという。だとすれば、個人の認識不足でこれだけ公表が遅れた点に組織上の問題があろう。

両省とも隠さず情報を出していれば、国会審議は違った展開となっただろう。国民世論も変わっていた可能性がある。うそと隠蔽安倍政権の罪は極めて重い。

[] イラク日報 情報隠しの悪弊を断て - 朝日新聞(2018年5月24日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13508013.html

http://archive.today/2018.05.24-003308/https://www.asahi.com/articles/DA3S13508013.html

「ない」とされた陸上自衛隊イラク派遣時の日報が見つかった問題で、防衛省がきのう、調査結果を国会に報告した。

最大の焦点は、昨年3月に陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)で日報が見つかったのに1年近く、大臣らに報告がなかったことの経緯である。

防衛省自衛隊隠蔽(いんぺい)体質の根深さや、政治が軍事に優先するシビリアンコントロール文民統制)の不全を強く印象づけた不祥事だ。

イラク日報は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報をめぐる特別防衛監察のさなかに、研究本部の教訓課長が発見し、上司の総合研究部長に報告した。調査結果によると、両氏はともに、日報を探すようにという、当時の稲田防衛相の「指示」を認識しておらず、南スーダン以外は報告する必要がないと判断したという。

防衛省組織的隠蔽は認められなかったとしており、事務次官以下17人の多くは比較的、軽い処分にとどまった。

むしろ調査結果から浮き彫りになったのは、あまりにずさんな文書管理と、情報公開に後ろ向きな姿勢である。

日報の公開請求を受けた教訓課の文書公開担当者は十分に調べもせず、日報の存在を知っていた課長に相談・報告することもなく、「ない」と回答した。情報開示に向き合う意識の低さは信じがたい。

小野寺防衛相は再発防止策として、大臣の指示・命令を履行する体制の強化や、行政文書管理・情報公開のチェック体制強化などを発表した。これを、情報隠しを一掃する契機とできるか、その覚悟が問われる。

防衛省自衛隊の意識改革が急務だ。正しい情報がなければ政治家も国民も政策の是非を判断しようがない。情報隠しは文民統制の基礎を掘り崩すことを忘れてはならない。

イラク日報で公開されたのは2004〜06年の派遣期間全体の半分以下にとどまっている。まだ明らかになっていない関連文書も残っているはずだ。

当時の小泉首相はじめ、政府自衛隊の活動範囲を「非戦闘地域」と説明してきたが、その実態はどうだったのか。イラクから帰国後、在職中に自殺した隊員は15年時点で29人にのぼる。イラク派遣の闇は、なお残されたままである。

日報に限らず、当時の記録をできる限り公開し、自衛隊初の「戦地派遣」の実相を徹底的に検証する必要がある。そのためにもまず、情報隠しの悪弊を断ち切らねばならない。

[] 検証不十分 全容解明遠く あいまいな「指示」稲田氏に聴取せず - 東京新聞(2018年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018052402000141.html

https://megalodon.jp/2018-0524-0932-46/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018052402000141.html

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防衛省がまとめたイラク日報問題の報告書は、陸上自衛隊研究本部(当時)の意図的な隠蔽を否定したものの、当時の稲田朋美防衛相の「指示」がなぜあいまいだったのか、日報の存在が判明後になぜ小野寺五典(いつのり)防衛相への報告が遅れたのかなどの検証は不十分だった。

イラク日報が陸自研究本部で見つかったのは、南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報の隠蔽問題を巡って、防衛省国会で厳しい批判を浴びていた昨年三月。同二月の稲田氏の「指示」が明確だったら、報告された可能性があった。イラク日報の発覚でさらなる問題を避けたかったためにあいまいにしていたのでは、との見方もある中、今回の調査では稲田氏に聴取はしていない。

稲田氏の「指示」を陸上幕僚監部などに送ったメールもあいまいだったが、その理由について、報告書は「当時、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の対応で疲弊し、つたない文面となった」との担当者の釈明を記載しただけ。どこまで統幕が本気で捜そうとしたのかを追及していない。

また、今年一月に研究本部が陸幕に日報保有を報告後、二月末には統幕が把握したのに、三月末まで小野寺防衛相に知らされなかった問題も消化不良だった。「内容を精査していた」「漏れがないか再確認」などの作業をしていたのが理由だったとされたが、予算案審議などへの影響を意識したのかなど、意図的な遅れの可能性の検証は盛り込まれなかった。

国会対応などへの懸念が影響した可能性をどこまで調べたかについて、防衛省担当者は「聞き取り内容は具体的に答えかねる」とにごした。

自衛隊日報問題に詳しいジャーナリスト布施祐仁(ゆうじん)さんは「報告書は南スーダン日報問題とのつじつま合わせの可能性などを掘り下げておらず不十分。情報公開請求に捜しもせず『ない』と答えた担当者についても個人としてだけの問題ではない。日報は開示しないもの、と扱ってきた長年の組織の対応が背景にあるだろう。そうした点の検証が必要だ」と話す。 (原昌志)

[](放送芸能)向き合う過去 友情の行方 瀬々敬久監督 映画「友罪」あす公開 - 東京新聞(2018年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2018052402000198.html

https://megalodon.jp/2018-0524-0934-00/www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2018052402000198.html

もし、心を許した友があの「少年A」だったら−。二人の男が出会い、それぞれの過去と向き合うヒューマンサスペンス「友罪(ゆうざい)」が二十五日、公開される。原作は薬丸岳(やくまるがく)の同名小説。瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督(58)は「友達が事件の加害者だったらどうするかという問いが出発点の作品。だけど、誰しも罪を犯している可能性があるという視点からも見てほしい」と語る。 (猪飼なつみ)

物語はフィクションだが、鈴木(瑛太)が過去に犯した罪は、一九九七年の神戸連続児童殺傷事件をモチーフにしている。事件から十七年後、元ジャーナリストの益田(生田斗真)は、同じ寮に暮らす鈴木が元少年Aとは知らずに、次第に友情を育んでいく。

瀬々監督は原作の中で、鈴木が人知れず暗い過去を抱える益田に「罪を聞かせてほしい」と言う場面が印象深かったという。「普通は一般の人が事件の加害者に問いたいことですよね。でも、犯罪者ではなかったとしても、人を傷つけていることはあり得る。この作品は、鈴木と益田の罪を同じくらいの重さで捉えているところがあって興味深かった」。二人以外の登場人物にも、それぞれの「罪」が描かれる。

他人との関わりをかたくなに拒む元少年Aという難役を瑛太と話し合いながら作っていった。「暗中模索でしたが、瑛太君は、鈴木は人から理解できない部分がなければならないと決めていた。だから、どう解釈したらいいか分からない表情が随所に出ている」

親しくなった二人を象徴するのが、益田が鈴木を飲みに誘う場面。「ささやかだけど、二人にとって宝物のような一瞬。罪を抱えて生きる人も、その瞬間が救いになると思った」

一方で「その幸せを感じられるなら、鈴木は被害者のその瞬間を奪ってしまった重大さも理解できるはず」。それが「友罪」という題名につながると感じ、ラストの鈴木の複雑な表情の中に、両方の意味を込めるよう瑛太要求したという。

これまで「64−ロクヨン−」(二〇一六年)など、事件を題材にした映画を多く製作してきた瀬々監督。その理由を「僕らの周りには常に事件があるし、どうしてこんなことが起こったのかを知りたい。それは、人の生死の謎につながり、僕は製作しながらその謎を追究していくのが好きなんだと思う」と語った。

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[]<金口木舌>家族 - 琉球新報(2018年5月24日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-724736.html

http://archive.today/2018.05.24-003532/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-724736.html

カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールに選ばれた。先立つ公式上演では約9分にわたりスタンディングオベーションがあった

▼描かれたのは、万引を「稼業」として生活していく5人の“家族”の物語。血のつながりなど家族の在り方を考えさせられる

▼19日から東京で上映が始まった「まぶいぐみ〜ニューカレドニア引き裂かれた移民史」もまた家族の形を追求した作品だ。明治時代に南洋のニューカレドニアに渡った沖縄移民の歴史と、戦争で離散させられた家族がルーツを探る姿を追う

ニッケル鉱山で働き、現地の女性と結婚して子どもも生まれた。だが、第2次世界大戦で敵性外国人として拘束され、そのまま沖縄へと強制送還される。残された妻は「敵性外国人の妻」のレッテルを恐れて子らにすら沈黙を続けた

ニューカレドニアには沖縄だけでなく日本全国から移民が渡った。「まぶいぐみ」は沖縄に限った話ではない。プロデューサー末吉真也さんは「戦争では、国の権力が目に見えない、か弱いところに覆いかぶさっていく」と指摘し、現代の政治のありようにも言及する

▼60年の時を経てつながる家族もある。血はつながってなくても本当の家族以上の家族もある。「まぶいぐみ」も「万引き家族」も、家族とは何か、血とは何かを問い掛けている。

「まぶいぐみ〜ニューカレドニア引き裂かれた移民史」公式サイト

https://mabuigumi.com/

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2018-05-23

[][]7原発12基に腐食や穴 規制委が中央制御室のダクト全国調査 - 中国新聞(2018年5月23日)

http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=434395&comment_sub_id=0&category_id=256

https://megalodon.jp/2018-0523-1507-25/www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=434395&comment_sub_id=0&category_id=256

原子力規制委員会は23日、中国電力島根原発2号機(松江市)の中央制御室の空調換気系ダクトで2016年12月に腐食による複数の穴が見つかった問題を受け、全国の原子力事業者に昨年1月に指示した調査の取りまとめ結果を公表した。島根2号機を除き、7原発12基でダクトに腐食や穴が確認された。

腐食などが確認されたのは東北電力女川3号機(宮城県)、日本原子力発電東海第2(茨城県)、東京電力福島第1の6号機と柏崎刈羽3、4、6、7号機(新潟県)、中部電力浜岡3〜5号機(静岡県)、北陸電力志賀1号機(石川県)、中国電力島根1号機(松江市)。

このうち柏崎刈羽3号機は腐食が大きく、中央制御室の性能に異常がある可能性がある。同7号機の影響も確認する。他の10基では性能異常はないという。

穴が開いていると、原発事故時に放射性物質が中央制御室に流入し、作業員が被曝(ひばく)する恐れがある。

[] 県新文書、中村知事職員 改ざん不必要」 - 愛媛新聞ONLINE(2018年5月23日)

https://www.ehime-np.co.jp/article/news201805230048

http://archive.today/2018.05.23-045056/https://www.ehime-np.co.jp/article/news201805230048

学校法人加計学園加計孝太郎理事長と安倍晋三首相が2015年2月に面会したとする愛媛県の内部文書を巡り、双方が面会を否定したことを受け、中村時広愛媛県知事は22日、訪問先の高知市取材に応じ「職員文書改ざんする必要はない」と述べ、改めて内容に間違いがないと強調した。

県が21日に参院予算委員会に提出した文書は、今治市加計学園とのやりとりをまとめた備忘録を含む計29枚。面会に関しては15年3月3日に行った学園関係者との打ち合わせでの伝聞として記載されている。

中村知事は「職員が3年前のことをすぐに文書で作れるはずがなく、聞いたことをありのままメモした」とする一方、学園側が虚偽の説明をした可能性はあるかもしれないとした。

[](政界地獄耳)日大の対応が政府官僚の弁明とダブる - 日刊スポーツ(2018年5月23日9時2分)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805230000154.html

http://archive.today/2018.05.23-013911/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805230000154.html

★悪質なタックルは悪質な命令で行われた。それをしないことも出来たのに、自分はやってしまった。その責任は自分にあるとした日大アメフト部の学生は最近の国家公務員謝罪などとは全く違い、真摯(しんし)なものだった。彼の会見での発言は、彼がまだ経験しない日本のサラリーマン公務員たちに与えた衝撃は大きい。理不尽なことを要求されてそれを断る勇気は彼にはなかったが、世間の注目を浴び幾多のフラッシュをたかれた学生はメディアの質問にも丁寧に答えた。

★日大も守ってくれない。周りの大人に見捨てられた孤立無援の学生は、霞が関で正直に答えたばかりに孤立無援の戦いを続ける前文科事務次官・前川喜平をほうふつとさせる。正直な告白に「証拠はあるのか」「悪魔の証明はできない」「勝手にやったこと」「犯罪とは言えない」「全く問題ない」との反撃や答えに慣れてしまった国民には学生の行ったことは決して許されないものの、立派に謝罪した学生にむしろすがすがしさすら感じたのではないか。チームにはチームの理屈がある。まさに内部の論理の強さに対して社会では通用しない独自のルール。トップの尻拭いをこの学生がしていると感じたのは今の国会の状況と重なるからだ。

アメフト部の監督、コーチは表に出てしっかり説明することなく、辞任で体裁を整えたつもりだろうが、代わりにテレビ中継で謝罪したのは学生1人だった。元首相秘書官や前国税庁長官のうんざりするような弁明と、日大中枢の対応がダブって見える。近畿財務局では関係者の死人が出ていても司直は動いてくれない。学生の謝罪に正義の居場所を見ながら、学校経営者加計孝太郎がこの1年余りの騒動で1度も発言しないでいることを許していることを恥ずかしく感じる。今度は大人が答える番だろう。(K)※敬称略

[]「反則 監督らの指示」 アメフット日大選手、謝罪 - 東京新聞(2018年5月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201805/CK2018052302000149.html

https://megalodon.jp/2018-0523-1009-26/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201805/CK2018052302000149.html

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アメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為で関西学院大の選手を負傷させた日本大三年の宮川泰介選手(20)が二十二日、東京都内の日本記者クラブで会見し、危険なタックルについて内田正人前監督(十九日付で辞任届受理)と井上奨(つとむ)コーチの指示があったと説明した。宮川選手は「償いの一歩として、真実を話さなければならない」と述べた。 (木原育子)

宮川選手は会見冒頭で、関学大の選手や関係者に謝罪。経緯について、内田前監督から「やる気が足りない」と指摘され、実戦練習から外されていた今月五日、井上コーチから「相手のクオーターバック(QB)を一プレー目でつぶせば(試合に)出してやると(監督から)言われた」と伝えられたことを明かした。

試合当日の六日、井上コーチの指示に従い「相手のQBをつぶしにいくんで使ってください」と内田前監督に伝え、「やらなきゃ意味ないよ」と言われたと説明。「つぶせ」との指示について、「ケガをさせろという意味でしか捉えられなかった」と振り返った。

騒動が大きくなり、父親が「個人的にでも相手の選手、家族に謝りに行きたい」と監督、コーチに申し入れたが、「今はやめてほしい」と言われたことも説明。危険なプレーについて、監督、コーチの指示だったと公表するよう求めたが、拒まれたとも明かした。

会見を受け、日大広報部はコメントを発表し、コーチから「QBをつぶせ」という指示があったことは認めた。ただ、ゲーム前によく使う言葉で「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味との見解を示した。

十五日に関学大側に提出した回答書では、「指導者による指導と、選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きていた」と説明し、監督による指示を明確に否定していた。内田前監督は十九日、「全て私の責任」と辞任を表明したが、指示の有無については明らかにしなかった。大阪府警に提出された被害届は二十二日に警視庁調布署に移送されたことが分かった。警視庁傷害容疑を視野に捜査する。

[](筆洗)やくざ映画の言葉 - 東京新聞(2018年5月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052302000150.html

https://megalodon.jp/2018-0523-1010-26/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052302000150.html

斬られ役、殺され役から俳優としての地位を築いた川谷拓三さんに女優の梶芽衣子さんが、こんな質問をしたそうだ。「生まれ変わっても俳優をやりますか」

答えがふるっている。生まれ変わったときは「それはもう監督でんがな。それで深作を役者で使う」。深作とはもちろん「仁義なき戦い」などの深作欣二監督。川谷さんは深作さんお気に入りの俳優だったが、撮影では相当にしごかれたようで、お返しに役者として使いたいと。

半ば冗談であり、自分を厳しく育ててくれた深作さんへの愛情も感じられる言葉だが、この監督・コーチと選手の関係はどうだっただろうか。日大アメリカンフットボール部の悪質な反則行為。危険なタックルをした日大選手の昨日の記者会見からは監督・コーチがその選手に反則プレーをするように仕向けた過程が浮かんでくる。

「(相手を)つぶすんなら試合に出してやる」「できませんでしたではすまないぞ」「(相手が)けがをする方が得」

コーチの言葉にさむけがする。スポーツや大学とはあまりにかけ離れた冷酷な言葉。それは親分の指示で悪事をいとわぬ「鉄砲玉」の役で川谷さんが昔よく出演していた、やくざ映画の言葉であろう。

せめてもの救いはこの選手が反省し、事実関係を話す気になったことか。だが、生まれ変わったとしても、その大学のアメフット選手を選ぶまい。

[](余録)是枝裕和監督の「万引き家族」は… - 毎日新聞(2018年5月23日)

https://mainichi.jp/articles/20180523/ddm/001/070/045000c

http://archive.today/2018.05.23-011158/https://mainichi.jp/articles/20180523/ddm/001/070/045000c

是枝裕和(これえだ・ひろかず)監督の「万引き家族」はカンヌ映画祭で「MANBIKI KAZOKU」のタイトルだったから、「マンビキ」は国際語になるかもしれない。過去にベネチア映画祭黒澤明(くろさわ・あきら)監督の「羅(ら)生(しょう)門(もん)」の例がある。

ラショーモン・エフェクトは、一つの出来事をめぐり矛盾する見方が併存する現象を指す国際的な心理学社会学用語という。むろん一つの殺人に四つの異なる証言がなされる映画に由来する。原作は芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)の小説「藪(やぶ)の中」だ。

「真相はやぶの中」のたとえの方が日本人にはなじみ深いだろう。世の中には自分の支配下にある「やぶ」を利用して立場を守ろうとする人々がいる。たとえば、アメフットの試合の悪質なタックルをめぐる指導者の責任問題である。

何とも痛々しい空気のなかで行われた当の日大の選手の記者会見だった。当人は危険行為への責任を認めて謝罪しつつ、相手選手への害意のあったこと、それが監督・コーチらの指示と圧力にもとづくものだったのを赤裸々(せきらら)に語った。

日大の監督は辞任しながらも反則のいきさつには口をつぐみ、大学の常務理事にとどまっている。今回の選手の告白によって真相を覆い隠してきた「やぶ」はだいぶ小さくはなったが、この先は警察の捜査に委ねられるしかないのか。

どんな証言や文書がでてこようと真相をうやむやにする“力(ちから)業(わざ)”といえば、最近別のところでもあったような……。この国の言葉にもとづく相互信頼を根底から壊していく権力者の「やぶ」である。

[][](大弦小弦)タイトルには少々どきっとさせられる… - 沖縄タイムズ(2018年5月23日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/256013

https://megalodon.jp/2018-0523-1014-38/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/256013

タイトルには少々どきっとさせられる。第71回カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」。善悪が入り交じるような雰囲気が興味を引く

▼都会の片隅で、祖母の年金を頼りに暮らす「家族」の物語という。足りない分は万引生計をつなぐ一家の日常。是枝監督の大きなテーマは「目をそむけてしまいがちの人々をどう可視化するか」だ

▼これまでもさまざまな家族の形を描いている。1988年に起きた巣鴨子ども置き去り事件を題材にした「誰も知らない」(2004年)は、育児放棄によって、社会に気付かれない子どもたちの姿を描いた

▼衝撃的な内容だが、映画化で社会に潜む問題を突きつけられた。だが、虐待の実態は後を絶たない。明らかなのは日常には気付きにくく、見えづらい問題が隣り合わせていること。気付いても目をそらしたくなる現実があること

▼「万引き家族」の製作も、年金不正受給事件がきっかけだったという。ただ、「裁く」ことだけに目を向けず、いびつながらも肩を寄せ合う家族のあり方や格差、貧困問題など社会全体を問う

▼是枝監督は映画のメッセージは「受け取る側が決めることなんじゃないかと思う」と言う。最高賞作品が映し出すのは、紛れもなく私たちが暮らす場所。直視することで家族の意味を考えたい。(赤嶺由紀子)

[]「残業代ゼロ」 議論尽くされていない - 東京新聞(2018年5月23日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052302000151.html

https://megalodon.jp/2018-0523-1012-23/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018052302000151.html

残業代ゼロ」との批判のある高度プロフェッショナル制度高プロ)を含む関連法案衆院通過の勢いだ。修正が検討されているが、過重労働への懸念が消えない。やはり法案から削除すべきだ。

「働き方」関連法案は、安倍内閣が最重要法案と位置付ける。それだけに政府与党国会審議は結論ありきで進められてきた。納得できる審議ではない。

自民公明両党は法案処理を加速させるため強気の国会運営も辞さない構えだが、働く人の命にかかわる法案だ。拙速な採決は慎むべきである。

高プロ法案の柱のひとつである。年収の高い専門職労働時間の規制から外す全く新しい働き方だ。議論して詰める課題は多い。

与党日本維新の会希望の党高プロ適用を受けた労働者が自らの意思で解除できる規定を新たに盛り込むことで合意した。

高プロ適用には働く本人の同意が必要だが、そもそも経営者と比べ立場が弱い労働者は求められれば同意させられる懸念がある。それを本人の意思で解除することはさらに難しいのではないか。

国会審議で問題になっているのは、長時間労働規制の枠から外す働き方になれば際限なく働くことになるという不安だ。野党が「働かせ放題」と批判する点はここにある。労働時間把握がされないと労災認定もされにくくなるとの指摘もある。

政府は、時間も含め仕事の進め方を自ら決められる裁量のある人の働き方だと言う。だが、多くの人に仕事量を自分で決められる裁量権はないことが実情である。

国会審議で加藤勝信厚生労働相は、高プロにもニーズがあると説明したが、そのヒアリング対象となった労働者は十数人だけだったと認めた。裁量労働制を巡る厚労省のずさんな調査といい、議論の前提となる情報も十分に提供されていない。

一方で、非正規雇用の待遇改善を進める「同一労働同一賃金」に関する議論は低調だ。

国会開会中にも、裁量制で働く二十代男性が過労死認定されていたことが分かった。長時間労働をさせる温床になっていないか。裁量制は法案から削除されたが過労死が起きている。働く人の健康をどう守るのかは今国会議論すべき課題だろう。

論点の多い八本もの法案を一括提案した政府の責任も重い。

とても議論が尽くされたとは言えない。

[] 加計文書 首相答弁の根幹に疑義 - 朝日新聞(2018年5月23日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13506259.html

http://archive.today/2018.05.23-011354/https://www.asahi.com/articles/DA3S13506259.html

安倍首相国会答弁の信憑(しんぴょう)性にかかわる重大事態だ。

加計学園の問題をめぐり愛媛県が新たに国会に提出した一連の文書の中に、首相加計孝太郎理事長が2015年2月25日に面会し、獣医学部新設についてやりとりを交わしていたと記録されていた。

首相はこれまで、学部新設を知ったのは、正式に決まった17年1月だと繰り返してきた。県の文書が事実なら、その2年前から知っていたというにとどまらない。「加計氏と獣医学部の話をしたことはない」という説明も偽りだったことになる。

首相はきのう、「ご指摘の日に加計氏と会ったことはない」と真っ向から否定した。ただ、官邸への出入りの記録は残っていないという。新聞が報じる首相の動静も、記者が確認できたものに限られる。気づかれずに会う手段はある。会っていない根拠の提示は全く不十分だ。

文書には、学園関係者からの報告として、国際水準の獣医学教育を目指すという加計氏の説明に、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたとある。首相も学園もともに、面会の事実を否定しているが、リスクを冒して虚偽のやりとりを書き留める動機が県職員にあるとは思えない。

県の文書の中には、首相との面会に先立ち、学園関係者が、当時、官房副長官だった加藤勝信厚生労働相と会った記録もあった。加藤氏はこの面会を認めており、文書の正しさの一端を示したとも言えよう。

これらの文書は、国政調査権に基づき、与野党が一致して県に提出を求めたものだ。自らの主張を言いっ放しにするだけでは、行政府の長として、不誠実というほかない。国民の納得が得られるよう、国会できちんと説明をしなければいけない。

一連の文書からは、競合する新潟市などに対抗するため、学園が政権への働きかけを強め、首相加計氏の面会後に計画が加速化したという流れが見て取れる。

ますます深まる「加計ありき」の疑念を晴らすことができなければ、首相政権運営に国民の信任は得られないだろう。

国会も問われる。立法府の求めに応じた県の文書を最大限生かし、行政への監視機能を発揮すべき時だ。

まずは、面会の当事者とされる加計氏、そして、官邸と学園側の接点となった柳瀬唯夫元首相秘書官証人喚問を早期に実施しなければならない。愛媛県中村時広知事にも、参考人として説明を求めるべきだ。

[] 社会保障推計 給付と負担の再構築を - 朝日新聞(2018年5月23日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13506260.html

http://archive.today/2018.05.23-011644/https://www.asahi.com/articles/DA3S13506260.html

年金医療介護などの社会保障給付費が2040年度に今の1・6倍の190兆円に達し、国内総生産(GDP)に対する比率は24%まで上昇する。政府がそんな推計を出した。

消費増税を決めた12年の「税と社会保障の一体改革」の際に、団塊の世代が全て75歳以上になる25年度までの社会保障の姿を示したが、その先は展望してこなかった。実は65歳以上の人口は25年度以降も増え、現役世代は減る。消費税率を10%まで引き上げれば制度はもう安心、という状況ではない。

今回の推計は、厳しい現実を直視する一歩だ。社会保障の給付と負担のあり方の再構築につなげなければならない。

高齢者人口がピークを迎える40年代に向けた「ポスト一体改革」の議論の必要性は、以前から指摘されていた。ところが安倍首相の2度にわたる消費増税延期で、「消費税を10%にするのが先決」と封印されてきた。

今回の推計は、そうした議論の出発点になり得る。

だが、来年の統一地方選参院選をにらみ、与党内には負担増を口にするのを避ける空気が広がる。近く決定する骨太の方針にも、新たな財政再建目標のもとで社会保障費をどの程度まで抑えるのか、具体的な数値目標は書き込まない方向という。

社会保障の改革は中長期のテーマだとして、またも議論を先送りする口実に、今回の推計が使われるようなことがあってはならない。

今回示された給付費は、今の制度や、医療介護計画をもとに割り出したものだ。これを賄うために税金保険料の負担を増やすのか、それとも給付の伸びをもっと抑える方策を考えるのか。検討が必要だ。

医療介護の改革では、原則1割になっている75歳以上の医療費介護保険の利用者負担を2割に引き上げる、軽度の医療や要介護度の軽い人向けのサービスを保険の対象から外すなどの改革が、すでに政府審議会などで取りざたされている。実際にどこまで踏み込むのか。それによって税金保険料の負担はどう変わるのか。負担と給付の全体像、選択肢を分かりやすく示すことが不可欠だ。

推計は、医療介護現場の深刻な担い手不足も浮き彫りにした。人材確保のための処遇改善にも財源が必要だ。制度を支える働き手を増やすため、高齢者や女性が働きやすい環境を整える方策も進めねばならない。

合意の形成には時間がかかる。社会保障議論からこれ以上逃げている余裕はない。

[]<金口木舌>通じなかった「生め」の願い - 琉球新報(2018年5月23日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-723994.html

http://archive.today/2018.05.23-011843/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-723994.html

ハンセン病患者の苦悶(くもん)を描いた小説「いのちの初夜」で知られる小説家北條民雄に「癩(らい)院受胎」という作品がある。身ごもった女性とその兄、女性の恋人が登場する。3人ともハンセン病患者である

▼苦悩の末、恋人は自死を遂げる。「この児が、この児が…」と悲嘆に暮れる身重の妹に向かって、兄は「生め!」「新しい生命が一匹この地上に飛び出すんじゃないか、生んで良いとも」と諭す

▼北條は10代の終わりにハンセン病発症した。「死を思わない日は一日もない」という絶望と向き合いながら書かれた作品には、病に苦しみながら生きる意味を問う人物が出てくる。それは北條自身の姿であり、「生んで良いとも」は彼の思いでもあっただろう

▼全国各地のハンセン病療養所では1950年代まで断種や堕胎があったとされる。日本国憲法下で続いた重大な人権侵害だった。「生んで良いとも」という願いは通じなかった。それは米統治下の沖縄も同様であった

▼本紙連載「みるく世向かてぃ」は、沖縄ハンセン病患者の体験をつづった。子を生み育てる夢を断たれた患者がいた。生きながらえるはずの命が消えた。あまりの痛ましさに言葉を失う

▼患者への差別が払拭(ふっしょく)されたとは言い難い。多くの回復者と家族は今も口を閉ざしている。ハンセン病家族訴訟差別の根深さを問い掛けている。その意味は重い。